起きたら伝説の正妃様になっていた件

伯王

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プロローグ 2 (異世界に帰る)

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 「死後の世界?」

 《そうだよー。 ここは、精神とか魂と呼ばれるものが死んだ後集まるところさぁ!》
 
 ただ真っ白な空間が見渡す限り続く不思議な場所に不思議な声だけが響く。
 僕の声は、全く出ていないのに僕の考えを読んでいるように声が答えてくれる。

 「心を読んでいる?  この声の主は、どこにいて、誰だ?」

 《クスクス。 ちょっと混乱しているね。 落ち着いて、君を傷つける気はないよ。
  君の読み通りだ。
 我は、心を読んでいるし、 我は君を包むこの空間そのものだよ。
  そして、我は君達が神様と呼ぶものだ》

 「か、神様?」

 《そうだよ。 凄いでしょう? エッヘン!!》

 「なんか思っていたより子供ぽい?」

 《なんだとーーー!!》

 「ご、ごめんなさい」

 失言じゃなくて失心(心の中で神様に失礼したことの略)をしてしまい、慌てて謝る。
 
《まー確かに我は神様の中では若い部類に入るが偉いんだぞ》

 「はい、わかりました。
 それで、僕は死んだんですよね、これからどうすればいいんですか?」

 《うむ!  そなたは、間違いなく死んだ。
 この後は、普通なら生前の罪により天国行きかまたは、地獄行きになる。 そして、輪廻の輪に乗りまた現世に生まれ落ちる。 
 しかし、そなたは別だ。
 そなたは、異界の住人だからな!》

 「異界の住人?」

 《そうだ。 世界には、沢山の神がおり、それぞれが各々の世界を管理している。
 ここまでは、わかるか?》

 「はい!」

《宜しい! 良い返事だ。 続けるぞ?
 それでだな我は、君が住んでいた日本と呼ばれる国があった世界とは、別の次元にある世界を管理している神なのだが、君は本来我の世界の住民なのだ。
 色々な事故のようなものが重なり、この世界で転生している君を見つけて、死んでしまった君の魂を回収しにきたのだよ》

 「色々な事故?」

 《ギック!  う! そうだ、事故だ事故!》

 神様の偉そうな態度が変化したのを僕は感じた。

「姿は、見えないけれど今、いい淀みましたね? 何か隠してませんか?」

《う~~! はぁーー。仕方ない真相を詳しく話そう》


 神様が話てくれたのは、半分愚痴のようなものと、僕が日本に生まれてきたワケだった。

 話はこうだ、神様の世界ではこの子供ぽい神様が一番偉くてその下に四元素を司どる聖霊王がいて、その下に精霊やら妖精やら仙人などがいるのだが、皆上司である神様に恭しく接してくるので、神様は寂しさを感じていたらしい。

 それでも、神様らしく威厳溢れる態度を保ち頑張っていた時に、日本の神様に神無月の祭り?宴会?に誘われたんだとか、出雲では、神在月と呼ばれる一年に一度、日本中の神様が集い酒を飲んだり、話し合ったりする場に呼ばれた子供ぽい神様は、嬉しくて直ぐに取るものも取りあえずに、誰にも何も言わないまま、世界を渡り日本に遊びに来てしまったのだとか。

 そして、子供ぽい異世界の神様が日本で楽しんでいる時に、ある術師が、自身の命を贄に術を発動。
 その術により世界の境界に穴が空き、その穴から異形の怪物が世界に入り込み、驚いた聖霊王達が、神様に助けを求めに行くと神様は不在。
 さらに混乱して、パニックになり、そこに怪物達、魑魅魍魎の主が神様の館を襲いあわや陥落といった所に泥酔した神様降臨!!

 酔っていても異世界でトップの神様、異形の怪物達を追い払い、魑魅魍魎の主を弱体化させて封印。

 その後は、火の聖霊王に火破り(サウナ)に入れられ汗と共にお酒を抜き、水の聖霊王に氷入りの水風呂にいれられて、精神の淀みを清めて、怪物達に汚された空と破壊された大地を土と風の聖霊王と協力して浄化したり癒したり、大変だったらしい。

 でも、この事件以来聖霊王達とは打ち解けたらしい。 照れながら神様が教えてくれた。

 火と水の聖霊王が、怒ると恐いらしい。


 そして、境界の穴から入って来た者とは逆に出て行ってしまったのが僕の魂で、境界を抜けて、神様が繋いだままだった日本に繋がる空間(トンネルのようなもの)を通って輪廻の輪に乗り日本に転生してしまったのだ。

 《すまない! 本当にごめんなさい!》

 「神様も悪いけれど、一番悪いのは穴を開けた術師でしょう? そんなに謝らないで下さい」

《我を責めないのか?》

 「世界規模過ぎて実感が湧きませんね。
 とりあえず怒ってないです」

《良かった~~》

 神様がホッとしたような声を出す。

 僕は喜んでいる神様に質問する。

 「それで、僕は異世界の天国なり地獄に行って転生すればいいんですか?」

 《いや、君の元の体は、生きているからそれに入って貰うことになる》

 「生きてる? 僕の前世の体があるんですか?
 それも生きている状態で?」

 《ああ、そうだ》

 「あ、あれですか、SFとかに良くある設定で、時間の流れが違うからあちらの1秒がこちらの世界で1年とか?」

 《そうだな、確かに時間の流れはあちらとこちらで大分違う。 日本での10年は、あちらのせかいで500年になる》

 「え? 500年?」

  《そうだ。 君の魂があちらからこちらの世界で転生してから500年の月日が立っている》

 「それって元の体に入ったらヨボヨボの老人て事ですか? それとも前世の僕は、エルフとか、竜とか人間以外の長命な種族とか?」

 《いや、こちらの世界にいる人と同じ種族だ。 ただし、君の体は変異して特殊な構造になっている。 最たる特徴は、不老だ》

 「不老? 年をとらない?」

  《そうだ、神と違って不死ではないが年をとらない。 そして、力も強化されている》

 「力?」

 《君には、自然を操る力が元からあった、それが強化されている。 力に付いては、体に入れば前世の記憶と共にわかるだろう。
 さて、そろそろ異世界に送るぞ。
 異世界での君の世話は、君が目覚めて最初にあった第一村人がやってくれるだろう。
  我の世界でも君は異母兄を庇い、魂が抜けて日本に転生し、日本でも兄を救う為に自分を殺した。自己犠牲はすばらしいかもしれないが、次の生では、自分の為に生きて欲しいと思っている。
 我の世界に生きる全ての生き者が我の愛し子だ。
 そなたの幸福を祈っておるぞ》

 神様に言われて僕は、頷く。

「はい!  今度は、命の最期までしっかり生きます」

 《うむ!》

 神様の声が薄れ聞き取りずらくなる。
 僕の回りが明るく煌めきだし、目を開けていられなくなる。

 最期に神様が何か注意するように言ってる。

《よいか、・・・・赤い瞳の・・・・は、魑魅・の・・・あ・る・じ・・気をつけ・・て・・・・するのじゃーーーーー》

 良く聞き取れなかったので、もう一度と僕が言う暇なく僕の意識は途切れた。


 後で、神様の話をしっかり聞くべきだったと後悔するのは、それから大分たった時だった。

 
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