星降る夜に消えた瞳

水瀬蒼真

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第二章

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「でも、あいつらも大概だけど、治安局もちょっとあいつらに舐められてるんじゃない?」
美咲が言うと、蒼真は、
「まぁ、彼女たちにもああいうスタイルでやってきているんだろうね。」
と言った。そこに、遥香が蒼真の過去をつく質問をする。
「そーいえば蒼真君って、なんで『キャッチ・アイ』の事をいっつも『彼女たち』って言うの?別に、『アイツら』とかでも良くない?」
すると蒼真はここから、自身の過去について話し出した。
「『キャッチ・アイ』の事を彼女たちと呼ぶ理由かい?それなら僕の身の上話をすることになるけど…驚かないでくれよ?実は僕、美咲と探偵になる前は僕もあの『キャッチ・アイ』のメンバーの一人だったんだ。」
「え…それってほんとの事…?」美咲は驚きを隠しきれなかったが、蒼真に聞いた。
「ほんとの事だ。今まで黙っててごめんよ。さて、じゃあなんで僕が彼女たちの一員だったのか、それを聞きたかったんじゃないかい?なら教えるよ。僕の親が殺されて、今も犯人が分かっていないのはみんな分かっていると思うけど、例の事件の一週間後の話だ。僕に身内が全員いなくなって、孤独を感じ始めたある時、ノワールがやってきたんだ。彼女、なんて言ったかわかるかい?『孤独を感じてるのなら、まずは私たちのとこに来なさい、そうすればおのずとそれは取り除かれる』ってね。当時の僕には、思いもよらない言葉だったよ。そして彼女についてったんだ。そこには、ソレイユもヴィオレッタもいたよ。そこから何年も、彼女たちの下にいることになったんだ。そして彼女たちは僕に、簡易的な白金の仕方やら、一人でいても大人一人を張り倒せるほどの護身術を教わったよ。そして、あの時からだったんだ、彼女たちが今のように、怪盗を始めたのはね。それで、僕もそれに加担するようになったんだ。凛久、美咲、覚えてるね、六年のころ、美術館に行って、そこでも彼女たちに遭ったこと。」
「あぁ、たしかに先輩、あの時だけ席を外していましたよね。」と凛久が言った。
「ちょっと待って、みさっちゃんって中学は蒼真君と一緒だけど、小学校は違うよね?なんでわかるの?」遥香が言うと、
「それは、蒼真君と凛久君と小学校とあたしの小学校で行く美術館がたまたま同じだから。でも確かにいたけど、あれがどうかしたの?」と美咲も言った。
「実はあの時のことが、『キャッチ・アイ』から僕が離れることになった原因だ。あの時の『キャッチ・アイ』は、あの三人が逃げているところを、僕が追っ手を間違った方向におびき寄せ、張り倒すものだったんだ。ただ、その張り倒すところで、追っ手の一人がナイフを持って突進してきたんだ。流石の僕も命の危険を感じ、気絶程度までやるつもりだったんだが、その時僕はその追っ手を殺してしまったんだ。その時に思ったんだ。こんなことが彼女たちにバレては、きっと顔向けできない。何なら、僕たちが今やっていることは、彼女たちには間違ったことだとわかっていやっているのか、ならばいっそ僕は、そのまま消息を絶ったことにして、彼女たちにバレないように身を隠していこうと思ったんだ。その時には僕も、凛久たちのとこに戻ってたさ。」
美咲が聞いた。「蒼真君、じゃあそのあとはまた一人ってことになるけど、そのあとは誰があんたの面倒を見たの?」
「それは、ちっちゃいころからの知り合い三人だ。僕は、『三羽ガラス』と呼んでいるけど、赤羽、青羽、黄羽の三人だ。彼らは僕の事を「カシラ」と呼んで慕われてたよ。美咲と探偵になるとき、最初にそのことを言ったのも三羽ガラスの三人だ。そしたら彼ら、なんて言ったと思う?「カシラはすごい探偵になれる」ってね。3人がいなかったら、今の僕は探偵やってなかったかもね。」
「そっか…でも、大丈夫だよ、蒼真君。そんな過去があっても、蒼真君は蒼真君だもん。」
美咲が励ますように言った。
「ありがとう。さて、それじゃあ彼女たちが次にどう動くか、考えないとね…」
蒼真が言った。
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