【完結】傲慢王子エデンと内気男爵リオンの恋模様

えるろって

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最終話 新たなる未来へ

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「殿下、ほんの少しだけお時間を」

  
祝賀ムードの宴が落ち着いた後、リオンはエデンを捜し出し、バラ園へと誘った。夜風が静かに吹き、満天の星が庭園を照らしている。二人にとって思い入れのある場所だ。

  
「疲れたんじゃないか。今日の晩餐会は騒がしかったからな」

  
エデンがリオンの肩に手を置く。確かにリオンは緊張と興奮で心が落ち着かないが、今だけはゆっくりしたいと思ったのだ。

  
「はい。でも……どうしても殿下と二人きりになって、改めてお礼を言いたくて」

  
夜の闇にかすかなランプの明かりが重なる。リオンはエデンの瞳をまっすぐ見つめ、深く頭を下げる。

  
「殿下があんなに堂々と僕との関係を宣言してくださるなんて、夢にも思っていませんでした。僕なんかが王家に受け入れられるはずないと思ってたから……」

  
リオンの声は震えている。エデンはその頭にそっと触れ、静かに言葉を返す。

  
「お前がいなければ、俺は何も変わらなかったと思う。王族として形式的に過ごして、孤独に耐えるだけの人生。……でも、お前が俺を必要としてくれたから、俺もお前を守りたいと思えた」

  
リオンの胸が熱くなる。愛する相手からの言葉は、何ものにも代えがたい心の糧だ。周囲の祝福だけでなく、エデンの存在そのものがリオンを支えてくれる。

  
「これから先、いろいろな課題があると思います。王族としての義務や世継ぎの問題、政治的な圧力……乗り越えなきゃいけない壁はまだ残ってます」

  
リオンは正直に不安を口にする。だが、エデンは大きく頷きながらも、揺るぎない口調で答える。

  
「そうだな。困難はいくらでもある。……でも、俺はもう逃げない。お前も逃げるなよ。二人でなら、きっと突破できるはずだ」

  
その言葉にリオンは笑みをこぼし、エデンの胸にそっと額を預ける。王子としての強さと、人としての温かさが同居するエデンは、もはやリオンにとって唯一無二の存在だった。

  
「はい、殿下。僕も、ずっと殿下のおそばにいたい。何が起こっても、絶対に離れません」

  
夜空には星がきらめき、バラ園の花々が静かに香る。二人の想いが重なった証として、エデンはリオンの手を引き、しっかりと抱きしめる。もう誰に遠慮もいらない。自分たちが築いた信頼と実績が、周囲を味方に変えつつあるのだから。

  
「リオン……ありがとう」

  
「殿下こそ、ありがとうございます」

  
強気な王子と内気な男爵。最初は互いに戸惑い、ぶつかり合ったが、それを乗り越えて今ここにあるのは、真実の愛。周囲からの反発も少なからず残るだろうが、これからは二人で手を携えて乗り越える。

  
星空の下、二人は確かな誓いを交わし合う。エデンは王族として、リオンはその支え手として――困難な道のりを共に歩むことを選んだのだ。新たなる未来へ向けて、二人の物語はいよいよ本当の始まりを迎える。

  
強気な王子と内気な男爵の恋は、数々の試練を越え、ようやく実を結ぶ。この先も波乱は待ち受けるだろうが、きっと大丈夫――そう思わせるほど、二人の絆は揺るぎなく輝き始めていた。


ーーー(完結)

ご拝読ありがとうございました!

初めてBL小説かきました。
まだまだアマチュアですが
誰かが望むなら
次回は……R18いきます(小声)
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