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第49話 祝福の舞踏会
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「皆様、本日は慌ただしい発表となりましたが、殿下とリオン様を祝福する時間を設けたいと思います」
国王の宣言により、晩餐会は急遽“祝福の場”へと切り替わった。多くの人々が戸惑いながらも、王家が公に認めた二人を無視するわけにはいかない。エデンの交渉成功がなければ、これほどスムーズには進まなかっただろう。
「リオン、少し踊ろうか」
エデンが申し出ると、リオンは仰天した表情でエデンを見上げる。王族として格式ある場で、もう一度男同士で踊るとは想像していなかったからだ。
「え、でも……前に踊ったときも散々噂になりましたし」
「今度は堂々と踊ればいい。もう周囲に隠す必要はない。……俺はお前と踊りたい」
そのまっすぐな言葉に、リオンは顔を赤らめながらも、嬉しさを抑えきれない。エデンはリオンの手を引いて、広々としたダンスフロアの中央へ進む。周りの貴族たちが道を開け、その様子を見守っている。
「音楽を頼む」
エデンが合図すると、楽団が優雅なワルツを奏で始める。リオンは緊張しながらも、エデンの腕にそっと身を預ける。二人は視線を交わし、一歩ずつ踏み出した。
「リオン、息を合わせるんだ。お前のステップは、もう知っている」
エデンが低い声で囁くと、リオンは一度頷く。前回の舞踏会での失敗を思い出し、胸が高鳴るが、エデンのリードは落ち着いていて頼もしい。
「殿下となら……怖くないです」
そんなリオンの呟きが聞こえたのか、エデンは少し笑みを浮かべてステップを繰り返す。床を滑るように踊る二人の姿は、さながら光と影のように対照的だ。王子の金髪と、リオンの柔和な茶髪がシャンデリアの明かりに照らされて美しく映える。
周囲では、一部の令嬢たちが悔しげに唇を噛み、宰相派の貴族が困惑の表情を見せる。しかし、王家に刃向かうわけにもいかず、たとえ納得いかなくても黙って見守るしかない。エデンが隣国との外交を成功させた事実は、これほどまでに大きな後ろ盾となっていた。
「……リオン、ほんの少し前まで、こんな日が来るなんて思わなかった」
エデンが耳元で言う。その声は揺らがないが、どこか感慨深い響きを帯びている。リオンは柔らかく笑い返す。
「僕もです。でも、殿下と出会って、踊って、ぶつかって……ようやくここまで来られました」
曲は緩やかに盛り上がりを見せ、二人のステップも一層華やかになっていく。観衆は、王子が同じ性の相手と踊るという衝撃を超え、いつしかその美しさに見とれていた。
「殿下……」
リオンが小さく呼ぶと、エデンは優しく微笑みを返す。もう誰の目も気にしなくていい。愛の形は人それぞれあっていいのだと、この瞬間を通じて示している。
曲が終わり、二人が最後のステップを決めると、場内は静まり返った。次の瞬間、パラパラと拍手が起こり、やがてそれは大きな拍手へと変わる。戸惑いつつも、祝福の意を表す者が確実に増えているのだ。
「おめでとうございます、殿下。そして、リオン様」
口々に声が上がり、エデンはリオンの手を離さずに小さく礼をする。これが“祝福の舞踏会”――周囲の疑いや戸惑いすら、二人の強い思いを前にしては氷解しつつある。
国王の宣言により、晩餐会は急遽“祝福の場”へと切り替わった。多くの人々が戸惑いながらも、王家が公に認めた二人を無視するわけにはいかない。エデンの交渉成功がなければ、これほどスムーズには進まなかっただろう。
「リオン、少し踊ろうか」
エデンが申し出ると、リオンは仰天した表情でエデンを見上げる。王族として格式ある場で、もう一度男同士で踊るとは想像していなかったからだ。
「え、でも……前に踊ったときも散々噂になりましたし」
「今度は堂々と踊ればいい。もう周囲に隠す必要はない。……俺はお前と踊りたい」
そのまっすぐな言葉に、リオンは顔を赤らめながらも、嬉しさを抑えきれない。エデンはリオンの手を引いて、広々としたダンスフロアの中央へ進む。周りの貴族たちが道を開け、その様子を見守っている。
「音楽を頼む」
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「リオン、息を合わせるんだ。お前のステップは、もう知っている」
エデンが低い声で囁くと、リオンは一度頷く。前回の舞踏会での失敗を思い出し、胸が高鳴るが、エデンのリードは落ち着いていて頼もしい。
「殿下となら……怖くないです」
そんなリオンの呟きが聞こえたのか、エデンは少し笑みを浮かべてステップを繰り返す。床を滑るように踊る二人の姿は、さながら光と影のように対照的だ。王子の金髪と、リオンの柔和な茶髪がシャンデリアの明かりに照らされて美しく映える。
周囲では、一部の令嬢たちが悔しげに唇を噛み、宰相派の貴族が困惑の表情を見せる。しかし、王家に刃向かうわけにもいかず、たとえ納得いかなくても黙って見守るしかない。エデンが隣国との外交を成功させた事実は、これほどまでに大きな後ろ盾となっていた。
「……リオン、ほんの少し前まで、こんな日が来るなんて思わなかった」
エデンが耳元で言う。その声は揺らがないが、どこか感慨深い響きを帯びている。リオンは柔らかく笑い返す。
「僕もです。でも、殿下と出会って、踊って、ぶつかって……ようやくここまで来られました」
曲は緩やかに盛り上がりを見せ、二人のステップも一層華やかになっていく。観衆は、王子が同じ性の相手と踊るという衝撃を超え、いつしかその美しさに見とれていた。
「殿下……」
リオンが小さく呼ぶと、エデンは優しく微笑みを返す。もう誰の目も気にしなくていい。愛の形は人それぞれあっていいのだと、この瞬間を通じて示している。
曲が終わり、二人が最後のステップを決めると、場内は静まり返った。次の瞬間、パラパラと拍手が起こり、やがてそれは大きな拍手へと変わる。戸惑いつつも、祝福の意を表す者が確実に増えているのだ。
「おめでとうございます、殿下。そして、リオン様」
口々に声が上がり、エデンはリオンの手を離さずに小さく礼をする。これが“祝福の舞踏会”――周囲の疑いや戸惑いすら、二人の強い思いを前にしては氷解しつつある。
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