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六話
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そして翌日。
まだオーギュストと結婚していないが、次期王妃として目されているのだろう。
夢の中でも私の側仕えとなった侍女が着付けを手伝ってくれている。
だが彼女との付き合いもそう長くはならない。王妃の侍女としてふさわしく教育されている彼女は一年後、オーギュストの愛する人の側仕えとなったから。
そして私に代わりにつけられたのが、入城してから間もない、子爵家の娘だった。
名前はナタリー。入城したばかりなのに王妃専属にされて、しかもお飾りだとわかっている相手に仕えることになって、どれほど落胆したことだろう。
力のある王妃の専属であれば大抜擢ではあるが、お飾りともなれば権力もたかが知れていて、厄介者を扱うことになったというのはすぐにわかったことだろう。
それでもナタリーは誠心誠意私に仕えてくれた。
「手伝ってくれたありがとう」
「いえ、これが私のお役目ですので」
しずしずと頭を下げる侍女。彼女が悪いわけではない。王の命令とあらば従うほかない。
そうとわかっていても、あっさりと私の側仕えを離れた彼女に、裏切られたと感じたこともあった。
「ご用命がございましたらいつでもお申し付けくださいませ」
「そうね……それじゃあ、厨房を見せてもらえるかしら」
「厨房、ですか……?」
「そう。これからお世話になるのだから挨拶をしておきたいのよ」
一瞬だけど訝しげに眉を顰めたが、彼女はすぐに真面目な顔になり「かしこまりました」と頷いた。
キッチンのシェフはいつもおいしい食事を用意してくれていた。それはオーギュストに愛する人ができても変わらなかった。
偽の国母になるのだとわかっていただろうに、目を舌を楽しませてくれる食事を作ってくれていたのだから、自分の仕事にこだわりのある人物なのだろう。
王妃が厨房に立ち寄るのはそうあることではないが、今の私は王妃ではない。
王妃の作法に従う必要のない今だからこそ、夢の中の分も含めてお礼を言いたかった。
まだオーギュストと結婚していないが、次期王妃として目されているのだろう。
夢の中でも私の側仕えとなった侍女が着付けを手伝ってくれている。
だが彼女との付き合いもそう長くはならない。王妃の侍女としてふさわしく教育されている彼女は一年後、オーギュストの愛する人の側仕えとなったから。
そして私に代わりにつけられたのが、入城してから間もない、子爵家の娘だった。
名前はナタリー。入城したばかりなのに王妃専属にされて、しかもお飾りだとわかっている相手に仕えることになって、どれほど落胆したことだろう。
力のある王妃の専属であれば大抜擢ではあるが、お飾りともなれば権力もたかが知れていて、厄介者を扱うことになったというのはすぐにわかったことだろう。
それでもナタリーは誠心誠意私に仕えてくれた。
「手伝ってくれたありがとう」
「いえ、これが私のお役目ですので」
しずしずと頭を下げる侍女。彼女が悪いわけではない。王の命令とあらば従うほかない。
そうとわかっていても、あっさりと私の側仕えを離れた彼女に、裏切られたと感じたこともあった。
「ご用命がございましたらいつでもお申し付けくださいませ」
「そうね……それじゃあ、厨房を見せてもらえるかしら」
「厨房、ですか……?」
「そう。これからお世話になるのだから挨拶をしておきたいのよ」
一瞬だけど訝しげに眉を顰めたが、彼女はすぐに真面目な顔になり「かしこまりました」と頷いた。
キッチンのシェフはいつもおいしい食事を用意してくれていた。それはオーギュストに愛する人ができても変わらなかった。
偽の国母になるのだとわかっていただろうに、目を舌を楽しませてくれる食事を作ってくれていたのだから、自分の仕事にこだわりのある人物なのだろう。
王妃が厨房に立ち寄るのはそうあることではないが、今の私は王妃ではない。
王妃の作法に従う必要のない今だからこそ、夢の中の分も含めてお礼を言いたかった。
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