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お礼
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事故があった次の日も俺たちはなにもなかったように普通に過ごした。一緒に買い物をし、純に家事のあれこれを教えた。だが、俺の気のせいかもしれないが純があれ以降俺の目を見て話さなくなった。
俺はまた、純がどこに行っているのか聞いてみたが純は「あとちょっとだから。」とまた教えてはもらえなかった。
-------
休み明けの平日の満員電車に揺られながら会社に向かった。
午後の周りまで俺はいつもと変わらない午前中を過ごしていた。
俺は一息つきたくて小さい休憩所で缶コーヒーを飲んでいた。
「よぉ、真中課長サン。」
「横井…なんだお前も休憩か?」
「あぁ。」
横井は自販機で俺とは違いブラックコーヒーを押していた。
「横井、こないだは迷惑かけたな。」
「いいよ、別に。俺も悪かったしあんなな飲んでたの気づかなかったし。」
横井は俺の横に座った。
「で、あの後大丈夫だった?」
「え、あー、うん」
「どうしたんだよ。歯切り悪いな。もしかして純くん襲っちゃった?」
と笑いながら横井は言っていたがいきなりど真ん中に当ててきて俺は焦った。
「うわっまじか。やっちゃったなぁ。」
「本当に俺最低だ。一応話し合ったんだが…」
「軽蔑でもされたか?」
「そこまではいってないと思う。次の日も普通に過ごしたし。いや、でも最近純が目を合わせてくれないんだ。もしかしたら軽蔑されてるかもな。」
と自分で言っといて相当へこんだ。
「なんだよ、お前がそんなこと言うなんて。だいぶあの子にお熱心なんだな。」
「別にそんなんじゃない。ただなんか…あれなんだよ…」
俺はうまくこの気持ちを言葉にはできなかった。
「ま、いいや。お前のその気持ちに答えが出たらその時はまた教えてくれ。俺は仕事に戻るよ。」
「あぁ、話聞いてくれてありがとな。」
そういい、横井は飲み切った缶コーヒーをゴミ箱に入れて手をあげながら去って行った。
俺も仕事に戻るか。
自分のデスクに戻り書店回りの準備をした。そして回った後家に向かった。
「ただいま。」
「お帰り。」
家の中からとてもいい匂いがした。今まで自分で料理をしていたから帰ってきてこんな匂いするのはとても久しぶりだった。
「いい匂いだな。料理作ってくれたのか?」
「うん、そう。作った。」
俺は鞄とスーツのジャケットを自分の部屋に置き、食卓についた。
「今日はハンバーグ。」
「美味しそうだな。あんな下手だったのに急にどうした。」
「うるさいなぁ。俺はやればできるの。リシピさえあればね。前はレシピ見ないでやったから。」
「そうか。じゃ、今度からお願いしようかな。」
「任せてよ。」
そして俺たちは手を合わせ夕食を食べた。
「ん、美味しい。」
「ほんと!よかった。たくさん食べて。」
食事を終え、ソファでまったりしていると食器を片付けおわった純が声をかけてきた。
「ねぇ、真中さん。真中さんにもらって欲しいものがあるんだけど。」
そういい純は自分の部屋から何か持ってきた。
「はい、これ。」
「これは…」
純が渡してきたのはA3サイズくらいの一枚の絵だった。そこには花畑の後ろに海が広がっている風景画だった。
「どうして俺に?」
「お礼だよ。俺を拾ってくれて、さらにこの家に置いてくれて。」
「ありがとう。嬉しいよ。もしかして最近行ってた場所って…」
「そう。アトリエだよ。ごめんなさい、黙ってて。びっくりさせようと思って。」
「そういうことか。これ大事にするよ。どこに飾ろうか。そういえばなんでこの絵なんだ?」
「こないだ、真中さんのパソコン覗いたときにディスプレイにあったから。俺、風景画が得意だし綺麗だったから。」
「そうか。ありがとう。」
俺はその絵を玄関の靴箱の上に飾った。
帰ってきて1番に見れるように。
俺はまた、純がどこに行っているのか聞いてみたが純は「あとちょっとだから。」とまた教えてはもらえなかった。
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休み明けの平日の満員電車に揺られながら会社に向かった。
午後の周りまで俺はいつもと変わらない午前中を過ごしていた。
俺は一息つきたくて小さい休憩所で缶コーヒーを飲んでいた。
「よぉ、真中課長サン。」
「横井…なんだお前も休憩か?」
「あぁ。」
横井は自販機で俺とは違いブラックコーヒーを押していた。
「横井、こないだは迷惑かけたな。」
「いいよ、別に。俺も悪かったしあんなな飲んでたの気づかなかったし。」
横井は俺の横に座った。
「で、あの後大丈夫だった?」
「え、あー、うん」
「どうしたんだよ。歯切り悪いな。もしかして純くん襲っちゃった?」
と笑いながら横井は言っていたがいきなりど真ん中に当ててきて俺は焦った。
「うわっまじか。やっちゃったなぁ。」
「本当に俺最低だ。一応話し合ったんだが…」
「軽蔑でもされたか?」
「そこまではいってないと思う。次の日も普通に過ごしたし。いや、でも最近純が目を合わせてくれないんだ。もしかしたら軽蔑されてるかもな。」
と自分で言っといて相当へこんだ。
「なんだよ、お前がそんなこと言うなんて。だいぶあの子にお熱心なんだな。」
「別にそんなんじゃない。ただなんか…あれなんだよ…」
俺はうまくこの気持ちを言葉にはできなかった。
「ま、いいや。お前のその気持ちに答えが出たらその時はまた教えてくれ。俺は仕事に戻るよ。」
「あぁ、話聞いてくれてありがとな。」
そういい、横井は飲み切った缶コーヒーをゴミ箱に入れて手をあげながら去って行った。
俺も仕事に戻るか。
自分のデスクに戻り書店回りの準備をした。そして回った後家に向かった。
「ただいま。」
「お帰り。」
家の中からとてもいい匂いがした。今まで自分で料理をしていたから帰ってきてこんな匂いするのはとても久しぶりだった。
「いい匂いだな。料理作ってくれたのか?」
「うん、そう。作った。」
俺は鞄とスーツのジャケットを自分の部屋に置き、食卓についた。
「今日はハンバーグ。」
「美味しそうだな。あんな下手だったのに急にどうした。」
「うるさいなぁ。俺はやればできるの。リシピさえあればね。前はレシピ見ないでやったから。」
「そうか。じゃ、今度からお願いしようかな。」
「任せてよ。」
そして俺たちは手を合わせ夕食を食べた。
「ん、美味しい。」
「ほんと!よかった。たくさん食べて。」
食事を終え、ソファでまったりしていると食器を片付けおわった純が声をかけてきた。
「ねぇ、真中さん。真中さんにもらって欲しいものがあるんだけど。」
そういい純は自分の部屋から何か持ってきた。
「はい、これ。」
「これは…」
純が渡してきたのはA3サイズくらいの一枚の絵だった。そこには花畑の後ろに海が広がっている風景画だった。
「どうして俺に?」
「お礼だよ。俺を拾ってくれて、さらにこの家に置いてくれて。」
「ありがとう。嬉しいよ。もしかして最近行ってた場所って…」
「そう。アトリエだよ。ごめんなさい、黙ってて。びっくりさせようと思って。」
「そういうことか。これ大事にするよ。どこに飾ろうか。そういえばなんでこの絵なんだ?」
「こないだ、真中さんのパソコン覗いたときにディスプレイにあったから。俺、風景画が得意だし綺麗だったから。」
「そうか。ありがとう。」
俺はその絵を玄関の靴箱の上に飾った。
帰ってきて1番に見れるように。
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