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恋人

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 太陽の光で俺は目が覚めた。隣に目を向けると俺の腕の中に寝ている純がいた。前とは違いはっきりと昨日の夜のことを覚えている。
しばらくその可愛い寝顔を見ていると

「んん…あ、真中さんおはよ。」

「あぁ、おはよう。」

チュッ

「?!」

俺はまだ少し寝ぼけている純のおでこにキスをした。すると意識がはっきりしたのか純は目を見開き俺に背を向けてしまった。

「なんだよ。純。いいだろ別に。せっかく恋人になったんだから。」

「嫌とかじゃなくて、その…」

「何?もしかして、昨日のこと思い出しちゃったか?」

「……」

図星だったようで純の顔がさっきよりも真っ赤になった。

「あのさ、真中さん。昨日の夜その、終わった後俺すぐ寝ちゃったみたいで…」

「あぁ、そのまま一緒に風呂に入れたぞ。」

「そっか…ありがと。(俺が寝ている間に色々見られちゃったのか///)」

「それより、体大丈夫か?」

「うん、腰が少し痛いくらい。」

「そうか、お前は今日ゆっくり休んでな。」

そういい俺は純の頭を撫でベッドから降りた。自分の分の朝食と純のためにサンドイッチを作り、俺は会社に行く準備をした。

「真中さんもう行くの?」

玄関で靴を履いていると純が玄関まで来ていた。

「あぁ。まだ寝ててよかったのに。サンドイッチ作ってあるからお腹空いたら食べるといい。」

「真中さん」

チュッ
「いってらっしゃい///」

純は俺の肩に手をかけ背伸びをしながら俺の頬にキスをした。

「純っ。」

「さっきのお返しね。」

そういい純は恥ずかしそうに寝室に戻っていった。

なんでそんな可愛いんだ。

「行ってきます。」

寝室にいる純に届くように少し大きめで言った。

(あぁ、無理。恥ずかしすぎる///)

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昼食を社員食堂で食べていると俺の前にトレーを持った横井が座った。

「横井。なんだ珍しいな。」

「最近外に行くのめんどくさくてな。」

「そういえば、お前機嫌いいな。なんかあった?」

「あったちゃ、あったが。何故わかる。」

「いや、最近のお前は何かに苛立っていた感じがあったし、それがなくなってたから。」

「鎌かけたのかよ。」

「別にそんなことはしてねぇよ。ただそう思っただけ。で、何があった?」

「純と付き合うことになった。」

「まじで!!」

「おい、声がでかい。静かにしろ。」

横井のせいで隣に座ってた奴も立ってた奴も俺らの方を見ていた。

「あぁ、悪い悪い。それよかおめでとう。よかったな自分の気持ち気付けて。」

「ありがとう?お前気付いてたのか?」

「あったりまえよ。お前が誰かに執着する時はそういうこと。あの子の時もね。」

「お前もたちが悪いな。」

5年前のことなんかよく覚えてるもんだ。

「それじゃあな、横井。」

「あぁ、純クンによろしく。また、なんかあったら報告待ってるよ。」

そういい俺は自分のデスクに戻り仕事を終わらせ、純がいる家に帰った。
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