【完結】夕凪のピボット

那月 結音

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Episode5:花火の下で

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 夜空にのぼる、ひと筋の光。
 赤、青、黄、緑——大きな音を伴って咲いた大輪の花が、島全体を鮮やかに染める。
 海面に躍る無数の光。空と海がひとつに繋がる。幻想的な、夏の風物詩。
 花火が次々と咲き誇るたび、瑛茉の瞳は宝石のようにきらめいた。巨大な牡丹花火が打ち上がれば両手を広げ、錦冠にしきかむろの美しさに心奪われた。
 花火が終わったあと。
 あたりを包む静寂に、名残惜しそうに「もうおわり?」と母に問う。
 微笑んだ母は、「また来年かな」と、優しく答えた。
 家族三人。手を繋いで、家路を歩く。

 故郷の島で見た花火は、これが最後だった。
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