虚無 - vanitas -

Riberion Vanitas

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日本 大和の森② -リベリオン-

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俺達子供が、行うべき優先順位を決めていく事にし、何も書いていない本を開き、書き留める事にした。
先ずは、それぞれの力を把握し、問題なく使える様になる事。
最初にこれをしておかないと、人工聖女との戦闘で苦戦を強いられ、下手をすれば母さんの身体を取り戻す事が出来なくなってしまうからだ。それだけ重要な事なのだ。
同時進行で行う事は、現代についての常識と教育の把握をし、俺と兄弟達と情報を共有する事。これはとても必要になる。一見、普通の人間の様に振舞う為に。
人工聖女に接触するには、普通を装いどれだけ情報を集められるかも必要になってくる。如何に、相手の先手を行く為にも大切な事だ。
ただ、繋がりがあるから分かるが、母さんの願いがハッキリしない所が幾つかある。
願いがハッキリしているのが、『私の身体を取り戻したい。』『もう、人間を救わない。』の2つ。
母さんは、人間に復讐したいと思っているのに、殲滅や虐殺をしたくないとも思っている。母さんの気持ちは、とても揺らいでいた。
元々、母さんは人間として産まれて、成長するに連れて覚醒して聖女になる。人間達の幸せの為に力を使って救済してきたのに、奴らは母さんを無下にし、勝手に恐怖して殺して来た。
俺が勝手に決断をして良いのであれば、人間達を一人残らず殲滅する。だが、俺は母さんから生まれた。母さんの意思を尊重する事こそが、俺の執るべき事だと知っている。
結局、2項目だけ記し、本を閉じる。
俺はベビーベットにいる兄弟達を眺めながら、兄弟達がいつ生まれても子育てが出来るように準備を念入りにしないとなと、準備に抜かりが無いか、もう一度家を確認する事にした。


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