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第一章
20.樹、化ける
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嵐のような着替えが終わって、小松と一緒に更衣室から出るとざわっとして皆がこっちを見た。
「どーよー!俺の美女っぷり!惚れんなよ☆」
「「「小松は引っ込んでろ」」」
「ひどい!」
しなをつくっていた小松がそのまま泣きまねをする。キモイ。
「ひゃーーーーー!想像どおり…うぅん、想像以上の出来栄え!!」
アイコちゃんが叫んで俺に抱きついた。
「かっわいい!もう、嫉妬とか霞むレベルで可愛い!」
「女装案が出た時はどうなる事かと思ったけど、目の保養だわ」
「なのに、そのスカートの下は…と想像すると滾るわね!」
「例の紐パンはいてるの?」
その言葉を聞いた男子がおぉぉぉ?!とどよめいた。
紐パンだと?と叫んでいるバカがいる。あ。山田だ。
やはり女子の中では決定事項だったようだ。
「は、履いてない!」
「えーーーっ!?当日は絶対に履いてよね?!」
クラス中の女子の目が怖い。
心なしか男子の目も怖い。なんで?
「樹ぃぃいいいいいい!なにそれめちゃくちゃ可愛いじゃん!」
勝がタックルするように抱き着いてきた。
「ぐはぁ。バカ野郎!なんか出るトコだったわ!」
「ごめんごめん。樹があまりに可愛いからつい」
「樹、ホント可愛いね」
「雅樹…」
2人も着替えが終わっていた。燕尾服で白い手袋。
え。なにこのイケメンたち。腹が立つんだが。
スラッとした長身に黒い燕尾服が映えて、イケメン度がいつも以上に突き抜けている。
「樹、人気のない暗い所に1人で行くんじゃないぞ」
「お前もかよ!!!」
顔を覗き込むようにして雅樹に言われる。
急に顔が近くなってドキッとした。
雅樹がつけている香水の香りがふわりと香って、ケツの穴がキュンとした。
「ぎゃーーーーーーーん!」
「やばい!やばい!激写!激写よ!!!」
「ちょ、ちょっと待って、3人ともそのままでいて!!」
訳わからん注文にギョッとして思わず離れようとすると、雅樹がぐいと腕を引っ張った。
ぽすりと雅樹の腕に倒れ込んだ俺を、バックハグした。
「ひぃぃぃ!!アリガトウゴザイマス雅樹様!!」
「推しが3名!尊い!!」
連射しまくっているシャッター音が聞こえて顔が引き攣る。雅樹を見ると、ニッコリ笑ってカメラ目線だ。
「ずるい。俺も樹を抱っこしたい」
勝が雅樹の腕の中から引っ張り出して、そのまま抱っこして腕に乗せた。
いや待って?お前の筋肉なにで出来てるの?
いくら俺が小柄だからっていっても、それなりに重いはずだ。勝が違う生き物に見えてきた。
「あっ…もうダメ。鼻血でそう。トキメキで死んじゃいそう」
「ダメよ!しっかり意識を持つの!!!祭りはこれからよ!」
「この瞬間の興奮を網膜と肌に焼き付けるわ」
「飯何杯でもいける」
待ってまって!そこの女子たち、もう理解不能なんだけど!雅樹とか勝が俺をいじってると、じっとり見てくるからてっきり2人のファンなのかと。
いや、ファンはファンなのかもしれんが、なにか違う…。
クラスの皆を見ると、引くどころかニヤニヤしている。
なんなんだ一体。
「閃いたっ!!!!」
俺の髪型をどうするか悩んでいた女子が叫んだ。
「3人も片編み込みして、お揃いで片耳だけピアスしよう!あ。でもピアスホール開けてるの雅樹君だけかぁ。
じゃあ、ピアスシールでいいかな」
「ふわぁ~!それいい!滾る!最高っ!」
何が滾るのか意味不明だが、俺ら3人のコーディネートは決定したようだ。
「樹、何度も言うけど暗くて人気のない所に1人で絶対に行っちゃだめだよ?」
「わーーーかってるってば。学校内だし子供じゃあるめぇし…」
「その認識の甘さが不安なの」
はぁ、とため息をつかれた。
雅樹に耳タコレベルで言われて飽き飽きだ。
つーか、俺男だぜ?なんの心配があるんだかサッパリだ。
勝は勝でトイレもついて行くっていうし…。
俺らの喫茶にはお客さんがひっきりなしに来る。
お目当ては雅樹と勝だ。
「お嬢様」とか言われて顔が真っ赤になっている。
「いらっしゃいませー…げっ!」
「げってなによ。お客様に失礼よ?」
同じ学校なんだから当然なんだけど、まさか妹が来るとは考えてもなかった。
「ていうかお兄ちゃんやっば!クオリティたっか!」
「うるせーな。さっさと注文しろよ」
「ゆりちゃんのお兄さん?本当に男?」
妹のゆりの友達に無遠慮にじろじろ見られて恥ずかしい。
「王子たちの執事服の評判も凄いんだけどさ、
お兄ちゃんの女装も評判やばいよ?」
「あ?」
「めちゃくちゃ可愛い男の娘がいるって。
それ聞いた時笑っちゃったけど、実物見たら笑えないわー」
「どういう意味だよ」
「笑えるレベルをはるかに超えてるって事よ。
つかマジでなんなの。こんなに化けるって聞いてないんですけど?」
「言ってねぇし、知らねぇし」
「こら、樹。お嬢様に失礼だよ」
「ひゃ、ひゃぁ!王子!」
「お帰りなさいませお嬢様」
「はうーん」
「こ、これが噂に聞きし王子スマイル…なんて破壊力」
ゆり達が悶えまくっている。恥ずかしいやつらめ。
拗ねてるわけじゃねーぞ。
「えぇと、じゃあ、このアフタヌーンティーセットを2つ…」
「かしこまりました」
雅樹が胸に手を当ててすっと綺麗なお辞儀をしたあと顔をあげてニッコリ微笑んだ。
その笑顔を目の当たりにした2人は顔を真っ赤にしている。
「あ…お兄ちゃんと王子、同じ髪型とピアス…?」
「うわ。ホントだ」
「勝もだよ」
「3人お揃い?仲良しですねぇ」
「ふふふ。じゃあ、オーダー出してきますね」
「はぁい。よろしくお願いしまーす」
「んじゃ、さっさと食ってさっさと戻れよ!」
「お兄ちゃんうるさーい!口わるーい!美少女が台無し!」
「うるっせぇ。じゃあな」
「どーよー!俺の美女っぷり!惚れんなよ☆」
「「「小松は引っ込んでろ」」」
「ひどい!」
しなをつくっていた小松がそのまま泣きまねをする。キモイ。
「ひゃーーーーー!想像どおり…うぅん、想像以上の出来栄え!!」
アイコちゃんが叫んで俺に抱きついた。
「かっわいい!もう、嫉妬とか霞むレベルで可愛い!」
「女装案が出た時はどうなる事かと思ったけど、目の保養だわ」
「なのに、そのスカートの下は…と想像すると滾るわね!」
「例の紐パンはいてるの?」
その言葉を聞いた男子がおぉぉぉ?!とどよめいた。
紐パンだと?と叫んでいるバカがいる。あ。山田だ。
やはり女子の中では決定事項だったようだ。
「は、履いてない!」
「えーーーっ!?当日は絶対に履いてよね?!」
クラス中の女子の目が怖い。
心なしか男子の目も怖い。なんで?
「樹ぃぃいいいいいい!なにそれめちゃくちゃ可愛いじゃん!」
勝がタックルするように抱き着いてきた。
「ぐはぁ。バカ野郎!なんか出るトコだったわ!」
「ごめんごめん。樹があまりに可愛いからつい」
「樹、ホント可愛いね」
「雅樹…」
2人も着替えが終わっていた。燕尾服で白い手袋。
え。なにこのイケメンたち。腹が立つんだが。
スラッとした長身に黒い燕尾服が映えて、イケメン度がいつも以上に突き抜けている。
「樹、人気のない暗い所に1人で行くんじゃないぞ」
「お前もかよ!!!」
顔を覗き込むようにして雅樹に言われる。
急に顔が近くなってドキッとした。
雅樹がつけている香水の香りがふわりと香って、ケツの穴がキュンとした。
「ぎゃーーーーーーーん!」
「やばい!やばい!激写!激写よ!!!」
「ちょ、ちょっと待って、3人ともそのままでいて!!」
訳わからん注文にギョッとして思わず離れようとすると、雅樹がぐいと腕を引っ張った。
ぽすりと雅樹の腕に倒れ込んだ俺を、バックハグした。
「ひぃぃぃ!!アリガトウゴザイマス雅樹様!!」
「推しが3名!尊い!!」
連射しまくっているシャッター音が聞こえて顔が引き攣る。雅樹を見ると、ニッコリ笑ってカメラ目線だ。
「ずるい。俺も樹を抱っこしたい」
勝が雅樹の腕の中から引っ張り出して、そのまま抱っこして腕に乗せた。
いや待って?お前の筋肉なにで出来てるの?
いくら俺が小柄だからっていっても、それなりに重いはずだ。勝が違う生き物に見えてきた。
「あっ…もうダメ。鼻血でそう。トキメキで死んじゃいそう」
「ダメよ!しっかり意識を持つの!!!祭りはこれからよ!」
「この瞬間の興奮を網膜と肌に焼き付けるわ」
「飯何杯でもいける」
待ってまって!そこの女子たち、もう理解不能なんだけど!雅樹とか勝が俺をいじってると、じっとり見てくるからてっきり2人のファンなのかと。
いや、ファンはファンなのかもしれんが、なにか違う…。
クラスの皆を見ると、引くどころかニヤニヤしている。
なんなんだ一体。
「閃いたっ!!!!」
俺の髪型をどうするか悩んでいた女子が叫んだ。
「3人も片編み込みして、お揃いで片耳だけピアスしよう!あ。でもピアスホール開けてるの雅樹君だけかぁ。
じゃあ、ピアスシールでいいかな」
「ふわぁ~!それいい!滾る!最高っ!」
何が滾るのか意味不明だが、俺ら3人のコーディネートは決定したようだ。
「樹、何度も言うけど暗くて人気のない所に1人で絶対に行っちゃだめだよ?」
「わーーーかってるってば。学校内だし子供じゃあるめぇし…」
「その認識の甘さが不安なの」
はぁ、とため息をつかれた。
雅樹に耳タコレベルで言われて飽き飽きだ。
つーか、俺男だぜ?なんの心配があるんだかサッパリだ。
勝は勝でトイレもついて行くっていうし…。
俺らの喫茶にはお客さんがひっきりなしに来る。
お目当ては雅樹と勝だ。
「お嬢様」とか言われて顔が真っ赤になっている。
「いらっしゃいませー…げっ!」
「げってなによ。お客様に失礼よ?」
同じ学校なんだから当然なんだけど、まさか妹が来るとは考えてもなかった。
「ていうかお兄ちゃんやっば!クオリティたっか!」
「うるせーな。さっさと注文しろよ」
「ゆりちゃんのお兄さん?本当に男?」
妹のゆりの友達に無遠慮にじろじろ見られて恥ずかしい。
「王子たちの執事服の評判も凄いんだけどさ、
お兄ちゃんの女装も評判やばいよ?」
「あ?」
「めちゃくちゃ可愛い男の娘がいるって。
それ聞いた時笑っちゃったけど、実物見たら笑えないわー」
「どういう意味だよ」
「笑えるレベルをはるかに超えてるって事よ。
つかマジでなんなの。こんなに化けるって聞いてないんですけど?」
「言ってねぇし、知らねぇし」
「こら、樹。お嬢様に失礼だよ」
「ひゃ、ひゃぁ!王子!」
「お帰りなさいませお嬢様」
「はうーん」
「こ、これが噂に聞きし王子スマイル…なんて破壊力」
ゆり達が悶えまくっている。恥ずかしいやつらめ。
拗ねてるわけじゃねーぞ。
「えぇと、じゃあ、このアフタヌーンティーセットを2つ…」
「かしこまりました」
雅樹が胸に手を当ててすっと綺麗なお辞儀をしたあと顔をあげてニッコリ微笑んだ。
その笑顔を目の当たりにした2人は顔を真っ赤にしている。
「あ…お兄ちゃんと王子、同じ髪型とピアス…?」
「うわ。ホントだ」
「勝もだよ」
「3人お揃い?仲良しですねぇ」
「ふふふ。じゃあ、オーダー出してきますね」
「はぁい。よろしくお願いしまーす」
「んじゃ、さっさと食ってさっさと戻れよ!」
「お兄ちゃんうるさーい!口わるーい!美少女が台無し!」
「うるっせぇ。じゃあな」
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