樹くんの甘い受難の日々

琉海

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第二章

85.ハウス!!

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「姫はさ、カラダがビッチなんだよねー。心は貞淑なのにね。そこがたまんないの。ツボすぎる。まぁ、もしかしたら心も無意識ビッチかもしんないけどー」
「なんっだよそれ…んっ」
「もしくは、本当は俺の事を憎からず思ってるか」
「ばっかじゃねぇの?やめろってば!」
「顔真っ赤。かーわい♡」

牧が右耳を甘噛みして舌を穴に差し込んできた。差し込みながら左耳を押さえるから頭の中に、にちゃにちゃと水音が爆音で響く。

「やめっ…うぅぅ」
「姫のさぁ、その顔ヤバイんだよね。被虐的っての?虐めたくなる。多分だけどー、姫の彼氏さんはSだね。いや、絶対だね」
「だっ…め。やめろ」

じゅるじゅるぴちゃぴちゃ音が響いて、牧の熱い舌が俺の耳の中を這いずり回って背筋がぞくぞくして全身に鳥肌が立ったのが分かった。
抗おうとするけど、俺よりガタイのいい牧にがっつり抱き込まれたうえに脚の間に牧の脚を入れられて全然歯が立たない。俺だって男なのに…。

「こないだは怖がらせてごめんね?」
「…へ?」
「いや、がっつりぺろりと頂いちゃおうとは思ってたから、結局は無理矢理なんだけどー。せめて気持ち良くなって欲しいなぁと思ってさ。薬盛っちゃった☆」
「盛っちゃった☆じゃねぇよ!!!あのな、薬使おうが使うまいがあれは立派な犯罪だし人権無視した最低な行為なんだからな?
あとな、お前らさ、初犯じゃないんだろ?しかも理由が"邪魔だから”とからしいじゃん。お前らも佐久間も宝生も最低最悪だな」
「ありゃ。黒幕までバレちゃってたかー」
「全っっ然反省してないだろ。てか、なに?これもあいつらの嫌がらせなのか?本当にやめてくれよ」
「んー…姫たち的にはそうして欲しいだろうね。けど、これは違うよ。命令じゃない。俺がしたかったの。”俺の姫”である樹ちゃんとさ」
「はぁ?いつ俺がお前の姫になったよ。断固お断りだ。さっさとお前の主人の元へ帰れよ!ハウス!」
「やーーーだーー。俺、姫がいい…」

支離滅裂な事を言いながら牧がぎゅうぎゅうに抱きしめてきた。こいつ頭おかしいぞ。頭わいてんぞ。

「なんていうか、姫の地味顔も、匂いも、反応も、声も、体型も、全部ぜーんぶ好み。ほんと可愛い。そんでもって絶対にエッチの相性がいい!え。これ、一目惚れってやつ?」
「知らねぇよ!相性云々なんかもっと知らねぇよ!しかもさり気にディスってんじゃねぇか!———ちょ、おい!触んな!!ズボンの中に手ぇ突っ込んでくるな!!ひえぇっ!」
「んもー。色気ない悲鳴なんだからー。ちゃーんとローション使ってあげるから。ね?駄々こねないの」
「おまっ!ほんっと反省してないのな!」
「反省という文字は母親の腹ん中に置いてきたよ!」
「しね!!!———くぁっ!」

くるくるとローションにまみれた指がケツ穴を刺激して背筋にぞわぞわとしたものが這い上がってくる。この感覚に覚えがある。マズい。

「薬でイッちゃってる時のさー、姫の蕩けた顔がたまんなくてさ。俺、あれからあの時の姫でしかヌいてない。この中に入りたくてたまんない…」
「ひぃん!」

牧の指がぬぷりと入ってきた。俺の弱い所を的確に攻めてくる指に腰がガクガクする。

「あ…あ…やぁ…」
「本当に嫌なら、俺の舌噛み切って逃げてよ…」

唇を微かに触れさせながら牧が囁く。
(舌…噛み…きる?)
頭がぼやんとして、牧に言われたセリフを頭の中で必死に繰り返して理解しようとするけど、弱い所を容赦なく擦られて頭の中に靄がかかったようになってしまう。
軽く触れていた唇が深く合わさって、舌を優しく吸われて、舌を擦り合わされてつい、もっととねだってしまう動きをしてしまった。

「ほーんと可愛い。ビッチだね。あー…ベッドの上で泣くまで可愛がりたいなぁ。姫の中にたっぷり注ぎたいなー。腰が立たなくなるまで可愛がって、そのまま閉じ込めたい」

やばいやばいやばいやばい……こいつマジでやばい。牧の鬼畜な言葉に背中を冷や汗がつたう。とにかく拘束から逃れようと体に力を入れた途端に、膝をぐっと入れられて俺のきゃん玉を圧迫してきた。

「ひぃ」
「あんまり聞き分けないと、ここ、使えなくしちゃうよ?」

笑ってるけど目が笑ってない!こわい。こいつまじでヤバイやつ。俺、暴力沙汰はからきしダメなんだよぉ。牧から変な圧力を感じる。

「あ。ごめんね?うわぁ。泣かないでよー。ちょっと驚かせすぎちゃった。許して?」
「ひっ…ひぃっ…く。こわい。こわいのやだ。いたいのやだ」
「うんうん。ごめんね。嫌だよね。俺も暴力には訴えたくないんだよー。お気に入りは大切に大切にするタイプなんだ」
「おま、おまえがいうど、ぞれもごわいぃぃ~~」
「あぁぁぁ…ごめんね。もー。小学生じゃないんだから鼻水垂らして泣かないでよー。これ以上俺のツボ押さえるのやめてくんない?俺を萌え殺す気?!」
「じるがよぉぉお。へんだいっっ!!」
「うんうん。否定しない。俺の性癖変態寄り」
「…嬉しそうにいうなよ。ばか」
「ふふふ。思ったとおり泣き顔も可愛いねぇ。キスしよっか」
「お前の頭どうなってんの?沸きすぎてね?」
「うんうん。沸いてるー」
「うぶっ」

牧が強引に唇を合わせてきやがった。しかも、後頭部をがっちり固定されて頭を動かせず泣いたせいで鼻が詰まって息が苦しい。唇が離れたヶ所ではぷはぷと呼吸をする。

「んー…俺の姫の味がする~。おいしー」
「ぷはっ。へ、へんたい」
「だから変態だって言ってんじゃん。ね、姫。俺も恋人にしない?」
「しない!!!」
「ざんねーん。俺、割と本気なんだけど?」
「俺も本気でお断りしております」
「えぇー…傷ついちゃうー。どうやったら恋人にしてくれんの?」

口調はふざけたままなのに、思った以上に真剣な目で問われて戸惑う。
ならば、ちゃんと答えねば。

「こ、恋人というものは両想いになってなるものだろ。両想いになるにはお互いを知って、好きになるものだから…今俺とお前はそんな間柄じゃないだろ?
だから無理だって。俺、お前の事好きじゃないもん」
「うぐっ…直球で言われるとけっこうダメージあるもんだな」
「だからさ、こんな無理矢理な展開やめねぇ?な?」

初めて見せた牧の精神的な綻びに「今だ!」と飛びついた。

「…でも、俺は姫としたいんだよ。どーーーっしってもしたいの!」

牧の渾身の叫びが辺りに響いて、俺は顔が引き攣るのが分かった。
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