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23話 見せてください ※
しおりを挟む透は、自分の指先を口に含み、しっとりと湿らせた。それを見ていたグレイドの呼吸がわずかに乱れる。
押し倒されたままの体勢で、グレイドの硬くなった肉茎を濡れた手で優しく擦った。
「……グレイドさん、気持ちいいですか?」
その瞬間、グレイドの喉から、思わずといった感じで低い声が漏れた。
「……っ」
グレイドは、昂りを押し殺すように歯を食いしばる。その表情は苦痛に歪んでいるようにも見えたが、同時に、快感で潤んだ瞳が透を捉えていた。
透は、普段は決して見ることのできない、彼の欲情と切なさが混ざり合ったような表情に、胸の奥が高鳴った。息を呑みながら、縛られた手をさらに動かそうとしたが、思うように動かせない。
(このままじゃ、満足させてあげられない……)
どうにかしてベルトを外そうとしたその時、グレイドは透の腰を力強く掴んだ。
「……?!」
もう片方の手で、透に自身の熱くなったものを握らせたまま、グレイドは勢いよく腰を打ちつけた。透は驚きで身体をこわばらせたが、グレイドの動きに導かれるように、次第に身体の力を抜いていった。
「……はぁっ……」
彼の熱を帯びた肉茎が何度も手のひらを擦る。透は刺激に小さく喉を鳴らしながらも、グレイドの表情から目が離せなかった。苦しそうで、それでいて恍惚とした彼の顔は、透の心を揺さぶった。
(グレイドさんの、こういう顔……いいな)
いつも冷静で余裕のある彼を見てきたからこそ、この表情はとても新鮮で、愛おしいものだった。
「……もっと、見せてください」
透は両手を動かし、彼の昂りに快感を与える。グレイドは低く呻きながら、透の手を握り締めた。やがてグレイドの息遣いが荒くなってくる。透は大きな肉茎の敏感なところを指先で撫でた。
どれだけ時間が経ったか分からなくなった頃、グレイドの身体がびくりと震え、動きを止めた。透は手の中のものが脈打ち、ねっとりとした液体が溢れるのを感じた。
「……っ、透……」
「んん……」
まだ足りないと言わんばかりに、貪欲に口づけを重ねるグレイドに、透はどうすればいいか分からなかった。ただ、彼の熱を受け止めるように、目を閉じてそのまま身を委ねた。
激しいキスの最中、グレイドの意識は次第に戻り始めていた。ぼんやりとした霧が晴れ、舌を絡めているのは透だと、その心地よい体温や、かすかに漏れる喘ぎ声をはっきりと感じ始めた。
「……!?」
グレイドは、透とキスをしているという事実を理解し、衝撃で体が硬直した。ゆっくりと唇を離すと、透は息を切らし、頬を赤く染めて静かに目を閉じていた。その無防備で可愛らしい姿に、グレイドの身体に再び熱が集まる。
(これは、夢か? いや、そんなはずは……)
そして、彼は自分が乱れた姿で透の腰をしっかりと掴んでいることに気づき、驚愕した。さらに視線を移すと、透の両手は彼のベルトで縛られている。
自分が意識のない状態でしたことに、グレイドはショックを受けて目の前が真っ暗になり、透の上に倒れ込んだ。
(……グレイドさん……?)
透は、のしかかるグレイドの重みに気づき、そっと目を開けた。彼が気を失ったことを悟ると、透は縛られた両手を口元に運び、歯を使って器用にベルトを解いていく。
両手が自由になると、透は身体を起こし、倒れ込んだままのグレイドの顔を覗き込んだ。そして、安らかに眠る彼の額に愛情を込めてキスをした。
「……好きです。グレイドさん」
小さく呟いたあと、透は手を洗い、服を整えた。グレイドに布団をかけてから、気分を落ち着かせるために海へ向かうことにした。
宿を出ると、空はもう淡い光に満ちていた。潮風が頬を優しく撫でていく。透は、ゆっくりと砂浜を歩いていると、ハリが海を眺めているのが見えた。
「ハリくん、おはようございます」
透が声をかける。するとハリは振り返り、小さな声で挨拶を返した。
「透……おはよう」
昨日突然いなくなったハリが、少し落ち込んでいるように見えた。どうしたのか聞こうとすると、ハリが先に口を開いた。
「……透、一緒に市場に行ってくれる?」
透は、ハリの突然の提案に少し驚いたが、彼の寂しそうな声に、迷いなくうなずいた。
「いいですよ。何か買いたいものがあるんですか?」
「見てみたいんだ……もう、帰らないといけないから」
帰ると聞いて、透はほっと胸をなで下ろした。ハリの表情はまだ少し暗いが、一緒にいられる時間を大切にしたいと思った。
「行きましょう」
透は笑顔でハリの手を取り、連れ立つように市場へと向かった。手のひらから伝わる透の温かさに、ハリは嬉しそうに頬を染めていた。
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