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15話 イケメン、怒られる★
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【一也視点】
七月十四日。
暇だ。
客が来ない。
平日とはいえここまで来ないのは珍しい。
まあ、そういう日もあるのだろう。そういう時は、ネットで情報収集に限る。
俺はパソコンを開き、他店のレビューを見漁る。
どこもかしこもありきたりな褒められ方をしている。どうせ身内の犯行だろう。
卑怯な奴らだ。
執事喫茶【GARDEN】を見るが、相変わらず、白髪の執事の評判が良い。
『白髪の執事が素晴らしい。男の私でも惚れかけた。お値段はちょっと高いですがその価値はあると思います』
『緋と蒼の執事が正直ちょっと良くなくて雰囲気悪くしたのをナイスフォローしていた白髪執事に惚れた。ていうか、泣いた』
『白髪執事は確かにいい仕事をしている。でも、やはり、ここ最高の執事は金髪執事だと私は思うのです』
『三日連続で通ってしまっている。白髪の執事様に、お仕事も頑張らねばなりませんよと怒られた。ちゃんとしかってくれるので、それもまた、なんというか良き』
レビューもすごい数で書かれている。他の店がかわいそうなくらい。他の店の奴らは苛立ってるんだろうな。
だが、俺はこんな事で妬みはしない。むしろ、少し気分がいい。
ちょこちょこと色んな客から聞かれていた福家。ヤツの今を想像して俺は笑う。
かたや評判のいい白髪の執事、かたや喫茶店さえクビになった白髪ジジイ。
こんなにも違いがあると知ったら、福家のジジイはさぞや絶望することだろう。
早く会いたいとすら思うようになってきた。
ドアが開く音がする。
「いらっしゃ……おふくろ」
おふくろだ。そういえば、今日が退院の日だったか。
忙しすぎて忘れていた。
「ただいま。どう? 調子は?」
「悪くはないよ。ただ、今日は駄目だね。なんか来ないんだ」
「そう」
おふくろは薄く笑うと店内を見て回る。この居心地の悪さはなんだろうか。
ああ、そうだ。授業参観だ。あのババアがめかしこんで、まるで自分が主役かのように振舞い、俺がちょっとでも下手こいたら家でグチグチ言われるアレだ。
店内の棚や床のほこりを見つけては立ち止まる。
俺が見ているのが分かっているのだろう。何も言わずにまた歩き出す。
「今のカルムの状況は石口さんから聞いてる」
突如立ち止まり、おふくろが背中越しに俺に話しかけてくる。
石口は、ジジイについでの古株のパートだ。アイツにも釘を刺しておくべきだったか。
「一也。あんた、やらかしたね。聞いたよ。福家さんに店長の話もしてなかったんだって?」
めんどくせえ。おふくろが福家を店長にするように言っていたことは石口も知っていたのか。でも、石口は何も言わなかった。じゃあ、アイツも同罪ではないだろうか。
「石口さんは悪くないよ。それに、私は福家さんが辞めさせられたことを知った上で、あんたに何も言わなかった。辞めろと言われてすぐ引き下がって辞めたことに腹立ててたっていうのもあるし、それに、あの人はここで留まるような人じゃない気がしてたから」
おふくろは俺の心なんかお見通しとでもいうように刺すような視線で俺に話しかけて来たくせに、福家のジジイの話をする時は優しい顔をしやがる。
「福家なんて、ただただ人のよさそうなだけのジジイじゃねえか」
「もしそうだとしても、あんたにはそういう思いやりを学んで欲しかった」
まっすぐに俺を見つめる目。腹が立つ。あのババアの濁った目も嫌いだが、この女の俺のことはなんでもお見通しだといわんばかりのあの目も嫌いだ。ああ、苛々する!
「実の母親でもないくせに偉そうに言ってんじゃねえよ!」
俺が苛立ちのままに叫ぶと、おふくろは予想していなかったのか少し目を見開くとかなしそうな顔をして俺を見た。憐みのようなその目も嫌いだ。大嫌いだ。
「も、元々、ここは、俺の本当の母さんがやるはずだったところなんだから、何やったっていいだろ!」
「……そう、ね。その通りだわ。わかった。一也の好きにすればいいよ。ただし、姉さんの時と同じ。ウチは誰も助けてくれないよ」
とうとう本性を出しやがった。やっぱりあのババアを追い出した家の人間だ。
「はっ! 上等だよ。大体、俺があんたの子になったのは、大学行き続ける金の為で、あんたの子になりたかったわけじゃねえ! いや、そもそも何の手続きもしてないんだ。ただただ、金で繋がった関係なんだ! あんたはあのジジイと付き合いたいから俺が邪魔なんだろ!」
ぱん!
その瞬間、俺の頬に痛みがはしる。
ぶたれた。
目の前の女は泣いている。
泣いている。……うぜえな。
「あんたに……! あんたにあたしの何が分かるのよ! 喫茶店やるから手伝ってって言っておきながら、男作って家飛び出して、金がないから帰ってきて、挙げ句の果てに、散々お父さん困らせるだけ困らせてまたいなくなった姉の、その妹の気持ちなんてわかんないでしょう! それでも、あたしはあんたを……あんたを……!」
息を切らせながら叫んでいる。歳だな。
初めてあった時は、もっとパワフルでかわいらしい人だった。ぶっちゃけ、すげえ若く見えるからちょっと惚れてた。
それが、あんなに顔を歪ませて……俺の事を我が子と思ってるならもっと可愛がれよ。
「あんたはいつだって、自分は何も関係ないって顔するね。ごめんね、あたしの力不足だ」
は?
「うるせえな、母親面すんなよ。大体母親なら腐るほどある金を出してくれよ」
思い出せば、本当に何かと五月蠅かった。
二十歳の男にそこまで言うかってほどガミガミ言ってきやがった。
いつも福家のジジイが宥めてて、それでこの女が落ち着いてもう一度冷静に俺を諭そうとする。
腹が立った。
この女とババアの実家にはアホほど金があった。というか、この女も金は持っているはずだ。
だから、不自由はしないし、そんなに頑張る必要もなかった。
けれど、この女はいつも俺に怒ってきた。
そんな五月蠅いのが絶望した顔で俺を見ている。いい気味だ。
「もういい。あんたも大人だ。自分でなんとかしてみな。あたしはもうひとつの仕事があるし、別に生きていける。……どうしても、どうしても、無理な時は連絡してきな。福家さんにちゃんと謝るなら、出来ることはしてあげるから」
またあのジジイか。
「福家福家福家福家、それしか言うことないのかよ」
「福家さんだからじゃない。あんたに今一番必要なのはちゃんと自分を見つめて、謝ること。その一番最初の人が福家さんってだけ」
意味が分からない。結局同じだろ。
「はいはい。わかったわかった。じゃあ、部外者は出ていってくれます? 俺、忙しいんで」
あの女が出ていく。石口も奥から出てきて今日までの約束だったので辞めるとか言ってたがどうでもいい。
他にも古株何人かが辞めると石口が言っていた。どうでもいい。
これで不穏分子はなくなった。
しかし、今日は厄日だ。客は来ないのに疫病神は来る。
こういう日は早じまいして気分転換するに限る。
俺が遠巻きに様子を見てた他のスタッフに臨時休業を告げると歓声が上がる。
これだ。これが仲間というもんだろ。喜びと苦しみを分かち合う。
スタッフが感謝を言いながら帰っていくのを見送り、金勘定を始める。
基本的に俺が忙しかったので、金の管理を石口にやらせていた。
もしかしたら、アイツがとっている可能性だってある。念には念を、だ。
金を数える。今日はまあ、客も少なかったからな。とる隙もなかっただろう。
店用のパソコンを開き、数字を眺める。眺める。眺める。眺める。
どっと汗が噴き出る。
え?
なんだこの先月後半からどんどん下がっていくヤバい数字は……。
そういえば、石口が何か言っていた。
だが、俺はいつも打開策を考えてやっていたんだ。
え? あれ? うそだろ?
このまま続ければどうなるか。下がり続けているんだ馬鹿でも分かる。
「嘘だろっ! はああああ!? ふざけんな!」
俺は怒りのままに椅子を蹴り飛ばす。が、ヘンな方向に跳ね、俺に向かって返ってくる。
「あぐっ!」
腹の下に背もたれが食い込み俺は情けない声を上げてしまう。
スタッフがいなくてよかった。いや、だけど、誰もいないから助けも呼べない。笑いにも変えられない。とっとと帰るなよ! 薄情者どもが!
股間をおさえながら俺は未来を想像する。最悪の未来を。
「くそ! くそ! くそおおおおおお!」
なんとかしなければ。俺は、終わる。なんだよ、こんなの聞いてねえよ。
俺は必死に頭を働かせる。
遠くに見える俺専用のパソコンが目に入った。
執事喫茶【GARDEN】。
俺がこんなに苦労してもうまくいかないのに、ただただイケメン並べて楽して儲けるあんな店が売れてるなんて世の中どうかしてる。
七月十四日。
暇だ。
客が来ない。
平日とはいえここまで来ないのは珍しい。
まあ、そういう日もあるのだろう。そういう時は、ネットで情報収集に限る。
俺はパソコンを開き、他店のレビューを見漁る。
どこもかしこもありきたりな褒められ方をしている。どうせ身内の犯行だろう。
卑怯な奴らだ。
執事喫茶【GARDEN】を見るが、相変わらず、白髪の執事の評判が良い。
『白髪の執事が素晴らしい。男の私でも惚れかけた。お値段はちょっと高いですがその価値はあると思います』
『緋と蒼の執事が正直ちょっと良くなくて雰囲気悪くしたのをナイスフォローしていた白髪執事に惚れた。ていうか、泣いた』
『白髪執事は確かにいい仕事をしている。でも、やはり、ここ最高の執事は金髪執事だと私は思うのです』
『三日連続で通ってしまっている。白髪の執事様に、お仕事も頑張らねばなりませんよと怒られた。ちゃんとしかってくれるので、それもまた、なんというか良き』
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だが、俺はこんな事で妬みはしない。むしろ、少し気分がいい。
ちょこちょこと色んな客から聞かれていた福家。ヤツの今を想像して俺は笑う。
かたや評判のいい白髪の執事、かたや喫茶店さえクビになった白髪ジジイ。
こんなにも違いがあると知ったら、福家のジジイはさぞや絶望することだろう。
早く会いたいとすら思うようになってきた。
ドアが開く音がする。
「いらっしゃ……おふくろ」
おふくろだ。そういえば、今日が退院の日だったか。
忙しすぎて忘れていた。
「ただいま。どう? 調子は?」
「悪くはないよ。ただ、今日は駄目だね。なんか来ないんだ」
「そう」
おふくろは薄く笑うと店内を見て回る。この居心地の悪さはなんだろうか。
ああ、そうだ。授業参観だ。あのババアがめかしこんで、まるで自分が主役かのように振舞い、俺がちょっとでも下手こいたら家でグチグチ言われるアレだ。
店内の棚や床のほこりを見つけては立ち止まる。
俺が見ているのが分かっているのだろう。何も言わずにまた歩き出す。
「今のカルムの状況は石口さんから聞いてる」
突如立ち止まり、おふくろが背中越しに俺に話しかけてくる。
石口は、ジジイについでの古株のパートだ。アイツにも釘を刺しておくべきだったか。
「一也。あんた、やらかしたね。聞いたよ。福家さんに店長の話もしてなかったんだって?」
めんどくせえ。おふくろが福家を店長にするように言っていたことは石口も知っていたのか。でも、石口は何も言わなかった。じゃあ、アイツも同罪ではないだろうか。
「石口さんは悪くないよ。それに、私は福家さんが辞めさせられたことを知った上で、あんたに何も言わなかった。辞めろと言われてすぐ引き下がって辞めたことに腹立ててたっていうのもあるし、それに、あの人はここで留まるような人じゃない気がしてたから」
おふくろは俺の心なんかお見通しとでもいうように刺すような視線で俺に話しかけて来たくせに、福家のジジイの話をする時は優しい顔をしやがる。
「福家なんて、ただただ人のよさそうなだけのジジイじゃねえか」
「もしそうだとしても、あんたにはそういう思いやりを学んで欲しかった」
まっすぐに俺を見つめる目。腹が立つ。あのババアの濁った目も嫌いだが、この女の俺のことはなんでもお見通しだといわんばかりのあの目も嫌いだ。ああ、苛々する!
「実の母親でもないくせに偉そうに言ってんじゃねえよ!」
俺が苛立ちのままに叫ぶと、おふくろは予想していなかったのか少し目を見開くとかなしそうな顔をして俺を見た。憐みのようなその目も嫌いだ。大嫌いだ。
「も、元々、ここは、俺の本当の母さんがやるはずだったところなんだから、何やったっていいだろ!」
「……そう、ね。その通りだわ。わかった。一也の好きにすればいいよ。ただし、姉さんの時と同じ。ウチは誰も助けてくれないよ」
とうとう本性を出しやがった。やっぱりあのババアを追い出した家の人間だ。
「はっ! 上等だよ。大体、俺があんたの子になったのは、大学行き続ける金の為で、あんたの子になりたかったわけじゃねえ! いや、そもそも何の手続きもしてないんだ。ただただ、金で繋がった関係なんだ! あんたはあのジジイと付き合いたいから俺が邪魔なんだろ!」
ぱん!
その瞬間、俺の頬に痛みがはしる。
ぶたれた。
目の前の女は泣いている。
泣いている。……うぜえな。
「あんたに……! あんたにあたしの何が分かるのよ! 喫茶店やるから手伝ってって言っておきながら、男作って家飛び出して、金がないから帰ってきて、挙げ句の果てに、散々お父さん困らせるだけ困らせてまたいなくなった姉の、その妹の気持ちなんてわかんないでしょう! それでも、あたしはあんたを……あんたを……!」
息を切らせながら叫んでいる。歳だな。
初めてあった時は、もっとパワフルでかわいらしい人だった。ぶっちゃけ、すげえ若く見えるからちょっと惚れてた。
それが、あんなに顔を歪ませて……俺の事を我が子と思ってるならもっと可愛がれよ。
「あんたはいつだって、自分は何も関係ないって顔するね。ごめんね、あたしの力不足だ」
は?
「うるせえな、母親面すんなよ。大体母親なら腐るほどある金を出してくれよ」
思い出せば、本当に何かと五月蠅かった。
二十歳の男にそこまで言うかってほどガミガミ言ってきやがった。
いつも福家のジジイが宥めてて、それでこの女が落ち着いてもう一度冷静に俺を諭そうとする。
腹が立った。
この女とババアの実家にはアホほど金があった。というか、この女も金は持っているはずだ。
だから、不自由はしないし、そんなに頑張る必要もなかった。
けれど、この女はいつも俺に怒ってきた。
そんな五月蠅いのが絶望した顔で俺を見ている。いい気味だ。
「もういい。あんたも大人だ。自分でなんとかしてみな。あたしはもうひとつの仕事があるし、別に生きていける。……どうしても、どうしても、無理な時は連絡してきな。福家さんにちゃんと謝るなら、出来ることはしてあげるから」
またあのジジイか。
「福家福家福家福家、それしか言うことないのかよ」
「福家さんだからじゃない。あんたに今一番必要なのはちゃんと自分を見つめて、謝ること。その一番最初の人が福家さんってだけ」
意味が分からない。結局同じだろ。
「はいはい。わかったわかった。じゃあ、部外者は出ていってくれます? 俺、忙しいんで」
あの女が出ていく。石口も奥から出てきて今日までの約束だったので辞めるとか言ってたがどうでもいい。
他にも古株何人かが辞めると石口が言っていた。どうでもいい。
これで不穏分子はなくなった。
しかし、今日は厄日だ。客は来ないのに疫病神は来る。
こういう日は早じまいして気分転換するに限る。
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これだ。これが仲間というもんだろ。喜びと苦しみを分かち合う。
スタッフが感謝を言いながら帰っていくのを見送り、金勘定を始める。
基本的に俺が忙しかったので、金の管理を石口にやらせていた。
もしかしたら、アイツがとっている可能性だってある。念には念を、だ。
金を数える。今日はまあ、客も少なかったからな。とる隙もなかっただろう。
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どっと汗が噴き出る。
え?
なんだこの先月後半からどんどん下がっていくヤバい数字は……。
そういえば、石口が何か言っていた。
だが、俺はいつも打開策を考えてやっていたんだ。
え? あれ? うそだろ?
このまま続ければどうなるか。下がり続けているんだ馬鹿でも分かる。
「嘘だろっ! はああああ!? ふざけんな!」
俺は怒りのままに椅子を蹴り飛ばす。が、ヘンな方向に跳ね、俺に向かって返ってくる。
「あぐっ!」
腹の下に背もたれが食い込み俺は情けない声を上げてしまう。
スタッフがいなくてよかった。いや、だけど、誰もいないから助けも呼べない。笑いにも変えられない。とっとと帰るなよ! 薄情者どもが!
股間をおさえながら俺は未来を想像する。最悪の未来を。
「くそ! くそ! くそおおおおおお!」
なんとかしなければ。俺は、終わる。なんだよ、こんなの聞いてねえよ。
俺は必死に頭を働かせる。
遠くに見える俺専用のパソコンが目に入った。
執事喫茶【GARDEN】。
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