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17話 五十路、守る
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七月九日 執事喫茶【GARDEN】
南さんの謎の行動に頭を悩ませながらホールに戻ろうとしていた私でしたが、ホールの入り口でこちらを睨んでくる方が。
「白銀さん、オーナーのお気に入りだからって、あまり調子に乗らないほうがいいですよ」
そう声をかけてくるのは、蒼樹さん。
すらりとした長身で、前髪が長く、目が切れ長でスマートな印象です。
「そうそう、あんまり調子に乗りすぎると痛い目に遭うかもよ」
蒼樹さんの隣にいた緋田さんが大きく笑いながら近づいてきます。
蒼樹さんに比べ、筋肉もあり、スポーツマンな印象の方です。
緋田さんがそのままズンズンと私のところまで肩をいからせながらやってきます。
「こんな風に! な……?」
緋田さんも目が悪いのでしょうか?
危うくぶつかるところでした。
ジジイの骨は脆いでしょうから緋田さんのような屈強な方にぶつかられては一溜りもないでしょうし、緋田さんが罪悪感を抱かれたら申し訳がないですから。
「よかった。まったく……骨が砕けるところですよ」
(こ、こいつ、俺の骨を砕くと宣言したのか……や、やべえやつじゃねえか……!)
緋田さんが目を見開いています。
ジジイの骨の弱さに驚いているのでしょうか。
「緋田、蒼樹、何を油を売っているんですか?」
執事長の黒鶴さんが眼鏡を直しながらこちらに来ます。
黒髪オールバックで眼鏡をかけた黒鶴さんは、【GARDEN】の古株で全体指揮をとってくださっています。
「あちらのお嬢様のお相手をするよう伝えたはずですが?」
黒鶴さんの視線の先には所在なさげに視線を彷徨わせ、小さくなったお嬢様がいらっしゃいます。
「お言葉を返すようですが、執事長、お嬢様にも気品というものは必要では?」
「何?」
蒼樹さんが首を振りながら黒鶴さんを見て笑います。
「【GARDEN】もお嬢様を選ぶべきです。そして、そのお嬢様に然るべき対応をすべきなんですよ」
「蒼樹……!」
黒鶴さんが突き刺すような視線で蒼樹さんを睨みますが、蒼樹さんは意に介してないようです。緋田さんも同意見なのかうんうんと頷いています。
「執事喫茶を掛け持つのは辞めろと言ったはずですが。『向こう』と【GARDEN】は違うのです」
「良いところは学ぶべきです。あのお嬢様を見てください。見た目も磨かれていない。服の質も悪い。ああいう分かっていない客は」
「そうだ! あんなお嬢様はウチにはいらない」
「緋田さん、蒼樹さん、いけません」
私は、黒鶴さんに詰め寄ろうとするお二人の腕を掴みます。
「なんのつもりですか?」
蒼樹さんが私を睨みます。
ですが、関係ありません。
「お嬢様に聞こえているようですよ」
お嬢様は先程よりも小さくなり震えているようでした。
「……耳はいいんですね。ですが、好都合でしょう。お帰りいただいてもっと将来性のあるお嬢様を」
「蒼樹さん、いけません」
「いい加減、はなっ……!」
蒼樹さんが振り払おうとしますが、させません。
緋田さんも唸りながら暴れようとするので、少し捻りました。
「こ、コイツ……離せない……!」
「な……! こんなジジイのどこにそんな力が」
これでも祖父から武道は叩き込まれています。
祖父からしてみれば喧嘩の才能はからっきしと言われていましたが。
『拓司は喧嘩の才能がないのう。相手を負かしたい、相手に勝ちたいって気持ちがないんだろうなあ。まあいいさ。ない方が。お前にそんな気が有ったら、何人か達人が辞めちゃうな』
言ってることの意味は分かりませんでしたが、確かに私は勝ち負けに興味がわきませんでした。
ただ、守るために必要だったから覚えたのです。
そして、今はあのお嬢様を守るために。
「黒鶴さん、若輩者の老いぼれではありますが、あちらのお嬢様には私がお仕えさせていただけないでしょうか?」
「白銀……分かりました。頼みましたよ」
「私の全てを懸けて、お嬢様に幸せを」
蒼樹さんの纏わりつくような視線、緋田さんの怯えた目、それらを無視して私はお嬢様の元へ向かいます。
「お嬢様、私にお嬢様との楽しい時間を過ごさせていただけませんでしょうか?」
「え……いや、いい、です……私なんか、どうせ……」
お嬢様は目にうっすら涙を浮かべうつむいてしまいます。
私は……
「お嬢様、姿勢が悪くなっております。じいやは悲しゅうございます」
「え?」
私は、顔を上げたお嬢様と向かい合います。
私は執事。お嬢様の為の。お嬢様のために尽くす執事。
「姿勢です、姿勢。そんな猫背で立派な淑女になれますか」
「は、はい」
慌てて姿勢を正すお嬢様。
「すぐに直せるのは素晴らしいですよ。そして、美しい座り方です。何かなさっておいでですか?」
「あ、多分……昔、書道を」
「素晴らしい。しっかり身に付いていらっしゃる。とても美しい、ですよ。お嬢様ならば出来ると信じた私の目に狂いはありませんでした」
「あ……」
お嬢様の淀んでいた瞳に少しばかり光が差した気がしました。
私は執事。お嬢様の本当の望みを察し、支え導くのが私の使命。
「お嬢様。私にお嬢様との楽しい時間を過ごさせていただけませんでしょうか?」
「……喜んで」
百合のように、静かに美しい微笑みで頷いて下さいました。
その時でした。入り口からざわめきが。
見れば、四人の女性が、いえ、お嬢様がお越しになられたようです。黒髪の清楚な雰囲気、活発そうなポニーテール、意志の強さを感じさせる大きな瞳、母性溢れる優しい空気、あの方達は……
「あれって……まさか! 今、大注目の女優、小山内凛音だろ」
蒼樹さんが呟きます。カルム常連の彼女、りんさんは女優さんだったのですね。ずっと高校生らしからぬ器の広さがあると思っていましたが。
「あのポニーテールの子……W大ミスキャンパスの北野結では……」
意外にも黒鶴さんはそういったことに詳しいのですね。
なるほど、同世代の方たちは彼女のあのエネルギッシュな姿から目を離せないでしょうね。
「あ、蒼樹、あっちのちょっと気の強そうな美人は、美人すぎる空手家、東雲明美だぞ!」
緋田さんは、スポーツマンみたいですからそういう方面にも明るいのですね。なるほど、確かに、あけみさんは、芯の通った強さを感じます。
「おいおいおい……人気芸能事務所のやり手女社長さんまで来てるじゃねえかよ……!」
千金楽さんが、顔をひきつらせながら呟きます。流石、千金楽さんのような美男子はそういう業界に詳しいのですね。
そうですね、葛西さんは、いつも華やかなオーラで、美男美女を連れてお越しいただいておりました。
「な、なんなんだよ、あのつよつよグループは……!」
緋田さんが、驚いてらっしゃいますが、
カルムではいつもの光景なんですが。
今日は何故か皆様お顔を隠したりせず、美しくおめかししてらっしゃいますけど、いつも通り素敵です。
「オーナー、予約した葛西ですが」
「は、はい! ようこそ!」
「今日は特別にいいのよね?」
「は、はい! 今日は最終研修試験なので、皆様、よろしくお願いいたします!」
南さんが頭を下げていらっしゃいます。
不思議ですね。
カルムでは、南さんも皆さんとフランクにお話していらっしゃったはずですが……。
「し、白銀! こちらのお嬢様達のお相手を!」
「「はあ!?」」
蒼樹さんと緋田さんが両側から私を覗き込みます。
「お前、マジでなんなんだよ……?」
「し、師匠と呼んでいいですか?」
蒼樹さんが顔を青ざめさせながら、緋田さんが目を潤ませながら私を見つめます。
「私はただの老いぼれですよ」
「「「「「「「「いやいやいやいや!」」」」」」」」
皆さんからツッコミを受けてしまいました。
でも、本当にただのジジイなんですが。
一先ず、お嬢様達をお出迎えせねば。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
私の話を南さんから聞いて励ましにでも態々【GARDEN】まで来てくださったのでしょう。
私のようなジジイなんかの為にありがたいことです。
私は感謝の思いを込めて、精一杯の笑顔でお出迎えさせていただきます。
すると、結さんは両手を胸の前で組み倒れ、明美さんは壁に頭をぶつけ始め、りんさんは頭に血がのぼったのか鼻血を流し始め、葛西さんは涙を流し微笑んでいらっしゃいました。
「しろがねぇ~……! 微笑み抑えろって私言いましたよね……!」
千金楽さんが、私の肩を掴み、とても圧を感じる笑顔を近づけてきます。
「すみません、『キモかった』んですよね」
「もう、お前の自己肯定感の低さがキモいわ」
はて? どういう意味でしょうか?
皆さん、頷いていらっしゃるのに、鈍いジジイだけ分かりません。
あと、女性陣のこの状況はどうしたら……。
あと、何故か南さんが連写してらっしゃいます。
あとで自分で見て反省しろということでしょうか?
しかし、今はそれどころではありません。
「申し訳ありませんが、先にお仕えするお嬢様がいらっしゃいまして、お待ちいただけますか?」
「「「「「は?」」」」」
私は先程ご挨拶させていただいたお嬢様の方を向きます。
いけません! また猫背に!
お嬢様、じいやは許しませんよ!
南さんの謎の行動に頭を悩ませながらホールに戻ろうとしていた私でしたが、ホールの入り口でこちらを睨んでくる方が。
「白銀さん、オーナーのお気に入りだからって、あまり調子に乗らないほうがいいですよ」
そう声をかけてくるのは、蒼樹さん。
すらりとした長身で、前髪が長く、目が切れ長でスマートな印象です。
「そうそう、あんまり調子に乗りすぎると痛い目に遭うかもよ」
蒼樹さんの隣にいた緋田さんが大きく笑いながら近づいてきます。
蒼樹さんに比べ、筋肉もあり、スポーツマンな印象の方です。
緋田さんがそのままズンズンと私のところまで肩をいからせながらやってきます。
「こんな風に! な……?」
緋田さんも目が悪いのでしょうか?
危うくぶつかるところでした。
ジジイの骨は脆いでしょうから緋田さんのような屈強な方にぶつかられては一溜りもないでしょうし、緋田さんが罪悪感を抱かれたら申し訳がないですから。
「よかった。まったく……骨が砕けるところですよ」
(こ、こいつ、俺の骨を砕くと宣言したのか……や、やべえやつじゃねえか……!)
緋田さんが目を見開いています。
ジジイの骨の弱さに驚いているのでしょうか。
「緋田、蒼樹、何を油を売っているんですか?」
執事長の黒鶴さんが眼鏡を直しながらこちらに来ます。
黒髪オールバックで眼鏡をかけた黒鶴さんは、【GARDEN】の古株で全体指揮をとってくださっています。
「あちらのお嬢様のお相手をするよう伝えたはずですが?」
黒鶴さんの視線の先には所在なさげに視線を彷徨わせ、小さくなったお嬢様がいらっしゃいます。
「お言葉を返すようですが、執事長、お嬢様にも気品というものは必要では?」
「何?」
蒼樹さんが首を振りながら黒鶴さんを見て笑います。
「【GARDEN】もお嬢様を選ぶべきです。そして、そのお嬢様に然るべき対応をすべきなんですよ」
「蒼樹……!」
黒鶴さんが突き刺すような視線で蒼樹さんを睨みますが、蒼樹さんは意に介してないようです。緋田さんも同意見なのかうんうんと頷いています。
「執事喫茶を掛け持つのは辞めろと言ったはずですが。『向こう』と【GARDEN】は違うのです」
「良いところは学ぶべきです。あのお嬢様を見てください。見た目も磨かれていない。服の質も悪い。ああいう分かっていない客は」
「そうだ! あんなお嬢様はウチにはいらない」
「緋田さん、蒼樹さん、いけません」
私は、黒鶴さんに詰め寄ろうとするお二人の腕を掴みます。
「なんのつもりですか?」
蒼樹さんが私を睨みます。
ですが、関係ありません。
「お嬢様に聞こえているようですよ」
お嬢様は先程よりも小さくなり震えているようでした。
「……耳はいいんですね。ですが、好都合でしょう。お帰りいただいてもっと将来性のあるお嬢様を」
「蒼樹さん、いけません」
「いい加減、はなっ……!」
蒼樹さんが振り払おうとしますが、させません。
緋田さんも唸りながら暴れようとするので、少し捻りました。
「こ、コイツ……離せない……!」
「な……! こんなジジイのどこにそんな力が」
これでも祖父から武道は叩き込まれています。
祖父からしてみれば喧嘩の才能はからっきしと言われていましたが。
『拓司は喧嘩の才能がないのう。相手を負かしたい、相手に勝ちたいって気持ちがないんだろうなあ。まあいいさ。ない方が。お前にそんな気が有ったら、何人か達人が辞めちゃうな』
言ってることの意味は分かりませんでしたが、確かに私は勝ち負けに興味がわきませんでした。
ただ、守るために必要だったから覚えたのです。
そして、今はあのお嬢様を守るために。
「黒鶴さん、若輩者の老いぼれではありますが、あちらのお嬢様には私がお仕えさせていただけないでしょうか?」
「白銀……分かりました。頼みましたよ」
「私の全てを懸けて、お嬢様に幸せを」
蒼樹さんの纏わりつくような視線、緋田さんの怯えた目、それらを無視して私はお嬢様の元へ向かいます。
「お嬢様、私にお嬢様との楽しい時間を過ごさせていただけませんでしょうか?」
「え……いや、いい、です……私なんか、どうせ……」
お嬢様は目にうっすら涙を浮かべうつむいてしまいます。
私は……
「お嬢様、姿勢が悪くなっております。じいやは悲しゅうございます」
「え?」
私は、顔を上げたお嬢様と向かい合います。
私は執事。お嬢様の為の。お嬢様のために尽くす執事。
「姿勢です、姿勢。そんな猫背で立派な淑女になれますか」
「は、はい」
慌てて姿勢を正すお嬢様。
「すぐに直せるのは素晴らしいですよ。そして、美しい座り方です。何かなさっておいでですか?」
「あ、多分……昔、書道を」
「素晴らしい。しっかり身に付いていらっしゃる。とても美しい、ですよ。お嬢様ならば出来ると信じた私の目に狂いはありませんでした」
「あ……」
お嬢様の淀んでいた瞳に少しばかり光が差した気がしました。
私は執事。お嬢様の本当の望みを察し、支え導くのが私の使命。
「お嬢様。私にお嬢様との楽しい時間を過ごさせていただけませんでしょうか?」
「……喜んで」
百合のように、静かに美しい微笑みで頷いて下さいました。
その時でした。入り口からざわめきが。
見れば、四人の女性が、いえ、お嬢様がお越しになられたようです。黒髪の清楚な雰囲気、活発そうなポニーテール、意志の強さを感じさせる大きな瞳、母性溢れる優しい空気、あの方達は……
「あれって……まさか! 今、大注目の女優、小山内凛音だろ」
蒼樹さんが呟きます。カルム常連の彼女、りんさんは女優さんだったのですね。ずっと高校生らしからぬ器の広さがあると思っていましたが。
「あのポニーテールの子……W大ミスキャンパスの北野結では……」
意外にも黒鶴さんはそういったことに詳しいのですね。
なるほど、同世代の方たちは彼女のあのエネルギッシュな姿から目を離せないでしょうね。
「あ、蒼樹、あっちのちょっと気の強そうな美人は、美人すぎる空手家、東雲明美だぞ!」
緋田さんは、スポーツマンみたいですからそういう方面にも明るいのですね。なるほど、確かに、あけみさんは、芯の通った強さを感じます。
「おいおいおい……人気芸能事務所のやり手女社長さんまで来てるじゃねえかよ……!」
千金楽さんが、顔をひきつらせながら呟きます。流石、千金楽さんのような美男子はそういう業界に詳しいのですね。
そうですね、葛西さんは、いつも華やかなオーラで、美男美女を連れてお越しいただいておりました。
「な、なんなんだよ、あのつよつよグループは……!」
緋田さんが、驚いてらっしゃいますが、
カルムではいつもの光景なんですが。
今日は何故か皆様お顔を隠したりせず、美しくおめかししてらっしゃいますけど、いつも通り素敵です。
「オーナー、予約した葛西ですが」
「は、はい! ようこそ!」
「今日は特別にいいのよね?」
「は、はい! 今日は最終研修試験なので、皆様、よろしくお願いいたします!」
南さんが頭を下げていらっしゃいます。
不思議ですね。
カルムでは、南さんも皆さんとフランクにお話していらっしゃったはずですが……。
「し、白銀! こちらのお嬢様達のお相手を!」
「「はあ!?」」
蒼樹さんと緋田さんが両側から私を覗き込みます。
「お前、マジでなんなんだよ……?」
「し、師匠と呼んでいいですか?」
蒼樹さんが顔を青ざめさせながら、緋田さんが目を潤ませながら私を見つめます。
「私はただの老いぼれですよ」
「「「「「「「「いやいやいやいや!」」」」」」」」
皆さんからツッコミを受けてしまいました。
でも、本当にただのジジイなんですが。
一先ず、お嬢様達をお出迎えせねば。
「お帰りなさいませ、お嬢様」
私の話を南さんから聞いて励ましにでも態々【GARDEN】まで来てくださったのでしょう。
私のようなジジイなんかの為にありがたいことです。
私は感謝の思いを込めて、精一杯の笑顔でお出迎えさせていただきます。
すると、結さんは両手を胸の前で組み倒れ、明美さんは壁に頭をぶつけ始め、りんさんは頭に血がのぼったのか鼻血を流し始め、葛西さんは涙を流し微笑んでいらっしゃいました。
「しろがねぇ~……! 微笑み抑えろって私言いましたよね……!」
千金楽さんが、私の肩を掴み、とても圧を感じる笑顔を近づけてきます。
「すみません、『キモかった』んですよね」
「もう、お前の自己肯定感の低さがキモいわ」
はて? どういう意味でしょうか?
皆さん、頷いていらっしゃるのに、鈍いジジイだけ分かりません。
あと、女性陣のこの状況はどうしたら……。
あと、何故か南さんが連写してらっしゃいます。
あとで自分で見て反省しろということでしょうか?
しかし、今はそれどころではありません。
「申し訳ありませんが、先にお仕えするお嬢様がいらっしゃいまして、お待ちいただけますか?」
「「「「「は?」」」」」
私は先程ご挨拶させていただいたお嬢様の方を向きます。
いけません! また猫背に!
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