前世は救国の騎士だが、今世は平民として生きる!はずが囲われてます!?

文字の大きさ
54 / 146

報告会

しおりを挟む
うぅ……シュルツに怒られすぎて、頭が痛い。

確かに、今日のことは俺が悪かった。
考えなしだった。
単純に、やってみようかな?くらいの軽い気持ちだったんだ。
自分の魔力の強さや被害の大きさなど考えてなかった。
このルカの体で魔法を使うのは初めてだったが、前の感覚はなんとなくあった。
使える、と漠然と思っていた。
だから、最小限で、と考えるはずが、あの影を吹き飛ばすことしか頭になくて……。
詠唱は前もしてなかったし、体内で魔力を練る感覚もできたから、なんとかなるな、くらいだった。
それが、まさかの大爆発。
確実に、前よりも今の方が威力が増している。
魔力量もあれだけの魔法を使ったのに全く減った感覚がなかったから、多いだろう。
水晶玉が割れるはずだよ……。

だけど、前の俺に被った被害を今の俺に言われても……別だから!
あの時も考えなしで魔法を使って被害が、とか、突然閃いた魔法を試して家屋を全壊させた、とか、俺じゃない!

いや、俺だけど!

シュルツ……あんなに溜め込んでたのか……。
まぁ、俺、師匠だったし……怒れなかったんだな……ん?
いや、怒られてたな?あの時はあの時で怒られてたよな?
なんか今日のことで過去を思い出して余計に怒られただけで、ちょっと納得いかない気がしてきたが。

あの一発の魔法で……ずっと謝ることしかしてない。
俺の初日、謝罪で終了してしまった……みんなに、何を報告すれば……?

頭を抱えていると、部屋にクリフトが帰ってきた。

「あれ、ルカ早かったんですね」
「おぉ、クリフトお疲れ」

クリフトは、そんなに疲れた様子はない。

「どうだったんだ?」
「あぁ、授業ですか?今日はみんなで集まるんですよね?報告会、でしたっけ?」
「そ、そうだな」

いや、報告することないけど。
反省会だけど。

「もう、二人も戻ってきてるのでは?部屋に行ってみますか?」
「そ、そうだな……」

うぅ。
足取りが重い。
どうしよう。三人がいろんなこと学んだって報告されても、俺、魔法が使えたよ?ぐらいしかない。
しかも、三人は大勢との授業なのに、俺は一対一だ。
いろんなことを学ばないといけないはずが……。
ただでさえ、遅れているのに!

とりあえず、テオの部屋をノックしてみる。
返答がない。
まだ帰ってないのか。
次は隣のバーンの部屋をノックしてみる。
返答がない。
やはり、まだ帰ってない。

「お二人は授業の人数多いですからね」
「クリフトは何人だ?」
「俺を入れて四人です」
「へー」

とりあえず、ここで立っていても仕方ない。
部屋に戻ろうとしていたら、ネラル先生とすれ違う。
ネラル先生は心なしかげっそりしている。
「お疲れ様です」
「お、お疲れ様です」
クリフトが声をかけたので、俺も一応同じように声をかけた。
ネラル先生は俺たちを見て、眉間に皺を寄せると大きくため息をつく。

「……あのねぇ。あなた達三人、テオドールもバーンも何なんですか?」
「三人?え?俺は?四人じゃあ?」
「あぁ、ルカいたんですか。あなたは入ってません」

えっ……俺、入ってない……。

「優秀なのは認めますが、三人とも自分勝手というか、他と交わらないというか……例年一人くらいはいるんですよ、あなた達みたいなのが。今年は三人!もう、今日一日でこれからの毎日が想像できて……とても一人では無理です」
「え?」
「あぁ、ルーツは基本的に私かシュラ先生が指導します。今年は例外的にルカがいるので、ルカだけ教官を呼ぼうと思っていたらシュラ先生が受け持つとか言い出して……急遽私が土魔法で三体作り出して執務室で操作して授業しました」

「えぇっ」

俺は入ってないって言われたショックで全然話を聞いてなかったが、クリフトがかなり驚いている。

「治癒魔法が必要な時だけ私が転移で出向いてましたけど、テオドールは無茶するし、バーンも深傷を負わせるし……全く。予想外に魔力を使ってしまって、私は疲労困憊ですよ!そんな中でクリフト、あなたも波風たてるような言い方しかせず、頭痛が増しました」
「それは申し訳ありません。ですが、他の者が小物すぎて……」
「反省してないじゃないですか!」
ネラル先生は額に手を当て、瞳を閉じて考え込む。
「……もう、あなた達三人はルカと一緒にシュラ先生に個人指導してもらいましょう。そうだ、それがいい」
「え?ルカと一緒に?いいんですか!」
「明日からそうして下さい。面倒見きれないので。シュラ先生にはこちらから伝えておきますから、テオドールとバーンへは……クリフト頼めますね?」
「責任もって伝えます」
「では」

ネラル先生は転移した。

「ちゃんと話を聞いてなかったけど、明日から一緒に授業受けるってことだよな?なんか、ネラル先生が怒ってたけど、何かしたのか?」
「したと言えばしたんでしょうが……まぁ、みんな揃って報告会しましょうか。明日から一緒に授業受けられるなんて、二人も喜びます!」

クリフトは嬉しそうだが……俺は大丈夫か!?
今日みたいなことはできないな……。
気を付けないと……。

伝言もあるので、もう一度テオの部屋に戻ろうとした時に、廊下で二人に会う。
「ルカ、クリフト、会えたね」
「ちょうど良かったな」
二人はほぼ同時に終わったようで、寄宿学校から一緒に帰ってきたらしい。

「よし!報告会しよう」

改めて俺たち四人はテオの部屋で報告会をすることになった。
しおりを挟む
感想 64

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

悪役神官の俺が騎士団長に囚われるまで

二三@冷酷公爵発売中
BL
国教会の主教であるイヴォンは、ここが前世のBLゲームの世界だと気づいた。ゲームの内容は、浄化の力を持つ主人公が騎士団と共に国を旅し、魔物討伐をしながら攻略対象者と愛を深めていくというもの。自分は悪役神官であり、主人公が誰とも結ばれないノーマルルートを辿る場合に限り、破滅の道を逃れられる。そのためイヴォンは旅に同行し、主人公の恋路の邪魔を画策をする。以前からイヴォンを嫌っている団長も攻略対象者であり、気が進まないものの団長とも関わっていくうちに…。

死に戻りした僕を待っていたのは兄たちによる溺愛モードでした

液体猫(299)
BL
*諸々の事情により第四章の十魔編以降は一旦非公開にします。十魔編の内容を諸々と変更いたします。 【主人公(クリス)に冷たかった兄たち。だけど巻き戻した世界では、なぜかクリスを取り合う溺愛モードに豹変してしまいました】  アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、十三年前へと戻っていた。  前世でクリスに罪を着せた者への復讐は『ついで。』二度目の人生の目的はただ一つ。前の世界で愛し合った四男、シュナイディルと幸せに暮らすこと。  けれど予想外なことに、待っていたのは過保護すぎる兄たちからの重たい溺愛で……  やり直し皇子、クリスが愛を掴みとって生きていくコミカル&ハッピーエンド確定物語。  第三章より成長後の🔞展開があります。 ※濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭、ちょっとだけ重い展開あり。 ※若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です!

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

お前らの目は節穴か?BLゲーム主人公の従者になりました!

MEIKO
BL
 本編完結しています。お直し中。第12回BL大賞奨励賞いただきました。  僕、エリオット・アノーは伯爵家嫡男の身分を隠して公爵家令息のジュリアス・エドモアの従者をしている。事の発端は十歳の時…家族から虐げられていた僕は、我慢の限界で田舎の領地から家を出て来た。もう二度と戻る事はないと己の身分を捨て、心機一転王都へやって来たものの、現実は厳しく死にかける僕。薄汚い格好でフラフラと彷徨っている所を救ってくれたのが完璧貴公子ジュリアスだ。だけど初めて会った時、不思議な感覚を覚える。えっ、このジュリアスって人…会ったことなかったっけ?その瞬間突然閃く!  「ここって…もしかして、BLゲームの世界じゃない?おまけに僕の最愛の推し〜ジュリアス様!」  知らぬ間にBLゲームの中の名も無き登場人物に転生してしまっていた僕は、命の恩人である坊ちゃまを幸せにしようと奔走する。そして大好きなゲームのイベントも近くで楽しんじゃうもんね〜ワックワク!  だけど何で…全然シナリオ通りじゃないんですけど。坊ちゃまってば、僕のこと大好き過ぎない?  ※貴族的表現を使っていますが、別の世界です。ですのでそれにのっとっていない事がありますがご了承下さい。

狼領主は俺を抱いて眠りたい

明樹
BL
王都から遠く離れた辺境の地に、狼様と呼ばれる城主がいた。狼のように鋭い目つきの怖い顔で、他人が近寄ろう者なら威嚇する怖い人なのだそうだ。実際、街に買い物に来る城に仕える騎士や使用人達が「とても厳しく怖い方だ」とよく話している。そんな城主といろんな場所で出会い、ついには、なぜか城へ連れていかれる主人公のリオ。リオは一人で旅をしているのだが、それには複雑な理由があるようで…。 素敵な表紙は前作に引き続き、えか様に描いて頂いております。

悪役令息物語~呪われた悪役令息は、追放先でスパダリたちに愛欲を注がれる~

トモモト ヨシユキ
BL
魔法を使い魔力が少なくなると発情しちゃう呪いをかけられた僕は、聖者を誘惑した罪で婚約破棄されたうえ辺境へ追放される。 しかし、もと婚約者である王女の企みによって山賊に襲われる。 貞操の危機を救ってくれたのは、若き辺境伯だった。 虚弱体質の呪われた深窓の令息をめぐり対立する聖者と辺境伯。 そこに呪いをかけた邪神も加わり恋の鞘当てが繰り広げられる? エブリスタにも掲載しています。

BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください

わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。 まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!? 悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。

処理中です...