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過去の罪
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ここ、どこだ?
なぜか分からないが、フォルクスが転移魔法を使った。
転移したこの場所は、見たことがあるような……?
フォルクスは、転移のために握った手を離さない。
「あの……」
俺は現状が理解できていないので、説明して欲しかった。
なんで突然転移した?
まぁ、シュルツはもう落ち着いたからいいけど。
そのシュルツは転移に気づいて止めようとしていた。
あれ、ここは……
「ここはシュルツの執務室だ」
やっぱり!
「私が転移魔法を使ったのだから、シュルツは遠くへ飛んだと思うだろう?近辺の私に縁のある地を探すはず。まさか、自分の執務室だとは思うまい」
あー、なるほどー。
確かにそうだな。
相変わらず、頭が良い。
「時間が稼げると思った。貴方と二人になる時間……」
なんで?
俺と二人になって、どうするんだ?
あ、もしかして、説教とかされるやつか?
「シュルツとは、いつから……」
「へ?あ、この寄宿学校の初日に……」
相手は宰相閣下だから敬語!
テオに言われたようにしなきゃと思いつつ、使い慣れない……。
「そうか……シュルツも出会ってから気づいたのか……もっと、私の方が早ければこんな所になど……」
何が?
全然分からない。
「あの、なぜ転移……」
「二人で話がしたかった。シュルツがいると、貴方と話せないだろう?あいつが許さない」
「はぁ」
フォルクスと話すことをシュルツが許さないって何でだ?
全く分からないから、もうフォルクスの話を聞くだけ聞いとこう。
「ルカ……だな?」
「はい」
あの、何で手を握ったまま?
あと、さっきの高圧的な態度から一変して、すごく声音が優しい。
前のイメージに近い。
「ルカ……!」
握っていた手を引き寄せられ、ぐっと抱き締められる。
なんでー!?
「ルカ……ルカ……許してくれ!」
ど、どうしたんだろう?
あの、うなされてた時みたいな。
前の……俺のことだよな?
なぜ、それを俺に?
「あのっ、なんで俺に謝るんですか?」
俺の肩口に額を押し付けているフォルクスはそのままの態勢で抱き締めている腕に力をこめる。
「私の……せいだから」
「え?」
「ルカが自らを犠牲にしたのは私のせいだ。私が国政に関わっていなかったお前を巻き込んだ。自分が無力なせいで……お前に犠牲を強いた」
弱々しいフォルクスの声。
俺と前のルカを混同しているのか?
寝てなさすぎておかしくなってるんじゃあ……。
どうしよう……前の俺のフリをしてあげた方がいいのかな?
冷静になれば、違うって気づくと思うからな。
「別に、フォルクスのせいじゃないだろう?あれは自分で選んだんだ。誰かに強制された訳じゃ……」
「違う!」
顔をバッと上げ、近距離で見つめ合う。
前の俺じゃないって正気に戻ったかな?
「私の……せいだ……私が無能で……貴方を頼ってしまった。何か、貴方なら、私が考えもしないようなことを思い付くかもしれないと」
まだ、混同してるのか。
見た目は全然違うんだけどなー?
幻覚でも見てる?
あ!寝ぼけてる感じか!
俺もあるわ~とりあえず、合わせとこう。
「あの時、俺は嬉しかったぞ?俺がいつもお前に相談するばっかりで、やっと頼ってもらえたからな。良い案だと思ったんだよ、あの時は」
「良い案?まさか、貴方が自分を犠牲にして防護壁を……そんなことをさせたかった訳じゃない!貴方を失うつもりではなかった……そんなこと、望むはずがない!」
「ほら、お前のせいじゃない」
「え?」
フォルクスが呆気に取られた顔をして俺を見る。
「今、自分で言っただろ?命を糧に防護壁を造らせるつもりなんてなかったって。勝手にやったんだ。お前のせいじゃない。お前が背負う必要はない」
俺はしたり顔で言ってやった。
俺は近くにあったフォルクスの顔に手をあて、親指で目の下の隈をなぞる。
「あれからずっと深く眠れてないのか?すげー隈。男前が台無しだぞ。まぁ、年取ってその隈も色気の一つになってるのかもしれねーけど。最期に、あんなの見せちまって、悪い。シュルツは上手く誤魔化せたのに、お前がまさかアクラムと来ちまうとはなー。頭良すぎだ」
隈をなぞる指がフォルクスの涙で濡れる。
「もう、自分を解放してやれ。お前は悪くない。俺自身で決めて実行したんだ」
「ルカ……」
「眠れ」
フォルクスがフッと脱力し、その場に崩れ落ちるのをなんとか抱き止める。
「良い夢を」
なぜか分からないが、フォルクスが転移魔法を使った。
転移したこの場所は、見たことがあるような……?
フォルクスは、転移のために握った手を離さない。
「あの……」
俺は現状が理解できていないので、説明して欲しかった。
なんで突然転移した?
まぁ、シュルツはもう落ち着いたからいいけど。
そのシュルツは転移に気づいて止めようとしていた。
あれ、ここは……
「ここはシュルツの執務室だ」
やっぱり!
「私が転移魔法を使ったのだから、シュルツは遠くへ飛んだと思うだろう?近辺の私に縁のある地を探すはず。まさか、自分の執務室だとは思うまい」
あー、なるほどー。
確かにそうだな。
相変わらず、頭が良い。
「時間が稼げると思った。貴方と二人になる時間……」
なんで?
俺と二人になって、どうするんだ?
あ、もしかして、説教とかされるやつか?
「シュルツとは、いつから……」
「へ?あ、この寄宿学校の初日に……」
相手は宰相閣下だから敬語!
テオに言われたようにしなきゃと思いつつ、使い慣れない……。
「そうか……シュルツも出会ってから気づいたのか……もっと、私の方が早ければこんな所になど……」
何が?
全然分からない。
「あの、なぜ転移……」
「二人で話がしたかった。シュルツがいると、貴方と話せないだろう?あいつが許さない」
「はぁ」
フォルクスと話すことをシュルツが許さないって何でだ?
全く分からないから、もうフォルクスの話を聞くだけ聞いとこう。
「ルカ……だな?」
「はい」
あの、何で手を握ったまま?
あと、さっきの高圧的な態度から一変して、すごく声音が優しい。
前のイメージに近い。
「ルカ……!」
握っていた手を引き寄せられ、ぐっと抱き締められる。
なんでー!?
「ルカ……ルカ……許してくれ!」
ど、どうしたんだろう?
あの、うなされてた時みたいな。
前の……俺のことだよな?
なぜ、それを俺に?
「あのっ、なんで俺に謝るんですか?」
俺の肩口に額を押し付けているフォルクスはそのままの態勢で抱き締めている腕に力をこめる。
「私の……せいだから」
「え?」
「ルカが自らを犠牲にしたのは私のせいだ。私が国政に関わっていなかったお前を巻き込んだ。自分が無力なせいで……お前に犠牲を強いた」
弱々しいフォルクスの声。
俺と前のルカを混同しているのか?
寝てなさすぎておかしくなってるんじゃあ……。
どうしよう……前の俺のフリをしてあげた方がいいのかな?
冷静になれば、違うって気づくと思うからな。
「別に、フォルクスのせいじゃないだろう?あれは自分で選んだんだ。誰かに強制された訳じゃ……」
「違う!」
顔をバッと上げ、近距離で見つめ合う。
前の俺じゃないって正気に戻ったかな?
「私の……せいだ……私が無能で……貴方を頼ってしまった。何か、貴方なら、私が考えもしないようなことを思い付くかもしれないと」
まだ、混同してるのか。
見た目は全然違うんだけどなー?
幻覚でも見てる?
あ!寝ぼけてる感じか!
俺もあるわ~とりあえず、合わせとこう。
「あの時、俺は嬉しかったぞ?俺がいつもお前に相談するばっかりで、やっと頼ってもらえたからな。良い案だと思ったんだよ、あの時は」
「良い案?まさか、貴方が自分を犠牲にして防護壁を……そんなことをさせたかった訳じゃない!貴方を失うつもりではなかった……そんなこと、望むはずがない!」
「ほら、お前のせいじゃない」
「え?」
フォルクスが呆気に取られた顔をして俺を見る。
「今、自分で言っただろ?命を糧に防護壁を造らせるつもりなんてなかったって。勝手にやったんだ。お前のせいじゃない。お前が背負う必要はない」
俺はしたり顔で言ってやった。
俺は近くにあったフォルクスの顔に手をあて、親指で目の下の隈をなぞる。
「あれからずっと深く眠れてないのか?すげー隈。男前が台無しだぞ。まぁ、年取ってその隈も色気の一つになってるのかもしれねーけど。最期に、あんなの見せちまって、悪い。シュルツは上手く誤魔化せたのに、お前がまさかアクラムと来ちまうとはなー。頭良すぎだ」
隈をなぞる指がフォルクスの涙で濡れる。
「もう、自分を解放してやれ。お前は悪くない。俺自身で決めて実行したんだ」
「ルカ……」
「眠れ」
フォルクスがフッと脱力し、その場に崩れ落ちるのをなんとか抱き止める。
「良い夢を」
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