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成長
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小学生の頃に入院先の病院で心霊体験をしてから、僕は霊感が覚醒したらしく度々幽霊が見えるようになった。
まぁ、常に見える訳ではないので良かったけど。
高校生になった僕はバイトを始めた。
喫茶店でのバイトだったが、初めてのバイトは色々あったが楽しかったのを覚えている。
バイト先の先輩に気に入られて良くしてもらった。
Mさんは、地元の大学に通う女子大生だ。
何故か皆から般若と呼ばれていたが、僕は般若と呼ぶ勇気がなかったので普通にMさんと呼んでいたけど。
さて、またありきたりな話だがバイト先に幽霊が出る話は結構聞く。
このバイト先も出るのだ。
ある日、店内を掃除しているときの話だ。
自分の持ち場の掃除が終わり、Mさんの所に行き椅子に座り話をしている時に
スッ
と何かが視界の隅を通った。
子供?
『えっ?幸樹ずっとそこに居た?』
しゃがみこみ、僕に背を向けて床を拭いていたMさんが振り返り変な質問をしてきた。
『居たけど?』
『おかしいなぁ、お尻触られたから幸樹かと思ったんだけど』
ちょっと待て、セクハラじゃないか。
僕が普通にお尻触ると思ってる件についても聞きたい。
『怖い話して良い?さっき子供の霊が通った。』
『お前ふざけんな、私帰れなくなるじゃん。でも、たまに一人で居るのに子供の笑い声聞こえたりしたんだよねぇ。』
いゃ、お前もふざけんな。
一人で店に居るの怖くなるからやめろ。
なんて事もあった。
この頃は細かい霊体験ばっかだ。
ホラーとは関係ない話だが、Mさんには助けられた。
今の僕が居るのもMさんのおかげだろう。
色々あり、自殺なんか馬鹿な事を考えてた僕に色々としてくれた。
明るく元気なMさんを今も尊敬している。
そして、あの人に会わせてくれた事も感謝している。
ある日の話だ。
バイトのない日にMさんに呼ばれバイト先に向かった。
『おっ、お疲れー!!行こうか!!』
Mさんの車に乗せられバイト先から20分程だろうか?
あるアパートの前に車を止めた。
『ちょっと会わせたい人が居るのよ。多分、幸樹と気が合うんじゃないかな』
人見知りの僕には帰りたい気持ちしかなかった。
『はい、お邪魔しまーす!!』
2階の部屋のドアをMさんは躊躇なく開けて中に入っていく。
仕方なく僕も恐る恐る入る。
それなりに片付いた部屋の布団の上に座り珈琲を飲む男性が居た。
『やぁ、初めまして。君がMの言ってた幸樹君か、よろしく』
短くも長くもない髪、整った顔、スウェットを着た彼は笑顔で手を差し出してきた。
気持ちが悪い。
一瞬躊躇したが、僕も手を差し出して握手をした。
男は握手しながら若干歪んだ笑顔になった。
『へぇ、本当に感受性が高い。完全に作り笑顔ってわかってたね?更に、なんだコイツは?勝手に入って来やがってって怒りの感情すら読んだ?あぁ、その感情は確かめるための嘘だから気にしないで、歓迎する。』
急に流暢に話し出した彼に戸惑っていると、やたら笑顔のMさんと目があった。
『凄くね?コイツ同じ大学の奴なんだけど幸樹の話したら会いたがってさ。悪い奴じゃないんだけど常に笑顔でさ、まったく感情わからないから仮面付けてるみたいだし能面って私は呼んでる。』
そう、僕は感受性が強いらしく昔から人の感情が少し分かるのだ。
そのせいで傷付く事もあったが便利でもある。
まぁ、子供の頃なんかは本当に傷付く事の方が多かったが。
『さて、幸樹君。俺は幽霊に興味があるし、幸樹にも興味がある。Mと俺が幸樹を支える。だから、俺にも少し付き合ってくれ。』
これが能面との出会いだった。
まぁ、常に見える訳ではないので良かったけど。
高校生になった僕はバイトを始めた。
喫茶店でのバイトだったが、初めてのバイトは色々あったが楽しかったのを覚えている。
バイト先の先輩に気に入られて良くしてもらった。
Mさんは、地元の大学に通う女子大生だ。
何故か皆から般若と呼ばれていたが、僕は般若と呼ぶ勇気がなかったので普通にMさんと呼んでいたけど。
さて、またありきたりな話だがバイト先に幽霊が出る話は結構聞く。
このバイト先も出るのだ。
ある日、店内を掃除しているときの話だ。
自分の持ち場の掃除が終わり、Mさんの所に行き椅子に座り話をしている時に
スッ
と何かが視界の隅を通った。
子供?
『えっ?幸樹ずっとそこに居た?』
しゃがみこみ、僕に背を向けて床を拭いていたMさんが振り返り変な質問をしてきた。
『居たけど?』
『おかしいなぁ、お尻触られたから幸樹かと思ったんだけど』
ちょっと待て、セクハラじゃないか。
僕が普通にお尻触ると思ってる件についても聞きたい。
『怖い話して良い?さっき子供の霊が通った。』
『お前ふざけんな、私帰れなくなるじゃん。でも、たまに一人で居るのに子供の笑い声聞こえたりしたんだよねぇ。』
いゃ、お前もふざけんな。
一人で店に居るの怖くなるからやめろ。
なんて事もあった。
この頃は細かい霊体験ばっかだ。
ホラーとは関係ない話だが、Mさんには助けられた。
今の僕が居るのもMさんのおかげだろう。
色々あり、自殺なんか馬鹿な事を考えてた僕に色々としてくれた。
明るく元気なMさんを今も尊敬している。
そして、あの人に会わせてくれた事も感謝している。
ある日の話だ。
バイトのない日にMさんに呼ばれバイト先に向かった。
『おっ、お疲れー!!行こうか!!』
Mさんの車に乗せられバイト先から20分程だろうか?
あるアパートの前に車を止めた。
『ちょっと会わせたい人が居るのよ。多分、幸樹と気が合うんじゃないかな』
人見知りの僕には帰りたい気持ちしかなかった。
『はい、お邪魔しまーす!!』
2階の部屋のドアをMさんは躊躇なく開けて中に入っていく。
仕方なく僕も恐る恐る入る。
それなりに片付いた部屋の布団の上に座り珈琲を飲む男性が居た。
『やぁ、初めまして。君がMの言ってた幸樹君か、よろしく』
短くも長くもない髪、整った顔、スウェットを着た彼は笑顔で手を差し出してきた。
気持ちが悪い。
一瞬躊躇したが、僕も手を差し出して握手をした。
男は握手しながら若干歪んだ笑顔になった。
『へぇ、本当に感受性が高い。完全に作り笑顔ってわかってたね?更に、なんだコイツは?勝手に入って来やがってって怒りの感情すら読んだ?あぁ、その感情は確かめるための嘘だから気にしないで、歓迎する。』
急に流暢に話し出した彼に戸惑っていると、やたら笑顔のMさんと目があった。
『凄くね?コイツ同じ大学の奴なんだけど幸樹の話したら会いたがってさ。悪い奴じゃないんだけど常に笑顔でさ、まったく感情わからないから仮面付けてるみたいだし能面って私は呼んでる。』
そう、僕は感受性が強いらしく昔から人の感情が少し分かるのだ。
そのせいで傷付く事もあったが便利でもある。
まぁ、子供の頃なんかは本当に傷付く事の方が多かったが。
『さて、幸樹君。俺は幽霊に興味があるし、幸樹にも興味がある。Mと俺が幸樹を支える。だから、俺にも少し付き合ってくれ。』
これが能面との出会いだった。
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