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心霊スポットでの話
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能面と出会ってから数ヶ月でわかった事がある。
能面はイケメンなくせに恋愛に興味もなければ服も適当だ。
服装に興味がなくてもイケメンなのはムカつくが、オシャレをすれば彼の周りには女の子が沢山寄ってくる筈だ。
彼に彼女は作らないのかと聞いたが
『面倒くさい』の一言で終わった。
ブサイク代表として、とびきりの笑顔で『土に還れ』と言っといた。
今回は能面が行きたがった心霊スポットの話だ。
『心霊スポットに行こう』
夕方、能面の部屋でダラダラ過ごしていたら急に立ち上がり宣言してきた。
こうなると本当に止まらない。
こちとら、わざわざ怖い場所に行くのなんか本当に御免なのである。
だが、この部屋の主である能面はスウェット姿で塩を丸々一袋持って玄関で靴を履き、僕の方を見ながら待っていたので部屋から出るしかなかった。
能面の車に揺られ約一時間、僕達は山と言うか森のような場所に居た。
なんでも、昔岩を採っていた石切場?と言う所らしい。
こんな所が心霊スポット?
確かに幽霊が居る場所特有の雰囲気がある。
小学生の時の看護婦の霊の時もそうだったが、空気が変わるのだ。
僕はこれを幽霊の範囲で『エリア』と呼んでいた。
問題の石切場までは、ここから歩かなければ行けないらしいので懐中電灯の灯りと月明かりを頼りに森に入った。
『これは、どっちだ?』
先頭を歩いていた能面が立ち止まった。
森を歩き始めて数分で問題が発生。
舗装はされていないものの砂利で道らしき物が造られていてスムーズに進んでいたら分かれ道が出てきたのだ。
上に行く道と真っ直ぐ行く道。
『とりあえず、上に行こう。』
能面の後に続き歩いて数分、広い所に出た。
そこは、一面にススキが生えていて、その上から満月がススキを照らしていた。
あの、幻想的な光景は今でも目に焼き付いている。
『うん、真っ直ぐだったか。降りよう』
スタスタと下り始めた能面に続いていたら、後ろから変な音が聞こえだした。
ガシャ、ガシャ、、、ガシャ、
おいおい、落武者かなんか居るのかよ。
『ねぇ、この音聞こえる?』
『?いゃ、とくに音なんかしないけど?』
能面には聞こえてないのか。
ならば、怖いし黙っていよう。
先程の分かれ道を今度は真っ直ぐ進む。
するとまた広い所に出た。
だが、先程の幻想的な場所とは違い、左右を馬鹿みたい高い岩の壁が塞いでおり
今度はススキではなく、辺り一面に大小様々な石が転がっていた。
ん?
広場の先にまだ道があるのがわかった。
でも、通路の真ん中に何かが立っている。
シルエットしか見えないが、あれは関わっては駄目だと全身から危険信号を送られていた。
『能面、動くな。駄目だ、あれは危険だ。』
危険を察知してなのか能面は声をかける前から立ち止まっていた。
能面を抜き、辺りを警戒して見回してみたら、もう1人居た。
断崖の岩の壁のちょっとした出っ張りに座り、こちらを見ている女性が居るのだ。
狙われているな、、、
『能面逃げ、、、え?』
後ろを振り返り能面に声をかけようとしたが言葉は途中で止まってしまった。
何もわからないって感じで立っている能面の後ろに六人程の影があった。
さっきの落武者か?
『逃げるよ!!』
『ん、わかった』
俺の言葉に素直に従い、走る能面。
影だけのソレを避けながら逃げる僕。
二人で急いで車に乗り込んだ。
映画等とは違いスムーズにエンジンもかかり
その場から立ち去った。
帰り道運転しながら、いつもの愛想笑いで能面が話し出した。
『俺も見えたよ。車で出る時さバックミラー見たら女が追ってきてた』
慌てて後ろを振り向くも憑いてきてはないみたいで安心した。
能面はイケメンなくせに恋愛に興味もなければ服も適当だ。
服装に興味がなくてもイケメンなのはムカつくが、オシャレをすれば彼の周りには女の子が沢山寄ってくる筈だ。
彼に彼女は作らないのかと聞いたが
『面倒くさい』の一言で終わった。
ブサイク代表として、とびきりの笑顔で『土に還れ』と言っといた。
今回は能面が行きたがった心霊スポットの話だ。
『心霊スポットに行こう』
夕方、能面の部屋でダラダラ過ごしていたら急に立ち上がり宣言してきた。
こうなると本当に止まらない。
こちとら、わざわざ怖い場所に行くのなんか本当に御免なのである。
だが、この部屋の主である能面はスウェット姿で塩を丸々一袋持って玄関で靴を履き、僕の方を見ながら待っていたので部屋から出るしかなかった。
能面の車に揺られ約一時間、僕達は山と言うか森のような場所に居た。
なんでも、昔岩を採っていた石切場?と言う所らしい。
こんな所が心霊スポット?
確かに幽霊が居る場所特有の雰囲気がある。
小学生の時の看護婦の霊の時もそうだったが、空気が変わるのだ。
僕はこれを幽霊の範囲で『エリア』と呼んでいた。
問題の石切場までは、ここから歩かなければ行けないらしいので懐中電灯の灯りと月明かりを頼りに森に入った。
『これは、どっちだ?』
先頭を歩いていた能面が立ち止まった。
森を歩き始めて数分で問題が発生。
舗装はされていないものの砂利で道らしき物が造られていてスムーズに進んでいたら分かれ道が出てきたのだ。
上に行く道と真っ直ぐ行く道。
『とりあえず、上に行こう。』
能面の後に続き歩いて数分、広い所に出た。
そこは、一面にススキが生えていて、その上から満月がススキを照らしていた。
あの、幻想的な光景は今でも目に焼き付いている。
『うん、真っ直ぐだったか。降りよう』
スタスタと下り始めた能面に続いていたら、後ろから変な音が聞こえだした。
ガシャ、ガシャ、、、ガシャ、
おいおい、落武者かなんか居るのかよ。
『ねぇ、この音聞こえる?』
『?いゃ、とくに音なんかしないけど?』
能面には聞こえてないのか。
ならば、怖いし黙っていよう。
先程の分かれ道を今度は真っ直ぐ進む。
するとまた広い所に出た。
だが、先程の幻想的な場所とは違い、左右を馬鹿みたい高い岩の壁が塞いでおり
今度はススキではなく、辺り一面に大小様々な石が転がっていた。
ん?
広場の先にまだ道があるのがわかった。
でも、通路の真ん中に何かが立っている。
シルエットしか見えないが、あれは関わっては駄目だと全身から危険信号を送られていた。
『能面、動くな。駄目だ、あれは危険だ。』
危険を察知してなのか能面は声をかける前から立ち止まっていた。
能面を抜き、辺りを警戒して見回してみたら、もう1人居た。
断崖の岩の壁のちょっとした出っ張りに座り、こちらを見ている女性が居るのだ。
狙われているな、、、
『能面逃げ、、、え?』
後ろを振り返り能面に声をかけようとしたが言葉は途中で止まってしまった。
何もわからないって感じで立っている能面の後ろに六人程の影があった。
さっきの落武者か?
『逃げるよ!!』
『ん、わかった』
俺の言葉に素直に従い、走る能面。
影だけのソレを避けながら逃げる僕。
二人で急いで車に乗り込んだ。
映画等とは違いスムーズにエンジンもかかり
その場から立ち去った。
帰り道運転しながら、いつもの愛想笑いで能面が話し出した。
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