異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

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混血系大公編:第一部

02

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 で、通信相手の皇帝陛下なんですけれども。
 あんまり皇室のドロドロ劇とか興味ないから詳しくないけど、皇配であるお父さんが力の弱い公国の王子だったらしくて、継承権も皇帝の実子の中では最下位くらいだったらしい。だから皇子だけど随分自由に過ごしてたみたいで、貴族の中でも同じような立場の人たちとつるんで、傭兵団を立ち上げていたみたい。魔獣の被害が徐々に増え始めてた時だったから、腕っぷしに自信さえあれば仕事には困らなかったしね。
 名付け親なせいかちょこちょこ気にかけて可愛がってくれてたんだけど、私が附術を使えるようになってからはヘッドハンティングも何回かされたんだよね。全部断ったけれども。気さくな人ばかりだったけど、お貴族サマの中に身を置くなんて気が引けるっつーの。
 それから『ボナ・ノクテム』が起きて、混乱の中で後継者争いも起きて、最終的にはヴァレさんの兄である皇帝と、その後継者たちもほとんど亡くなってしまって。唯一生き残ったのがヴァレさんと、前皇帝の遺児である、未成年の皇子だった。そこで権力には興味のなかったヴァレさんだけど、皇子が成人するまでは自分が守ってやらなきゃと、中継ぎ皇帝として就任したんだよね。うん、男前である。

 そんなわけで。
 皇帝陛下としてこの国で一番エライお方ではあるんだけど、団こそ違えど元傭兵仲間なんて気安さがあるから、今も親しく交流を続けている。昔がどうであれ現皇帝陛下に敬語を取っ払って文句を言うなんてありえないんだけど、ヴァレさん自身がそれを望んでるみたいだしね。陛下のご意向に従いマスワー。
 あ、ちなみにお察しの方もいらっしゃると思うけれど、以前からちょくちょく出ていたオトモダチ(権力者)はこの方です。帝国最高峰の権力者だから、最終的には誰も敵わねーのよねフハハハハ!!最強すぎて滅多に切れないカードではあるけどね。
「ま。とりあえず婚約おめでとう。3人だって?ビョルンとロルフと、イスハーク。やるじゃないか」
「何がよ。お宅のお兄様も、お妃様3人いらっしゃいましたよねぇ」
「兄は少ない方だったな。母は皇配が6人いたぞ。2人は女性だったが」
「すげーなヴァレ母…ある意味尊敬します」
「アッハッハ!お前にかかれば、母も片無しだ。だが皇帝や貴族の結婚は、そのまま権力に直結するからな。バランスを取るためにも、増やさざるを得ないのだよ。お前もどうだい、もう1人くらい?2人は民間、1人はサークルとなれば、貴族か皇族から1人くらい娶ってほしいものだが」
「いらねー、私たち、バランス取るために結婚するんじゃないんで。だいたい、私に何のバランスが必要なのさ」
「いるだろう、これから権力を持つのだから」
 ヴァレさんの言葉に、ムスっと黙り込む。
 そう、私たちが婚姻手続きができず、婚約状態に踏みとどまっている原因。ビョルンとロルフと結婚するって決めて、初夜的なアレを済ませて。傭兵団に出勤したその日の朝。皇室から傭兵団に使者が来てたのよねぇ…『ボヌ・ディエヌの英雄達に叙勲・褒賞授与式典の内示兼案内』ってやつが…。
 あ、『ボヌ・ディエヌ』ってのは、『ボナ・ノクテム』の反対語ね。『対するもの(コントラ)』の襲来を『ボナ・ノクテム』と言うんだけど、その襲来を終わらせることを『ボヌ・ディエヌ』と言うんだって。
 で、終わらせるために多大な貢献をした人たちを『ボヌ・ディエヌの英雄』と呼ぶんだけど、その人達への褒章は復興を優先するために延び延びになってたのよね。とりあえずは英雄名鑑を作成して広く告示して、名誉だけ授けてたって感じだったんだけど。
 復興が進んで資金にも多少余裕が出来たのと、英雄達にそろそろキチンとした褒章を用意しなきゃいけないのと、ここらで経済発展させる添加剤を投入したいのと。様々な理由が重なって、式典&復興祭が決定したんだそうだ。
 で、開催は全然いいんですよ。苦労した後のお祭り騒ぎは必要だと思うし。ただねぇ、内示の内容ってヤツがねぇ。
「貴族の仲間入りとか、なんの冗談かと思ったわ…」
 なんとビックリ、私に爵位を授けるって書いてあったんですよ!このド平民の私に!魔王を退けた英雄だからって!恐れ多い!
 そのせいで、私たちの結婚にも弊害が出た。爵位授与予定者についての情報が公的機関にはちゃんと通達されてたみたいで、戸籍管理してる役所に婚姻届を出そうとしたら断られたのよねー。近いうちに爵位が授けられる予定なんだから、民間人用のとこじゃ受けられないんだって。
 じゃあしょうがないってんで貴族の戸籍管理してる部署(IN皇城)まで出向いて問い合わせしたら、貴族の婚姻について色々説明された。
 曰く、婚姻届の前に婚約届を出さなきゃいけないこと。且つ婚約期間を半年から1年くらい設けなきゃいけないこと。それが終わった後に婚姻許可申請を皇帝陛下&貴族院(主に政治を動かしてる貴族の人たちの集まりね)に出して、許可されないといけないこと。そこから国教の教会で結婚式をやって、ようやっと婚姻届が出せるんだってさ!
 めんどくせぇぇぇ!!民間の身分の間に婚姻済みだったり、先に子どもができちゃった場合は、いくつか省略してくれるらしいんだけれども!!シウの言ってた既成事実ってのがホント理解できたわ…。
 同席してくれたシウが上手いこと役人さんを説得して、なんとか婚約届は受け付けてもらったけれども。正式に爵位をもらった後じゃないと婚姻許可申請もできないから、結局宙ぶらりん状態なのよねぇ…。しかも貴族院の中にも私を政治的に取り込みたい人がいるらしく、婚姻許可申請も邪魔してくる可能性があるんだとか…。
 …クソが!

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