異世界チートで世界を救った後、待っていたのは逆ハーレムでした。

異文

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混血系大公編:第二部

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「もー、そんぐらいできるでしょう?」
「腕が痛ェんだよ」
「えっ、ケガしたとこ?まだ痛む?」
 ヤダ、当たり前のようにロルフもメンバーに入れちゃったけど、やめといた方がよかったかな?考えてみれば、まだ怪我して数日だもんね。
 心配して腕をなでなですると、ロルフはご機嫌になったようでフンっと鼻を鳴らした。
「まぁ、戦えねぇほどじゃねぇ…痛ェ!」
 ゴチン、とビョルンに頭を殴られる。
「なら余計なことはするな。イスハークに魔術で治療してもらって、もうほとんどいいんだろう」
「そういえば、もう傷口くっついてるから、抜糸してもいいぐらいってイスが言ってたね」
 言いながら、とりあえずご所望の留め金部分はつけてあげる。
「はい、後は自分でできるでしょ?」
「チッ」
 舌打ちすると、ビョルンにまたコツンとこづかれていた。ふふ。
「でも無理はしちゃダメよ。ね?」
 そう言って腕を優しく撫でながら見つめると、機嫌を持ち直したようでチャチャっと残りの準備を進めていた。ヨシヨシ。
 それから手早く自分の装備を身につける。私は後方支援なので、軽装だ。防御の附術施した魔道具も身につけているしね。
「ヴァレさん、ピアスホールってまだ空いてます?通信用のピアスかイヤーカフつけてもらいたいんですけど」
「ピアスでいいよ。意外と塞がらないものだ」
 皇族って無闇に玉体を傷つけてはいけないってことで、ピアスとかタトゥーも禁止されてるらしいんだけど。ヴァレさんは不良皇子だったので、昔はピアスをガッツリつけてたのよね。今は外してるみたいだけど、ホールは維持されていたみたいでピアスを渡すとさっと身につけてくれた。
「使い方は覚えてます?」
「もちろん」
 それからヴァレさんが防具の装着に戸惑っているようなので手伝う。自分のじゃないものね、仕方ない。ロルフが嫉妬心からか一瞬牙を剥いたけど、ビョルンにまた小突かれて押し黙った。
「きつくないですか?」
「大丈夫だよ、ありがとうシャトラ」
「いえいえ」
 それから自分の支度もささっと終える。自分の手の届きにくいところは、ビョルンがサッと寄ってきて手伝ってくれる。紳士!さすが熊紳士!スマートさが段違いだ。誰と比べてかは言うまでもない。
 そうして全員の支度が済み、出る準備が整って受付まで戻ったところで、ちょうどイスとシュエンが扉を開けて飛び込んできた。
 早い!シュエンの俊足なら行けるかなって思ってたけど!
「ごめんねイス、準備で忙しい時に」
「問題ない、責任者に任せてきた。何があった?」
 私は概要をさっくりと説明する。イスは呼吸を整えながらそれを聞く。イスもシュエンも2番街11区からここまで、けっこうな距離を走ったはずなのにもう息が整ってきている。すごいな。シュエンにいたっては往復したのにね。体力オバケだ。
「そうか、私も行く」
「うん、お願い」
『迷路区画(メイズセクション)』に関してはサークルの秘匿事項であるので、私もイスも簡潔に話す。ヴァレさんはこの国の皇帝陛下なので知ってるかもしれないけど、ここにはシュエンもいるからね。
「シュエンもありがとう。落ち着いたらでいいから、今度は3番街の衛兵詰所へ行ってくれる?ミンミが子どもたちを連れて説明に行ってる。その後の指示はミンミに伝えてある」
「知道了(ヂーダオラ)!」
 シュエンは力強く頷くと、すぐに出て行った。落ち着いたらって言ったはずだけど…まぁ、うん、息はもう整ってたか。体力オバケだ。
「さて。戦闘になるけど、イスは何か装備いる?貸そうか?」
「お前にもらった装身具もあるし、不要だ」
「わかった」
 そういえば魔術師たちがいつも着てるサークルのローブって、防御の附術が施されているんだっけ。じゃあ問題ないか。
「私の装備は不要だが、ひとつ提案がある」
「?なに?」
「時間は取らせないから、スライムの加工用のナイフを準備していいか?」
 通信で4番街の魔道具屋で準備してもらって、5番街の入り口で受け取れるようにしてくれるそうだ。
「ああ、スライム素材を取れるように?」
 イスたち魔道具士は、スライム素材を無害な状態に加工してから利用する。そのために使用するのが、附術を施した加工用ナイフだ。
 そういえば、上手いことスライム素材が取れた場合の所有権はどうしよう?今はヴァレさんの護衛依頼中ってことになってるから、その辺もあとで話し合っておかなくちゃ。
「それもあるが、巨大スライムを相手にするのなら役に立つと思う。あれは…」
 イスから説明を聞き、彼の意図を理解する。
「それはいいわね!この際、あるだけ準備してもらえないかな?あと…」
 ふと思いついた事を提案する。
「そう伝えよう」
 イスは頷くとすぐに通信具を使って、手配を済ませてくれた。よし、これで準備は万端ね!
「じゃあ私たちも行きましょう。プレゼンに間に合うように、速攻でスライムを倒すぞー!」
「AyeAye」「Rojer!」「Wilco」「Got it」
「揃わんわー」
 私の声掛けにめいめい返事をしてくれたけど、全員被らない!ある意味すごいなーと感心しつつ、私たちは傭兵団本部を出発した。

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