第二王女と年下国王

miki

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7 襲撃

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私がアノンさんを説得した翌日から、素直にアノンさんは毎日寝室で寝てくれるようになりましたし、就寝前に少しずつ話すようにもなりました。
そもそも、あの後も3日に1回は来てくれていたということは多分彼もどこかで仲直りをしたいと思っていたのでしょう。


ただ、相変わらず昼間は忙しいようで一緒にはいられません。なので私は話し相手にとお付きの護衛の人とよく話すようになっていました。
はじめは護衛の方々は職務中であるという意識があったのか、話しかけてもなかなか会話が続かなかったのですが、私に対して気を許してきたのか、それとも上からの許可があったのかわかりませんが、だんだんと喋ってくれるようになりました。

その中でも、私の護衛担当の隊長のドリスという方と特に仲良くなりました。
彼は細身の40代の男性ですが、顔は実年齢よりも10歳くらい若く見え、見た目だけで判断するなら、ギールさんが護衛で、ドリスさんが宰相のようにも見えてしまいます。

またドリスさんはスメクタイトの出身らしく、彼とは故郷の話題で盛り上がりました。
今は秋ですので、ちょうど今頃収穫祭の時期ですね、収穫祭と言えば~などなど、故郷の話をできるような人が身近にいるのはとても嬉しかったです。



そのような生活がしばらく続き、秋から冬に季節が替わろうと寒い風がでしゃばり始めた頃の日のことでした。
最近は、寒くなってきたからか、寝るときのアノンさんとの距離が近くなってきた気がしますし、背を向けずこちらを向いて寝てくれるようにもなりました。
彼はいつも公務で疲れていて、ベッドに入ると私と話してようとすぐに寝てしまいます。

彼の寝顔をみるのは私の楽しみになっていました。
彼の寝顔だけを見ると、ただの子供で、長いまつ毛に子供特有のふっくらとした頬がとてもチャーミングです。我慢できず、何回かほっぺをツンツンとしているのは彼には内緒です。
ただ、彼の目の下には子供らしからぬクマが残っており、その小さな体にかかっている負担を表しています。

一回、見かねた私は、私が代わりにできることはないかとアノンさんに尋ねたことがあったのですが、
「僕一人でやった方が仕事が早い」
と一刀両断に断られてしましました。
そのことをギールさんに、自分も陛下の役に立ちたいが、何を学べばいいかと質問すると、書庫から分厚い政治についての本を貸してくれたのですが、私にはなかなか難しく、助けられるレベルにはすぐには達しないことがわかってしまいました。
ですので、せめて心身の面で彼をサポートしようと新たに決意するのでした。


みんなが寝静まったはずの真夜中
「……っ…っ…」
私はなんだか騒がしいなと思って、目を覚まします。
すると真夜中のはずなのに部屋が明るく照らされていました。なんだろうと明かりのする方へ目をやると中庭を挟んで向かい側の部屋からごうごうと火が出ています。
火事?何事?と思い身を起こします。
隣を見るとアノンさんは事態に気づかずにスヤスヤと小さな寝息を立てています。

まさかの事態に半ばパニックになって、ここから避難すべきか、それともここに留まるべきか躊躇して何もできないでいると、廊下の方からこちらへ走ってくる足音が聞こえます。
誰か来てくれたか?と思い、少しほっとします。

その足音の人物はバンッと扉を開けると
「お二人ともご無事ですか?」
と聞き覚えのある声がしますが、顔は煙を避けるためか鼻まで布で覆っていて誰だかわかりません。

「ええ、大丈夫で…」
と言ったところで、彼は何か筒を取り出し、口に当て何かを私たちに向かって飛ばすのが見えました。

私は反射的に隣で横になっているアノンさんに覆いかぶさります。

「ッ…」
その瞬間、背中に何かが刺さってような激痛が走ります。
ドアの方を振り返って見るとその男はもう一度それを飛ばそうとしているのが見えました。
私はもう一度その衝撃に備えますが、幸いなことにそれは頭の上をかすり、壁へと矢が刺ささります。

(まだくる…!)
アノンさんをぎゅっと抱きしめますが、これ以上矢が飛んでくることはありませんでした。
恐る恐る振り返るとその男はすでに他の衛兵に取り押さえられていました。


胸を撫で下ろして、抱きしめたままのアノンさんを見ると、目は覚めてはいましたが状況を把握しきれず混乱しているようでした。

「アノンさん、お怪我はないですか?」
「大丈夫だが、一体どうなっているんだ!?」
「そうですか、ならよかっ…た…」

私は安心したのか、急に意識が遠のき倒れてしまいました。
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