氷の公爵さまが何故か私を追いかけてくる

アキナヌカ

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04賭け

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「国王陛下が私に会いたいですって」
「はい、奥様。王宮より迎えの馬車も来ております」

「国王陛下が相手じゃ断るわけにはいかないわ」
「はい、奥様。旦那さまには王宮に行かれたとお伝えしておきます」

 こうして私は王室の馬車に乗って、王宮へ向かうことになった。王宮は広かった、そして私は謁見の間ではなく、国王の棲むプライベートエリアに通された。どうせレオンのことだと思ったら、やっぱりレオンのことだった。

「リトス公爵夫人、どうかもう少し弟を愛してやってくれないか」
「それは無理なことでございます、陛下」

「弟は強引なところはあるが、優しい男だ。今一度愛してやって欲しい」
「私には荷が重すぎます、陛下」

「いや弟が不憫でな、貴女から少しでも愛して貰えたらと思う」
「私はレオン様には相応しくないのです」

 国王陛下はレオンを愛するように私に言ったが、私は柔らかく辞退する言葉を選んだ。するとレオン様本人がやってきて、私を腕の中に閉じ込めた。そして恐れ多くも国王陛下に文句を言っていた。

「兄上、私のプライベートには関わらないで貰いたい」
「だがお前はリトス公爵夫人から愛されたがっていたじゃないか」

「兄上、それは自分の手で叶えます」
「必ず叶えろよ、お前の子どもが早く見たい」

 こうして私と国王陛下の面会は終わった、レオンは私をずっと腕の中に閉じ込めたままだった。帰りは公爵家の馬車に乗ったが、それでも私はレオンの腕の中から出して貰えなかった。突然のことだった、馬車が大きく揺れた。盗賊だという声がして、護衛の騎士たちが戦っているのが分かった。狙いはレオンの命だろうか、盗賊に捕まって凌辱されるのは嫌だなぁと思った。だから私はレオンが止めるのを振り切って外に出た。

「『強電撃ライトニングストライク』!! 『聖なる守りホーリーグラウンド』!!」

 私の魔法は盗賊の数を大きく減らした、矢が飛んできたが聖なる結界が私たちを守ってくれた。盗賊は全て捕縛された、レオンは魔法の才能がないのだろう、ポカンとした顔で私を見ていた。本当はこの魔法の力で私はもっと遠くに国にだっていけるはずだ、『転移テレポーテーション』を使えば実現不可能なことじゃなかった。レオンはまた私をぎゅっと抱きしめた、そして盗賊たちを引き連れて公爵家に帰ってきた。盗賊たちは公開処刑されるという話だった、庶民の憂さ晴らしというものであった。

「レオンいい加減に離してよ」
「嫌だ、俺の妻が魔法の力で消えてしまうかもしれない」

「だからって貴方に抱きしめられてたら何もできないわ」
「何もしなくていい、俺の腕の中から消えないでくれ」

 私は大きな駄々っ子に抱きしめられている気分だった、仕方なく私はお酒を飲みだした。そうしたらふわふわと良い気分になった。あんまりいい気分だったからレオンにキスをしてあげた。それがどうも悪かったらしい、気が付いたら私は寝室でレオンに押し倒されていた。

「ねぇ、レオン。賭けをしましょうか?」
「どんな賭けだ」

「レオンが私を抱いて妊娠したらあなたの勝ち。ずっと傍にいてあげるわ」
「俺が負けたら」

「私とはきっぱり別れてもらうわ、そしてもう二度と関わらないで欲しい」
「それは負けられない賭けだな」

 私はお酒で酔っぱらっていたから、そんな馬鹿なことを言いだした。体がふわふわして気持ち良くて、レオンへの嫌悪感も薄れていた。レオンはそんな私を押し倒したまま、服を脱ぎ始めたどうやら私を抱くつもりらしかった。私はまずいと思って『転移テレポーテーション』で私の実家へと戻った。実家の自分の部屋にいって、埃だらけだったから『洗浄ウォッシング』『乾燥ドライ』でベッドだけは綺麗にした、そうして私はそこで眠ってしまった。

「ここはどこ?」
「俺の寝室だ」

「あっ、そう。それじゃ、失礼するわ」
「待て、リトス逃がさない」

「な、何のことかしら?」
「賭けをしようといったじゃないか、さぁ始めよう」

 そうして私はレオンの寝室に押し倒された、レオンが服を脱ぎ始めて本気で私を抱くつもりだと分かった。私は全力で抵抗したが、男の力に敵うはずもなかった。

「レオン、酔っ払いのたわごとよ。忘れて頂戴」
「いや、俺は本気だ、本気で君を抱いて妊娠させる」

「ええ、私嫌よ。そんなことはしたくないわ」
「君が言ったんじゃないか、賭けをしようと言った」

 私はまた『転移テレポーテーション』で逃げようとしたが、レオンがキスをしてきて呪文が唱えられなかった。そのままレオンは私を丸裸にした、そうして何度もキスをされた。裸にされたから『転移テレポーテーション』でも逃げられなかったし、レオンが私の体を押さえたまま放さなかった。

「ヤダって言ってるでしょ!! んぅ」
「こうやってキスで口を塞いだほうが良さそうだ」

そのまま私はレオンに抱かれた、嫌だ止めてと言っても聞いて貰えなかった。呪文をつむごうとする度にキスで邪魔された。

「やぁ、ああっ!! ああっ!! 止めて、入れないで!!」
「もう無理だ、入れるぞ」

「きゃあぁぁ、痛い。痛いわ、抜いて!!」
「そう騒ぐな、初めてじゃあるまいし」

「初めてなのよ!! 痛い、痛いったら、もう!!」
「何故だ、あの夜俺は君を抱いていなかったのか」

 レオンはようやくあの夜自分が騙されたことに気がついた、そのお仕置きとばかりに腰を動かすので最初は痛くて仕方がなかった。でもだんだん、感じたくもない快感が湧きあがってくることに気が付いた。

「やあぁ、ああっ!! ああっ!! ――――ッ!?」
「リトス指を噛むな、素直に喘ぎ声を聞かせろ」

「嫌っ!! あん、ああっ!! ああんっ!! ヤダぁ!! あぁ―――――――!!」
「いったか、でも俺はまだいってないんだ」

「もう嫌、お家に帰る」
「そんなことを言っても離してやれない。君はなんて魅力的な女なんだ」

 それから十日もレオンは私を抱きまくった、私は喘ぎすぎて最期は声がかすれていた。レオンは絶対に妊娠させると精を注ぎこんでいた、私はレオンにされるがままだった。それが悔しくてその魔の十日間が終わったら口をきいてやらないかった、そして私は妊娠していませんようにと祈った。
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