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君の世界は光り輝く ~乙女ゲームのヒロインになったから、全力で攻略対象から逃げてます~

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「駄目だ、もう詰んだ」

 私は桜色の髪と緑の瞳を持つ人間でエティアという、前世は日本人という記憶持ちの現在はただ平民の少女だ。日本でもごくごく平凡な一人の人間だった、ただ二十歳になる前に病気で前世は死んだ、でも今世は平凡なただの平民で終わると思っていた。そんな私になんとアンフィビアン学園からの入学通知が届いてしまった、そこは普通の平民では入れない王族や貴族が通う学園だった。何故そんな学園から入学通知が届いたのか、それは私が回復の上級魔法を使えるからだった。

「私はもう病気で死ぬのが嫌だっただけなのに、なんで神官さまがそんなことを喋っちゃうのかな」

 そう私は前世は病気で死んだので今世は長生きしたかった、だからこっそりと神殿に通って回復の上級魔法が使えるように勉強した。回復の上級魔法さえ使えれば失われた手足さえ再生するし、もちろんどんな恐ろしい病気も大抵は治るのだ。ただこの世界で上級魔法を使える者は少なく、私は神殿の手伝いということにして神殿に通い、神官さまと秘密で特訓して貰いその魔法を習得した。ただその神官さまがうっかりそのことを喋ってしまった、そして私はこのローレル国から監視されるようになった。

「僕の病気は治るの?」
「ええ、もうすぐに治りますよ、『完全なるパーフェクト癒しヒーリングの光シャイン』」

「ああ、息が楽になった。……ありがとう」
「これでもう大丈夫、貴方はこれから何だってできます」

 そして私には王族や貴族から回復魔法の使用依頼が山のようにくるようになった、さすがに神官さまもそんな私を放ってはおかなかった。まだ七歳だった私を神殿の神官見習いということにして、こっそりとどこかの貴族に攫われたりしないようにしてくれた。私は今世では両親が二人とも死んでいて、親戚の家でこき使われていたので神殿に引き取られて助かった。そして私が例えば子どもの右手を握って回復の上級魔法を使うと、その子どもからお礼を言われることもあったりして、私は少しだけ回復の上級魔法が使えることで誇らしい気持ちになった。

「神殿から出張して偶に回復の上級魔法を使うだけ、それ以外は自由に何をしていてもいい、なんて楽な生活なんだ」

 私は回復の上級魔法が使えるがそれも多くて一日に三回くらいだった、それ以外の自由時間は全て他の上級魔法の勉強をしておくことにした。もうこのローレル国には上級魔法の使い手だとバレていたので、より私という人間の価値を上げるためと、いざという時にはこの国から逃げ出すための勉強だった。上級魔法の使い手はどこの国に行っても歓迎されるらしい、だからもしこのローレル国で私に嫌なことがあったら逃げ出すつもりだった。

「神官さま、本当にいざとなったら私は逃げていいんですか?」
「ああ、この国が嫌になったらそうしなさい」

「でも神官さまに迷惑がかかるんじゃ?」
「私はもういつ神の迎えが来てもいい年齢だよ」

 私のことを助けてくれた神官さまはもういつ亡くなっても不思議じゃないくらいのお年だった、だからこそ私のことを孫のように思い心配していろんな上級魔法を教えてくれた。回復の上級魔法が使えるとしゃべったのもわざとかもしれなかった、それで私は親戚からこき使われることはなくなったからだ。神官さまは私に本当に優しくこの世界のいろんなことを教えてくれた、おかげで私はこのローレル国から逃げ出すことになってもどうにか生き延びていけそうだった。

「エティア、どうか元気で。体に気をつけて、幸せになりなさい」
「ひっく、神官さま。ひっく、ひっく、神官さまも神の国でお元気でいてくださいよ」

「ああ、エティア。私は先に逝くよ、君といられて楽しかった……」
「神官さま!! ティオさま!? あああああ!!」

 そして私が十三歳の時に神官さまは亡くなってしまった、私はその時ばかりは本気で泣いた。家族がいないと言ってもいい私にとって、神官さまは父親のような存在だった。兄のように頼れる存在だった、いやその時の私の全てといってもよかった。だから神官さまが亡くなってしばらくは落ち込んだ、でも落ち込んでばかりもいられないので、私はいつものように回復の上級魔法を使う生活を続けた。そんな時だった、私にアンフィビアン学園からの入学通知が届いたのだ。そして、私は詰んだと思ったのだ。

「こっ、これはキミセカだ!! まさか『君の世界は光り輝く』の世界なのか!?」

 そうして私はこの世界が『君の世界は光り輝く』という、そうゲームの世界だとやっと気がついた。そんな名前のゲームを私は前世でやっていた、私はゲームが好きだったからいろんなゲームをしていた。キミセカもそんなゲームの一つだった、中身はありがちな回復の魔法が使える主人公がいて、その主人公がいろんなヒーローを攻略していくという乙女ゲームだった。そう気がついた時には私は眩暈がしたものだ、確かに私はキミセカの主人公のように回復の魔法が使えて、ゲームの主人公と同じ桜色の髪と緑の瞳を持つ人間だった。

「こんな流し読みしたような乙女ゲー、もう詳しく覚えてないよぉぉぉ!!」

 私は辛うじて『アンフィビアン学園』と『君の世界は光り輝く』という名前は憶えていた、でも主人公のありがちな特徴の幾つかを除けば、私は攻略対象の男性が誰だったかさえ覚えていなかった。でもこのローレル国で生きていくのなら、アンフィビアン学園に通わないわけにはいかなかった。そこで私は開き直った、嫌なことがあれば他国へ行けばいいのだ。そう開き直って私はアンフィビアン学園に通うことにした、私は神殿から頼みがあれば回復の上級魔法を使う、それ以外は学園で過ごすようになった。

「やぁ、私はネイル・クルー・ローレルだ。君は新入生だね」
「ローレルというと、もしかして王子殿下ですか?」

「ああ、そうだ。私は第一王子だ、そして君は誰なんだい?」
「それじゃ、婚約者もいますよね?」

「ああ、もちろんいるが。どうしてそんなことを聞くのかな?」
「それなら、婚約者さんと話してください。それでは!!」

 私はどこで攻略対象と巡り合うのか全然分からなかった、だから顔が良い攻略対象になりそうな男性は片っ端から相手にしなかった。どうせ貴族や王族には婚約者がいるはずだから、それを言い訳に彼らとの接触を拒んだ。隠しキャラというのもいるかもしれないから、先生や見知らぬ顔が良い男性とも決して接触しなかった。学園祭などの催しごとの時には神殿に行ってサボった、神殿で私はいつものように回復の上級魔法を使っていた。それで私は無事に暮らしていければ良かった、でも一人だけ私を追いかけるしつこい男性がいた。

「エティア、今日は良い天気だ。僕と一緒に散歩でもどうかな」
「そうですね、ウルフェンさま。ところで婚約者さんはお元気ですか?」

「ああ、彼女との婚約は破棄したよ。だから僕と一緒に散歩でもどうかな?」
「婚約を破棄した!? 第二王子の貴方がですか!?」

「そうだよ、あれっ。学園の噂になっているけど、聞いていないのかい?」
「私はこれでも忙しいので、そんなことは知りませんでした」

 私につきまとってくる男は第二王子のウルフェン・アンムート・ローレルだった、この国の第二王子で美しい金の髪に蒼い瞳を持っていた、そしてとても綺麗で男としての色気もある顔をしていた。私は絶対にコイツは攻略対象だと思った、だから私はなにかと理由をつけて彼から逃げまくったのだが、この男はまるで懐いている犬のように私の後を追いかけてきた。このウルフェンという男が婚約を破棄したというのも本当だった、私は学園の噂話にようやく耳を傾けてそのことを知った。婚約破棄までして私につきまとう男、まさかヤンデレ枠ではないかと彼を私は疑った。

「やぁ、今日も元気そうだね。エティア、僕と少し話をしないかい?」
「私はとっても忙しいので結構です」

「そんなに忙しいなら僕が協力しよう、どうしてそんなに忙しいのかな?」
「上級魔法の勉強があるんです、いいですか上級魔法ですよ」

「それなら僕が協力できるよ、僕も上級魔法の使い手だからね」
「え!? 嘘っ!!」

 ウルフェンは顔が良いうえに上級魔法の使い手だった、これはもう絶対に攻略対象だろうと私は思った。なぜなら上級魔法の使い手は国に二、三人いればいいくらいの貴重な人材だった。だからウルフェンは公爵令嬢と婚約破棄したそうだが、第二王子として大切にされていていずれは公爵となり、後継ぎがいなくなった貴族の広大な土地を治めることになっていた。私はとにかくウルフェンから逃げまくったが、彼はとてもしつこくて私を追いかけることに、なんと授業以外の全ての時間を使っていた。

「エティア、君にとっていい話があるんだ。コフェーア子爵が君を養女にしたがっている」
「お断りしておいてください、私は貴族にはなりたくありません」

「それじゃ、エティア。君は何になりたいんだい?」
「私はただの神官の一人でいいです、そして誰か養子でも貰って静かに暮らします」

「それは困るな、僕はエティアとずっと一緒にいたいんだ。だから、できれば結婚して欲しい」
「はははっ、それは無理です」

 私は学園を無事に卒業したら正式な神官になるつもりだった、そうして結婚はせずに可愛い養子でも貰って静かに暮らしたかった。私を助けてくれた神官さまであるティオさまがそうしたように、私も恵まれない子どもを一人でも助けて暮らしたかった。そういう意味で神殿は孤児院もあったし、私が暮らしていくのにはとても良い環境だった。だからいくらウルフェンが私を追いかけてきても無駄だった、回復の上級魔法が使える私を神殿が簡単に手放すわけがなかった。

「え? 私は神官にはなれない!?」
「そうだ、エティア。君は絶対に神官にはなれない、そうウルフェン殿下から頼まれている」

「え? そんなどうして? 回復の上級魔法を使えるのはこの国では私だけですよ!!」
「神官長である私もウルフェン殿下に抗議した、でも国家権力を無視することはできなかった」

「そっ、そんな酷い!!」
「私としても残念で仕方がない、だが第二王子として正式に要請されれば仕方がないのだ」

 もうすぐ学園を卒業するという頃になって、私は神官長から呼び出されてこう言われてしまった。神殿はローレル国でも権力を持っているが、国家権力を完全に無視することはできなかった。こうして私の神官への道は閉ざされてしまった、あと私に残されているのは逃げるという一択しかなかった。ウルフェンのことは嫌いではなかったが、あくまでもそれはお友達の範囲を超えなかった。だからこのままローレル国にいて、ウルフェンにじわじわと口説かれるなんてごめんだった、だから私は時を待ち『飛翔フライ』の魔法で夜空へと逃げ出した。

「やぁ、どこに行くんだい? エティア?」
「はははっ、ウルフェン様。奇遇ですね、夜のお散歩ですか?」

「うん、ちょっと君の夜逃げを防ごうと思ってね」
「なっ、何を根拠にそんなことを!? 私は別に夜逃げしようとしたわけじゃなくて!?」

「学園最後の舞踏会の夜に逃げ出すなんて、僕のエスコートを断って国まで捨ててしまうのかい?」
「あんたが!? しつこく私に結婚を迫るせいでしょうが!? そうじゃなかったら、私は今も平穏にローレル国で暮らしてましたよ!?」

 私は学園の最後の舞踏会をすっぽかして、このローレル国から逃げ出そうとした。だけど私にはしっかりと見張りがついていた、それもただの見張りじゃないウルフェン自身が、第二王子が私のことを見張っていたのだ。私は彼から何度も結婚を申し込まれて断っていた、私としてはどうしても彼と結婚する気はなかった。無理無理無理、生理的に無理だった。ウルフェンは確かに美男子で権力も財力も何もかもを持っていた、でも私は彼とどうしても結婚するわけにはいかなかった。

「エティア、今なら君は逃亡者にならない。だから、僕と結婚して欲しい」
「それは無理だって言ったはずです!! 私は一生を神に捧げるんです!!」

「神なんて祈っても助けてくれない、そんなものに君の一生を捧げるなんて許せない」
「いいじゃないですか!? 信仰の自由ってやつですよ!!」

「うん、僕と結婚してくれたらいいよ。神をいくら信じていてもいい、でも僕の傍から君がいなくなるのは駄目だ」
「だからそれは生理的に無理なんです!! ウルフェン様は私の好みじゃないんです!!」

 私とウルフェンは夜の空中で口喧嘩をした、でも口喧嘩で済むわけがなかった。結局のところ私はウルフェンに捕まってしまった、彼の逞しい腕に抱きしめられて私は背筋がゾッとした。そうこのくらい私はウルフェンのことが生理的に無理なのだ、彼と結婚をして性交して子供を産むなんて考えたら、それだけで私は気絶しそうになった。でもウルフェンはそんな私を放してはくれなかった、そうして私は常に見張りをつけられて、ウルフェンの屋敷に閉じ込められることになった。

「どっ、どうかお嬢様。わっ、私の当番の時に逃げないでください!! わっ、私が殺されます!!」
「えっと、ウルフェンもそこまではしないんじゃないかな?」

「いいえ、あっ、あの方なら必ずそうします!! でっ、ですからどうか私の当番の時だけは、どっ、どうか逃げ出さないでください!!」
「はっ、はい」

 ウルフェンがどうしても外せない用事がある時には使用人や騎士が見張りになった、それは私にとって逃げ出す良い機会だったが皆がそろって私に命乞いをした。私がいなくなったら彼ら使用人や騎士が代わりに殺されることになっていた、皆そろってそう私に言ってどうか自分の時だけはと頼み込んできた。そうされると私もさすがに逃げ出すことができなかった、ウルフェンと結婚する気はなかったがここから逃げ出すことは難しかった。

「エティア、どうしたら僕と結婚してくれるかい?」
「そうですか、そうですね。はははっ、白い結婚だったら良いですよ」

「なんだそんなことでいいのか!? そうか、それじゃ僕たちは結婚しよう!!」
「え!?」

「君が初夜を怖がっていたのなら、僕が君を抱かなければいいだけだ。ああ、これでやっと君と結婚できる!!」
「えええええ!?」

 私とウルフェンはこうして結婚することになった、私が白い結婚つまり初夜は絶対にしない結婚ならいい、そう言うとウルフェンはあっという間に私との結婚の支度をしてしまった。私もうっかりと言ってしまったとはいえ、まさかウルフェンが白い結婚でも良いとは知らなかった。彼だってそれなりに性欲というものがあるのだから、私にはそれが向けられていると思っていた。でもウルフェンにとっては私が傍にいることが一番大事なことだったみたいだ、こうして私はウルフェンと正式に結婚してしまった。

「ぜっ、絶対にウルフェン。貴方とは性交渉しませんよ!!」
「もちろん分かっているよ、エティア」

「それだけでいいなら私たち、ただのお友達で良かったでしょうに」
「まさか、君ほどの価値がある人間なら、誰かがきっと結婚しようとしたよ」

「私はただの神官でいたかったのになぁ」
「上級魔法の使い手は貴重だ、僕にとって誰かが君を無理やり手に入れる、僕はそれだけは我慢できなかった」

 ウルフェンは私の価値について正しく理解していた、私は神殿に神官としてずっといるつもりだったが、上級魔法の使い手は貴重だったから確かに私を狙う男性もいた。神殿の中に入れば安心かと思っていたが、私のことをそれとなく口説いてくる神官もいたくらいだった。幸いにも神官長はそんなことをする男性ではなかった、だから私の貞操は厳重に守られていた。そうじゃなかったら女性の神官が住む住居に、そう夜這いをしにくる男の一人や二人はいたはずだ、結果的にウルフェンとの結婚は正解かもしれなかった。

「それじゃ、ウルフェンは私に何を望んでいるんです?」
「………………これから僕が眠る時には、必ず君に右手を握っていて欲しい」

 私がそう言うとウルフェンは初夜のベッドに横になった、そうしてから彼は私を手招きして右手を差し出した。私は訳が分からなかったがとりあえずウルフェンの右手を握ってあげた、すると彼はとても嬉しそうに笑った、本当に無邪気な子どものように嬉しそうに笑ったのだ。私はその笑顔に見覚えがあった、いつかどこかで見た笑顔だった。そうそれは私が神殿からとある貴族に出向いて、回復の上級魔法を使った時に見た子どもの笑顔だった。

「あっ、あの時の貴族のお子さん!?」
「ああ、やっと僕に気がついてくれた。僕の大事なエティア」

「でも貴方は第二王子でしょう!! あれはどこかの貴族の家だった!!」
「僕の病気が少しでも良くなるように、親戚の貴族の家を借りていた。いや、僕の病気が兄弟にうつらないように隔離されていたのさ」

「え? えっと、私と結婚したかったのって、たったそれだけの理由で!?」
「たったそれだけじゃない、僕にとって君は救いの女神だった。恐ろしい病を取り除いてくれた、そして僕を救ってくれた愛しい女性だった」

 そう言ってウルフェンは私の手を強く握りしめた、それはもう私のことを手放すつもりはないという彼の意志だった。ウルフェンにとって私は命の恩人なのだ、だから私のことを結婚という形で彼は守ろうとした。学園に現れた私に付きまとったのもその為に必要だったからだ、ウルフェンは私のことを助けられた時から愛し続けていた、そんな私がすぐ手の届くところにきたのだ。ウルフェンはそれがとても嬉しくて、だからずっと今では愛している私のことを追いかけてきたのだ。

「貴方はこれから何だってできます、そう言われて僕は君を手に入れたくなった。他の男になんて渡したくなかった、だからその為なら何だってやってきた」
「でっ、でもその結果が白い結婚ですよ!?」

「白い結婚だっていいんだ、僕の大切な貴女が他の人のものにならず、そして幸せに暮らしてくれればそれで良いんだ」
「それで貴方は満足ですか!? 私だったら好きな女性がいたら口説きます!!」

「それじゃ、僕は今からエティアを口説くことにしよう。僕に光を与えてくれた優しい女神、そうそんな愛おしい君を全力でこれからも愛するよ」
「これが他の女性でしたら、私も応援できるんですけど無理ですか」

 ウルフェンはまた幸せそうに笑った、そうして彼の右手を握っている私の手にキスをした。私は思わぬウルフェンからの接触にゾッとはしなかった、でもちょっとだけ背筋が寒くなった。目の前のこの男性は本当に私のことを愛してくれていると感じた、その気持ちが分からなくはなかった。むしろそこまで愛おしい女性がいてよく理性を保っていると思った、もし私がウルフェンだったらもう愛する女性を押し倒していたかもしれなかった。

「ああ、君のいる世界は輝いて見える。愛おしい、僕のエティア」

 ウルフェンの目に世界はきっと光り輝いて見えるのだろう、私としてはウルフェンとはこのまま良いお友達でいたかった。白い結婚として私に手を出さない限り、私がウルフェンの傍を離れることはなかった。そのくらいはウルフェンに私は情が移っていた、でもそれが恋愛感情になるのはとても難しかった。なぜなら私には前世の記憶があったからだ、そう私は前世の記憶にまだ囚われていた、前世では私はゲームが大好きでそして病気で死んだ。

「…………男の子なんだよなぁ」
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