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守りの聖女と学園生活

蛇が出た…?

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数日後、図書室の四人席。
ジェリーの隣に座って、目の前にはカミラ、その隣にはユリウス殿下。後ろの席にはアロイスさんが座っている。
少し離れたところでドライさん含めた護衛の方々も見ているので変な噂は立たないだろう。

この間の課題も結構良い評価をいただけたので、余計に勉強を頑張ろうという気持ちになっている。
そして無の表情で土魔法の研究をしているユリウス殿下をカミラは獲物を狙う目で見つめている。

カミラの家、スワン家の領地は水が美しく、とても良い薬草が育つ。
代々水の魔法を持つ家ではあるけれど、今よりもっと薬学の進歩と品質の向上を図りたいと言っていた。
ユリウス殿下がそれに役に立つと思っているのかもしれない。殿下ってばお勉強はできる方だし、土魔法の使い手は結界術も得意だけれど、それ以上に植物にも影響を与えることができる場合が多い。
それもあって、「今売れ残っている問題児をお婿にもらうくらいなら、親がアレだろうと当事者とは縁は切れているわけだし、殿下を引き込んだ方がスワン侯爵家の利になるのでは?」という魂胆がちょっぴり見える。

王家としても扱いに困っているユリウス殿下を差し出して侯爵家と穏便にやっていけるのならばそれに越したことはないと考えているそう。水面下でお話し合いがあるらしい。
まぁ、これは周囲の皆様が漏らしてくれた情報のおかげで分かったことでもありますが。

私が辺境伯家の令嬢になりながら、冒険者の婚約者を迎えたことで「やはりその程度の方なのね」なんて思っているのが丸見えの方々ってやっぱりいるのだ。
そして、その方々はなぜか私にその手の情報を好きなだけ話して去って行く。口ぶりから察するに私を貶めているつもりなのかもしれない。それか、私が何もわからないと思っているか。

まぁ、ジャンヌ様やどこかの聖女は王族にすら望まれていると聞くし、聖女としてもなめられているのだろう。そんなこと、別に興味はないけれど、国からの支援を受けられていることの意味は考えた方がいいんじゃないかなって思ったりする。


「カミラ!貴様、俺との婚約を破棄するとはどういったつもりだ!?」


そんなことを思っていたら、学びの場にふさわしくない大きな声が聞こえた。
ちなみにだけれど、その声の主はアロイスさんのあたりで足止めを食っている。


「アロイスも、風魔法がうまくなったよね」


本に目を落としたまま、風で防壁を張るその手腕は見事だ。


「あなたが、国が大切に保護している尊い方の遊び場を汚したのがそもそもの原因ではなくて?」


呆れたように返すカミラ。
なお、ジェリーは思い出したように「あ。丸出し男」と小さな声でつぶやいていた。
もしかして、あの時の!?
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