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守りの聖女と学園生活

とばっちり

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ジェリーが丸出し男、だなんて言ったせいでユリウス殿下がお腹を抱えて蹲った。流石にここで吹き出したりするのは、と我慢しているように見える。

当の本人はジェリーを睨みつけている。


「そんな顔をしても婿入り先への配慮なしに、派手に遊んでいたのだからお前が悪いのではないか?」


正論である。
というか、彼が婚約破棄された原因って主に「聖女の邪魔をしたから」である辺りでリカバリーはできない。この国って結構私のこと大切にしてくれてるので。前の国と比べたら、っていうのもあるので、アロイスさん曰く「評価が甘い」そうです。
まぁ、ともかく私もある程度の私財を投じているけれど、国にも「有用性がある」という認定されているのでお金出してもらえてる。


「彼女の邪魔は国家事業の妨害を意味するしな」


復活したユリウス殿下の追撃に顔を青くする。


「というか、もうどこの家にも婿入りは厳しいと思うぞ。あっても、お前と同じように聖女を馬鹿にして中央から遠ざけられるのが確定の家のみだな」


さらっと突きつけられた現実に、カミラを見て縋るような顔をしたけれど、彼女はガン無視していた。
そして、警護してくれている方々に連れて行かれた。


「彼のせいでとばっちりを受けた実家などが可哀想ではあるが、息子の思想をわかっていて対処出来なかったというのは醜聞だからねぇ」


仕方がないね、と笑うジェリーに「ご実家も似たようなものですわ」とカミラも微笑んだ。生まれながらに高貴な人間、たまにちょっと怖い。


「笑顔が怖い、笑顔が怖い」

「まぁ、殿下。酷いわ、怖いだなんて言わないでくださいな」


あらあら、と頬に手を当てて困ったような顔をした。
可愛い。


「そうです。カミラは可愛いです」

「グリズリー嬢は本当にスワン嬢が好きだな」


ちなみにこの三日後に、カミラとユリウス殿下が婚約した。殿下ってば「なんで?」みたいな顔をしていたけど、王家も役に立たないと思ってた子が侯爵家に婿入りできてニッコリしていた。
親がどうあれ、反面教師で頑張ってきた優秀な王族をそのまま放っておくのも惜しくなったんじゃないかなぁ。


「これでマーガレットと話していてもジェリー殿から強く牽制されずにすみますわね」

「あ。それは少し嬉しいかもしれないな!」


カミラの手のひらでくるくるされている気がするのは気のせいかな。
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