眠り姫はエリート王子に恋をする

一二三

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ぶっちゃけ女子(?)会(と、それを盗聴する男たち)

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※エブリスタさんで2万スターのお礼に書いたものです。
冬夜から、鎌田と伊藤とお茶会をすることになったと聞いた藤堂が盗聴を企て、山口と西島を巻き込んで女子(?)たちの会話を盗み聞きながら一喜一憂、という内容。会話形式。



某月某日、Kカンパニーにて。

藤堂「山口さん。ちょっと相談が」
山口「おう、なんだよ」
藤堂「明日我が家で瀬川さんが、鎌田と伊藤とケーキ持ち寄ってお茶会するらしいんですが」
山口「ぶはっ!女子会か?!まあいいけどさ。んで?」
藤堂「気になりません?」
山口「何が?」
藤堂「俺たちが、日頃なんて言われてるか」
山口「それは……気になりすぎるな。ってか、お前は瀬川さんがお前のことなんて言ってるかが気になるだけだろうが!」
藤堂「まあそうなんですけど」
山口「そんで?俺に相談ってことは、なんだ。女子会を盗聴しろってか?」
藤堂「ええまあ。ぶっちゃけそういう事です」
山口「……西島も呼んでやれよ」
藤堂「山口さんそれ、絶対に親切心で言ってるんじゃないですよね?」
山口「あたりまえだろ。伊藤があれこれぶっちゃけるの聞いた西島が、青くなってるのが見たいだけだ」
藤堂「……いいですけどね。じゃあ、西島も呼びましょうか」

 かくして、藤堂家で開催された女子会(男子含む)は、男どもに盗聴されているとも知らず、お気に入りのケーキやお菓子、お茶を囲んで盛り上がっていた。
(以後、盗聴部隊の名前の前には*がつきます)

*山口「お、やってんな。聞こえる聞こえる」
*西島「あー、なんか聞きたいような聞きたくないような……」
*藤堂「静かにしろ西島。山口さん、もうちょっとボリュームあげて……あ、冬夜さんの声」

冬夜「んーーー!!!この苺タルト、おいしいーーーー!!!」
鎌田「でしょでしょ?あ、こっちも食べて下さいよ!この木苺のマカロンがもう最高なんだから!」
伊藤「甘酸っぱさが、たまりませんねぇ」
冬夜「やっぱ、疲れた時は甘いものがいいよね」
鎌田「あら、瀬川主任、お疲れなんですか?お仕事は最近、そんなに忙しくなかったですよね?」
冬夜「え?!あ、う、うん。あの……いや、忙しかったかなー、なんて」
伊藤「(ニヤリ)瀬川しゅにーん。もしかして、お仕事以外のことで疲れてるんじゃないですかぁ?」
冬夜「へっ?!」
鎌田「そういえばここのところ、朝はだるそうにしてましたよね?悩まし気なため息なんかついちゃったりして」
伊藤「そうそう、お疲れのご様子でしたぁ。藤堂さんのエッチって、そんなに激しいんですかぁ?」
冬夜「ぶほっ!げほっ、げほっ(カフェオレが変な所にはいってむせる冬夜)」

*藤堂「あいつら(怒)……何言ってやがる……」
*西島「まあまあ。女子会ですから」
*山口「そうそう。女子会っちゃ、そういうもんだ」

鎌田「みのり、そういうお話が聞きたいのなら、まず自分のネタを披露しないとダメじゃない」
伊藤「えぇー?そんなマナーありましたっけ?」
鎌田「あるの。ぶっちゃけ話のお作法なのよ」
冬夜「鎌田さん、伊藤さん、あの……俺は別に……」
伊藤「えっとですねぇ。耕司クンのエッチはですねぇ。なんというか、フツーですぅ」

*西島「みっ……みのりぃ!!!」
*山口「うるさい西島」
*藤堂「黙れ西島」

冬夜「ふ、普通とおっしゃいますと?!」
伊藤「だからぁ、歴代の彼たちの中で、ナンバーワンでもなく、最下位でもないですぅ」
鎌田「まあ、すばらしく気持ちいいわけでもなく、でも悪くもなく、みたいな?」
伊藤「そんな感じですぅ」
冬夜「…………(同じ男として、いたたまれない思いをしている)」
伊藤「あ、でもぉ、ひとつ普通じゃなくて困ってることがあってぇ」
冬夜「な、なに?!(冷や汗)」
鎌田「え、西島の奴、なにやらかすのよ?」
伊藤「お風呂入ってると、突入してくるんですぅ。それで、しよう!っていきなり襲い掛かってくるんですよぅ」
鎌田「あー、それ最低よね。こっちだって色々準備したいことがあるのにね」

*西島「みのりっ!そうだったの?!お風呂は嫌だったの?!」
*山口「うるせーな西島。女はフツー嫌がるだろ、風呂ですんの」
*藤堂「…………(相手は男だが、身に覚えがありすぎて何も言えないでいる)」

鎌田「藤堂くんはあまりそういう事しなさそうだけど」
冬夜「……(ノーコメント)」
伊藤「あ、やられてるんだぁ!お風呂エッチ!中身意外と野獣ですよねぇ?藤堂さんって」
鎌田「うんうん。王子の仮面被ってるけど、中身はがっつり獣だよね」
伊藤「『今夜は寝かせませんよ』とか言ってそうですぅ」
冬夜「……っ!ゲホゲホゲホ!!!」
鎌田「言ってるな」
伊藤「言ってますね」

*山口「あいつら、言いたい放題だな(ニヤニヤ)」
*西島「なんだぁ。藤堂さんだってツッコミどころ満載の営みしてるじゃないですかぁ」
*藤堂「黙れ西島。追い出すぞ」

鎌田「エッチのお誘いはスマートにして欲しいわよねぇ」
伊藤「うんうん。ギラギラされるとなんか嫌ですよねぇ」
冬夜「それは……わかる気がするけど……」
鎌田「けど?」
冬夜「なんかこう、求められると嬉しい気持ちって、ない……かな(ひたすら赤面)」
伊藤「いやーん!藤堂さん、愛されてますねぇ!」

*西島「みのりぃ!!!俺を愛してないのかよおぉ!!!(号泣)」
*山口「ホントうるせーなこいつ。誰だよ呼んだの」
*藤堂「山口さんです(冬夜に愛されていることがわかり、満足顔)」

伊藤「ちなみにですがぁ、瀬川主任、藤堂さんにどんな風にエッチのお誘いされたら嬉しいですかぁ?」
鎌田「みのり、瀬川主任はどんな風に誘われても嬉しいのよ、きっと」
伊藤「ええー。じゃあねぇ。藤堂さんって、どんな風にエッチのお誘いしてきますぅ?」
冬夜「え……直球で聞いちゃう?それ」
鎌田「聞いちゃう聞いちゃう」
伊藤「知りたい知りたい」

*山口「俺も、王子様のお誘いテクが知りたいぜ」
*西島「右に同じく」
*藤堂「……そろそろ盗聴、やめませんか?」

鎌田「みのり、お作法は?」
伊藤「あ、はぁい。耕司クンはねぇ、もう、顔に『したい』って書いてありますぅ。で、お風呂に突入してくるか、お布団に入る前から襲い掛かってくるか、って感じですぅ」

*山口「西島、もうちょっとスマートにいけ」
*藤堂「さすがに伊藤がかわいそうに思えてきたな」
*西島「スミマセン……ガンバリマス……」

鎌田「藤堂くんはさすがにその辺は、きめてきそうよね」
伊藤「はいぃ。女心ならぬ、男心を弄びまくる王子様の夜のお誘いとはいかに?!」
冬夜「えぇ……普通、だよ?」
鎌田「その『普通』が知りたいです」
伊藤「鎌田さん、お作法お作法」
鎌田「うーん。私今、彼いないんだもん。前カレはねぇ、日本人じゃなかったから、もう、愛してるよ、ってとこからのお姫様抱っこで、だったわよ?」
伊藤「くうぅ~!!!一回でいいからされてみたいですそんな風に!」

*山口「だとよ」
*藤堂「励めよ」
*西島「それ、お二人がやるなら絵になりますけど、俺がやっても笑えるだけじゃないですか?!」
*山口「否定はしない」

冬夜「藤堂は、ね……」
鎌田・伊藤「うんうん」
冬夜「ソファでね、こう、クッション抱えてるとさ……」
鎌田・伊藤「うんうんうんうん」
冬夜「隣に座ってね、肩を抱いてきてね、ここんとこ(こめかみ)にキスしてきてね……」
鎌田・伊藤「うん!それで?!(前のめり)」
冬夜「『冬夜さん、しようか?』って……」

鎌田・伊藤・山口・西島
「「「「ぎゃーーーーーーーーっ!!!!!」」」」

鎌田「し、死ぬ!」
伊藤「あ、あの顔でそれ言われたら、死にますねぇ!!!」

*山口「よく生きていられるな、瀬川さん!」
*西島「やっべ。想像したら、俺まで藤堂さんに抱かれたくなってきた!」
*藤堂「…………(額を抑えて呻く)」

鎌田「ダメだ、この話題危険すぎる!もうやめましょう!」
伊藤「そうしましょう!寿命が3年ほど縮まりました!」
冬夜「なんだよ!みんなが話せって言ったんだろ?!(涙目)」
鎌田「ごめんごめん。思ったより破壊力があったんですって」
伊藤「うんうん。藤堂さんがちょっと違う世界の生き物だってことがわかりましたから、満足ですぅ!」

*藤堂「くっそあいつら……覚えてろよ」
*西島「えっ?!みのりに手を出さないでくださいよ?」
*山口「藤堂、思い出せ。元はと言えば、盗み聞きしようと言い出したお前が悪いんだぞ」


 その後、ぶっちゃけ女子会は普通の女子会へと移行し、無事終了した。
 
 男たちは盗聴した内容を考察の上、今後自らの恋人に接する際は、相手への思いやりを忘れないよう十分に注意を払う、という決意をしたらしい。


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