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第三話
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「私はエレンお嬢様の使用人という立場を利用し学園に忍び込み、杖を盗みだしました。」
「やっと白状しましたか。まあこれだけの聴衆がいるのです、逃れるのは不可能と観念したのでしょう。」
放心状態の私を憐れみの目で一瞥した後、聴衆へ向き直すとメアリーは宣言する。
「このように、我が家に潜んでいた犯罪者は私と弟ジャンの手によって逮捕されました!」
歓声が上がる。事件を解決した2人の若者に賞賛の声が飛び交う。そして、犯罪者への罵倒が。
ボロボロの執事を擁護する声は、一つとしてない。
「では、連れて行きなさい。」
メアリーの合図でローレンスが連れ出される。
ローレンスは全く抵抗せず、メアリーに従う。
やっと正気を取り戻した私は離れていく背中に呼びかける。
「ロ、ローレンス。待ちなさい。まだ話は…」
ローレンスは一瞬立ち止まり、
「……申し訳ありません、お嬢様。」
何かを言い淀んだかと思うと、振り返りもせず足早に部屋を出て行ってしまった。
閉じた扉をしばらく呆然と眺めていると、メアリーが耳打ちする。
「残念でしたね。お姉様。」
振りかえるとメアリーは、談笑しているジャンたちの元へスキップで向かっていた。
「やっと白状しましたか。まあこれだけの聴衆がいるのです、逃れるのは不可能と観念したのでしょう。」
放心状態の私を憐れみの目で一瞥した後、聴衆へ向き直すとメアリーは宣言する。
「このように、我が家に潜んでいた犯罪者は私と弟ジャンの手によって逮捕されました!」
歓声が上がる。事件を解決した2人の若者に賞賛の声が飛び交う。そして、犯罪者への罵倒が。
ボロボロの執事を擁護する声は、一つとしてない。
「では、連れて行きなさい。」
メアリーの合図でローレンスが連れ出される。
ローレンスは全く抵抗せず、メアリーに従う。
やっと正気を取り戻した私は離れていく背中に呼びかける。
「ロ、ローレンス。待ちなさい。まだ話は…」
ローレンスは一瞬立ち止まり、
「……申し訳ありません、お嬢様。」
何かを言い淀んだかと思うと、振り返りもせず足早に部屋を出て行ってしまった。
閉じた扉をしばらく呆然と眺めていると、メアリーが耳打ちする。
「残念でしたね。お姉様。」
振りかえるとメアリーは、談笑しているジャンたちの元へスキップで向かっていた。
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