6 / 26
第一章 カレーライスの邂逅
カレーライスの邂逅⑥
しおりを挟む
そろそろカレーの皿が空になる、というとき。
西園寺氏の視線が、ふと俺のトレーに落ちた。
俺もつられて視線を落とす。
カレー皿の脇に寄せられた、ガラス製の小皿――氷で冷やされたパイナップル。
つややかな果肉は氷片のきらめきを反射して、まるで宝石のように輝いている。
「藤宮くん、それは……?」
その問いに、俺は「あ」と声を漏らした。
てっきり見て見ぬ振りだと思っていたのだ。
「これは……冷やしパインです」
小皿を持ち上げて、西園寺氏の目線に合わせる。
冷気で曇った皿から、甘い香りがふわりと立ち上った。
「冷やしパイン……?だが券売機には……」
スプーンを持つ美しい手が、わずかに震える。
「はい、券売機のメニューには載ってないですね」
「……ほう?」
西園寺氏は興味深げに、じっとパイナップルを見つめた。
「食券を渡すときに『パインお願いします』って言うと、こっそりセットにしてもらえるんです。学食のちょっとした秘密で、いわば裏メニューですね」
「裏メニュー……!」
言葉を転がすように口にした西園寺氏の瞳が、無邪気に輝いた。
知性と気品が溢れる紳士然とした雰囲気が、この瞬間だけは、内緒の抜け道を知った少年のように楽しげに見えた。
そのギャップが人間らしくて、とても微笑ましい。
「カレーのあとに食べると、すごくさっぱりするんです。学生の間じゃ、結構人気なんですよ」
「なるほど。スパイスと油の余韻を、冷たい果実の酸味で洗い流すわけか――理にかなっている。実に巧妙だ」
感心しきりの様子に、俺は心を決めた。
俺は今日この人から、今まで知らなかった物語をいくつも聞かせてもらった。広い世界の一端を見せてもらった。
この体験はきっと、俺にとってかけがえのない『宝物』になるはずだ。
ならばその礼として、せめてこれくらいは渡したい。
「じゃあこれ……どうぞ!」
皿ごとぐいっと差し出すと、西園寺氏の眉は驚きに跳ね上がった。
けれどそれも一瞬のことで、美しい顔には困ったような色が滲んだ。
「いや……それはいけない。食べ盛りの学生からデザートを奪うわけにはいかないからな」
「いえ、本当に大丈夫です!俺からのお礼ですから!」
「お礼?」
「いっぱい話を聞かせてもらったお礼です!」
半ば押し付けるように小皿を押し出すと、西園寺氏は観念したように肩を竦めた。
そして愉快そうに微笑んだ。
「君は実に真っ直ぐだな。……ふむ。これ以上断るのは、かえって失礼というものだ。ありがたくいただこう」
優雅な手つきでフォークにパイナップルを刺し、口に運ぶ。
シャクッ――果肉が砕ける音が響いた瞬間、西園寺氏の表情はぱぁっと明るくなった。
「……っ!爽やかだ。酸味と甘味が見事に調和し、カレーの余韻をさらに引き立てている」
「でしょう?これがあると、学食のカレーをもっと好きになるんですよ」
自分の手柄のように胸を張ると、西園寺氏も楽しげに笑った。
その笑顔に、俺の心もほわりと温かくなる。
少し前まで雲の上の人だった西園寺氏が、同じテーブルで笑い合う『仲間』のように感じられたからだ。
それが妙に嬉しくて、こちらを窺っていた周囲の視線も、もう全く気にならなかった。
***
冷やしパインを食べ終えた西園寺氏は、紙ナプキンで口元を拭い、改まった調子でこちらを見つめた。
「藤宮くん」
「はい?」
「今日の放課後は……空いているだろうか?」
真剣な表情と口調。俺はとっさに記憶を辿った。
(今日はバイトのシフトも入ってないよな)
「……はい。特に予定はないです」
そう答えると、西園寺氏はうれしそうに顔をほころばせた。
「ならば冷やしパインのお礼に、君をクリームティーに招待したい」
「く、クリーム……ティー?」
初めて耳にする単語に、俺は間の抜けた声を出してしまった。
ティーというからには紅茶のことだろう。でもその前にクリームが付くとなると……。
「えっと……生クリームを浮かべた紅茶、とかですか?」
疑問符だらけの俺の予想に、西園寺氏はくすりと笑って首を横に振った。
「そうではない。だが、詳しくはまだ秘密にしておこう。実際に目にしたときの驚きのほうが、ずっと価値があるからね。――おっと、スマートフォンで検索するのもなしだ」
さらりと逃げ道を塞がれ、余計に気になってしまう。
ホイップクリームがたっぷり乗ったカップや、泡立て器を持つ西園寺氏の姿が、頭の中を行ったり来たりする。
ちらりと前を見ると、西園寺氏は挑むような微笑みを浮かべていた。
その表情に、胸がチリッと高鳴る。
「で、でも……パインはお礼に差し上げたものですし……」
――違う。断りたいんじゃない。でも口から言葉が勝手に出てしまう。
(お願いだから、引かないで――!)
その願いが届いたのか、西園寺氏はさらに言い募った。
「ならば、カレーの秘密を教えてくれた礼として受け取ってほしい。――どうだろう?」
有無を言わせぬ微笑みに、今度こそ心臓が跳ねる。
これ以上の反論は無意味だ――俺は魅惑的な誘いを受けることに決めた。
「ぜひ!お願いします!」
「よし、決まりだ」
西園寺氏は満足げに頷くと、声を落として囁いた。
「放課後、大学の正門前で待ち合わせをしよう。そこからは私が案内する」
「案内……ですか?」
「ああ。いっぷう変わった、特別な店でね。知る人ぞ知る場所だ。君を連れていくには、相応しいと思う」
特別。知る人ぞ知る。
西園寺氏ほどの人がそう言うのだ。それだけで期待に胸が膨らむ。
「ただし」
西園寺氏は人差し指を立てて、真剣な声を響かせた。
「申し訳ないが、このあとの間食は禁止とさせてもらう。たとえパンひと切れといえど、許されない。空腹は最高の調味料だからね」
「は、はいっ!」
地に足がつかないような浮遊感。そしてまたしても、心の奥に火が灯る。
今からもう、放課後が待ち遠しくて仕方ない。
未知の世界に連れ出される予感に、俺は自然と拳を握り締めたのだった。
第一章 カレーライスの邂逅 / 完
◆・◆・◆
秘密はいつもティーカップの向こう側
本編もアルファポリスで連載中です☕
ティーカップ越しの湊と亜嵐の物語はこちら。
秘密はいつもティーカップの向こう側の姉妹編
・本編番外編シリーズ「TEACUP TALES」
シリーズ本編番外編
・番外編シリーズ「BONUS TRACK」
シリーズSS番外編
・番外SSシリーズ「SNACK SNAP」
シリーズのおやつ小話
よろしければ覗いてみてください♪
西園寺氏の視線が、ふと俺のトレーに落ちた。
俺もつられて視線を落とす。
カレー皿の脇に寄せられた、ガラス製の小皿――氷で冷やされたパイナップル。
つややかな果肉は氷片のきらめきを反射して、まるで宝石のように輝いている。
「藤宮くん、それは……?」
その問いに、俺は「あ」と声を漏らした。
てっきり見て見ぬ振りだと思っていたのだ。
「これは……冷やしパインです」
小皿を持ち上げて、西園寺氏の目線に合わせる。
冷気で曇った皿から、甘い香りがふわりと立ち上った。
「冷やしパイン……?だが券売機には……」
スプーンを持つ美しい手が、わずかに震える。
「はい、券売機のメニューには載ってないですね」
「……ほう?」
西園寺氏は興味深げに、じっとパイナップルを見つめた。
「食券を渡すときに『パインお願いします』って言うと、こっそりセットにしてもらえるんです。学食のちょっとした秘密で、いわば裏メニューですね」
「裏メニュー……!」
言葉を転がすように口にした西園寺氏の瞳が、無邪気に輝いた。
知性と気品が溢れる紳士然とした雰囲気が、この瞬間だけは、内緒の抜け道を知った少年のように楽しげに見えた。
そのギャップが人間らしくて、とても微笑ましい。
「カレーのあとに食べると、すごくさっぱりするんです。学生の間じゃ、結構人気なんですよ」
「なるほど。スパイスと油の余韻を、冷たい果実の酸味で洗い流すわけか――理にかなっている。実に巧妙だ」
感心しきりの様子に、俺は心を決めた。
俺は今日この人から、今まで知らなかった物語をいくつも聞かせてもらった。広い世界の一端を見せてもらった。
この体験はきっと、俺にとってかけがえのない『宝物』になるはずだ。
ならばその礼として、せめてこれくらいは渡したい。
「じゃあこれ……どうぞ!」
皿ごとぐいっと差し出すと、西園寺氏の眉は驚きに跳ね上がった。
けれどそれも一瞬のことで、美しい顔には困ったような色が滲んだ。
「いや……それはいけない。食べ盛りの学生からデザートを奪うわけにはいかないからな」
「いえ、本当に大丈夫です!俺からのお礼ですから!」
「お礼?」
「いっぱい話を聞かせてもらったお礼です!」
半ば押し付けるように小皿を押し出すと、西園寺氏は観念したように肩を竦めた。
そして愉快そうに微笑んだ。
「君は実に真っ直ぐだな。……ふむ。これ以上断るのは、かえって失礼というものだ。ありがたくいただこう」
優雅な手つきでフォークにパイナップルを刺し、口に運ぶ。
シャクッ――果肉が砕ける音が響いた瞬間、西園寺氏の表情はぱぁっと明るくなった。
「……っ!爽やかだ。酸味と甘味が見事に調和し、カレーの余韻をさらに引き立てている」
「でしょう?これがあると、学食のカレーをもっと好きになるんですよ」
自分の手柄のように胸を張ると、西園寺氏も楽しげに笑った。
その笑顔に、俺の心もほわりと温かくなる。
少し前まで雲の上の人だった西園寺氏が、同じテーブルで笑い合う『仲間』のように感じられたからだ。
それが妙に嬉しくて、こちらを窺っていた周囲の視線も、もう全く気にならなかった。
***
冷やしパインを食べ終えた西園寺氏は、紙ナプキンで口元を拭い、改まった調子でこちらを見つめた。
「藤宮くん」
「はい?」
「今日の放課後は……空いているだろうか?」
真剣な表情と口調。俺はとっさに記憶を辿った。
(今日はバイトのシフトも入ってないよな)
「……はい。特に予定はないです」
そう答えると、西園寺氏はうれしそうに顔をほころばせた。
「ならば冷やしパインのお礼に、君をクリームティーに招待したい」
「く、クリーム……ティー?」
初めて耳にする単語に、俺は間の抜けた声を出してしまった。
ティーというからには紅茶のことだろう。でもその前にクリームが付くとなると……。
「えっと……生クリームを浮かべた紅茶、とかですか?」
疑問符だらけの俺の予想に、西園寺氏はくすりと笑って首を横に振った。
「そうではない。だが、詳しくはまだ秘密にしておこう。実際に目にしたときの驚きのほうが、ずっと価値があるからね。――おっと、スマートフォンで検索するのもなしだ」
さらりと逃げ道を塞がれ、余計に気になってしまう。
ホイップクリームがたっぷり乗ったカップや、泡立て器を持つ西園寺氏の姿が、頭の中を行ったり来たりする。
ちらりと前を見ると、西園寺氏は挑むような微笑みを浮かべていた。
その表情に、胸がチリッと高鳴る。
「で、でも……パインはお礼に差し上げたものですし……」
――違う。断りたいんじゃない。でも口から言葉が勝手に出てしまう。
(お願いだから、引かないで――!)
その願いが届いたのか、西園寺氏はさらに言い募った。
「ならば、カレーの秘密を教えてくれた礼として受け取ってほしい。――どうだろう?」
有無を言わせぬ微笑みに、今度こそ心臓が跳ねる。
これ以上の反論は無意味だ――俺は魅惑的な誘いを受けることに決めた。
「ぜひ!お願いします!」
「よし、決まりだ」
西園寺氏は満足げに頷くと、声を落として囁いた。
「放課後、大学の正門前で待ち合わせをしよう。そこからは私が案内する」
「案内……ですか?」
「ああ。いっぷう変わった、特別な店でね。知る人ぞ知る場所だ。君を連れていくには、相応しいと思う」
特別。知る人ぞ知る。
西園寺氏ほどの人がそう言うのだ。それだけで期待に胸が膨らむ。
「ただし」
西園寺氏は人差し指を立てて、真剣な声を響かせた。
「申し訳ないが、このあとの間食は禁止とさせてもらう。たとえパンひと切れといえど、許されない。空腹は最高の調味料だからね」
「は、はいっ!」
地に足がつかないような浮遊感。そしてまたしても、心の奥に火が灯る。
今からもう、放課後が待ち遠しくて仕方ない。
未知の世界に連れ出される予感に、俺は自然と拳を握り締めたのだった。
第一章 カレーライスの邂逅 / 完
◆・◆・◆
秘密はいつもティーカップの向こう側
本編もアルファポリスで連載中です☕
ティーカップ越しの湊と亜嵐の物語はこちら。
秘密はいつもティーカップの向こう側の姉妹編
・本編番外編シリーズ「TEACUP TALES」
シリーズ本編番外編
・番外編シリーズ「BONUS TRACK」
シリーズSS番外編
・番外SSシリーズ「SNACK SNAP」
シリーズのおやつ小話
よろしければ覗いてみてください♪
1
あなたにおすすめの小説
秘密はいつもティーカップの向こう側 ―SNACK SNAP―
天月りん
キャラ文芸
食べることは、生きること。
ティーハウス<ローズメリー>に集う面々に起きる、ほんの些細な出来事。
楽しかったり、ちょっぴり悲しかったり。
悔しかったり、ちょっぴり喜んだり。
彼らの日常をそっと覗き込んで、写し撮った一枚のスナップ――。
『秘密はいつもティーカップの向こう側』SNACK SNAPシリーズ。
気まぐれ更新。
ティーカップの紅茶に、ちょっとミルクを入れるようなSHORT STORYです☕
◆・◆・◆・◆
秘密はいつもティーカップの向こう側(本編) ティーカップ越しの湊と亜嵐の物語はこちら。
秘密はいつもティーカップの向こう側の姉妹編
・本編番外編シリーズ「TEACUP TALES」シリーズ本編番外編
・番外編シリーズ「BONUS TRACK」シリーズSS番外編
・番外SSシリーズ「SNACK SNAP」シリーズのおやつ小話
よろしければ覗いてみてください♪
秘密はいつもティーカップの向こう側 ―BONUS TRACK―
天月りん
キャラ文芸
食べることは、生きること。
ティーハウス<ローズメリー>に集う面々の日常を、こっそり覗いてみませんか?
笑って、悩んで、ときにはすれ違いながら――それでも前を向く。
誰かの心がふと動く瞬間を描く短編集。
本編では語られない「その後」や「すき間」の物語をお届けする
『秘密はいつもティーカップの向こう側』BONUST RACKシリーズ。
気まぐれ更新。
あなたのタイミングで、そっと覗きにきてください☕
◆・◆・◆・◆
秘密はいつもティーカップの向こう側(本編) ティーカップ越しの湊と亜嵐の物語はこちら。
秘密はいつもティーカップの向こう側の姉妹編
・本編番外編シリーズ「TEACUP TALES」シリーズ本編番外編
・番外編シリーズ「BONUS TRACK」シリーズSS番外編
・番外SSシリーズ「SNACK SNAP」シリーズのおやつ小話
よろしければ覗いてみてください♪
秘密はいつもティーカップの向こう側 ―TEACUP TALES―
天月りん
キャラ文芸
食べることは、生きること。
湊と亜嵐の目線を通して繰り広げられる、食と人を繋ぐ心の物語。
ティーカップの湯気の向こうに揺蕩う、誰かを想う心の機微。
ふわりと舞い上がる彼らの物語を、別角度からお届けします。
本編に近いサイドストーリーをお届けする
『秘密はいつもティーカップの向こう側』SHORT STORYシリーズ。
気まぐれ更新でお届けする、登場人物の本音の物語です
あなたのタイミングで、そっと覗きにきてください☕
◆・◆・◆・◆
秘密はいつもティーカップの向こう側(本編) ティーカップ越しの湊と亜嵐の物語はこちら。
秘密はいつもティーカップの向こう側の姉妹編
・本編番外編シリーズ「TEACUP TALES」シリーズ本編番外編
・番外編シリーズ「BONUS TRACK」シリーズSS番外編
・番外SSシリーズ「SNACK SNAP」シリーズのおやつ小話
よろしければ覗いてみてください♪
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
~後宮のやり直し巫女~私が本当の巫女ですが、謂れのない罪で処刑されたので後宮で人生をやり直すことにしました
深水えいな
キャラ文芸
明琳は国を統べる最高位の巫女、炎巫の候補となりながらも謂れのない罪で処刑されてしまう。死の淵で「お前が本物の炎巫だ。このままだと国が乱れる」と謎の美青年・天翼に言われ人生をやり直すことに。しかし巫女として四度人生をやり直すもののうまくいかず、次の人生では女官として後宮入りすることに。そこで待っていたのは後宮で巻き起こる怪事件と女性と見まごうばかりの美貌の宦官、誠羽で――今度の人生は、いつもと違う!?
耽溺愛ークールな准教授に拾われましたー
汐埼ゆたか
キャラ文芸
准教授の藤波怜(ふじなみ れい)が一人静かに暮らす一軒家。
そこに迷い猫のように住み着いた女の子。
名前はミネ。
どこから来たのか分からない彼女は、“女性”と呼ぶにはあどけなく、“少女”と呼ぶには美しい
ゆるりと始まった二人暮らし。
クールなのに優しい怜と天然で素直なミネ。
そんな二人の間に、目には見えない特別な何かが、静かに、穏やかに降り積もっていくのだった。
*****
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
※他サイト掲載
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
