11 / 69
春の宵闇
3
しおりを挟む
一度荷物を置いて着替えてから『La maison』に行くと約束し、彼らとは店の前で別れた。
「紅音、先にお風呂に入って、それから桔梗さんの所行こうか。いっぱい遊んで汗かいたでしょ?」
「うんっ、そうせんせいのだんなさんが『みだしなみはおとこのひっすようこうだ』っていってたよ」
息子がキリッとして言う言葉の内容に、慧斗は「あの白糸教授の奴隷が」と胸の中で毒づいていた。
慧斗が秘書を勤める白糸教授は、現在結婚をして苗字が違う。本当の名前は「紅竹総」だ。番の方は紅竹龍羅といい、こちらも慧斗が育児に仕事にと追われてる間に番となり、翌年可愛らしい男の子を出産した。
白糸教授というのは、色々手続きが面倒だという彼の通称のようなものだ。
恩師の番は名家出身で、現在は国と共同開発したアルファとオメガのマッチングアプリや、結婚相談所などを運営している。にもかかわらず、彼は一子の父親だというのにやることは子供のようで、しょっちゅう白糸に叱られている光景を目にする。
それでもなんだかんだで白糸も彼を愛してるのか、番を大切にしている姿はクールな普段とは違って可愛らしいのだ。言うと柳眉を逆立てるので、口にしたことはないが。
たまに仲の良い彼らを見ると、胸が痛むことがある。
もし、紅龍の秘書から婚約者の話を聞かされなかったら、自分は紅龍と結婚をして彼らのように温かい家庭を作れたのかなと。ありえない予想を何度も想像しては無理矢理打ち消して、布団の中で紅龍を思って密かに泣いた。
自分は彼の名前も活動も知っているけど、一般人の慧斗のことは名前も教えてなければ素性も話していない。余程の奇跡がない限り二度と出会うことはない。
それに……
「おかーさん?」
「え?」
くん、と袖を引っ張られ遠く馳せていた意識が紅音に向ける。
「どうした?」
「おかーさん、いたい?」
「ん? どこも痛くないよ」
「でも、なきそうなおかおしてる……」
「っ」
ああ、本当にこの子は心の傷を敏感に嗅ぎ取る。
「大丈夫、ちょっとお仕事で疲れただけだから。それに今日はいっぱい歩いたからね」
ごまかすように言い訳を口に乗せれば、多分違うと理解してるだろう紅音は、それ以上の追求はせず「そっかあ」と小さく呟いた。
「さ、早くおうちに入ってお風呂に行こう? あんまり遅くなると桔梗さんに会えなくなるよ」
「あ、そうだっ」
靴を脱ぎ捨て廊下を奥へと走っていく小さな背中を見送り、慧斗はひっくり返った小さな靴を揃えて置きながら困り顔で微笑んだ。
あんなに小さな子を不安にさせてはいけない。紅龍とは決して交われない運命だったのだ。
あの日の出来事は運命の神様が気まぐれを起こしただけ。不憫な慧斗を思って見せてくれた束の間の夢。
超有名俳優のアルファと、なんの取り柄もない一般のオメガが再会して結ばれるなんて、それこそ物語のよう。
もう慧斗には紅音がいる。いつまでも夢ばかりを見る年齢でもない。
んしょ、と立ち上がり、紅音の靴の横に量販店で買った革靴を並べ、慧斗も上がり框をのぼって奥へと続いた。
玲司たちには紅音をお風呂に入れてから伺うとメールし、一緒に浴室へと向かった。しっかりしてるとはいえども紅音は四歳。ひとりで入浴なんて怖くて無理。家での子供の不慮の事故の三位は溺死なのだ。一緒に入ってても安心なんてできやしない。
祖母が住んでいた家は純和風な平屋で、洗面所と浴室が続いてる昔さながらの内装になっている。タイル張りの浴槽はギリギリ紅音の頭が出るほど深く、一瞬でも気が抜けない。
神経質を言われようが、紅音を失ったら生きていけない。
「はい、紅音ばんざーい」
「ばんじゃーい」
「お母さんがいいって言うまで中に入っちゃダメだからね」
「わかってるー」
いつものやり取りをし、紅音は慧斗の足元に裸のまましがみつく中、伊達眼鏡を外して指を目の中に当てる。
薄い膜を指でつまみあげると、黒だった瞳は琥珀に戻る。鏡に映るのは長めの黒髪と琥珀の瞳を持つ、貧相なオメガの姿が写っていた。
これが紅龍が自分を探し出せないだろうと確信する理由だ。
当時は色を抜きすぎて白金の髪に琥珀の瞳だったが、就職を機に髪を黒に戻し、目は黒のコンタクトと伊達眼鏡を装着するようになった。吊るしのスーツに量販店の安物革靴をまとえば、当時の面影は完全に封じられる。
「おかーさんいたい?」
慧斗がコンタクトを外すたびに紅音はこうして尋ねてくる。目に指を入れるのを痛いと思っているようだ。
「大丈夫だよ。紅音は本当に優しい子だね」
「だって、ぼく、おかーさんすきだもん。ほいくえんのあらせくんもおかーさんだいすきなんだって!」
「そう。俺も紅音が大好きだよ」
「あらせくん」というのは、市の中心部のカフェで働く慧斗と同じシングルオメガだ。所作も美しく、噂だとどこか良い所のお家の出身ではないかと言われている。
同じ年齢の子供を持つシングルとして、もうひとりのシングルオメガである男性と三人で交流しているが、どこも母親が好きなんだなと微笑ましくなる。
「さ、お風呂入ろっか。いつまでも裸だと風邪ひいちゃうよ」
「はーい」
このまま平穏な時間が続けばいい。紅音がいればもうなにもいらない。
体を清め『La maison』へ向かう。徒歩五分にも満たない距離にあるおしゃれなカフェバーは、元々鄙びたアパート跡地に建てられたお店だ。といっても、慧斗が祖母と暮らす頃にはアパートは取り壊されて更地だったが、数年後に三階建の住居兼店舗ができた。
「こんばんはー」
豪奢な鉄門を入り、爽やかなハーブや花の香りが漂うアプローチを抜け、スリットガラスの入った扉を開くとカウベルの軽やかな音色が出迎えてくれる。
元気よく店に入った紅音に、カウンターにいた桔梗が楽しげに笑みを浮かべている。
「紅音君、いらっしゃい。あ、慧斗君、テーブル席でもいいかな」
「こんばんは、桔梗さん。それでも大丈夫です」
「ごめんね、今日はソファ席埋まっちゃって……」
謝罪してくる桔梗はもうじき二十八歳になるというのに、出会った頃からあまり印象が変わらない。
同じオメガであるが、慧斗にとっても素敵な先輩という感じだ。
北欧調のインテリアで整えられたテーブル席に腰を下ろす。紅音は慧斗の隣の椅子にクッションを重ねた上に座り、桔梗が差し出したメニュー表をにこにこと眺めている。一応日本語表記もあるが、全くフランス語読めない筈なのに。
「そういえば、新作でしたっけ? それと、紅音はグラタンでいい?」
「うんっ、れいじさんのグラタンおいしーよ」
「じゃあそれと、ホタテのクリームグラタンに林檎ジュースをお願いします」
桔梗の話では新作は赤ワインで煮たひき肉をマッシュポテトを被せてオーブンで焼いた料理らしい。ガーリックトーストかバゲットのどちらかと言われたので、バゲットのトーストをお願いした。
ついでに量は少なめと添えておく。まだ紅音には大人一人前を食べきれない。どうせデザートも頼むだろうし、残すのも耐えられない。
注文を聴き終えた桔梗が去り、慧斗はふと奥のソファ席に視線を移す。黒服のアルファらしい男性ふたりと、華奢な見覚えのあるオメガの青年が食事を楽しんでいる。
奥の席に座っていたオメガの青年も不意に顔を上げ、慧斗の顔を認めると「あ」と口を開くのが見えた。
「御崎さん」
「憂璃君」
ふたりの声が重なる。ということは、慧斗に背中を向けている黒服のふたりのうちひとりは。
「お、大学の事務の子じゃないか」
気軽に手を上げて応えたのは、紅龍と出会う直前のトラブルを救ってくれた、極道の玉之浦椿だった。
「紅音、先にお風呂に入って、それから桔梗さんの所行こうか。いっぱい遊んで汗かいたでしょ?」
「うんっ、そうせんせいのだんなさんが『みだしなみはおとこのひっすようこうだ』っていってたよ」
息子がキリッとして言う言葉の内容に、慧斗は「あの白糸教授の奴隷が」と胸の中で毒づいていた。
慧斗が秘書を勤める白糸教授は、現在結婚をして苗字が違う。本当の名前は「紅竹総」だ。番の方は紅竹龍羅といい、こちらも慧斗が育児に仕事にと追われてる間に番となり、翌年可愛らしい男の子を出産した。
白糸教授というのは、色々手続きが面倒だという彼の通称のようなものだ。
恩師の番は名家出身で、現在は国と共同開発したアルファとオメガのマッチングアプリや、結婚相談所などを運営している。にもかかわらず、彼は一子の父親だというのにやることは子供のようで、しょっちゅう白糸に叱られている光景を目にする。
それでもなんだかんだで白糸も彼を愛してるのか、番を大切にしている姿はクールな普段とは違って可愛らしいのだ。言うと柳眉を逆立てるので、口にしたことはないが。
たまに仲の良い彼らを見ると、胸が痛むことがある。
もし、紅龍の秘書から婚約者の話を聞かされなかったら、自分は紅龍と結婚をして彼らのように温かい家庭を作れたのかなと。ありえない予想を何度も想像しては無理矢理打ち消して、布団の中で紅龍を思って密かに泣いた。
自分は彼の名前も活動も知っているけど、一般人の慧斗のことは名前も教えてなければ素性も話していない。余程の奇跡がない限り二度と出会うことはない。
それに……
「おかーさん?」
「え?」
くん、と袖を引っ張られ遠く馳せていた意識が紅音に向ける。
「どうした?」
「おかーさん、いたい?」
「ん? どこも痛くないよ」
「でも、なきそうなおかおしてる……」
「っ」
ああ、本当にこの子は心の傷を敏感に嗅ぎ取る。
「大丈夫、ちょっとお仕事で疲れただけだから。それに今日はいっぱい歩いたからね」
ごまかすように言い訳を口に乗せれば、多分違うと理解してるだろう紅音は、それ以上の追求はせず「そっかあ」と小さく呟いた。
「さ、早くおうちに入ってお風呂に行こう? あんまり遅くなると桔梗さんに会えなくなるよ」
「あ、そうだっ」
靴を脱ぎ捨て廊下を奥へと走っていく小さな背中を見送り、慧斗はひっくり返った小さな靴を揃えて置きながら困り顔で微笑んだ。
あんなに小さな子を不安にさせてはいけない。紅龍とは決して交われない運命だったのだ。
あの日の出来事は運命の神様が気まぐれを起こしただけ。不憫な慧斗を思って見せてくれた束の間の夢。
超有名俳優のアルファと、なんの取り柄もない一般のオメガが再会して結ばれるなんて、それこそ物語のよう。
もう慧斗には紅音がいる。いつまでも夢ばかりを見る年齢でもない。
んしょ、と立ち上がり、紅音の靴の横に量販店で買った革靴を並べ、慧斗も上がり框をのぼって奥へと続いた。
玲司たちには紅音をお風呂に入れてから伺うとメールし、一緒に浴室へと向かった。しっかりしてるとはいえども紅音は四歳。ひとりで入浴なんて怖くて無理。家での子供の不慮の事故の三位は溺死なのだ。一緒に入ってても安心なんてできやしない。
祖母が住んでいた家は純和風な平屋で、洗面所と浴室が続いてる昔さながらの内装になっている。タイル張りの浴槽はギリギリ紅音の頭が出るほど深く、一瞬でも気が抜けない。
神経質を言われようが、紅音を失ったら生きていけない。
「はい、紅音ばんざーい」
「ばんじゃーい」
「お母さんがいいって言うまで中に入っちゃダメだからね」
「わかってるー」
いつものやり取りをし、紅音は慧斗の足元に裸のまましがみつく中、伊達眼鏡を外して指を目の中に当てる。
薄い膜を指でつまみあげると、黒だった瞳は琥珀に戻る。鏡に映るのは長めの黒髪と琥珀の瞳を持つ、貧相なオメガの姿が写っていた。
これが紅龍が自分を探し出せないだろうと確信する理由だ。
当時は色を抜きすぎて白金の髪に琥珀の瞳だったが、就職を機に髪を黒に戻し、目は黒のコンタクトと伊達眼鏡を装着するようになった。吊るしのスーツに量販店の安物革靴をまとえば、当時の面影は完全に封じられる。
「おかーさんいたい?」
慧斗がコンタクトを外すたびに紅音はこうして尋ねてくる。目に指を入れるのを痛いと思っているようだ。
「大丈夫だよ。紅音は本当に優しい子だね」
「だって、ぼく、おかーさんすきだもん。ほいくえんのあらせくんもおかーさんだいすきなんだって!」
「そう。俺も紅音が大好きだよ」
「あらせくん」というのは、市の中心部のカフェで働く慧斗と同じシングルオメガだ。所作も美しく、噂だとどこか良い所のお家の出身ではないかと言われている。
同じ年齢の子供を持つシングルとして、もうひとりのシングルオメガである男性と三人で交流しているが、どこも母親が好きなんだなと微笑ましくなる。
「さ、お風呂入ろっか。いつまでも裸だと風邪ひいちゃうよ」
「はーい」
このまま平穏な時間が続けばいい。紅音がいればもうなにもいらない。
体を清め『La maison』へ向かう。徒歩五分にも満たない距離にあるおしゃれなカフェバーは、元々鄙びたアパート跡地に建てられたお店だ。といっても、慧斗が祖母と暮らす頃にはアパートは取り壊されて更地だったが、数年後に三階建の住居兼店舗ができた。
「こんばんはー」
豪奢な鉄門を入り、爽やかなハーブや花の香りが漂うアプローチを抜け、スリットガラスの入った扉を開くとカウベルの軽やかな音色が出迎えてくれる。
元気よく店に入った紅音に、カウンターにいた桔梗が楽しげに笑みを浮かべている。
「紅音君、いらっしゃい。あ、慧斗君、テーブル席でもいいかな」
「こんばんは、桔梗さん。それでも大丈夫です」
「ごめんね、今日はソファ席埋まっちゃって……」
謝罪してくる桔梗はもうじき二十八歳になるというのに、出会った頃からあまり印象が変わらない。
同じオメガであるが、慧斗にとっても素敵な先輩という感じだ。
北欧調のインテリアで整えられたテーブル席に腰を下ろす。紅音は慧斗の隣の椅子にクッションを重ねた上に座り、桔梗が差し出したメニュー表をにこにこと眺めている。一応日本語表記もあるが、全くフランス語読めない筈なのに。
「そういえば、新作でしたっけ? それと、紅音はグラタンでいい?」
「うんっ、れいじさんのグラタンおいしーよ」
「じゃあそれと、ホタテのクリームグラタンに林檎ジュースをお願いします」
桔梗の話では新作は赤ワインで煮たひき肉をマッシュポテトを被せてオーブンで焼いた料理らしい。ガーリックトーストかバゲットのどちらかと言われたので、バゲットのトーストをお願いした。
ついでに量は少なめと添えておく。まだ紅音には大人一人前を食べきれない。どうせデザートも頼むだろうし、残すのも耐えられない。
注文を聴き終えた桔梗が去り、慧斗はふと奥のソファ席に視線を移す。黒服のアルファらしい男性ふたりと、華奢な見覚えのあるオメガの青年が食事を楽しんでいる。
奥の席に座っていたオメガの青年も不意に顔を上げ、慧斗の顔を認めると「あ」と口を開くのが見えた。
「御崎さん」
「憂璃君」
ふたりの声が重なる。ということは、慧斗に背中を向けている黒服のふたりのうちひとりは。
「お、大学の事務の子じゃないか」
気軽に手を上げて応えたのは、紅龍と出会う直前のトラブルを救ってくれた、極道の玉之浦椿だった。
74
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻本作品(オリジナル)の結末をif(運命の番)ルートに入れ替えて、他サイトでの投稿を始めました。タイトルは「一度目の結婚で愛も希望も失くした僕が、移住先で運命と出逢い、二度目の結婚で愛されるまで」に変えてます。
オリジナルの本編結末は完全なハッピーエンドとはいえないかもしれませんが、「一度目の〜…」は琳が幸せな結婚をするハッピーエンド一択です。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
もう一度君に会えたなら、愛してると言わせてくれるだろうか
まんまる
BL
王太子であるテオバルトは、婚約者の公爵家三男のリアンを蔑ろにして、男爵令嬢のミランジュと常に行動を共にしている。
そんな時、ミランジュがリアンの差し金で酷い目にあったと泣きついて来た。
テオバルトはリアンの弁解も聞かず、一方的に責めてしまう。
そしてその日の夜、テオバルトの元に訃報が届く。
大人になりきれない王太子テオバルト×無口で一途な公爵家三男リアン
ハッピーエンドかどうかは読んでからのお楽しみという事で。
テオバルドとリアンの息子の第一王子のお話を《もう一度君に会えたなら~2》として上げました。
昔「結婚しよう」と言ってくれた幼馴染は今日、僕以外の人と結婚する
子犬一 はぁて
BL
幼馴染の君は、7歳のとき
「大人になったら結婚してね」と僕に言って笑った。
そして──今日、君は僕じゃない別の人と結婚する。
背の低い、寝る時は親指しゃぶりが癖だった君は、いつの間にか皆に好かれて、彼女もできた。
結婚式で花束を渡す時に胸が痛いんだ。
「こいつ、幼馴染なんだ。センスいいだろ?」
誇らしげに笑う君と、その隣で微笑む綺麗な奥さん。
叶わない恋だってわかってる。
それでも、氷砂糖みたいに君との甘い思い出を、僕だけの宝箱にしまって生きていく。
君の幸せを願うことだけが、僕にできる最後の恋だから。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる