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21 異母妹の訪問
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「お姉様、お久しぶりです!」
「……どうして貴方がここに?」
舞踏会が無事に終わってから数日後。
とある人物が私の元へ訪れていた。
(ハァ……面倒なことになったわね……)
今、私の目の前に座っている礼儀のなっていない貴族令嬢。
私の腹違いの妹のアイラ・スイート公爵令嬢である。
(側妃だけでも手一杯だというのに……)
昔から妹のアイラはとても我儘な子だった。
両親の寵愛を一身に受けて育ち、私の物は何でも欲しがった。
アイラを溺愛する父はそれを咎めることも無く、ただただ甘やかし続けてきた。
(まぁ、そういう意味ではこの子も被害者ではあるけれど……)
そのせいで問題ばかりを起こし、社交界での評判は最悪。
嫁ぎ先が見つからなくて困っているのだという話は聞いた。
だからこそ、こうして私を馬鹿にすることで鬱憤を晴らしているのだろう。
全て自分のせいだというのに、私に八つ当たりしないでほしいものだ。
「お姉様はぁ……王宮で随分と辛い思いをしているみたいですね?」
「……貴方こそ、結婚出来なくて大変だと聞いているわ」
「ッ……お姉様みたいに旦那さんからの寵愛を得られないよりはマシです!」
昔なら傷付いただろうが、今は何とも思わない。
(そういえば、一度目の生で家族たちはどういう結末を迎えたのかしら……)
私が断罪されてしまったのだから彼らも何らかの処罰を受けているだろう。
母を蔑ろにし、私を冷遇し続けてきた人たちだから別にどうなろうとかまわないけれど。
「そんなことを言いに来たのなら帰ってくれないかしら?ここでは貴方よりも私の方が立場は上なの。――公爵邸と違ってね」
貴方をここから追い出すことなんて私にとって容易いと付け加えると、アイラは焦ったように口を開いた。
「ま、待ってくださいお姉様……!私が今日ここへ来たのはお姉様に用があるからです……!」
「用……?」
首を傾げて尋ねると、アイラはモジモジしながら話し始めた。
「お姉様……ヘンリー公爵様とどういう関係なんですか?」
「ヘンリー公爵?」
「あの日、舞踏会で随分と親しくしてたじゃないですか!」
「ああ……」
(あの舞踏会での騒動を見ていたのね……)
親しくしてたとはとんだ誤解だ。
ギルバートはずっとクロエのことが好きで、私のことなど何とも思っていないのだから。
否定しようとしたところで、アイラが目に涙を溜めて声を荒らげた。
「お姉様は本当に酷い人です!私がヘンリー公爵様のことをお慕いしているのを知っていてあんなことをしたんでしょう!?権力を笠に着て彼を操るだなんて何て卑怯な!」
「……何を言っているの?」
私が彼を操っているだなんて、そんなことあるわけがない。
そもそもアイラがギルバートを慕っていたということすら今初めて知った。
私たちは血が半分繋がっているだけで、決して仲の良い姉妹とは言えなかったから。
「お姉様、私どうしてもギルバート様と結婚したいんです!」
「……ヘンリー公爵と?」
そう口にしたアイラの顔はまるで恋する乙女のようだった。
ギルバートには他に想う相手がいるということを知らないのだろうか。
「だから、私たちの仲を取り持っていただきたいんです!」
「……」
父から溺愛されている妹は昔から望む物は何だって手に入れてきた。
そして、その中には私の物も多く含まれていた。
(姉なんだから我慢しろという言葉を何度聞かされたか……)
私のドレスや宝石、母の形見だった物まで全てを妹に奪われてきた。
そうやって全てを手に入れてきた彼女だからこそ、ギルバートのことも手に入ると信じて疑わないのだろう。
もちろん、そう人生が上手く行くわけがないが。
(結婚出来ないのは可哀相だし……会わせてあげるくらいならいいか……)
結局私は、妹の頼みを断ることが出来なかった。
「……どうして貴方がここに?」
舞踏会が無事に終わってから数日後。
とある人物が私の元へ訪れていた。
(ハァ……面倒なことになったわね……)
今、私の目の前に座っている礼儀のなっていない貴族令嬢。
私の腹違いの妹のアイラ・スイート公爵令嬢である。
(側妃だけでも手一杯だというのに……)
昔から妹のアイラはとても我儘な子だった。
両親の寵愛を一身に受けて育ち、私の物は何でも欲しがった。
アイラを溺愛する父はそれを咎めることも無く、ただただ甘やかし続けてきた。
(まぁ、そういう意味ではこの子も被害者ではあるけれど……)
そのせいで問題ばかりを起こし、社交界での評判は最悪。
嫁ぎ先が見つからなくて困っているのだという話は聞いた。
だからこそ、こうして私を馬鹿にすることで鬱憤を晴らしているのだろう。
全て自分のせいだというのに、私に八つ当たりしないでほしいものだ。
「お姉様はぁ……王宮で随分と辛い思いをしているみたいですね?」
「……貴方こそ、結婚出来なくて大変だと聞いているわ」
「ッ……お姉様みたいに旦那さんからの寵愛を得られないよりはマシです!」
昔なら傷付いただろうが、今は何とも思わない。
(そういえば、一度目の生で家族たちはどういう結末を迎えたのかしら……)
私が断罪されてしまったのだから彼らも何らかの処罰を受けているだろう。
母を蔑ろにし、私を冷遇し続けてきた人たちだから別にどうなろうとかまわないけれど。
「そんなことを言いに来たのなら帰ってくれないかしら?ここでは貴方よりも私の方が立場は上なの。――公爵邸と違ってね」
貴方をここから追い出すことなんて私にとって容易いと付け加えると、アイラは焦ったように口を開いた。
「ま、待ってくださいお姉様……!私が今日ここへ来たのはお姉様に用があるからです……!」
「用……?」
首を傾げて尋ねると、アイラはモジモジしながら話し始めた。
「お姉様……ヘンリー公爵様とどういう関係なんですか?」
「ヘンリー公爵?」
「あの日、舞踏会で随分と親しくしてたじゃないですか!」
「ああ……」
(あの舞踏会での騒動を見ていたのね……)
親しくしてたとはとんだ誤解だ。
ギルバートはずっとクロエのことが好きで、私のことなど何とも思っていないのだから。
否定しようとしたところで、アイラが目に涙を溜めて声を荒らげた。
「お姉様は本当に酷い人です!私がヘンリー公爵様のことをお慕いしているのを知っていてあんなことをしたんでしょう!?権力を笠に着て彼を操るだなんて何て卑怯な!」
「……何を言っているの?」
私が彼を操っているだなんて、そんなことあるわけがない。
そもそもアイラがギルバートを慕っていたということすら今初めて知った。
私たちは血が半分繋がっているだけで、決して仲の良い姉妹とは言えなかったから。
「お姉様、私どうしてもギルバート様と結婚したいんです!」
「……ヘンリー公爵と?」
そう口にしたアイラの顔はまるで恋する乙女のようだった。
ギルバートには他に想う相手がいるということを知らないのだろうか。
「だから、私たちの仲を取り持っていただきたいんです!」
「……」
父から溺愛されている妹は昔から望む物は何だって手に入れてきた。
そして、その中には私の物も多く含まれていた。
(姉なんだから我慢しろという言葉を何度聞かされたか……)
私のドレスや宝石、母の形見だった物まで全てを妹に奪われてきた。
そうやって全てを手に入れてきた彼女だからこそ、ギルバートのことも手に入ると信じて疑わないのだろう。
もちろん、そう人生が上手く行くわけがないが。
(結婚出来ないのは可哀相だし……会わせてあげるくらいならいいか……)
結局私は、妹の頼みを断ることが出来なかった。
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