貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした

ましゅぺちーの

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幼馴染

私はあの後お父様が言った通り自室で休み、気づけば朝になっていた。


「こんなに寝たのはいつぶりかしら・・・。」


殿下と出会ってからは忙しくて毎日あまり眠れていなかった。


コンコン


部屋の扉がノックされる。


「お嬢様、おはようございます。」


「あら、マリーナ。」


扉から顔をのぞかせたのは私の侍女のマリーナだ。


マリーナは私を見るなり心配そうな顔をする。


「お嬢様・・・大丈夫ですか?」


「ええ、大丈夫よ。」


そう言って笑ってみせる。


それを見たマリーナがほっと息をつく。


「お嬢様、今日は大事なお客様がいらっしゃるそうですよ。」


「お客様?」


「はい、旦那様がそれで準備をしておきなさいと。」


誰かしら・・・。


何故かマリーナの目が輝いている。





そのあと、私は来客を迎える準備をしたが何故か侍女たちはいつも以上に張り切っている。


え、なにこれ・・・なんでみんなこんなに張り切ってるのかしら・・・?


私は疑問に思いながらもそのままじっとしていた。




それから私はお父様に客間に通された。


私は近くに立っていたマリーナに問いかける。


「マリーナ。今から一体誰が来るのかしら?」


「それは来てからのお楽しみです!」


何故かマリーナは先ほどからずっとウキウキしている。


何だろう・・・。お父様とお母様も教えてくださらないし。


その時、客間の扉がノックされた。



コンコン


「どうぞ。」


私が扉に向かって声をかける。


「失礼します。」


そう言いながら部屋へ入ってきたのは・・・





「・・・?」


「・・・。」


二人とも、お互いを見てしばし固まっていた。


先に沈黙を破ったのは来客の方だった。


「エレン。久しぶりだな。」


「もしかして、クリス・・・?」


「正解。」


そう言うと目の前の青年はにっこり笑う。


クリス・・・!


クリストファー・モーガン


モーガン公爵家の令息で、エレンの幼馴染である。


殿下の婚約者候補になる前はよく遊んでいた。


お互いの親同士で二人を婚約させようと言う話も出ていたほどだ。


殿下の婚約者候補になってからは全く交流が無くなった。


「クリス・・・!変わらないわね。」


「おいおい。10年前と変わらないのかよ。」


「うふふ。」


きっと婚約者候補から外されたということを聞いてここまで来たのだろう。


私を慰めに。


小さい頃から本当に優しい人だ・・・。


「エレン。」


クリスは急に真面目な顔になる。


「王太子の婚約者候補から外されたんだってな。」


「ええ・・・。」


「あの王太子、ほんと馬鹿だな。」


「ちょ、ちょっとクリス!そんな風に王太子殿下の悪口を言うものではないわ!」


「どうせ誰も聞いてねえよ。」


「もう・・・。」


「なぁ、エレン・・・」


「王太子と結婚しないなら、俺と結婚しないか?」



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