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告白
部屋の中に本日二度目の沈黙が流れる。
先に沈黙を破ったのは私の方だ。
「・・・・・・・・え?」
「ク、クリスあなた本気なの?」
「本気だ!」
クリスは王太子殿下と婚約してからずっと私を避けていた。
それなのになぜ?
クリスは私をじっと見つめて力強い声で答える。
「俺はずっとエレンが好きだった。だけどエレンが王太子の婚約者候補になってからエレンは王太子の話ばかりするようになって・・・好きな女が他の男の話をするなんて耐えられなくて・・・。」
好きな女!?
「クリス、私のこと好きだったの?」
「あぁ。」
(全く気付かなかったわ・・・。)
「俺はお前の意思を尊重したい。今すぐ返事をしろなんて言わない。じっくり考えてほしい、エレン。」
そう言うとクリスは部屋を出て行ってしまう。
隣にいた侍女のマリーナは目を輝かせる。
「お嬢様!クリストファー様、やっと思いを伝えられたようですね。」
「やっとって・・・マリーナあなた知っていたの?」
「もちろんです!」
「ええ!?」
それは驚きだ。
「私だけじゃないと思いますよ?旦那様に奥様、公爵邸の他の使用人達、クリストファー様のご両親や兄君、モーガン公爵邸の使用人達に・・・それから・・・」
「そ、そんなに!?」
「はい。気づいていないのはエレンお嬢様くらいですよ?」
そう言ってマリーナはクスクス笑う。
「は、恥ずかしいわ・・・。」
マリーナは言葉を続ける。
「実のことを言うとわたくし共使用人は長年お嬢様と王太子殿下の婚約には反対していたのです。」
「え!?それはどうして?」
「王太子殿下はお世辞にも優秀とは言えません。それに敵が多く、常に危険にさらされています。
あの方が王太子となれたのは完全にエレンお嬢様のおかげなのです。
そんなお嬢様よりも平民の女を選ぶなど・・・・馬鹿としか言いようがありません。」
「マリーナ・・・。」
自分のためにそこまで言ってくれるマリーナに感激する。
「殿下はー
おそらく王太子ではいられなくなるでしょうね。」
私がそう言うと、マリーナもうなずいた。
「そりゃあそうでしょう。王太子殿下の母君は亡き王妃陛下ではありますが元の身分は平民なのです。
それに対し、第二王子であらせられるシャルル殿下は大変優秀で生母である側妃様は名門侯爵家の出身。
今回の件でほとんどの貴族が第二王子につくでしょう。」
そう、エイドリアン殿下の母君は王妃ではあるが、その王妃は元々平民だったのだ。
市井で暮らしているところを今の国王陛下が見初め王妃に据えたらしい。
「殿下は・・・だから勘違いしてしまったのかもしれないわね。平民でも国王の正妃になれると。」
「ええ。」
先に沈黙を破ったのは私の方だ。
「・・・・・・・・え?」
「ク、クリスあなた本気なの?」
「本気だ!」
クリスは王太子殿下と婚約してからずっと私を避けていた。
それなのになぜ?
クリスは私をじっと見つめて力強い声で答える。
「俺はずっとエレンが好きだった。だけどエレンが王太子の婚約者候補になってからエレンは王太子の話ばかりするようになって・・・好きな女が他の男の話をするなんて耐えられなくて・・・。」
好きな女!?
「クリス、私のこと好きだったの?」
「あぁ。」
(全く気付かなかったわ・・・。)
「俺はお前の意思を尊重したい。今すぐ返事をしろなんて言わない。じっくり考えてほしい、エレン。」
そう言うとクリスは部屋を出て行ってしまう。
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「そ、そんなに!?」
「はい。気づいていないのはエレンお嬢様くらいですよ?」
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「は、恥ずかしいわ・・・。」
マリーナは言葉を続ける。
「実のことを言うとわたくし共使用人は長年お嬢様と王太子殿下の婚約には反対していたのです。」
「え!?それはどうして?」
「王太子殿下はお世辞にも優秀とは言えません。それに敵が多く、常に危険にさらされています。
あの方が王太子となれたのは完全にエレンお嬢様のおかげなのです。
そんなお嬢様よりも平民の女を選ぶなど・・・・馬鹿としか言いようがありません。」
「マリーナ・・・。」
自分のためにそこまで言ってくれるマリーナに感激する。
「殿下はー
おそらく王太子ではいられなくなるでしょうね。」
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「そりゃあそうでしょう。王太子殿下の母君は亡き王妃陛下ではありますが元の身分は平民なのです。
それに対し、第二王子であらせられるシャルル殿下は大変優秀で生母である側妃様は名門侯爵家の出身。
今回の件でほとんどの貴族が第二王子につくでしょう。」
そう、エイドリアン殿下の母君は王妃ではあるが、その王妃は元々平民だったのだ。
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「ええ。」
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