貴方が選んだのは全てを捧げて貴方を愛した私ではありませんでした

ましゅぺちーの

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作戦会議

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数日後、私はシャルル殿下を公爵邸に招き、クリスとお父様の四人で作戦会議をしていた。


「私が国王陛下に話をつけに行っている間、ローラン公爵は側妃とアズリール侯爵の身柄を確保してほしい。」


シャルル殿下が向かいに座っていたお父様に視線を向けて言った。


「分かりました、殿下。」


お父様は軽く頷いた。


「侯爵が裏で行っていた不正を理由にアズリール侯爵家を没落させる。証拠は既にこちらでそろえている。」


シャルル殿下が懐から紙の束を取り出し、お父様に渡す。


「はい、殿下。」


それを受け取ったお父様が紙にざっくりと目を通し始める。


それがアズリール侯爵の不正の証拠のようだ。


「側妃に関しては、兄上の殺害未遂という罪状で捕らえようと思う。王族の殺害未遂は重罪だからな。」


側妃であるマリアベル様はずっと前からエイドリアン殿下の命を狙っていた。


これは周知の事実である。


それでも何故側妃様が罰せられなかったのか。


それは国王陛下がエイドリアン殿下に無関心なのもあるが、側妃様に後ろめたさを感じていたのも理由の一つだろう。


「そして、エレン嬢とモーガン公爵令息についてだが・・・。」


シャルル殿下がお父様から私に視線を移す。


「二人は、兄上のところへ行ってほしいんだ。」





私とクリスでエイドリアン殿下のところへ・・・


ふとエイドリアン殿下に手をあげられそうになったときのことを思い出す。


またあんな風になったら、どうしよう。


そう思うと体が震えた。


すると横に座っていたクリスが私の肩を優しく抱き寄せる。


「エレン、大丈夫だ。エイドリアン殿下がもしまたお前に手をあげようとしたら二度とそんなことできない体にするから。」


クリス・・・。さらっととんでもないこと言ってるわね。


「ありがとう・・・クリス・・・。でもそこまではしなくていいからね?」


だけど私を守ってくれるという気持ち自体は嬉しかった。


・・・はっ!


お父様が物凄く微笑ましい顔で私を見ている。


シャルル殿下もじっと私たちを見つめていた。


は、恥ずかしい・・・!


私は赤くなった顔を必死で隠した。


クリスはそんな私を優しい瞳で見つめている。


「コホン、兄上に関してだが、捕らえ次第自室に軟禁させておいてほしい。」


シャルル殿下が咳払いをしてそう言った。


「分かりました、殿下。」


するとシャルル殿下が突然真剣な顔になって言った。


「決行は三日後だ。その日はアズリール侯爵が王宮へ登城する日だから一斉にかかるぞ。」


「「「はい!」」」


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