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2 泣き女
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例のビルは銀座のど真ん中にあった。
テナントが入らないビルと聞いて汚いビルを想像していたが、とんでもない。壁面は石目調のパネルタイルが一面に貼られていて、1F全面はすりガラスだ。ビルの側面には緩いカーブを描いた階段がデザインされていて、そこから2Fへと上がれるようだ。ブランド店がテナントに入っていても全くおかしくない。ここからは銀座の街並みが一望できるし、人通りも絶えず、夜でも煌々と灯りが付いたこの街で、むしろこのビルだけが、テナントも入らずに無看板でいることが異様に見える。そんなビルだった。
ビルは5階建てでこの全てを自由に使っていいと尊には言われたが、俺がひとりで過ごすのに全フロアを使う必要は当然ない。1階部分だけで十分だ。
なにはともあれ、銀座の一等地に悠々と聳えるこのビルが、今日から俺の城となる。
尊は小さなビルだと言っていたが、60ヘーベイのこの空間は俺にとっては十分すぎると言っていい。これから始まる幸せの塊のような日々に、否が応でも胸が高鳴る。
が、報酬をもらうからにはそれらしくする必要がある。
1Fの入ってすぐの場所に机や応接セットを設置し、パーテーションで区切った奥のスペースを俺のプライベーと空間とした。
まぁ、プライベート空間と言っても、ベッドと服が入った衣装ケースがある程度だが、元々物欲が殆どない俺には十分なのである。
ちなみに、机や応接セットといった家具の類は、尊が親父さんの経営するホテルで使わなくなったものを調達してきてくれた。使わなくなったとは言え、尊の親父さんのホテルはどれも五つ星が眩しく煌めく高級ホテルだ。ソファーなんか座ったら最後、一生この上で過ごしたくなるような人をダメにする優しさの塊でできている。
実家を出てからというものの、一人暮らしの俺には家賃というものが重くのしかかっていたので、ここでの暮らしはまさに渡りに舟。いや、いるだけで報酬が貰えるという、破格の待遇なのである。
風呂はないが、銀座にはスーパー銭湯なるものがいくつかあるのでこれもまったく問題ない。
俺の少ない荷物を運ぶのにたいした時間も労力も使うことなく、引っ越しはあっという間に完了した。
いくつか開けてない段ボールもあるが、まずは缶コーヒーを持って、ソファーに腰をおろすと、ふかふかの座面がまるで俺を待っていたかのように優しく包み込む。プルタブに指をかけると、ガランとした空間のせいか小気味よい音が部屋中に響いた。
ゴクリと一口、珈琲を飲む。そうして一息つくと、改めて嬉しさがこみ上げてくる。立ち上がり缶珈琲を高く掲げた。
「ありがとーっ、みことぉ~!俺にとってお前は、まさにドラ〇もん並みの心の友だーーーーっ!」
「勝手に人をドラ〇もんにするんじゃねぇよ」
入口のドアが開き顔を出したのは、俺のドラ〇もん、尊だった。
「え?・・・ぁあ、尊、来たのか・・・」
完全にひとりのつもりでとったポーズが、なんとも居たたまれなくなり、俺は全力で何事もなかったように装い、ソファーに腰を下ろした。
「とりあえずこれ、開店祝いなっ」
そう言って尊は、テーブルの上にビールケースをドスっと置いた。
ぱりっとスーツを着込んで、ワックスで髪全体を後ろに流した仕事仕様の尊は呆れ顔で俺を見ている。どうやら、さっきの事をなかったことにはしてくれないようだ。
「さっさんきゅな」
「気にするな」
そう言って尊は事務所の中を歩き回ると、パーテーション裏の俺の生活スペースを覗いて噴出した。
「なに志童、お前・・・本気でここに住むの?」
「あぁ、住むよ」
「まじかよ・・・・・」
「問題あるか?」
「いや・・・ないけど・・・・・」
どこか歯切れの悪い尊が気になりはしたが、尊は仕事の途中だからと、すぐにまた出ていってしまった。
「なんだあいつ・・・・変なの・・・・」
尊が出て行った扉を見て首を傾げるも、俺はすぐに気を取り直してソファーにごろりと横になり目を閉じた。
「最高だ・・・・」
この楽園での暮らしに胸を弾ませながら、このまま昼寝をすることにした。
「・・・・グス・・・うっ・・・・グス・・・・」
――あれ?誰かが泣いているのか・・・・?
「うぅっ・・・・ヒック・・・・グス・・・・」
――これは・・・、女の声? 夢? 俺、もう寝たのか?」
「・・・・てください・・・うっ・・・」
――なんだ・・・耳元で声がする・・・・リアルだ・・・」
「おき・・て・・・・・うっ・・・・うっ・・・」
肩に生暖かいじっとりとした感触。その手が、肩から首筋をそっとなぞる。
やたら湿っていて、ぬるっと生暖かい感触が・・・・気持ち悪い・・・・
――夢だ。これは夢だ。夢に違いない・・・・どうか夢であってくれっ。
「あのー起きてください」
「夢じゃねーーーっ」
湿った掌で頬のじっとりと撫でられて、飛び起きた。
「・・・・・・誰・・・・?」
俺のすぐ目の前には喪服を着た、髪の長い女が肩を揺らして泣いている。テーブルと、ソファーの間にしゃがみ込んでいるから、やたら距離が近いっ!
――落ち着け・・・・落ち着け・・・・俺
そう自分に言い聞かせるものの、心拍数はあがり、背中を変な汗が伝う。
「あ・・・の・・・えっと・・・・とりあえず、出て行ってもらえます?」
ソファーの背もたれいっぱいにのけ反りながら、女とできる限りの距離をとって発した声は、情けなくも震えていた。
女は絵にかいたような猫背を揺らしながら、ゆっくりと立ち上がるとあり得ないくらいの小さな足運びで、向かいのソファーに移動して座った。
――いや・・・座るのかよ・・・
「あのぉ~~」
「はっはいっ」
「こぉこぉはぁ・・・、妖怪相談所ですよね?」
「は?妖怪・・・相談所?」
――それは尊が言っていたジョークだろ?まさか尊の悪戯か?
「もうぅぅぅ、私ぃ・・・・どぉしたらぁ・・・・いいかぁ、わからな・・・くてぇ・・・・」
そう言って手にした数珠を、もじもじと弄んでいる。
――いや、怪しい・・・っていうか・・・怖えぇっ!!!
女に返事することもさえも忘れて、俺は女を凝視した。
だらりと垂れ下がった長い黒髪は一切の手入れがされていない。その上、顔の大半はその黒髪に隠されて表情こそみえないが、ある意味見えなくて良かったかもしれない。まるで幽霊のような女だった。
「ここはぁ・・・・・妖怪相談所ぉ・・・・ですよねぇ・・・・?
黒髪の隙間から、目玉がぎょろりと動いた。
「ひいぃぃっ」
全身に鳥肌が立つ。
「ここはぁ~・・・・妖怪相談所ぉ・・・ですよねぇ・・・?」
「ちょちょ、ちょっと・・・・何言って・・・ここはっ」
そこまで言ったところで、女が入り口の方を指さした。
「え?」
俺は、我が目を疑った。入口の外に、置き型の看板が設置されている。
ご丁寧に、コンセントにもつながれているようで、中の電気が煌々とひかり、そこに浮かぶのは『妖怪相談所』の文字。
――ってか、あれって喫茶店の看板じゃねーか!と、突っ込んでいる場合じゃねぇ!
「はぁ?なんだ、ありゃっ」
思わず立ち上がると同時に、さっき帰っていった尊の笑顔が脳裏に浮かぶ。
――あいつかーーーーっ!くそっ!なに余計なことしてくれてんだーーーーーっ!
「いや・・・あの、すみません。あの看板は友達の悪戯というかなんというか・・・」
「違うんですか?」
「え?えぇ・・・・妖怪相談所なんてねぇ・・・・普通に考えて意味がわからないでしょう?」
精一杯の愛想笑いを浮かべながら、早く目の前の女にお引き取り頂きたくて必死に取り繕う。
「ぁ・・・・のぉ・・・・・・・」
「は・・・はいっ」
「・・・・・・・・・・・」
――喋らないのかよっ!!!
俯いたまま黙りこくっている女に、俺は意を決して言う。
「えっと・・・そういうことなので、お帰り頂いても・・・・」
そう声をかけた時だった。
まるで糸で引かれたように女はグァリと顔を上げたかと思うと俺を見て、垂れた髪の隙間から見える目玉をカッと開いた。
「ひいぃぃぃっ、すっ、すみませんっ!!!!」
反射的に俺は、頭を下げていた。
――怖い・・・・とにかく、怖すぎるっ。
「ここぉ・・・・妖怪相談所ですぅ・・・・よね?」
垂れた髪の向こうで、血走った眼球がグルングルンと動いている。
「は・・・・・はぃ・・・・妖怪・・・・相談所・・・れす・・・・・」
俺は女に問われるがままに気づけばそう答えていた。
「やっぱり・・・・そぅ・・・だったんですね・・・・ぁあ~・・・よか・・・った・・・」
両手を胸の前で合わせながら、そう言って女ほっとしたようには顔を俯かせた。
――あぁ・・・・・怖かった・・・・・ってか、思わず認めちまったけど・・・・妖怪相談所ってなんだよ!俺だってわからねぇよ!
なにひとつ事態は好転していないことに、焦燥感ばかりが募る。
――いや・・・どうするもこうするもねぇ・・・最初からやることはひとつだ。この女をここから追い出す!よし、頑張れ俺、俺ならできる!
持てる限りの勇気を振り絞り、俺はソファーに座り直すと、小さく深呼吸してから口を開いた。
「妖怪相談所なんて、ふざけてますよねぇ。こんなふざけた看板出すくらいですから、言うまでもなく貴方のお力にはなれないかと・・・」
「うっ・・・・ぐすっ・・・うっうっ・・・・そんなことを言って、私を・・・見捨てる・・・・つもりですか・・・・」
――やべっ、また、泣き出した・・・・
「いや・・・・見捨てるとか見捨てないの問題ではなくてですね・・・・その・・・、何かお困りごとなら弁護士事務所とか、探偵社とか・・・・あぁ、警察に行くのもいいかもしれませんよ?」
「そ・・・んなぁ、無責任なぁ・・・じゃぁあなたはぁ・・・・私にぃ・・・・私にぃ・・・この先ぃ・・・ひとりでどうしろとぉ?」
「いや・・・・ひとりかどうかも知りませんし・・・」
「私はぁ・・・・・もうぅ・・・あなたしかぁ・・・・いないのぉ・・・にぃ・・・」
――雲行きが怪しくなってきやがった・・・・たった今会ったばかりの女になぜ俺は、別れ際のカップルみたいな会話をさせられてる。
一向に拉致があかない状況にとりあえず、ここはなだめるべきかと考え、遠巻きに女の様子を伺いながらも俺はもう何度目かわからないため息をつく。
「はぁ・・・・・あの、泣いていてもわかりませんから。事情があるなら、とりあえず聞きますから・・・」
俺がそう言った次の瞬間。女はピタッと泣くのをやめて、堰を切ったように話し出した。
「私っ、全国の色々なお葬式の場に行って故人を思い泣くんです」
「は?」
「ほらぁ、今のお葬式ってなんていうかぁ、こうぅ・・・・親族もどこか冷めていて淡々とすすむでしょう?だから、私がそこへ行って、時には棺桶にすがりついたりなんかしながら号泣するとですね、今までわざとらしく神妙な顔をしていた親族や知人たちも、こう目の端に涙が浮かんでくるんですよぉ。
ここっ、ここですよ、私は心の中でそりゃぁもう、ガッツポーズです!
時には故人の大切にしてたものなんかを見つけたりして、私が泣くと周りの参列客もみんな手に手にハンケチを握りしめるわけですよぉ~。
だからぁ、私は全国のあらゆる葬儀にそうやって参列するんですけどぉ・・・・・」
そこまで饒舌且つ陶酔しきりで話していた女の動きがピタリと止まり俯いた。
――なっなんだ・・・・終わったのか?
「それなのにっ!!!」
「ひいぃぃぃーーーっ」
女の叫び声に、俺は飛び上がった。
「最近の葬式は・・・・まず家でやることなんてほとんどなくてっ。一体、どこで葬儀をしているのかわかりゃしないっ。私がいつものように棺桶にすがりついて泣いても、涙をこぼすところか「あなた、だれですかっ!」なんて言って、しまいには私を葬儀の会場から追い出す始末っ。こんなことって、あんまりだと思いませんか?」
そこまで一気に話すと、女はまた両手で顔を覆っておいおいと泣き出した。
驚きが先行して、一向に女の話が頭に入ってこないが、それでもなんとか必死に整理してみる。
「ってか・・・貴方は見ず知らずの人の葬式で何してるんですか?」
女はまたしてもグァンと顔をあげ、充血しきったギョロ目でじっとりと俺を睨むように見ると一言、言い切った。
「泣きに行ってるに、決まってるじゃないですかっ」
「・・・・・・・・」
――そんな・・・堂々と・・・・ってかこれ、絶対に関わっちゃダメなやつじゃね?まぁ、妖怪相談所なんかに来る時点で、やばい奴ってのは確実か・・・
「えっと・・・ですね。
葬式っていうのは、普通見知らぬ他人のとこには行くものではないんじゃないかと・・・」
できるだけ女を刺激しないように、とりあえず愛想笑いを浮かべながら穏やかに女に声をかけた。
女は一瞬、泣くのを辞めて俺の顔をまじまじとみてから、より一層の大声で泣き出した。
「ぅわぁーーーーーん、残酷だわぁ、私にそんなこと言うなんてっ。
残酷すぎるわぁ。そんな、じゃあこれから私にどう生きろと言うのぉ~。」
これまでの何倍ものボリュームに俺は耳を塞ぎながら、ソファーの背もたれいっぱいにのけ反った。
「だからぁ~、俺に言われても困るんだってば~」
目の前の喪服の女は、ひたすら泣き続けている。
「私はただ、ずっとそうしてきたから・・・・
これからもそうしていきたいだけなのにぃ~・・・うっ・・」
――はぁ~、もぉ勘弁してくれ・・・
この状況で、泣きたいのは確実に俺の方だ。
「あのさぁ、見ず知らずの他人の葬式に行くことがそもそもの間違いなんじゃないかな。今は変な奴も多いから、葬式が大きければ大きい程セキリティチェックなんかもあるだろうし・・・」
女は両手で顔を覆った指の隙間から、恨めしそうに俺の様子を伺いながら、ただただ肩を震わせただ泣くばかりである。その光景が兎に角怖い。
「それでも私はっ・・・
自慢じゃありませんが、今まで多くの人間の役に立ってきたんです。
葬式の場で私が泣くことで家族が改めて故人への感謝や、在りし日の思い出を思い出すことができるんです・・・・うっ・・・」
――ぁあ~、ほんと、めんどくせぇっ
そう思ったときだ。その時、あることに気づいた。
――もしかしてこれ相談料とかもらえるんじゃね?よし!
金が入るとなりゃ話は別だ。俺は気を取り直すと、軽く咳ばらいをして改めて姿勢を正した。
「まぁともかく。まずは、お名前から伺いましょうか」
「私・・・は、泣き女です・・・」
「はい?」
一度冷静になろうと、深呼吸をしてみた。
「あのー、お名前は?」
「泣き女です」
――こりゃ、相談料とか無理かも・・・・
やっぱりここは一刻も早くお引き取り頂くのがここは最善と判断した。
「はいはい。泣き女さんね。で、相談の内容は・・・・沢山の葬儀会場で思い切り泣きたい・・・と」
さっき尊が持ってきたビールケースの段ボールに俺はメモをとり、書き終えるともっともらしくそこをペンで叩きながらしばらく考えるそぶりをすると、女は前かがみになり、期待に満ちた眼差しで俺の顔を覗き込んだ。
――うっ・・・・こ・・・わい・・・頑張れ、俺。あと少しだ。
「えっと・・・・とりあえず、調査なんかもありますから・・・・、少し時間を頂いて・・・ですね」
そこまで言うと、女はすくっと立ち上がり・・・・・ニタリと笑った。
「わかりましたぁ。ではぁ、3日後にまた来ますぅ」
――おっ、うまくいったかっ
このおかしな女をまんまと追い出せそうで、思わず笑みがこぼれる。
「ではぁ、なにとぞぉ・・・・お願いしますぅ」
女は丁寧に頭を下げると、出入り口にむかう・・・・・のではなく・・・・・
徐々に薄くなり、その姿を消した。
――・・・・・・え? 消えた?
「はぁぁぁぁぁぁぁ?」
俺は弾かれたように立ち上がるとすぐに向かいの女がたった今まで座っていたソファーの下や後ろを調べてみる・・・が、どこにも女の姿はない。
「なっ、なんだよーっ、なんだってんだよー、意味わかんねぇ~っ」
体中に走る悪寒をおさめるように、両手を交差させて両腕をさする俺の視界に今さっき、俺自身がとったメモが映る。
『泣き女』の文字がそこにある。
「まじかよ・・・・」
俺は生唾を飲み込んだ。
テナントが入らないビルと聞いて汚いビルを想像していたが、とんでもない。壁面は石目調のパネルタイルが一面に貼られていて、1F全面はすりガラスだ。ビルの側面には緩いカーブを描いた階段がデザインされていて、そこから2Fへと上がれるようだ。ブランド店がテナントに入っていても全くおかしくない。ここからは銀座の街並みが一望できるし、人通りも絶えず、夜でも煌々と灯りが付いたこの街で、むしろこのビルだけが、テナントも入らずに無看板でいることが異様に見える。そんなビルだった。
ビルは5階建てでこの全てを自由に使っていいと尊には言われたが、俺がひとりで過ごすのに全フロアを使う必要は当然ない。1階部分だけで十分だ。
なにはともあれ、銀座の一等地に悠々と聳えるこのビルが、今日から俺の城となる。
尊は小さなビルだと言っていたが、60ヘーベイのこの空間は俺にとっては十分すぎると言っていい。これから始まる幸せの塊のような日々に、否が応でも胸が高鳴る。
が、報酬をもらうからにはそれらしくする必要がある。
1Fの入ってすぐの場所に机や応接セットを設置し、パーテーションで区切った奥のスペースを俺のプライベーと空間とした。
まぁ、プライベート空間と言っても、ベッドと服が入った衣装ケースがある程度だが、元々物欲が殆どない俺には十分なのである。
ちなみに、机や応接セットといった家具の類は、尊が親父さんの経営するホテルで使わなくなったものを調達してきてくれた。使わなくなったとは言え、尊の親父さんのホテルはどれも五つ星が眩しく煌めく高級ホテルだ。ソファーなんか座ったら最後、一生この上で過ごしたくなるような人をダメにする優しさの塊でできている。
実家を出てからというものの、一人暮らしの俺には家賃というものが重くのしかかっていたので、ここでの暮らしはまさに渡りに舟。いや、いるだけで報酬が貰えるという、破格の待遇なのである。
風呂はないが、銀座にはスーパー銭湯なるものがいくつかあるのでこれもまったく問題ない。
俺の少ない荷物を運ぶのにたいした時間も労力も使うことなく、引っ越しはあっという間に完了した。
いくつか開けてない段ボールもあるが、まずは缶コーヒーを持って、ソファーに腰をおろすと、ふかふかの座面がまるで俺を待っていたかのように優しく包み込む。プルタブに指をかけると、ガランとした空間のせいか小気味よい音が部屋中に響いた。
ゴクリと一口、珈琲を飲む。そうして一息つくと、改めて嬉しさがこみ上げてくる。立ち上がり缶珈琲を高く掲げた。
「ありがとーっ、みことぉ~!俺にとってお前は、まさにドラ〇もん並みの心の友だーーーーっ!」
「勝手に人をドラ〇もんにするんじゃねぇよ」
入口のドアが開き顔を出したのは、俺のドラ〇もん、尊だった。
「え?・・・ぁあ、尊、来たのか・・・」
完全にひとりのつもりでとったポーズが、なんとも居たたまれなくなり、俺は全力で何事もなかったように装い、ソファーに腰を下ろした。
「とりあえずこれ、開店祝いなっ」
そう言って尊は、テーブルの上にビールケースをドスっと置いた。
ぱりっとスーツを着込んで、ワックスで髪全体を後ろに流した仕事仕様の尊は呆れ顔で俺を見ている。どうやら、さっきの事をなかったことにはしてくれないようだ。
「さっさんきゅな」
「気にするな」
そう言って尊は事務所の中を歩き回ると、パーテーション裏の俺の生活スペースを覗いて噴出した。
「なに志童、お前・・・本気でここに住むの?」
「あぁ、住むよ」
「まじかよ・・・・・」
「問題あるか?」
「いや・・・ないけど・・・・・」
どこか歯切れの悪い尊が気になりはしたが、尊は仕事の途中だからと、すぐにまた出ていってしまった。
「なんだあいつ・・・・変なの・・・・」
尊が出て行った扉を見て首を傾げるも、俺はすぐに気を取り直してソファーにごろりと横になり目を閉じた。
「最高だ・・・・」
この楽園での暮らしに胸を弾ませながら、このまま昼寝をすることにした。
「・・・・グス・・・うっ・・・・グス・・・・」
――あれ?誰かが泣いているのか・・・・?
「うぅっ・・・・ヒック・・・・グス・・・・」
――これは・・・、女の声? 夢? 俺、もう寝たのか?」
「・・・・てください・・・うっ・・・」
――なんだ・・・耳元で声がする・・・・リアルだ・・・」
「おき・・て・・・・・うっ・・・・うっ・・・」
肩に生暖かいじっとりとした感触。その手が、肩から首筋をそっとなぞる。
やたら湿っていて、ぬるっと生暖かい感触が・・・・気持ち悪い・・・・
――夢だ。これは夢だ。夢に違いない・・・・どうか夢であってくれっ。
「あのー起きてください」
「夢じゃねーーーっ」
湿った掌で頬のじっとりと撫でられて、飛び起きた。
「・・・・・・誰・・・・?」
俺のすぐ目の前には喪服を着た、髪の長い女が肩を揺らして泣いている。テーブルと、ソファーの間にしゃがみ込んでいるから、やたら距離が近いっ!
――落ち着け・・・・落ち着け・・・・俺
そう自分に言い聞かせるものの、心拍数はあがり、背中を変な汗が伝う。
「あ・・・の・・・えっと・・・・とりあえず、出て行ってもらえます?」
ソファーの背もたれいっぱいにのけ反りながら、女とできる限りの距離をとって発した声は、情けなくも震えていた。
女は絵にかいたような猫背を揺らしながら、ゆっくりと立ち上がるとあり得ないくらいの小さな足運びで、向かいのソファーに移動して座った。
――いや・・・座るのかよ・・・
「あのぉ~~」
「はっはいっ」
「こぉこぉはぁ・・・、妖怪相談所ですよね?」
「は?妖怪・・・相談所?」
――それは尊が言っていたジョークだろ?まさか尊の悪戯か?
「もうぅぅぅ、私ぃ・・・・どぉしたらぁ・・・・いいかぁ、わからな・・・くてぇ・・・・」
そう言って手にした数珠を、もじもじと弄んでいる。
――いや、怪しい・・・っていうか・・・怖えぇっ!!!
女に返事することもさえも忘れて、俺は女を凝視した。
だらりと垂れ下がった長い黒髪は一切の手入れがされていない。その上、顔の大半はその黒髪に隠されて表情こそみえないが、ある意味見えなくて良かったかもしれない。まるで幽霊のような女だった。
「ここはぁ・・・・・妖怪相談所ぉ・・・・ですよねぇ・・・・?
黒髪の隙間から、目玉がぎょろりと動いた。
「ひいぃぃっ」
全身に鳥肌が立つ。
「ここはぁ~・・・・妖怪相談所ぉ・・・ですよねぇ・・・?」
「ちょちょ、ちょっと・・・・何言って・・・ここはっ」
そこまで言ったところで、女が入り口の方を指さした。
「え?」
俺は、我が目を疑った。入口の外に、置き型の看板が設置されている。
ご丁寧に、コンセントにもつながれているようで、中の電気が煌々とひかり、そこに浮かぶのは『妖怪相談所』の文字。
――ってか、あれって喫茶店の看板じゃねーか!と、突っ込んでいる場合じゃねぇ!
「はぁ?なんだ、ありゃっ」
思わず立ち上がると同時に、さっき帰っていった尊の笑顔が脳裏に浮かぶ。
――あいつかーーーーっ!くそっ!なに余計なことしてくれてんだーーーーーっ!
「いや・・・あの、すみません。あの看板は友達の悪戯というかなんというか・・・」
「違うんですか?」
「え?えぇ・・・・妖怪相談所なんてねぇ・・・・普通に考えて意味がわからないでしょう?」
精一杯の愛想笑いを浮かべながら、早く目の前の女にお引き取り頂きたくて必死に取り繕う。
「ぁ・・・・のぉ・・・・・・・」
「は・・・はいっ」
「・・・・・・・・・・・」
――喋らないのかよっ!!!
俯いたまま黙りこくっている女に、俺は意を決して言う。
「えっと・・・そういうことなので、お帰り頂いても・・・・」
そう声をかけた時だった。
まるで糸で引かれたように女はグァリと顔を上げたかと思うと俺を見て、垂れた髪の隙間から見える目玉をカッと開いた。
「ひいぃぃぃっ、すっ、すみませんっ!!!!」
反射的に俺は、頭を下げていた。
――怖い・・・・とにかく、怖すぎるっ。
「ここぉ・・・・妖怪相談所ですぅ・・・・よね?」
垂れた髪の向こうで、血走った眼球がグルングルンと動いている。
「は・・・・・はぃ・・・・妖怪・・・・相談所・・・れす・・・・・」
俺は女に問われるがままに気づけばそう答えていた。
「やっぱり・・・・そぅ・・・だったんですね・・・・ぁあ~・・・よか・・・った・・・」
両手を胸の前で合わせながら、そう言って女ほっとしたようには顔を俯かせた。
――あぁ・・・・・怖かった・・・・・ってか、思わず認めちまったけど・・・・妖怪相談所ってなんだよ!俺だってわからねぇよ!
なにひとつ事態は好転していないことに、焦燥感ばかりが募る。
――いや・・・どうするもこうするもねぇ・・・最初からやることはひとつだ。この女をここから追い出す!よし、頑張れ俺、俺ならできる!
持てる限りの勇気を振り絞り、俺はソファーに座り直すと、小さく深呼吸してから口を開いた。
「妖怪相談所なんて、ふざけてますよねぇ。こんなふざけた看板出すくらいですから、言うまでもなく貴方のお力にはなれないかと・・・」
「うっ・・・・ぐすっ・・・うっうっ・・・・そんなことを言って、私を・・・見捨てる・・・・つもりですか・・・・」
――やべっ、また、泣き出した・・・・
「いや・・・・見捨てるとか見捨てないの問題ではなくてですね・・・・その・・・、何かお困りごとなら弁護士事務所とか、探偵社とか・・・・あぁ、警察に行くのもいいかもしれませんよ?」
「そ・・・んなぁ、無責任なぁ・・・じゃぁあなたはぁ・・・・私にぃ・・・・私にぃ・・・この先ぃ・・・ひとりでどうしろとぉ?」
「いや・・・・ひとりかどうかも知りませんし・・・」
「私はぁ・・・・・もうぅ・・・あなたしかぁ・・・・いないのぉ・・・にぃ・・・」
――雲行きが怪しくなってきやがった・・・・たった今会ったばかりの女になぜ俺は、別れ際のカップルみたいな会話をさせられてる。
一向に拉致があかない状況にとりあえず、ここはなだめるべきかと考え、遠巻きに女の様子を伺いながらも俺はもう何度目かわからないため息をつく。
「はぁ・・・・・あの、泣いていてもわかりませんから。事情があるなら、とりあえず聞きますから・・・」
俺がそう言った次の瞬間。女はピタッと泣くのをやめて、堰を切ったように話し出した。
「私っ、全国の色々なお葬式の場に行って故人を思い泣くんです」
「は?」
「ほらぁ、今のお葬式ってなんていうかぁ、こうぅ・・・・親族もどこか冷めていて淡々とすすむでしょう?だから、私がそこへ行って、時には棺桶にすがりついたりなんかしながら号泣するとですね、今までわざとらしく神妙な顔をしていた親族や知人たちも、こう目の端に涙が浮かんでくるんですよぉ。
ここっ、ここですよ、私は心の中でそりゃぁもう、ガッツポーズです!
時には故人の大切にしてたものなんかを見つけたりして、私が泣くと周りの参列客もみんな手に手にハンケチを握りしめるわけですよぉ~。
だからぁ、私は全国のあらゆる葬儀にそうやって参列するんですけどぉ・・・・・」
そこまで饒舌且つ陶酔しきりで話していた女の動きがピタリと止まり俯いた。
――なっなんだ・・・・終わったのか?
「それなのにっ!!!」
「ひいぃぃぃーーーっ」
女の叫び声に、俺は飛び上がった。
「最近の葬式は・・・・まず家でやることなんてほとんどなくてっ。一体、どこで葬儀をしているのかわかりゃしないっ。私がいつものように棺桶にすがりついて泣いても、涙をこぼすところか「あなた、だれですかっ!」なんて言って、しまいには私を葬儀の会場から追い出す始末っ。こんなことって、あんまりだと思いませんか?」
そこまで一気に話すと、女はまた両手で顔を覆っておいおいと泣き出した。
驚きが先行して、一向に女の話が頭に入ってこないが、それでもなんとか必死に整理してみる。
「ってか・・・貴方は見ず知らずの人の葬式で何してるんですか?」
女はまたしてもグァンと顔をあげ、充血しきったギョロ目でじっとりと俺を睨むように見ると一言、言い切った。
「泣きに行ってるに、決まってるじゃないですかっ」
「・・・・・・・・」
――そんな・・・堂々と・・・・ってかこれ、絶対に関わっちゃダメなやつじゃね?まぁ、妖怪相談所なんかに来る時点で、やばい奴ってのは確実か・・・
「えっと・・・ですね。
葬式っていうのは、普通見知らぬ他人のとこには行くものではないんじゃないかと・・・」
できるだけ女を刺激しないように、とりあえず愛想笑いを浮かべながら穏やかに女に声をかけた。
女は一瞬、泣くのを辞めて俺の顔をまじまじとみてから、より一層の大声で泣き出した。
「ぅわぁーーーーーん、残酷だわぁ、私にそんなこと言うなんてっ。
残酷すぎるわぁ。そんな、じゃあこれから私にどう生きろと言うのぉ~。」
これまでの何倍ものボリュームに俺は耳を塞ぎながら、ソファーの背もたれいっぱいにのけ反った。
「だからぁ~、俺に言われても困るんだってば~」
目の前の喪服の女は、ひたすら泣き続けている。
「私はただ、ずっとそうしてきたから・・・・
これからもそうしていきたいだけなのにぃ~・・・うっ・・」
――はぁ~、もぉ勘弁してくれ・・・
この状況で、泣きたいのは確実に俺の方だ。
「あのさぁ、見ず知らずの他人の葬式に行くことがそもそもの間違いなんじゃないかな。今は変な奴も多いから、葬式が大きければ大きい程セキリティチェックなんかもあるだろうし・・・」
女は両手で顔を覆った指の隙間から、恨めしそうに俺の様子を伺いながら、ただただ肩を震わせただ泣くばかりである。その光景が兎に角怖い。
「それでも私はっ・・・
自慢じゃありませんが、今まで多くの人間の役に立ってきたんです。
葬式の場で私が泣くことで家族が改めて故人への感謝や、在りし日の思い出を思い出すことができるんです・・・・うっ・・・」
――ぁあ~、ほんと、めんどくせぇっ
そう思ったときだ。その時、あることに気づいた。
――もしかしてこれ相談料とかもらえるんじゃね?よし!
金が入るとなりゃ話は別だ。俺は気を取り直すと、軽く咳ばらいをして改めて姿勢を正した。
「まぁともかく。まずは、お名前から伺いましょうか」
「私・・・は、泣き女です・・・」
「はい?」
一度冷静になろうと、深呼吸をしてみた。
「あのー、お名前は?」
「泣き女です」
――こりゃ、相談料とか無理かも・・・・
やっぱりここは一刻も早くお引き取り頂くのがここは最善と判断した。
「はいはい。泣き女さんね。で、相談の内容は・・・・沢山の葬儀会場で思い切り泣きたい・・・と」
さっき尊が持ってきたビールケースの段ボールに俺はメモをとり、書き終えるともっともらしくそこをペンで叩きながらしばらく考えるそぶりをすると、女は前かがみになり、期待に満ちた眼差しで俺の顔を覗き込んだ。
――うっ・・・・こ・・・わい・・・頑張れ、俺。あと少しだ。
「えっと・・・・とりあえず、調査なんかもありますから・・・・、少し時間を頂いて・・・ですね」
そこまで言うと、女はすくっと立ち上がり・・・・・ニタリと笑った。
「わかりましたぁ。ではぁ、3日後にまた来ますぅ」
――おっ、うまくいったかっ
このおかしな女をまんまと追い出せそうで、思わず笑みがこぼれる。
「ではぁ、なにとぞぉ・・・・お願いしますぅ」
女は丁寧に頭を下げると、出入り口にむかう・・・・・のではなく・・・・・
徐々に薄くなり、その姿を消した。
――・・・・・・え? 消えた?
「はぁぁぁぁぁぁぁ?」
俺は弾かれたように立ち上がるとすぐに向かいの女がたった今まで座っていたソファーの下や後ろを調べてみる・・・が、どこにも女の姿はない。
「なっ、なんだよーっ、なんだってんだよー、意味わかんねぇ~っ」
体中に走る悪寒をおさめるように、両手を交差させて両腕をさする俺の視界に今さっき、俺自身がとったメモが映る。
『泣き女』の文字がそこにある。
「まじかよ・・・・」
俺は生唾を飲み込んだ。
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*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
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