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1章-出会う
2話-それが泣き虫勇者。
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森を抜けた先に大きな湖があり、ほとりには小さな村がある。
「レオナ様だ!」
「何?勇者様か!」
「おお・・・・・・これはこれは」
泣き虫であっても国民からの信頼は厚い。
村に入ったと途端、にぎやかになる。
「こんにちは。村長はどこにおいでですか?」
側近のラシスが村民に声をかけた。
「村長なら奥の家に」
湖をよく使うのはこのターヤ村の人々だ。ここで採れるライトフィッシュがこの村の特産品である。
まずは湖の様子について村長から詳しく聞こう。
「失礼します、依頼任務で参りましたレオナ=アンノルムです。村長いらっしゃいますか~?」
他の家より少しばかり大きな家の入り口から村長を呼ぶ。
奥から青年がヒョコッと出てきた。
「あっ村長ですか?はじめまして。レオナ=」
「いえいえ、村長は俺ではなく父です」
あら、違うのね。
「今父を呼んで参ります。どうぞ狭い家ですが、腰を下ろしてお待ちください」
「ありがとうございます」
たしかに質素な部屋だ。囲炉裏があって釜もある。街の家とは大違いだな。
「勇者様、父です」
先程の青年が再び姿を現す。
父?村長?どこにいるの?
「ちっさ!」
レオナは思わず声に出す。
それもそのはず。膝くらいの身長のヨボヨボじいさんがそこに杖をついて立っているのだから。
「おおおおお、これはこれはわざわざへんぴな村に足を運んでいただき誠にありが%☆♡\■$♪︎」
最後までいえてねえ・・・・・・
かなりご高齢のようだ。
「俺が父の翻訳者になりますね」
「よ、よろしくお願いします・・・・・・」
青年が申し訳なさそうにしている。
「ああああ、我らターヤ村の村民はレハトル湖の恩恵を長年う●♧#○\■%♤☆〒$」
「我らターヤ村の村民はレハトル湖の恩恵を長年受けてきました。しかしここ数週間、魔物が住み着き、特産品のライトフィッシュやその他の恩恵を断ち切られ、生活が危うくなってきたのです。勇ましい何人かの村民は魔物を退治しようと剣を振るいましたが、それもむなしく、返ってきたのは冷たくなった体だけでした・・・・・・」
ななななんだって?冷たくなって返ってくるの?レオナの顔がみるみる青ざめていく。
ラシスはフムフムと冷静な様子だ。
「%●※☆♤□●■」
「戦力のある村民も多くはありません。我らだけの力ではどうすることも出来ないと判断し、国に依頼したのです。勇者様ほどの方が来てくださりなんとお礼を申し上げたら良いのかっ・・・・・・」
村長と青年は(泣き虫)勇者様が来てくれたことに感無量のご様子。
「なるほど・・・・・・だそうですよ、レオナ様?」
ラシスが横を向くとごめん寝して震え泣きしているレオナがいた。
「ラシス・・・・・・ぼくやっぱ無理かも」
「村長!この勇者様がその依頼お引き受け致します!」
「ラァシィスゥ!」
レオナの必死の声も届かず、無念の叫びとなった。できる側近は主の決定よりも速く事を決めてしまいがちであある。
「おお!ありがとうございます!父さん、よかったね!」
「あああああ☆$&♡●%■」
「で、来てしまったレハトル湖・・・・・・普通に綺麗じゃん。もっとおどろおどろしいのかと思ってた」
目の前には大きな美しいレハトル湖が広がっている。とても魔物が住み着いているようには思えない。
「さっそく誘き寄せましょう」
そういって、ラシスはポケットから瓶を取り出す。
「ん?なに入ってるの?」
「ウサギの血です」
「ち?!」
「何もそんなに怯えなくても・・・・・・」
ラシスは瓶の蓋を躊躇いもなく開け、湖にドボドボ入れる。
うわぁ・・・・・・赤いよ・・・・・・血だもんね・・・・・・
しばらく水面を見つめていると何やらブクブクと気泡が出てきた。
「ん?」
「お?」
後はお察しの通り。
水面から二メートルは優に越える魔物が現れた。
「みゃあああああああ!!!!」
「おお!中々の大物です!コイツは毒霧蛙ですよ!」
「どくぎりがえる!?なにその物騒な名前!わああああ!やだああああああ!」
レオナはやはり泣く。敵に尻を向け、頭を抱えてうずくまり泣き叫ぶ。
ラシスは久しぶりに暴れられることを喜んでいる様子だ。
敵は勿論一匹ではない。二、三十匹はいるだろうか。
「レオナ様!立って、刀を構えてください!」
「ぼくだって出来るならそうしたいよ!でも動けないんだよ!怖いよおおお!帰りたいよ・・・・・・」
挙げ句の果てには逆ギレである。ラシスはやれやれという様子だ。
こちらがバタバタしているうちに毒霧蛙の一匹が口から毒霧を吐いた。
みるみるうちに辺りに充満する。コイツらの毒は神経毒で有名だ。手足がしびれる前にカタをつけてしまいたいところだが・・・・・・
相も変わらず震えるレオナ。
「くっ!コイツらの毒は広範囲だが威力は小さいと聞いたのにっっ・・・・・・」
思ったよりも毒の回りが速い。刀を握るラシスの握力も弱くなっていく。
「早いとこカタをつけましょう!」
先にラシスが飛び上がる。一匹、また一匹と心臓を貫いていく。
敵も弱くない。通常の毒霧蛙はこんなに狂暴ではないはずなのに!
蛙の断末魔を聞き、レオナはハッとする。
あんなに動いているラシスの毒はもう全身を巡っているだろう。動けなくなってしまったところを蛙に喰われてしまう・・・・・・
震えているレオナを横目にラシスは思う。『レオナ様、私は知っています。あなたが強いのではなく、底無しに優しいということを』
レオナがラシスを守らねば、彼女は腸を引き裂かれ、酷い死を迎えるだろう。
この場にはレオナしかいない。
「だめだ・・・・・・このままじゃ・・・・・・ぼくだって・・・・・・!」
起き上がり、腰から刀を抜き、構える。手は震えている。毒のせいではない。レオナには、毒は効かない。
「うわああああああああああ!」
泣き叫び、泣き叫ぶ。己の恐怖をなぎ払うかのように。
一歩じゃ駄目だ!二歩目が肝心だ!次の一歩へ進む勇気が大事なんだ!
踏み出す。一歩を。そして、
二歩目。
あとは勇者・レオナ=アンノルム。
泣きながらでも実力は確かである。
彼は、二歩目を踏み出すまでが異様に長い勇者なのである。
「レオナ様だ!」
「何?勇者様か!」
「おお・・・・・・これはこれは」
泣き虫であっても国民からの信頼は厚い。
村に入ったと途端、にぎやかになる。
「こんにちは。村長はどこにおいでですか?」
側近のラシスが村民に声をかけた。
「村長なら奥の家に」
湖をよく使うのはこのターヤ村の人々だ。ここで採れるライトフィッシュがこの村の特産品である。
まずは湖の様子について村長から詳しく聞こう。
「失礼します、依頼任務で参りましたレオナ=アンノルムです。村長いらっしゃいますか~?」
他の家より少しばかり大きな家の入り口から村長を呼ぶ。
奥から青年がヒョコッと出てきた。
「あっ村長ですか?はじめまして。レオナ=」
「いえいえ、村長は俺ではなく父です」
あら、違うのね。
「今父を呼んで参ります。どうぞ狭い家ですが、腰を下ろしてお待ちください」
「ありがとうございます」
たしかに質素な部屋だ。囲炉裏があって釜もある。街の家とは大違いだな。
「勇者様、父です」
先程の青年が再び姿を現す。
父?村長?どこにいるの?
「ちっさ!」
レオナは思わず声に出す。
それもそのはず。膝くらいの身長のヨボヨボじいさんがそこに杖をついて立っているのだから。
「おおおおお、これはこれはわざわざへんぴな村に足を運んでいただき誠にありが%☆♡\■$♪︎」
最後までいえてねえ・・・・・・
かなりご高齢のようだ。
「俺が父の翻訳者になりますね」
「よ、よろしくお願いします・・・・・・」
青年が申し訳なさそうにしている。
「ああああ、我らターヤ村の村民はレハトル湖の恩恵を長年う●♧#○\■%♤☆〒$」
「我らターヤ村の村民はレハトル湖の恩恵を長年受けてきました。しかしここ数週間、魔物が住み着き、特産品のライトフィッシュやその他の恩恵を断ち切られ、生活が危うくなってきたのです。勇ましい何人かの村民は魔物を退治しようと剣を振るいましたが、それもむなしく、返ってきたのは冷たくなった体だけでした・・・・・・」
ななななんだって?冷たくなって返ってくるの?レオナの顔がみるみる青ざめていく。
ラシスはフムフムと冷静な様子だ。
「%●※☆♤□●■」
「戦力のある村民も多くはありません。我らだけの力ではどうすることも出来ないと判断し、国に依頼したのです。勇者様ほどの方が来てくださりなんとお礼を申し上げたら良いのかっ・・・・・・」
村長と青年は(泣き虫)勇者様が来てくれたことに感無量のご様子。
「なるほど・・・・・・だそうですよ、レオナ様?」
ラシスが横を向くとごめん寝して震え泣きしているレオナがいた。
「ラシス・・・・・・ぼくやっぱ無理かも」
「村長!この勇者様がその依頼お引き受け致します!」
「ラァシィスゥ!」
レオナの必死の声も届かず、無念の叫びとなった。できる側近は主の決定よりも速く事を決めてしまいがちであある。
「おお!ありがとうございます!父さん、よかったね!」
「あああああ☆$&♡●%■」
「で、来てしまったレハトル湖・・・・・・普通に綺麗じゃん。もっとおどろおどろしいのかと思ってた」
目の前には大きな美しいレハトル湖が広がっている。とても魔物が住み着いているようには思えない。
「さっそく誘き寄せましょう」
そういって、ラシスはポケットから瓶を取り出す。
「ん?なに入ってるの?」
「ウサギの血です」
「ち?!」
「何もそんなに怯えなくても・・・・・・」
ラシスは瓶の蓋を躊躇いもなく開け、湖にドボドボ入れる。
うわぁ・・・・・・赤いよ・・・・・・血だもんね・・・・・・
しばらく水面を見つめていると何やらブクブクと気泡が出てきた。
「ん?」
「お?」
後はお察しの通り。
水面から二メートルは優に越える魔物が現れた。
「みゃあああああああ!!!!」
「おお!中々の大物です!コイツは毒霧蛙ですよ!」
「どくぎりがえる!?なにその物騒な名前!わああああ!やだああああああ!」
レオナはやはり泣く。敵に尻を向け、頭を抱えてうずくまり泣き叫ぶ。
ラシスは久しぶりに暴れられることを喜んでいる様子だ。
敵は勿論一匹ではない。二、三十匹はいるだろうか。
「レオナ様!立って、刀を構えてください!」
「ぼくだって出来るならそうしたいよ!でも動けないんだよ!怖いよおおお!帰りたいよ・・・・・・」
挙げ句の果てには逆ギレである。ラシスはやれやれという様子だ。
こちらがバタバタしているうちに毒霧蛙の一匹が口から毒霧を吐いた。
みるみるうちに辺りに充満する。コイツらの毒は神経毒で有名だ。手足がしびれる前にカタをつけてしまいたいところだが・・・・・・
相も変わらず震えるレオナ。
「くっ!コイツらの毒は広範囲だが威力は小さいと聞いたのにっっ・・・・・・」
思ったよりも毒の回りが速い。刀を握るラシスの握力も弱くなっていく。
「早いとこカタをつけましょう!」
先にラシスが飛び上がる。一匹、また一匹と心臓を貫いていく。
敵も弱くない。通常の毒霧蛙はこんなに狂暴ではないはずなのに!
蛙の断末魔を聞き、レオナはハッとする。
あんなに動いているラシスの毒はもう全身を巡っているだろう。動けなくなってしまったところを蛙に喰われてしまう・・・・・・
震えているレオナを横目にラシスは思う。『レオナ様、私は知っています。あなたが強いのではなく、底無しに優しいということを』
レオナがラシスを守らねば、彼女は腸を引き裂かれ、酷い死を迎えるだろう。
この場にはレオナしかいない。
「だめだ・・・・・・このままじゃ・・・・・・ぼくだって・・・・・・!」
起き上がり、腰から刀を抜き、構える。手は震えている。毒のせいではない。レオナには、毒は効かない。
「うわああああああああああ!」
泣き叫び、泣き叫ぶ。己の恐怖をなぎ払うかのように。
一歩じゃ駄目だ!二歩目が肝心だ!次の一歩へ進む勇気が大事なんだ!
踏み出す。一歩を。そして、
二歩目。
あとは勇者・レオナ=アンノルム。
泣きながらでも実力は確かである。
彼は、二歩目を踏み出すまでが異様に長い勇者なのである。
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