難易度エロ ~俺だけエロい事をしないと経験値が手に入らない世界で、どうやら勇者と一緒に世界を救うようです~

優人和成

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03.神の加護

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 あっという間に2歳になった。
 現在のステータスはこんな感じだ。

 名前  ショータ
 年齢  2
 レベル 9
 体力  88
 魔力  88
 力   35
 堅さ  18
 速さ  27
 知力  35
 運   18

 総獲得経験値 3850
 次のレベルまでに必要な経験値 320

 このステータスが高いかと言われれば、まあまあ高い。
 と言うのも、どうやら15歳になるまでは能力が減衰した状態になっているようだ。
 2歳だと本来のステータスの15分の2のステータスになっているらしい。
 1歳から2歳になったタイミングで能力値が2倍になったので、何だか不思議な気分だ。

 マニュアルを出せるようになってから1年くらい経ったわけだけど、暇さえあればマニュアルを読み込んでいた。
 能力の減衰についてもマニュアルに記載があったのだ。
 マニュアルというだけあって、この世界のシステムについての説明が載っていた。
 手に入れたアイテムはアイテム欄に自動で手に入るのも分かったし――現在魔石ランクFが700個ほどある――ランクもS~Fまであり、Sは最上位のランクだった。
 おかげで二歳児が知っているはずのないことも知ってしまったが、そもそも転生者で無駄に色々知っているので言動には注意している。
 二歳児らしく、マリアに抱きつけなくなると困るからな。
 まあ、既にただの二歳児としては認識されてないようではあるけども。

「ショータ。きょうはなにするの?」
「今日は。お外で遊ぼうか」
「やった、おとと、あそびにいく」

 俺に構って欲しいようで、エリナはいつもくっついてくる。
 エリナは俺より2週間前に捨てられていた赤い髪をした女の子で俺と同じ歳だ。
 俺も同じ二歳児だから一緒に行動するときは大人か年長者がいるはずなのだが、俺があまりにも二歳児に見えない落ち着き具合なので、二歳児のエリナの面倒を二歳児の俺がみるという謎の状況が発生している。
 それと、このエリナは実はとてつもない才能の持ち主なのだ。
 パーティ編成という機能があることを知った俺は、そのとき一番近くにいたエリナをパーティメンバに加えてみた。
 パーティメンバはタブレットのカメラに捉えられれば誰でも加入可能だ。
 そして、パーティメンバに加えた者のステータスはマニュアルで確認できるのだ。
 さらに、一定の条件を満たせばスキルポイントを割り振ることも可能のようだった――マニュアルによるとこの世界の住人は自らスキルポイントを割り振ることはできないらしい。
 エリナのステータスは現在こんな感じだ。

 名前  エリナ
 年齢  2
 レベル 1
 体力  25(10)
 魔力  14(7)
 力   10(4)
 堅さ  2(1)
 速さ  8(3)
 知力  6(3)
 運   5(2)

 総獲得経験値 0
 次のレベルまでに必要な経験値 10

成長率
 体力 S
 魔力 A
 力  S
 堅さ A
 速さ S
 知力 A
 運  S

スキル:体力上昇Lv5、魔力上昇Lv4、力上昇Lv5、堅さ上昇Lv4、速さ上昇Lv5、知力上昇Lv4、運上昇Lv5

 ステータスはレベルも低いし、年齢も低いので大したことないのだが、注目すべきは成長率とスキルだ。
 Sと言うのは、十万人に一人くらいしかいないのだ。
 そのSの成長率が四つもあり、1000人に一人しかいないAが三つもある。
 この世界の人間としては最強の部類の成長率だろう――まあ、そうやって考えるとオールSな俺は化け物な訳だが。
 そして、全てのステータスの上昇系パッシブスキルを持っている――しかも高レベルで。
 スキルポイントでしか取得できないパッシブスキルを大量に持っているなんて、それだけでチートだ――この部分では俺よりもやばい。
 エリナは勇者か何かなんだろうか?
 ちなみに他の孤児達の成長率はCとDがほとんどでたまにBやEのステータスがあるという状態だった。
 そして、パッシブスキルを持っている子は誰もいなかった。エリナがいかに特別な存在かがわかる。

 もしかしたら、エリナは将来何者かになるのかもしれないが、今は俺をストーキングしてくる可愛い二歳児だ。
 ちょっと外に出て遊んでやろうじゃないか。
 まあ、外と行っても孤児院の庭先だ。
 孤児院から目の届かない所に行ってはいけないと言われているし、まだ行くつもりもない。
 
「今日は何して遊ぶ?」
「エリナ、どろんこあそびしたい」
「わかった。じゃあ、どろんこ遊びをしようか」

 エリナは最近どろんこ遊びにはまっているようで、外にでると毎回どろんこ遊びをやっている。
 俺は桶に水をくんで来て、地面に水をまいて泥を作る。

「よし、じゃあ、遊ぼうか」
「わーい」

 一体何が楽しいのやら。
 俺も小さい頃は楽しかった記憶があるが、泥をこねているだけなんだよな。
 童心を持っていない俺は、泥をぐにぐにと揉み潰して、おっぱいを揉む練習をするという謎の遊びをしている。
 むふふ、いつかマリアのおっぱいを直に揉んでやるんだ。
 風呂とかでチャンスがあるかと思ったが、この世界ではお風呂などは一般に普及していないようで、桶に水をくんできて濡れた布で身体を拭くのが基本だ。
 なので、残念ながらマリアの全裸をまだ見たことがないのである。
 そんなわけで、俺は泥に雑念をぶつけながら泥んこ遊びに没頭していた。

「ぐぎゃぁぁぁぁぁぁ」

 ん? 何の音だ。
 オオカミの鳴き声に近いような気がするが、もっと野太い音が聞こえてきた。
 もしかして魔物だろうか?
 俺はまだこの世界の魔物に会ったことがない。
 町の中には魔物が入れないようにされているらしいからだ。

 だが、音がしたからには一応確かめないとな。
 泥んこ遊びに熱中しているエリナを確認してから、立ち上がって音のした方を見てみた。
 すると、イノシシっぽいのが凄い速度でこちらに向かって来ている。
 うん、やばいな。

「きゃっ、なーに? おひめしゃまごっこ?」

 エリナを抱きかかえると、楽しそうに騒いでいる。
 おひめさまごっことやらは、男に抱きかかえられるものなのだろうか?
 っとダメだ、このままじゃ追いつかれる。
 エリナを抱えて走って見たが、孤児院の中に逃げ込むまでに追いつかれそうだ。

「ぐぎゃあああああああ」

 魔物の声はすぐ後ろにいるかと錯覚するほど大きく、すぐそこまで迫っているようだ。
 ……仕方ないな。
 俺は、走るのを止めてエリナを地面にそっと置く。
 そして、魔物の方に振り返った。
 数メートル先にイノシシのような魔物が迫っていた。
 俺は大丈夫なはずだ!

「ダメ!」

 イノシシが激突する瞬間、マリアの声が聞こえた気がする。
 
 キィィィン

 俺に突っ込んできていたイノシシが光の壁に遮られて、逆に吹っ飛んだ。

≪ラッシュエーバーを倒しました。経験値を0入手しました≫

 俺の身体は無傷で、何の衝撃もなかった。
 どうやら、ちゃんと約束は守られているらしい。
 振り返ってエリナの様子を確認すると、キョトンとしていて何が起こったのかよく分かっていないようだった。
 
「二人とも! 大丈夫!」

 マリアが俺達の元に駆けつけてきて抱きしめてくれる。
 さっき聞こえた声はやはりマリアの声だったようだ。
 こんな時でもマリアの胸の柔らかさが気になってしょうがない俺は、色々とやばいと思う。

「うん、大丈夫だよ」
「エリナ、だいじょうぶよ」
「よかったわ。どこにも怪我がなくて。それにしてもショータにラッシュエーバーが突撃した時何か光っていたのだけれど、ショータ何か知らない?」
「何も知らないよ」
「そう、だったらいいわ……」

 マリアはさっきの光について何か怪しんでいるのかもしれない。
 ただ、俺が知らないと答えるとそれ以上の追求はなかった。
 
「二人とも今日はどろんこ遊びはここまでにして孤児院の中で遊びなさい、しっかりと泥を落としてから孤児院に上がるのよ。ショータお願いね」
「はーい」
「はーい」

 後から聞いた話だが、最近魔物が活性化して凶暴になっており、それで魔物の侵入を許してしまったようだ。
 今後、町を囲う塀の補強をおこなうらしい。
 
 それにしても、改めてこの世界は危険な世界なんだと実感した。
 今日は俺に神の加護があったから二人とも無事だったけど、普通の孤児だったら今日死んでいたはずだ。
 この世界では命は簡単になくなることを胸に刻み込む。
 そして、神の加護は五歳の誕生日までしか発動しない。
 五歳までにある程度の魔物の襲撃には耐えられるようにしておかなければならないだろう。
 スキル構成をいくつか考えて実際に使って見ないとな。
 自分の泥を綺麗に落ちていることを確認してから、エリナの泥の落とし忘れを洗ってあげる。
 泥を落とし終わった後、エリナを連れて孤児院の中へと戻った。
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