もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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11章 夏の海ではしゃいじゃお

430.ボスかな?

 休憩を十分にとって、体力・気力全快!
 ということで、ボス(仮)に挑もう。

「ここまでのバトルで泳ぎながら戦うのはだいぶ慣れたし、勝てそうな気がする~」

 セーフティエリアの奥──白い貝殻で装飾された巨大な扉を見ながら、僕はのほほんと呟いた。
 ルトが肩をすくめる。

「勝てそう、じゃなくて勝つんだよ。せっかくここまで来たんだから」
「おお、さすがルト、強気だね」

 むふふ、と笑いながらからかったら、ルトにパシッと頭を叩かれた。
 ルトのツッコミは暴力的ー! そういうのよくないんだよ!

 僕がルトをペシペシと叩き返して文句を言っている横で、リリが扉を眺めながら首を傾げる。

「この先がボスっていうのは確定でいいの?」
「そりゃ、セーフティエリアの先にこんなあからさまな扉があって、ボスじゃない方がビックリだろ」

 ルトに頭を掴まれて遠ざけられ、パンチが届かなくなる。
 そんな僕をルトが馬鹿にするように笑うから、ムカッとして「うりゃりゃりゃー!」と腕を振り回した。……まぁ、全然当たらないんだけどね!

 ルトの腕が長すぎるんだよ。決して、僕の腕が短いわけじゃないよ、ほんとだよ。僕は天兎アンジュラパとしてパーフェクトなフォルムだもん。

 そんなことを僕が考えている間に、リリとルトの会話は終了していた。
 ルトが「行くぞー」と言って僕を放り投げ、スイスイと泳ぎ始める。投げるのひどい。僕の扱いが雑!

 ちょっぴり不満は残るけど、バトル準備は休憩中に整えておいたから、あとは扉を開けるだけだ。

「結局ここまで水霊魂アクアルーフを見つけられなかったし、ボスドロップとかで手に入るといいねぇ」

 リリが少し困った感じで呟く。
 僕は「そうだね~」と返しながらパタパタと羽を動かして泳いだ。

 海中窟ダンジョン攻略の目的の一つだった水霊魂アクアルーフを、ここまでの道中で見つけられなかったのは僕も意外だった。宝箱とかから手に入るんだろうなって思ってたのに。

 宝箱からは人魚薬マーメイディスンとかレアアイテムを手に入れられた。それは嬉しかったけど、目的のものは全然出てこなかったんだよ。

 一応採掘とかで入手できる可能性も考えて、破壊のツルハシで壁を壊してみたりもしたんだよ?
 でも、採れたのは魔宝や魔石、様々な宝石・鉱石ばかり。錬金術で使えるからこれも嬉しいんだけど、コレジャナイ感が強い。

 水霊魂アクアルーフ、どこにあるのー。
 そもそも水霊魂アクアルーフってどんな見た目のアイテムなのかな? 謎が深まる……。

「おーい、モモ、開けるぞ?」

 気づいたら、ルトが扉に手をかけていた。
 僕が考え込んでボーっとしていたから声をかけてくれたらしい。

「おっけー。あ、バフをかけとくね」

 バフはバトル時にすぐにかけるべし、とはルトに何度も言われて、忘れずにかけられるようになってきた。
 忘れる方がどうかしてる、と半眼で言われたけどスルーしたよ。忘れっぽいのも僕の可愛いところ、ってことにしてほしい。

「さんきゅ。ビアンもバトル準備は大丈夫だな?」
「キュルルン!」

 ルトに声をかけられたビアンが気合いの入った鳴き声で応える。
 僕もヒスイとペタに声をかけた。二人とも「にゃ(バッチリにゃ!)」「くるる(いつでもどうぞー)」と鳴き、特にヒスイは期待に満ちた目で扉を見つめていた。早く戦いたいみたい。

「よぉし、ボス(仮)に突撃だー!」

 僕が掛け声を上げると、ルトが扉を押した。
 重そうな見た目の扉が音もなくスッと開き、隙間から冷たい海水が流れてくる──と思ったら、今後は逆に水流で引き込まれた。

「はわわっ!?」
「きゃあっ、流される!」
「あ、こりゃ、強制バトルだな。やっぱボス部屋だったか」

 悲鳴を上げる僕とリリをよそに、ルトは納得顔で水流に逆らわずに身を任せていた。

 ボス部屋ってこういう感じなのが普通なの? 第三の街近くのダンジョンはもうちょっと違ったタイプだったよね。
 ──なんてことを考えていると、水流が止まった。そして、目の前には膝を抱えて丸まった巨大な人型ロボットが……

「なんでロボット!?」

 予想外なものがあったから叫んじゃった。
 まさか海の環境のダンジョンに人型ロボットが現れるなんて。

 ゲーム通のルトもこれは驚きだったのか、目を丸くしてロボットを凝視してる。ちょっと口が開いてるのが間抜けで面白い。くふふっ。
 リリは「あらぁ……これがボス?」と楽しそうに呟いていた。

「ロボット、つーと、はじまりの街の廃工場ダンジョンを思い出すよな……」
「そういえば、あそこ、ドロップアイテムを集めたら何かのロボットを作れるんじゃないかって話が出てたよねぇ」

 ルトに続き、リリがうんうんと頷きながら言う。
 そんな話があったんだ?

 確かに、レベリングのために行った時に、【機械の設計図】とか【機械仕掛けの心臓オートマチック・コア】っていうアイテムを入手したなぁ。
 使い道がわからないせいで、今の今まで忘れてた!

「このロボット、壊れてるぞ?」

 ルトが首を傾げながら呟く。すぐに鑑定したらしい。
 え、これがボスなんじゃないの?
 不思議に思いつつ、僕も鑑定してみた。

——————
【壊れた防衛兵ガーディアン・ソールジャー
 巨大なロボット
 遥か昔に存在していた超文明の産物
 現代では新たに作り出すことは不可能だが、このロボットの修復は可能
——————

 ほんとに壊れてる……でも直すことはできるみたいだね。どうやって直すのかはわからないけど。

 ロボットを眺めながら悩んでいると、不意にどこかから視線を感じた気がした。

「にゃっ(モモ!)」
「ふぎゃっ」

 ヒスイの声が聞こえるのと同時に体当たりされて、ヒスイ諸共吹っ飛ぶ。
 えっ、何が起きたの!? ──と驚きながら壁に足をつけて体勢を整え、元いた場所を見たら、氷の槍のようなものが地面から飛び出していた。ヒェッ!

「……こっわ! え、僕、あれで串刺しになるところだった!?」
「にゃ(危なかったにゃ)」
「ヒスイ、助けてくれてありがとー!」

 油断なく周囲を警戒しながらも胸を張っているヒスイを、僕はぎゅぎゅっと抱きしめて、力いっぱいお礼を伝えた。
 串刺しにならなくてよかったよー!!

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