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11章 夏の海ではしゃいじゃお
462.お友だちになれるかな?
園遊会だから宮殿内じゃなくて庭園が会場になっているらしい。
入口を直進すると、カラフルな貝殻や珊瑚で飾られた中庭についた。なかなか広い。
「海のモンスターがいっぱいだ!」
庭園内を悠々と泳いだり歩き回っているモンスターの姿を見て、僕は思わず歓声を上げた。
いろんな種類のお魚さんがいる。あ、エビやカニ、ヒトデも。綺麗だなぁ。
みんな、ただここにいるわけじゃなくて、お仕事してるみたいだ。貝殻を庭に飾ったり、テーブルにお皿を運んだり、忙しそう。
「ねぇねぇ、その上に載ってる料理はまだ食べちゃダメなの?」
海藻サラダを運んでいるカニに話しかけてみたら、ハサミをブンブンと振られた。ダメっぽい。
「ちょっとくらい待てよ」
「えへへ、話しかけてみたかっただけだよー」
呆れた顔のルトに答えてから、なんとなくミッションの確認をしてみる。
すると『十体のテイムモンスターと出会おう』というミッションのカウントが四体に増えていた。
「──え、さっきのカニさん、海エルフのテイマーさんがテイムしてる子だったんだ?」
他にもいるかも、と手当たり次第に声をかけてみると、カウントがどんどん増えて九体になった。あと一体でミッションクリアになる。
でも、続けて他の子とコミュニケーションをとってみても、カウントが増えない。
「うーん……どういう違いがあるんだろう?」
モンスターを鑑定したらわかるかな? 近くにいるヒトデっぽいモンスター二体を鑑定してみよう、っと。
——————
【海星】
水属性モンスター。『???』にテイムされている
見た目は青色のヒトデ
個体名:キラピ
【海星の分身】
とあるスキルで作られた実体のある幻影
海星のキラピを元にして作られている
——————
「え、分身!?」
ビックリしちゃった。
本物のモンスターにしか見えないけど、これは幻影らしい。
他の子たちも鑑定してみたら、この会場にいるモンスターのほとんどは幻影だった。
「──本物じゃないから、カウントが増えないのかぁ」
面白いスキルがあるなぁ。
分身を作れば、一体のテイムモンスターに何倍もの仕事をしてもらえるってことだね。
僕が使う必要はなさそうだけど……いや、ラッタンの分身ができたら、生産作業の効率が上がるかな?
それはちょっと心惹かれる! もふもふ可愛さもアップするし。
そんなことを真剣に考えていたら、会場の前の方に綺羅びやかな服装の海エルフが現れた。この人が王族っぽい。
「プレア殿下のおなーりー」
「……みんな、楽にしてくれ」
プレア殿下が片手を上げて言うと、ビシッと姿勢を正していた異世界の住人の参加者たちの雰囲気が少し緩んだ。
僕たちはよくわからなくていつも通りだったから、これ以上楽にはできないねー。
「今日は海園遊会に来てくれてありがとう。たくさんの料理を用意している。ぜひ楽しんでいってくれ」
簡単な挨拶の後に、すぐにパーティーが開始した。
プレア殿下の前には、挨拶するための列ができてる。
「ほあー……王族のパーティーってこんな感じなのかぁ」
僕が思わずポカンと口を開けて言ったら、いつの間にかエビ料理を載せた皿を持っていたルトが、不思議そうな顔で首を傾げた。
「モモは王城のパーティーに出たことあったよな? そこで王様と仲良くなったんだろ」
「あ、そういえば、そんなこともあったね!」
頭の隅に追いやっていた記憶を引っ張り出す。
王城でのパーティーもキラキラしてて豪華だったなぁ。王様といろんな話をした印象が強くて、パーティー自体はあまり記憶に残ってないけど。
「──王城で食べたお肉料理、美味しかったなぁ。ここのはどうだろう?」
「ここのはやっぱ、海鮮メインだよな。あ、このエビ料理オススメ」
「海藻サラダも食感がよくて美味しいよ」
ルトとリリに取り分けてもらった料理をもぐもぐと食べる。
エビがプリップリで美味しい! イセエビっぽい大きなエビに、ちょっとピリ辛なソースがかかっていて、エビチリに似てる。
大きなエビだから、普段食べるものより豪華な感じだ。
リリがオススメしてくれた海藻サラダは、シャキシャキ、コリッとした食感に、たまにプチッと弾けるような感覚が混ざって、食べていて楽しくなる。この海藻、僕も素材として欲しいな。
そんな感じでひたすら料理を食べて、感想を語り合って過ごしていたら、不意に視線を感じた。
振り返ると、キラキラと輝いた目が僕を凝視してる。
プレア殿下が真後ろに立っていた。
「……」
「……」
急な展開にビックリして、思わず無言で見つめ合う。
え、僕、なんか失礼なことしちゃってた?
ルトたちはさりげなく少し距離をとって、僕たちを傍観しようとしてる。
王族と話すっていう目的があって来たんだから、もうちょっと積極的に関わろうよ!
僕を一人にしないで! へるぷ・みー!
「……やあ、ウサギくん」
シャ、シャベッター!
にこやかに声をかけられて、ビクッとなりながらも僕は片手を挙げた。
「こ、こんちゃー」
咄嗟に慣れた挨拶が口をついて出ちゃった。
もうどうしようもないけど、王族に対してこの挨拶をしてもよかったかな?
プレア殿下の様子を窺ってみる。
あまり気にしてない──どころか、ぱぁっと輝くような笑みを浮かべてる……
「君が噂のもふもふウサギくんだね! もふもふ教の神と聞いたよ」
「海エルフの王族にまで伝わってた!?」
僕が挙げた手を、プレア殿下が握って軽く揺らす。
握手のために挙げたわけじゃないんだけど……いい感じになったから、よかったってことにしよう。
「もちろん知っているとも。魚人たちに大人気だそうじゃないか。いつか会いたいと思っていたんだよ。想像以上に早かったけれどね」
そう言って笑ってウィンクするプレア殿下は、さっきまでの人に囲まれた状態の時よりもリラックスしてる感じがする。
これなら僕も緊張せずに話せるよ。
「そうなんだー。僕も会えて嬉しいです! あ、僕の名前はモモだよー」
「モモか、いい名前だね。私はプレア。海のハイエルフで、リュウグウの第一王子だよ」
「第一王子! すごい! 次の王様ってこと?」
「そうだね。そういう順番で生まれたってだけで、凄くはないけど」
今更ながら、プレア殿下の情報を入手した。
次期王様な王子様かぁ。偉ぶった感じがなくて、すごくいい人そう。
「ハイエルフなのか……」
「さらっと言われたね……」
ルトとリリがボソッと呟いてる声が聞こえる。
リュウグウの王族がハイエルフだっていうのは、どこかで聞いた情報じゃなかったかな? 驚くことじゃないよー。
というか、二人はいつまで僕たちから離れてるの? 一緒におしゃべりしようよ。
「この二人は僕の友だちのルトとリリだよー。一緒に海中窟ダンジョンを開放したんだ。それと、水霊魂を捧げて、リュウグウの結界強化もしたんだよ!」
躊躇いながらも近づいてきた二人の服を引っ張って、プレア殿下に紹介する。
二人とも「はじめまして……」「どうも……」と緊張した感じで頭を下げた。
いつもと違って表情が硬いね? もうちょっとリラックスしよ?
「ああ、その功績でこのパーティーに……私は第一王子のプレアだ。王族を代表して、君たちの我が国への貢献に礼を言うよ。ありがとう」
プレア殿下がにこやかに二人にも挨拶する。
こんなに優しそうなんだから、緊張する必要はないよね。いろんな話をしたいなー。
とりあえず──
「ねぇねぇ、プレア殿下のオススメ料理はどれ?」
今一番気になることを聞いてみたら、ルトに「お前、距離感おかしくなってるぞ!?」とツッコミを入れられた。ついでにほっぺたをみょんみょんと引っ張られる。
僕、そんな変なこと言ってなくない? 美味しい料理の情報は知りたいよね!?
こんなにほっぺたを引っ張られたら、お話しできないよぉ。
「や~め~へ~」
「反省しろ。まずはそれからだ」
「そんにゃ~」
戯れてる僕たちを見て、プレア殿下が吹き出す感じで笑った。笑顔が優しそうだねー。
でも、笑う前に僕を助けてほしいな! 僕のほっぺたが取れちゃいそうだよー!
入口を直進すると、カラフルな貝殻や珊瑚で飾られた中庭についた。なかなか広い。
「海のモンスターがいっぱいだ!」
庭園内を悠々と泳いだり歩き回っているモンスターの姿を見て、僕は思わず歓声を上げた。
いろんな種類のお魚さんがいる。あ、エビやカニ、ヒトデも。綺麗だなぁ。
みんな、ただここにいるわけじゃなくて、お仕事してるみたいだ。貝殻を庭に飾ったり、テーブルにお皿を運んだり、忙しそう。
「ねぇねぇ、その上に載ってる料理はまだ食べちゃダメなの?」
海藻サラダを運んでいるカニに話しかけてみたら、ハサミをブンブンと振られた。ダメっぽい。
「ちょっとくらい待てよ」
「えへへ、話しかけてみたかっただけだよー」
呆れた顔のルトに答えてから、なんとなくミッションの確認をしてみる。
すると『十体のテイムモンスターと出会おう』というミッションのカウントが四体に増えていた。
「──え、さっきのカニさん、海エルフのテイマーさんがテイムしてる子だったんだ?」
他にもいるかも、と手当たり次第に声をかけてみると、カウントがどんどん増えて九体になった。あと一体でミッションクリアになる。
でも、続けて他の子とコミュニケーションをとってみても、カウントが増えない。
「うーん……どういう違いがあるんだろう?」
モンスターを鑑定したらわかるかな? 近くにいるヒトデっぽいモンスター二体を鑑定してみよう、っと。
——————
【海星】
水属性モンスター。『???』にテイムされている
見た目は青色のヒトデ
個体名:キラピ
【海星の分身】
とあるスキルで作られた実体のある幻影
海星のキラピを元にして作られている
——————
「え、分身!?」
ビックリしちゃった。
本物のモンスターにしか見えないけど、これは幻影らしい。
他の子たちも鑑定してみたら、この会場にいるモンスターのほとんどは幻影だった。
「──本物じゃないから、カウントが増えないのかぁ」
面白いスキルがあるなぁ。
分身を作れば、一体のテイムモンスターに何倍もの仕事をしてもらえるってことだね。
僕が使う必要はなさそうだけど……いや、ラッタンの分身ができたら、生産作業の効率が上がるかな?
それはちょっと心惹かれる! もふもふ可愛さもアップするし。
そんなことを真剣に考えていたら、会場の前の方に綺羅びやかな服装の海エルフが現れた。この人が王族っぽい。
「プレア殿下のおなーりー」
「……みんな、楽にしてくれ」
プレア殿下が片手を上げて言うと、ビシッと姿勢を正していた異世界の住人の参加者たちの雰囲気が少し緩んだ。
僕たちはよくわからなくていつも通りだったから、これ以上楽にはできないねー。
「今日は海園遊会に来てくれてありがとう。たくさんの料理を用意している。ぜひ楽しんでいってくれ」
簡単な挨拶の後に、すぐにパーティーが開始した。
プレア殿下の前には、挨拶するための列ができてる。
「ほあー……王族のパーティーってこんな感じなのかぁ」
僕が思わずポカンと口を開けて言ったら、いつの間にかエビ料理を載せた皿を持っていたルトが、不思議そうな顔で首を傾げた。
「モモは王城のパーティーに出たことあったよな? そこで王様と仲良くなったんだろ」
「あ、そういえば、そんなこともあったね!」
頭の隅に追いやっていた記憶を引っ張り出す。
王城でのパーティーもキラキラしてて豪華だったなぁ。王様といろんな話をした印象が強くて、パーティー自体はあまり記憶に残ってないけど。
「──王城で食べたお肉料理、美味しかったなぁ。ここのはどうだろう?」
「ここのはやっぱ、海鮮メインだよな。あ、このエビ料理オススメ」
「海藻サラダも食感がよくて美味しいよ」
ルトとリリに取り分けてもらった料理をもぐもぐと食べる。
エビがプリップリで美味しい! イセエビっぽい大きなエビに、ちょっとピリ辛なソースがかかっていて、エビチリに似てる。
大きなエビだから、普段食べるものより豪華な感じだ。
リリがオススメしてくれた海藻サラダは、シャキシャキ、コリッとした食感に、たまにプチッと弾けるような感覚が混ざって、食べていて楽しくなる。この海藻、僕も素材として欲しいな。
そんな感じでひたすら料理を食べて、感想を語り合って過ごしていたら、不意に視線を感じた。
振り返ると、キラキラと輝いた目が僕を凝視してる。
プレア殿下が真後ろに立っていた。
「……」
「……」
急な展開にビックリして、思わず無言で見つめ合う。
え、僕、なんか失礼なことしちゃってた?
ルトたちはさりげなく少し距離をとって、僕たちを傍観しようとしてる。
王族と話すっていう目的があって来たんだから、もうちょっと積極的に関わろうよ!
僕を一人にしないで! へるぷ・みー!
「……やあ、ウサギくん」
シャ、シャベッター!
にこやかに声をかけられて、ビクッとなりながらも僕は片手を挙げた。
「こ、こんちゃー」
咄嗟に慣れた挨拶が口をついて出ちゃった。
もうどうしようもないけど、王族に対してこの挨拶をしてもよかったかな?
プレア殿下の様子を窺ってみる。
あまり気にしてない──どころか、ぱぁっと輝くような笑みを浮かべてる……
「君が噂のもふもふウサギくんだね! もふもふ教の神と聞いたよ」
「海エルフの王族にまで伝わってた!?」
僕が挙げた手を、プレア殿下が握って軽く揺らす。
握手のために挙げたわけじゃないんだけど……いい感じになったから、よかったってことにしよう。
「もちろん知っているとも。魚人たちに大人気だそうじゃないか。いつか会いたいと思っていたんだよ。想像以上に早かったけれどね」
そう言って笑ってウィンクするプレア殿下は、さっきまでの人に囲まれた状態の時よりもリラックスしてる感じがする。
これなら僕も緊張せずに話せるよ。
「そうなんだー。僕も会えて嬉しいです! あ、僕の名前はモモだよー」
「モモか、いい名前だね。私はプレア。海のハイエルフで、リュウグウの第一王子だよ」
「第一王子! すごい! 次の王様ってこと?」
「そうだね。そういう順番で生まれたってだけで、凄くはないけど」
今更ながら、プレア殿下の情報を入手した。
次期王様な王子様かぁ。偉ぶった感じがなくて、すごくいい人そう。
「ハイエルフなのか……」
「さらっと言われたね……」
ルトとリリがボソッと呟いてる声が聞こえる。
リュウグウの王族がハイエルフだっていうのは、どこかで聞いた情報じゃなかったかな? 驚くことじゃないよー。
というか、二人はいつまで僕たちから離れてるの? 一緒におしゃべりしようよ。
「この二人は僕の友だちのルトとリリだよー。一緒に海中窟ダンジョンを開放したんだ。それと、水霊魂を捧げて、リュウグウの結界強化もしたんだよ!」
躊躇いながらも近づいてきた二人の服を引っ張って、プレア殿下に紹介する。
二人とも「はじめまして……」「どうも……」と緊張した感じで頭を下げた。
いつもと違って表情が硬いね? もうちょっとリラックスしよ?
「ああ、その功績でこのパーティーに……私は第一王子のプレアだ。王族を代表して、君たちの我が国への貢献に礼を言うよ。ありがとう」
プレア殿下がにこやかに二人にも挨拶する。
こんなに優しそうなんだから、緊張する必要はないよね。いろんな話をしたいなー。
とりあえず──
「ねぇねぇ、プレア殿下のオススメ料理はどれ?」
今一番気になることを聞いてみたら、ルトに「お前、距離感おかしくなってるぞ!?」とツッコミを入れられた。ついでにほっぺたをみょんみょんと引っ張られる。
僕、そんな変なこと言ってなくない? 美味しい料理の情報は知りたいよね!?
こんなにほっぺたを引っ張られたら、お話しできないよぉ。
「や~め~へ~」
「反省しろ。まずはそれからだ」
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