もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

490.お留守番中のみんな

 本日もログイン~。
 さあ、長靴猫ナガグツニャンコ族の里へ行こう! と張り切っていたら、フレンドチャットが来ていることに気づいた。
 確認してみると──

「ルトだー! なになに……『ナーグには会ってみたいけど、今テスト期間であんまりログインできない。モモが今週末に時間あるなら一緒に行きたい』……かぁ」

 どうやらルトたちとのナーグ訪問はもうちょっと先のことになりそう。
 リアルとゲーム内での予定を確認して……うん、週末なら大丈夫そうだな。

 ルトに『大丈夫だよー。時間はルトたちに合わせる! 決まったら連絡してー』と返事を送る。テストがんばってね。

「ナーグに会いに行く前に、できる限り納品用のアイテムを集めておこうっと」

 長靴猫ナガグツニャンコの特殊な技術を教えてもらうためにも、友好度上げをがんばらないとね。
 とりあえず今日は、他の長靴猫ナガグツニャンコたちと遊ぶつもりだけど。

 僕一人で里に行くより、たくさん友だちがいた方が楽しいはず。誰を連れて行こうかな。
 屋敷の二階で寛いでいるスラリンたちを眺める。

 スラリンとユキマルは、互いに体の一部をみょーんと伸ばして手押し相撲みたいなことをしてる。
 変幻自在の体だから、いくら押されようと力を受け流せるし、絶対に決着がつかなくない? 楽しそうだからいいけども。

 ラッタンは寝転んで、お腹に載せたお皿からお団子を手に取っては食べ、『うままぁ』と幸せそうな顔をしてる。

 僕、お団子をあげた記憶がないんだけど……さては、お店に来てるお客さんから貢がれたな?
 勝手にもらって食べちゃダメって教えてるのにー! まだまだ教育が必要そうだね。

 ヒスイは床に置いたクッションに対して、ひたすら猫パンチを繰り返してる。まるでボクサーのような真剣な眼差しだ。
 なんで? クッションになんの恨みが……?

〈ヒスイが行動蓄積により、スキル【ニャンパンチ】【綱渡り】を覚えました〉

——————
スキル【ニャンパンチ】
 猫の手から繰り出される鋭いパンチ
 風属性を纏った物理攻撃で、敵一体に中ダメージを与える
 まれに、デバフ『魅了』を追加で与える

スキル【綱渡り】
 パッシブスキル
 不安定な足場の上で、素早さ+5、器用さ+5
——————

 ふぁっ!?
 僕がテイムした子がこういう形でスキルを覚えるの珍しくない?

 たぶん、僕が留守の間、ヒスイは地道に特訓を続けてたんだね。
 そういえば、前回は綱渡りできるようになったって報告されたけど、スキルとして覚えたのは今のタイミングだったのかぁ。

 驚いていたら、ヒスイが繰り出したニャンパンチがクッションを抉り、中に詰め込まれていた綿がブワッと飛び出した。

「にゃっ(なんか出てきたにゃ!)」
「いや、ヒスイがやったんでしょ……」

 ビクゥッ、と垂直に跳び上がって驚いたヒスイが、それでも逃げることなく綿に向かってパンチを繰り出す。
 許してあげてよ……クッションのライフはもうゼロだよ……

「もふ(モモ~、遊ぼ~)」

 ピアがふわふわと浮かびながら近づいてきた。
 ようやく僕が起きたことに気づいてくれる子がいたよ! いつもはすぐに挨拶してくれるスラリンたちにスルーされて、ちょっと寂しかったんだ。

「ピア、一緒に長靴猫ナガグツニャンコ族の里に遊びに行く?」
「もふ(?? 行く~)」

 ピアはよくわかんない状態でとりあえず頷いてるね。
 長靴猫ナガグツニャンコ族の里の説明をすると『へぇ~……お散歩だ~♪』と出かけることの方を楽しみにしてる感じ。
 でも、きっと長靴猫ナガグツニャンコに会ったら仲良くなれるはず。ピアは懐っこい性格だから。

「きゅぃ(モモ! 起きてたの? おはよー!)」
「ぴぅ(ボク、スラリンに勝ったよ)」

 スラリンとユキマルが近づいてきた。
 ユキマルの報告が正しいなら、手押し相撲の決着がついたようだ。どういう形で勝敗が決まったのか、見逃したのがちょっと残念。

「おはよー。ユキマル、おめでとう」

 よしよし、と二体を撫でながら、留守中の報告を聞く。
 いつもお店の状況とかを見てくれてるのはこの二体なんだよね。今のところ、問題は起きてないみたいだからよかった。

「にゃ(ヒスイ、強くなったにゃ!)」
「うん、知ってる。がんばって偉いね! でも、クッションを壊したのは反省してください」

 嬉しそうに胸を張って報告してきたヒスイを、褒めながら注意する。
 途端にヒスイは「にゃっ!?」とショックを受けた感じで固まった。

 強くなろうとがんばることは偉いけど、それはそれとして、部屋の備品を壊すのはよくないよ。

「にゃぁ(……ごめんにゃ)」
「反省したならいいよー。今度、叩く練習になるアイテムを用意しておくね!」

 叱るのは最小限に。悄気た様子のヒスイを撫でながら微笑む。
 強くなりたいと望むヒスイにとっていい環境を作るのも、テイマーとして大切な仕事だから、僕もがんばるよ。

「にゃっ(ありがとにゃ♪)」

 一瞬で機嫌を直したヒスイに可愛いなぁ、とニコニコしていたら、トテテッと駆けるように近づいてきたラッタンが、お皿を差し出してきた。

「らぴゅ(モモもお団子いるぅ?)」

 真っ白いお団子がお皿の上に六つ。
 さっき、山積みになってるのを見た気がするんだけど……減るの早いね。

「ありがとー。ところでこれ、誰にもらったの?」

 遠慮なく一個手に取って、ラッタンがスラリンたちにも配るのを眺めながら聞く。
 僕が知ってる人からもらったなら、お礼の連絡をしなきゃなぁ、と思ってたんだけど──

「らぴゅ(尻尾がぶわわぁってたくさんのキツネたん)」

 一気にお団子が劇物に見えてきた。え、これ、食べて大丈夫?
 まじまじとお団子を観察する。

「きゅぃ(タマモが『何卒お受け取りくださいませっ』て平伏しながら渡してたよ!)」
「それを見た時点で止めてほしかったな!」

 スラリンの報告に、思わず遠い目をしちゃう。
 普段のタマモはルールを遵守するタイプだから、そういう抜け駆け的な貢ぎ癖は我慢してるはずなんだけどなぁ。

「ぴぅ(ラッタンが後ろにいることに気づかないで、タマモがぶつかって転ばせちゃったからお詫びなんだって)」
「お詫びかー。それなら、まあ、貢ぎとは違うし、セーフ、かな……?」

 果たして、タマモはもふもふ教徒いっぱいのお店から無事に帰れたのかな?

 首を傾げながら、僕がお団子を食べるのを躊躇してたら、ヒスイが「にゃ(これ、マルっていう子が作ったお菓子らしいにゃ)」と報告してくれた。

 めちゃくちゃ安心したよ! マルが作ったものなら、全く問題なし。

 お団子は劇物じゃなくて、ただのもっちり美味しいお団子でした。うまうま。

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