もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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12章 美味しいもの大好き!

504.冤罪です(たぶん)

「くるる(モモの偽物、退治したー)」

 光羽兎リヒティエールラパへのラストアタックを決めたペタが、『わーい』と両手を上げて喜ぶ。

 僕の偽物? 確かに似た種族ではあるけど、偽物ではないんじゃ……?

 きょとんとする僕をスルーして、スラリンたちはみんなでテンション高くはしゃいでる。

 もしかして、光羽兎リヒティエールラパに対して微妙に闘志高めだったのって、僕の偽物だと考えてたから?
 好きなテイマーに似た敵モンスターが許せなかったのかな。

 ……そうだったら、ちょっと嬉しいかも。
 自然とニコニコしながらみんなを眺めていたら、討伐アナウンスが聞こえてきた。

光羽兎リヒティエールラパを倒しました。経験値と【光の羽根リュミエール】✕3、【光羽兎リヒティエールラパのモモ肉】を入手しました〉

——————
光の羽根リュミエール】レア度☆☆☆☆
 ほのかに光を放つ白い羽
 持っていると、戦闘意欲が高まりそう

光羽兎リヒティエールラパのモモ肉】レア度☆☆☆
 筋肉質のモモ肉
 歯ごたえがあって美味しい
——————

 ドロップアイテムが『モモ肉』でとても複雑な気持ちです……。
 僕の名前みたいだけど違うんだよ。モモ(=僕)のお肉じゃなくて、腿の肉だもん!

 ……世の中には天兎アンジュラパのお肉を食べてる人もいるのかな?
 直視したくない現実だなぁ……。

 光の羽根リュミエールは白くて綺麗な羽だった。
 装備品とかに使ったらおしゃれな装飾になりそう。特殊な効果が付与される可能性もあるかも。
 今度錬金術の素材にして何か作ってみよう!

「あ、そういえば、部位識別のスキル使ってないなぁ」

 入手してから使ったことがないスキルをふと思い出して、キョロキョロと周囲を見回す。
 このスキルを使える敵がいないかなぁ、って思って。

 せっかくなら美味しいお肉をゲットしたい。
 どこぞのモンスターさん、みんなでお腹いっぱい食べられるような、大きなお肉をくれませんかー?

「きゅーきゅいっ(強そうな気配を感じるわ!)」
「おっとー?」

 不意にナッティが警戒の声を上げ、みんなが戦闘態勢を取った。
 このエリアに来て、初めての展開……ヤバいモンスターが近づいてきてる?

 周囲を見回していると、突然日が陰った。
 この世界で雨は特殊なエリアに行かないと生じない。だから、夕方でもないのに、こんな風に暗くなるなんておかしいんだけど──

 ハッとして空を仰ぎ見る。
 太陽の光を遮るように広がる、大きな翼が見えた。

「あれは、もしかして龍馬ドラシュバル!? ──【部位識別】……って、間違えたぁ!」

 全鑑定スキルを使って正体を確かめるつもりが、試そうと準備してた部位識別スキルの方を使っちゃったよ。
 僕ってば、おっちょこちょいだなー、てへぺろ。

 なんて内心でおちゃらけながらも、モンスターに現れた点の表示を眺める。
 遠いからわかりにくいけど、弱点は翼の付け根と前脚だってー。
 食べられる部位は背中側に二か所、お腹側に三か所、お尻・太ももに一か所ずつ。

 艷やかな馬の毛が光を受けて輝いていて綺麗。
 頭と翼はドラゴンっぽいけど、体は完全にゴツい馬だなぁ。蹄は鋭い爪があって、ドラゴン感がある。
 鬣が長くてサラサラ……あれが、ハカセご所望のアイテムかぁ。

 ──って、あれ? なんでこんな細かいところまで見えるようになってるんだろう……?

 違和感に気づいた時には、モンスターが近くまで迫ってきていた。

「ふぎゃあああっ!?」
『うるさい兎ねぇ』
「うるさくてごめんねっ!」

 叫んだ勢いのまま謝ってから、ハタと気づく。
 今話した相手は誰だっけ、と。

 目と鼻の先に巨大な顔があった。
 ちょっと近すぎてよく見えないけど、これ、僕の仲間じゃないねー。ありゃりゃ?

「きゅぴっ(モモに近づくなー!)」
「ぴぅ(モモをいじめたら、許さないよ……)」

 勇ましくぴょんぴょんしてるスラリンの近くで、ユキマルが勇気を振り絞った感じで言いながらも震えてる。

 ペタは『敵意はないね』と冷静な感じで観察を始め、ショコラは『これと戦うのは無謀だなー』と様子見をしてる感じ。

 二人とも、警戒態勢は解いてないけど、今すぐ攻撃に移ろうとする気配はない。それだけ、目の前にいるモンスターの強さを感じて、戦いを挑むこと自体を危険視しているということだ。
 冷静に判断できて偉いね!

 ちなみにナッティはショコラの後ろで震えながら、僕たちを窺ってる。
 あまり戦闘向きの種族じゃないから、仕方ない。無理はしなくていいんだよー。

『別に、こんな小さいのを襲いやしないって。全然お腹にたまらないでしょ』
「うん、僕を食べても美味しくないしねー」

 とりあえず食われないように美味しくないアピールをしながら、ちょっと後ずさりしてみた。

 距離を取ったら、相手の姿がよくわかる。
 うん、さっきチラッと見た馬とドラゴンが合体した感じのモンスターだ。
 僕を小さいと言うだけあって、めちゃくちゃ大きい。ストルムの本来の姿よりは小柄だけど。

「【全鑑定】」

 コソッと呟いてスキルを使ってみる。

——————
龍馬ドラシュバル
 馬のような体を持つ木・風属性のドラゴン
 強靭な脚力で敵を踏みつけ、木や風を操る
 普段は空中都市にある森で暮らしていて、穏和な性格の個体
 たまに地上に降りてくる
——————

 なるほどぉ?
 このモンスターが龍馬ドラシュバルだって確定したのはいいけど、それより気になる点があるね!

 空中都市住まいってなに!?

「えーと? 空中都市って確か、空のエルフが住んでて、まだ行けない場所だったような……?」

 以前、王女で巫女のラファイエットさんに聞いた情報を思い出しながら呟いた。

 ハカセが言うには、龍馬ドラシュバルってドラゴンの里から出奔して人里近くを彷徨いてるはずだったんだけど。
 鑑定結果は空中都市住まいってなってるし……微妙な違いが気になるなぁ。

『あら、あなた、空中都市を知ってるの?』

 パチリと瞬いた瞳が、意外と可愛い。
 大きすぎて見上げるのが大変だなぁ、と思いつつ「うん」と頷いた。

「名前だけね。君はそこに住んでるんでしょ?」
『そうよー。それより気になることがあるんだけど──』

 明るい口調で答えて目を細めた龍馬ドラシュバルは、鑑定結果通り穏和な性格らしい。
 興味津々な感じで顔を近づけてくるのはやめてほしいけど。
 口がおっきくて怖いよぉ。僕なんてパクッと一口で食べられちゃいそう。

『──さっき、あなた、私を食べようとしてたでしょ?』
「してないよっ!?」

 あまりにも心当たりのないことを言われて、すぐさま叫ぶように否定した。
 僕は食い意地が張ってるタイプだけど、こんな巨大なドラゴンを食べようとする勇気なんてないって!

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