もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
553 / 661
12章 美味しいもの大好き!

505.ドラちゃんの事情

 僕が必死に疑惑を否定したら、龍馬ドラシュバルは『あら?』と首を傾げた。

『確かに食欲の念を感じたんだけど……? 失礼な子だと思って、文句を言いに来たのよ』
「食欲の念???」

 初めて聞いた言葉だ。
 僕は食い意地が張ってる自覚はあるけど、そんな念を飛ばしたことはない……はず。

 でも、ふと部位識別スキルのことを思い出して、パチパチと目を瞬かせてから空を見上げた。

「──もしかして、部位識別スキルって、向けられた方は『お前を食ってやるぞぉ!』っていう意思として受け取るのかな?」

 あり得るぅ……。モンスターを食材として見るスキルだもん。

 きょとんとしてる龍馬ドラシュバルから、ショコラの方に視線を移す。

「くまま(どうしたのー?)」
「実は──」

 かくかくしかじかで、と部位識別スキルのことを説明して、向けられた相手がどう感じるか、ショコラに試していいか聞いてみた。

「くまま(ボクに試すのー? いいよー)」

 のほほんと許してくれたショコラに「ありがとー」とお礼して、部位識別スキルを使ってみる。

「【部位識別】! あ、ショコラは弱点が頭で、腕と脚とお腹に食材ポイントがあるね」

 弱点と食べられる部位が点で表示されたのを見て、ふむふむと頷く。

 ショコラを食べるつもりは一切ないけど、弱点を知るのはいいことかも。そこを守れる装備を用意したら、ショコラの生存力を高めることに繋がるし。

「……くまま(美味しそうって思われてるー。あんまり気分よくなーい)」
「ごめんごめん!」

 ポツリと呟かれた言葉に、慌てて謝った。
 部位識別スキルは、ホントに食欲の念として受け取られちゃうみたいだ。使う相手やタイミングをちゃんと考えないと、余計なヘイトを稼ぐことになるなぁ。

 拗ねた感じになったショコラに、機嫌取りのためのオランジェットを渡した。
 農地でたくさんオレンジができたから、ショコラにあげようと思って用意してたんだよ。

「くまま(わーい! モモ、いつでも部位識別スキルを使っていいからねー)」
「もう使わないよ?」

 一気にご機嫌になったショコラに苦笑しちゃう。
 チョロすぎてちょっと心配になっちゃうよ。

「くるる(僕にも使ってもいいよ? キュウリちょうだい)」
「わざわざ嫌な気分になってでもキュウリ欲しいの? そうじゃなくてもあげるのに」

 ツンツンと僕をつついてねだってきたペタに、たたきキュウリの梅ナムルを渡す。
 梅もキュウリも僕の農地産です!
 みんなの好物はできる限り素材から自分で用意したいから、たくさん作ってるんだよー。

「みんなもオヤツにしよっかー」

 ショコラとペタだけにあげるのは贔屓になっちゃうかな、と思って次々に食べ物を取り出してみた。

 ここはバトルフィールドだけど、龍馬ドラシュバルがいるからか全然敵の気配を感じないから、休んでも大丈夫そうだし。

 ナッティは僕が作ったブールドネージュに夢中で、龍馬ドラシュバルへの恐怖もどこかへ飛んでいったみたいだ。

 ブールドネージュはアーモンドプードルを使ってて、粗めに砕いたナッツをふんだんに入れてるから、ナッティが気に入ってくれると思ってたんだよー。

「きゅぃ(このブドウ飴、美味しいね!)」
「ぴぅ(ボクはイチゴ飴も好きだよ)」

 スラリンとユキマルは、果物を飴でコーティングしたお菓子をパクパクと食べてる。
 見た目が綺麗で、食べて美味しい、自慢の一品です! 喜んでもらえて嬉しいよ。

 ニコニコとみんなを眺めてから、龍馬ドラシュバルの方に視線を戻す。
 龍馬ドラシュバルは僕たちのノリについてこれなかったみたいで、きょとんとしてた。

「鑑定スキルの一種を使ったら、変な誤解を与えちゃったみたい。ホントに、食べようなんて思ってないよ。でも、嫌な気分にさせたのは申し訳ないから、お詫びにこれ食べる?」

 たくさん出した食べ物を龍馬ドラシュバルに差し出す。
 これで許してくれたらいいなー。
 龍馬ドラシュバルの大きさを考えたら、腹の足しにもならない量かもしれないけど。

『あらまあ……よくわからないけど、あなたに悪意がなかったのはわかったわ』

 そう言って目を細めた龍馬ドラシュバルが、『私、こう見えて果物が好きよ』と言って、フルーツタルト(ホール)を一口で食べた。
 おっきな口だねー。
 感心しながらも、許してもらえそうな気配にホッとする。

「果物が好きなんだねー。何が一番好き?」

 どうせなら好みのものをたっぷりあげたいな、と思って聞いてみた。
 あわよくば、友好度が上がらないかなー、という思惑もある。えへへ、僕は抜け目ないところもあるのです!

 ……まあ、今はテイム枠が埋まってるから、仲良くなってもテイムはできないんだけど。
 先にテイマー講座を受けてくるべきだったなぁ。

宝果ジュエルフルーツかしらねぇ。とっても美味しい果物だし、私たちにとって特別な意味のある果物なのよ』

 龍馬ドラシュバルがフフッと楽しそうに教えてくれた。

 宝果ジュエルフルーツかぁ……まだ栽培途中だから、手元に一個もないんだよなぁ。
 収穫した後にまた会えたら渡そう。

 それにしても、特別な意味のある果物って、どういうことなんだろ?

宝果ジュエルフルーツは美味しいだけじゃないの?」
『そうよー。私たちが次代を生み出すために必要なの!』

 うふふー、と照れ照れした感じで言われて、きょとんとしちゃった。
 次代? それって、子どもってこと?

『──私、旦那様を探しに降りてきたのよー。メスは普段、空中都市で暮らしていて、オスはドラゴンの里にいるから、こうして降りてこないと出会えないの。里には私たちメスは入れないから、ここでひたすら探すのよ』
「……婚活しに来たの?」
『コンカツ? よくわからないけど、旦那様をゲットして、次代を生み出すために、宝果ジュエルフルーツも探すのよ』

 素敵な旦那様に出会いたい、ときゃあきゃあはしゃいでる龍馬ドラシュバルに、「ほえー」と声が漏れる。

 まさか、この場所が龍馬ドラシュバルたちの婚活会場だったとは……。

 でも、ハカセが言ってたことも間違ってなかったってわかったね。
 龍馬ドラシュバルのオスは、メスと出会うために里を出奔して、ここを彷徨うわけだ。

 ……あれ?
 そうなると、モンちゃんから依頼されたはぐれドラゴンは、オスとメスどっちのことかな?
 とりあえず、事情さえ報告すればいい感じ?

 うーむ……講座を受けるついでに、報告してみよっと。
 何はともあれ──

宝果ジュエルフルーツは僕が今栽培中だから、収穫したらあげるね!」
『まあ! あなた、素敵なウサギさんね!』

 目をキラキラさせて喜んでくれたから、オールオッケー♪

「収穫はどうやってお知らせしたらいい?」
『これを打ち上げてちょうだい。すぐに行くわ。あ、私の名前はマリーよ。素敵なオスを見かけた時も、お知らせしてくれたら嬉しいわ』

 マリーちゃんかぁ。可愛い名前だね。
 なんて思っていると、ロケットの発射装置のようなものを渡された。

——————
竜火砲ドラフレイムホウ】レア度☆☆☆☆
 ドラゴンの魔力が込められた花火発射装置
 発射すると空に美しい花火が現れ、魔力を込めたドラゴンを呼ぶことができる
 使用可能回数:5回
——————

〈シークレットミッション【素敵な旦那様探しを手伝う】が開始しました〉

 おっと? いつの間にか、受けた覚えのないミッションが開始してるぞ……?

感想 3,053

あなたにおすすめの小説

悪役令嬢にされたので婚約破棄を受け入れたら、なぜか全員困っています

かきんとう
恋愛
 王城の大広間は、いつも以上に華やいでいた。  磨き上げられた床は燭台の光を反射し、色とりどりのドレスが揺れるたびに、まるで花畑が動いているかのように見える。貴族たちの笑い声、楽団の優雅な旋律、そして、ひそやかな噂話が、空気を満たしていた。  その中心に、私は立っていた。  ――今日、この瞬間のために。 「エレノア・フォン・リーベルト嬢」  高らかに呼ばれた私の名に、ざわめきがぴたりと止む。

『彼を解放して!』とおっしゃいましたが、何から解放されたいのですか?

シエル
恋愛
「彼を解放してください!」 友人たちと教室に戻ろうとしていると、突如、知らない令嬢に呼び止められました。 「どなたかしら?」 なぜ、先ほどから私が問いかける度に驚いているのでしょう? まるで「え!?私のこと知らないの!?」と言わんばかりですけれど、知りませんよ? どうやら、『彼』とは私の婚約者のことのようです。 「解放して」とおっしゃっいましたが、私の目には何かに囚われているようには見えないのですが? ※ 中世ヨーロッパモデルの架空の世界 ※ ご都合主義です。 ※ 誤字、脱字、文章がおかしい箇所は気付いた際に修正しております。

(完)妹の子供を養女にしたら・・・・・・

青空一夏
恋愛
私はダーシー・オークリー女伯爵。愛する夫との間に子供はいない。なんとかできるように努力はしてきたがどうやら私の身体に原因があるようだった。 「養女を迎えようと思うわ・・・・・・」 私の言葉に夫は私の妹のアイリスのお腹の子どもがいいと言う。私達はその産まれてきた子供を養女に迎えたが・・・・・・ 異世界中世ヨーロッパ風のゆるふわ設定。ざまぁ。魔獣がいる世界。

【完結】精霊に選ばれなかった私は…

まりぃべる
ファンタジー
ここダロックフェイ国では、5歳になると精霊の森へ行く。精霊に選んでもらえれば、将来有望だ。 しかし、キャロル=マフェソン辺境伯爵令嬢は、精霊に選んでもらえなかった。 選ばれた者は、王立学院で将来国の為になるべく通う。 選ばれなかった者は、教会の学校で一般教養を学ぶ。 貴族なら、より高い地位を狙うのがステータスであるが…? ☆世界観は、緩いですのでそこのところご理解のうえ、お読み下さるとありがたいです。

空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される

木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。 婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。 やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。 「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。

番外編・もふもふで始めるのんびり寄り道生活

ゆるり
ファンタジー
『もふもふで始めるのんびり寄り道生活』の番外編です。 登場人物の説明などは本編をご覧くださいませ。 更新は不定期です。

畑の隣にダンジョンが生えたので、農家兼ダンチューバーになることにした件について〜隠れ最強の元エリート、今日も野菜を育てながら配信中〜

グリゴリ
ファンタジー
 木嶋蒼、35歳。表向きは田舎で農業を始めて1年目の、どこにでもいる素朴な農家だ。しかし実態は、内閣直轄の超エリート組織・ダンジョン対策庁において「特総(特別総括官)」という非公開の最高職を務める、日本最高峰の実力者である。その事実を知る者は内閣総理大臣を含む極少数のみ。家族でさえ、蒼が対策庁を早々に退庁したと信じて疑わない。  SSSランクのテイムスキルと攻撃スキル、SSランクの支援スキルと農業スキルを18歳時に鑑定され、誰もが「化け物」と称えたその実力を、蒼は今日も畑仕事に注ぎ込んでいる。農作物の品質は驚異的に高く、毎日の収穫が静かな喜びだ。少し抜けているところはあるが、それもご愛嬌——と思っていた矢先、農業開始から1年が経ったある朝、異変が起きた。  祖父母の旧宅に隣接する納屋の床に、漆黒に金の縁取りをしたゲートリングが突如出現したのだ。通常の探索者には認識すらできないそれは、蒼だけが見えるシークレットプライベートダンジョン——後に「蒼天の根」と呼ばれることになる、全100階層の特異空間だった。  恐る恐る潜ったダンジョンの第1層で、蒼は虹色に輝くベビースライム「ソル」と出会い、即座に従魔として契約。さらに探索を進める中でベビードラゴンの「ルナ」、神狼種のベビーシルバーウルフ「クロ」を仲間に加えていく。そしてダンジョン初潜入の最中、蒼の体内に「究極進化システム」が覚醒する。ダンジョン内の素材をエボリューションポイント・ショップポイント・現金へと変換し、自身や従魔、親しい者を際限なく強化・進化させるこのシステムは、ガチャ機能・ショップ機能・タスク機能まで備えた、あまりにもチートじみた代物だった。  蒼は決める。「せっかくだから配信もしよう」と。農家兼ダンチューバーという前代未聞のスタイルで探索者ライセンスを取得し、「農家のダンジョン攻略配信」を開始した彼の動画はじわじわと注目を集め始める。  そんな中、隣のダンジョンの取材にやってきたのが、C級探索者ライセンスを持つ美人記者兼ダンチューバー・藤宮詩織だった。国際探索者協会の超エリート一家に生まれながら自らの道を切り開いてきた彼女は、蒼の「農家なのになぜかとても強い」という矛盾に鋭い鑑定眼を向ける。  隠れ最強の農家配信者と、本質を見抜く美人記者。チート級の従魔たちが賑やかに囲む日常の中で、二人の距離は少しずつ縮まっていく。ダンジョン攻略・農業・配信・ガチャ・そして予期せぬ大事件——波乱と笑いと感動が交錯する、最強農家の新米配信者ライフが、今幕を開ける。

死にたくないので、今世は「悪女」の看板を下ろして「聖女」の利権を奪い尽くします

あめとおと
恋愛
「死に様なら、もう八通りも見てきたわ」 公爵令嬢レオノーラは、義妹ミアを「聖女」として引き立てるための「悪役」として、九回の人生をループしてきた。 どれほど善人に振る舞おうと、どれほど婚約者の王太子に縋ろうと、最後は常に処刑台か追放。 すべては、周囲の好感度を強制的に書き換えるミアの「偽りの奇跡」のせいだった。 十度目の十六歳。 累計八十年の人生を経験し、精神年齢も魔導知識も「枯れた」域に達したレオノーラは、ついに決意する。 「いい子を演じるのは、もう飽きたわ。今世は悪役令嬢らしく、あなたの『幸運』をすべて奪い尽くしてあげる」 ミアが手に入れるはずだった【癒やしの聖杯】を先回りして献上し、 ミアの信奉者になるはずだった【最強の騎士団長】を魔導の力で救済して味方につけ、 王太子との「思い出の場所」を物理的に整地してバラ園に変える。 「あら、殿下。ゴミ(思い出)を片付けて何が悪いのかしら?」 冷徹に、そして優雅に「ざまぁ」を完遂していくレオノーラ。 そんな彼女の前に、前世では「死神」と恐れられた隣国の皇帝ギルバートが現れる。 彼は、聖女の補正が効かない唯一の男。そして、誰よりも重すぎる独占欲を抱えた男だった――。 「君は世界を奪え。私は、そんな君を奪うとしよう」 これは、九回殺された悪役令嬢が、十回目で「真の幸福」と「最強の地位」を力ずくでもぎ取る、逆転無双の物語。 【全10話+後日談 完結まで投稿済 最終投稿は3/27】