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6章 どたばた大騒動?
218.進化先決定!
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街襲撃イベントの話がひと段落ついたところで、モンちゃんに「そういや、モモの話はなんだ?」と聞かれた。
「そうそう。僕、スライムの進化先に悩んでて、モンちゃんに相談したかったんだ」
「へぇ、もうそこまで育てられたのか」
モンちゃんが意外そうに目を見張りつつ「がんばったな」と褒めてくれた。続けて、「どんな進化先が出た?」と聞かれたから、列挙してみる。
「今惹かれてるのは、フィッシャースライムとラージスライムなんだよね」
「ラージスライムはともかく、フィッシャースライムなんて初めて聞いたぞ……」
ポカンと口を開けて唖然とした様子のモンちゃんに「そうなんだ?」と返してから、特徴を説明してみる。
フィッシャースライムはスラリンの特技をより高められるかなぁと思って、候補に入れてる。ラージスライムは順当な進化先だけど、その後にキングスライムになる道が開ける気がするんだよね。
「今はこの二種が候補だけど、これから先に他にもスキルを覚えたら進化先が増えそうだし、今進化するか悩んでるんだ。もっと良い進化先があるかもしれないし」
なんとも言えない顔で僕の話を聞いてたモンちゃんが、大きくため息をついて頭をガシガシと掻いた。そして、「モモに関することで驚いてたらキリがねぇな……」と呟きをこぼしてから、話を始める。
「俺のおすすめはラージスライムだな」
「どうして?」
「スライムはレベル20、30、40で進化の機会がある。あるいは進化石を使えば、任意のタイミングで進化できる」
「そうなんだ?」
進化石って、リカちゃんがモンちゃんに報酬としてねだってたアイテムだったはず。そういう風に使うものだったのか。
「ああ。属性のある進化石を使うと、特殊な進化ができるようになることもあるぞ」
「光の進化石で、光属性のスライムとか?」
「そうだ。そういや、天兎が進化するには光の進化石が必要なんじゃなかったか?」
「え、ほんとに!?」
「いや、お前自身のことだろ? なんでそんなに驚いてるんだよ」
呆れた感じで言われるけど、僕は天兎について全然知らないんだから、仕方ないと思う。
光の進化石かー。どこで手に入るんだろ?
モンちゃんに聞いてみたけど「知らん。そもそも属性のある進化石はすごく珍しくて、市場にも滅多に出回らないんだ」という答えだった。残念。
でも、普通の進化石は、たまに採掘中に採れたり、ダンジョンの報酬でもらえたりするらしい。今後に期待だね。
「話を戻すぞ」
「うん。モンちゃんがラージスライムをおすすめする理由だったよね」
「おう。――ラージスライムは無属性のモンスターだ。それに対し、フィッシャースライムは水属性。進化先に属性があるタイプを選ぶと、その後の進化でも、その属性に応じた種類にしかなれないんだ。水属性だと、その次の進化も水属性か、あるいは氷属性だな」
つまり、フィッシャースライムに進化すると、その後の進化選択肢が少なくなっちゃうってことかぁ。
そうなると、現段階ではラージスライムがおすすめなのも理解できる。
「フィッシャースライムを選ぶ利点はないの?」
「早い内に水属性のスキルを習得できるのは、バトルで有利になるぞ。ステータスもラージスライムより高いだろうから、活躍しやすいしな。ラージスライムは無属性スキルを幅広く習得可能な大器晩成型だ」
今すぐ強い仲間を手に入れたいなら、フィッシャースライムが良いってことか。
モンちゃん曰く「ラージスライムに進化後も、フィッシャースライムを次の進化先に選ぶことはできるはずだ」ということらしいから、心がラージスライムの方にだいぶ傾いた。
「様々なモンスターの中でも、スライムは進化先が多い種族だと知られてる。一段階目の進化ではスキル習得もあまりできていないし、ラージスライムを選んでおけば、その後の進化で選択肢が増えるぞ」
「そっか。今選択できない進化先も気になってたんだよね。今後に期待して、ラージスライムにしようかな」
うんうん、と頷き結論を出した。
「キングスライムを狙うなら、無属性のまま進化を進めるのが良いだろうな。確か、レベル40の時に基本五属性+光闇属性の進化先が出現していると、最もレアな進化先【オーロラキングスライム】になれる可能性があるって噂を聞いたことがある」
「なにそれ凄そう」
よくわかんないけど、カッコいい響きの名前だ。オーロラみたいな色をしてるのかな。気になる~。
僕が乗り気になってるのを、モンちゃんが笑いながら眺めていた。「俺も見たことねぇから、なれたらぜひ見せに来てくれ」だって。
〈ミッション『特上レアモンスターへの進化』が開始しました〉
急にアナウンス!
詳細を確認してみたら、『各種モンスターに設定されている最もレアな種族に進化させる』と書いてあった。つまり、オーロラキングスライムはスライムの進化先の中で一番レアってことだね。
このミッションを達成できたら、報酬として属性進化石をゲットできるらしい。もしかして、僕の進化に使える? スラリンをオーロラキングスライムに進化させる意欲が高まったよ!
というわけで、早速スラリンを進化させてみようかな。
「【召喚】スラリン」
「きゅぃ(僕登場~)」
現れた途端、スラリンが戦闘ものヒーローのようにポーズを決めた。誰がこれ教えたの? 僕じゃないよ。
「そのポーズは……?」
「きゅぃ(さっき、お店のお客さんに教えてもらったんだ。カッコいい?)」
「……うん、カッコいいし可愛いよ」
スラリンを変な風に育てないよう、お客さんに頼んでおくべきかも。
なんてことを考えつつ、スラリンの進化先が決定したことを教える。
「――ラージスライムに進化させるね」
「きゅぃ(わかった! もっと強くなって、モモの役に立つね!)」
やる気いっぱいのスラリンに微笑みながら、進化先を選択した。
スラリンの周囲に白い光の渦ができる。ファンファーレのようなものまで聞こえてきて、華やかな演出だ。
それが消えた後には、二回りほど大きくなったスラリンが現れた。色も青みがある緑色に変わってる。ちょっとだけ、キングスライムに近い色かも。
「おー……僕より大っきいね!」
「きゅぃ(モモ、小さい。可愛いよ)」
「とっても複雑な気分です」
完全にスラリンに見下ろされてる。これまで僕よりちょっと小さいくらいだったのにぃ。
僕のテイムモンス、ユキマル以外はみんな僕より大きいね。
「無事進化できたな」
「うん、相談に乗ってくれてありがとー」
「これくらい当然だ。――最初の進化成功を祝って、進化石をプレゼントしよう」
「え、いいの?」
驚いてたら、本当に進化石を渡された。見た目は水晶の欠片みたいな感じ。属性がつくと、色が変わるんだって。
「上手く使え」
「ありがと! 大切にするね!」
るんるん、とテンションを上げて応える。
スラリン以外も進化できるよう、今後もレベル上げがんばるぞ。
「そうそう。僕、スライムの進化先に悩んでて、モンちゃんに相談したかったんだ」
「へぇ、もうそこまで育てられたのか」
モンちゃんが意外そうに目を見張りつつ「がんばったな」と褒めてくれた。続けて、「どんな進化先が出た?」と聞かれたから、列挙してみる。
「今惹かれてるのは、フィッシャースライムとラージスライムなんだよね」
「ラージスライムはともかく、フィッシャースライムなんて初めて聞いたぞ……」
ポカンと口を開けて唖然とした様子のモンちゃんに「そうなんだ?」と返してから、特徴を説明してみる。
フィッシャースライムはスラリンの特技をより高められるかなぁと思って、候補に入れてる。ラージスライムは順当な進化先だけど、その後にキングスライムになる道が開ける気がするんだよね。
「今はこの二種が候補だけど、これから先に他にもスキルを覚えたら進化先が増えそうだし、今進化するか悩んでるんだ。もっと良い進化先があるかもしれないし」
なんとも言えない顔で僕の話を聞いてたモンちゃんが、大きくため息をついて頭をガシガシと掻いた。そして、「モモに関することで驚いてたらキリがねぇな……」と呟きをこぼしてから、話を始める。
「俺のおすすめはラージスライムだな」
「どうして?」
「スライムはレベル20、30、40で進化の機会がある。あるいは進化石を使えば、任意のタイミングで進化できる」
「そうなんだ?」
進化石って、リカちゃんがモンちゃんに報酬としてねだってたアイテムだったはず。そういう風に使うものだったのか。
「ああ。属性のある進化石を使うと、特殊な進化ができるようになることもあるぞ」
「光の進化石で、光属性のスライムとか?」
「そうだ。そういや、天兎が進化するには光の進化石が必要なんじゃなかったか?」
「え、ほんとに!?」
「いや、お前自身のことだろ? なんでそんなに驚いてるんだよ」
呆れた感じで言われるけど、僕は天兎について全然知らないんだから、仕方ないと思う。
光の進化石かー。どこで手に入るんだろ?
モンちゃんに聞いてみたけど「知らん。そもそも属性のある進化石はすごく珍しくて、市場にも滅多に出回らないんだ」という答えだった。残念。
でも、普通の進化石は、たまに採掘中に採れたり、ダンジョンの報酬でもらえたりするらしい。今後に期待だね。
「話を戻すぞ」
「うん。モンちゃんがラージスライムをおすすめする理由だったよね」
「おう。――ラージスライムは無属性のモンスターだ。それに対し、フィッシャースライムは水属性。進化先に属性があるタイプを選ぶと、その後の進化でも、その属性に応じた種類にしかなれないんだ。水属性だと、その次の進化も水属性か、あるいは氷属性だな」
つまり、フィッシャースライムに進化すると、その後の進化選択肢が少なくなっちゃうってことかぁ。
そうなると、現段階ではラージスライムがおすすめなのも理解できる。
「フィッシャースライムを選ぶ利点はないの?」
「早い内に水属性のスキルを習得できるのは、バトルで有利になるぞ。ステータスもラージスライムより高いだろうから、活躍しやすいしな。ラージスライムは無属性スキルを幅広く習得可能な大器晩成型だ」
今すぐ強い仲間を手に入れたいなら、フィッシャースライムが良いってことか。
モンちゃん曰く「ラージスライムに進化後も、フィッシャースライムを次の進化先に選ぶことはできるはずだ」ということらしいから、心がラージスライムの方にだいぶ傾いた。
「様々なモンスターの中でも、スライムは進化先が多い種族だと知られてる。一段階目の進化ではスキル習得もあまりできていないし、ラージスライムを選んでおけば、その後の進化で選択肢が増えるぞ」
「そっか。今選択できない進化先も気になってたんだよね。今後に期待して、ラージスライムにしようかな」
うんうん、と頷き結論を出した。
「キングスライムを狙うなら、無属性のまま進化を進めるのが良いだろうな。確か、レベル40の時に基本五属性+光闇属性の進化先が出現していると、最もレアな進化先【オーロラキングスライム】になれる可能性があるって噂を聞いたことがある」
「なにそれ凄そう」
よくわかんないけど、カッコいい響きの名前だ。オーロラみたいな色をしてるのかな。気になる~。
僕が乗り気になってるのを、モンちゃんが笑いながら眺めていた。「俺も見たことねぇから、なれたらぜひ見せに来てくれ」だって。
〈ミッション『特上レアモンスターへの進化』が開始しました〉
急にアナウンス!
詳細を確認してみたら、『各種モンスターに設定されている最もレアな種族に進化させる』と書いてあった。つまり、オーロラキングスライムはスライムの進化先の中で一番レアってことだね。
このミッションを達成できたら、報酬として属性進化石をゲットできるらしい。もしかして、僕の進化に使える? スラリンをオーロラキングスライムに進化させる意欲が高まったよ!
というわけで、早速スラリンを進化させてみようかな。
「【召喚】スラリン」
「きゅぃ(僕登場~)」
現れた途端、スラリンが戦闘ものヒーローのようにポーズを決めた。誰がこれ教えたの? 僕じゃないよ。
「そのポーズは……?」
「きゅぃ(さっき、お店のお客さんに教えてもらったんだ。カッコいい?)」
「……うん、カッコいいし可愛いよ」
スラリンを変な風に育てないよう、お客さんに頼んでおくべきかも。
なんてことを考えつつ、スラリンの進化先が決定したことを教える。
「――ラージスライムに進化させるね」
「きゅぃ(わかった! もっと強くなって、モモの役に立つね!)」
やる気いっぱいのスラリンに微笑みながら、進化先を選択した。
スラリンの周囲に白い光の渦ができる。ファンファーレのようなものまで聞こえてきて、華やかな演出だ。
それが消えた後には、二回りほど大きくなったスラリンが現れた。色も青みがある緑色に変わってる。ちょっとだけ、キングスライムに近い色かも。
「おー……僕より大っきいね!」
「きゅぃ(モモ、小さい。可愛いよ)」
「とっても複雑な気分です」
完全にスラリンに見下ろされてる。これまで僕よりちょっと小さいくらいだったのにぃ。
僕のテイムモンス、ユキマル以外はみんな僕より大きいね。
「無事進化できたな」
「うん、相談に乗ってくれてありがとー」
「これくらい当然だ。――最初の進化成功を祝って、進化石をプレゼントしよう」
「え、いいの?」
驚いてたら、本当に進化石を渡された。見た目は水晶の欠片みたいな感じ。属性がつくと、色が変わるんだって。
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