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6章 どたばた大騒動?
219.一緒に行こう
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モンちゃんとお別れした後は、スラリンとオギンを帰還させて、アリスちゃんたちのお迎えに出発です。
まずははじまりの街へ転移。
ランドさんの薬屋の裏口に着いたから、そのままノックした。
「こーんにーちはー。ランドさんいるー?」
「――おう。久しぶりだな、モモ」
ランドさんが扉を開けてくれた。
アリスちゃんはまだ準備中らしいので、中で待たせてもらう。
「薬草と魔力草、納品するね」
「助かる。モモの農地で採れたのは、品質がいいからな~」
嬉しそうなランドさんに、たくさん納品した。お金をたくさんゲットです。まぁ、お店の利益の方がすごく大きいんだけど、こういう関係性を保つのも大切だよね。
「他に納品依頼はない?」
「そうだな……滋養草を育てられるなら、頼みたい」
「なに、それ?」
初めて聞いたアイテム名だ。
僕がぽかんとしてたら、ランドさんが「持続回復薬を作成する際に使う素材だ」と説明してくれた。
持続回復薬とは、使用すると一時間体力あるいは魔力を持続的に回復できる薬らしい。僕が持ってる自動回復スキルに似てるかも。
「滋養草の種をやるから、育ててくれないか?」
「いいよー。収穫できるまで、待っててね!」
種までプレゼントしてくれるって優しいなぁ、と思ったら、すぐにアナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション『滋養草の栽培・納品』が開始しました。達成報酬は【持続回復薬のレシピ】です〉
レシピ、だと!?
このアイテム作って、お店で売りたい! ミッション達成できるようがんばらなきゃ。
るんるんとしながら気合いを入れてたら、二階からアリスちゃんが下りてきた。今日も可愛い! 淡いピンクのエプロンドレスがよく似合ってる。僕の色に合わせてくれたのかな?
「モモ、待たせてごめんねー」
「ううん、全然待ってないよ。アリスちゃん、可愛いね」
「モモもいつも通りかわいいよ」
アリスちゃんの笑顔に癒やされる~。
「ありがと。この後、イザベラちゃんと一緒に、僕の屋敷でお茶会にするからね」
今日のお茶会のために、屋敷の二階を綺麗に飾ってきたんだ。準備万端だよ。
「たのしみ! はやく行こう!」
「うん! ランドさん、ちょっとアリスちゃんをお預かりするねー」
「おう。モモと一緒なら、不安はないぞ。アリス、楽しんでこい」
「パパ、いってきます!」
ランドさんと別れて、次に向かうのは第二の街。
イザベラちゃんが待ってくれてるはず。
というわけで、アリスちゃんを僕の転移スキルに便乗させて、出発です。
着いたのは僕のお店の前。ここで待ち合わせしてるんだ。
「――わあ、このまち、久しぶり」
「グルメ大会以来?」
「うん。これがモモのお店? うさぎちゃん、かわいいね!」
うさ耳がついたお店はすごく目立つ。アリスちゃんが褒めてくれて僕も嬉しい。
二号店がオープンした影響で、今日はお客さんが詰めかけてないみたい。騒がしいことにならなくて済んで良かった。
「ありがとー。イザベラちゃんはそろそろ来るはずなんだけど――あっ」
「モモ! 待たせてしまったかしら」
ちょうどいいタイミングで、イザベラちゃんが馬車に乗ってやって来た。シシリーと護衛も一緒だ。
今日はラベンダー色のワンピースを着て、ふんわりしたシニヨンヘアが可愛らしい。アリスちゃんと比べてみると、イザベラちゃんの方がお姉さんな感じだね。
「全然待ってないよー。会えて嬉しい!」
「わたくしもよ。そちらがアリス様かしら?」
「あ、わたし、平民だから……」
「それなら、アリスちゃんと呼ぶわね。わたくしのことはベラと呼んで。もちろん、モモもそう呼んでくれたら嬉しいわ」
再会して早々にあだ名呼び許可をもらっちゃった。
「ベラちゃんって呼ぶね!」
「わたしはベラ様って呼んでもいいですか?」
「ええ。敬語もいらないわよ。わたくしとお友だちになってほしいわ」
にっこりと笑ったベラちゃんは、前より大人になった雰囲気だ。呪いの影響がなくなって、周囲の人と上手くコミュニケーションできるようになったからかな。
アリスちゃんと仲良くなれそうで、僕も嬉しい。
「シシリーも久しぶり~」
「お久しぶりです、モモさん」
微笑みながら見守ってたシシリーとも挨拶を交わし、みんなで第三の街に移動です。
移動には空間転移ドロップ(キーリ)を使うよ。みんなにプレゼント。
第三の街の結界の影響を受けないようにするブレスレットも配った。
「準備はオッケー? それでは、キーリまでレッツゴー!」
みんなで一斉に空間転移ドロップを食べる。
一瞬後には、目の前に大きな噴水が見えた。第三の街の転移ポイントは、街中央区にある『大噴水』だったらしい。ここからなら、どの区画にも行きやすくていいね。
「まあ! 噂では聞いていたけれど、モモが作ったアイテムはすごいのね。一瞬で着いたわ」
「すごーい! このまち、ふしぎな雰囲気だね!」
きゃあきゃあ、とはしゃいでるベラちゃんとアリスちゃんに、僕も「だよねー」と一緒に盛り上がる。
シシリーたちはアイテムボックスに収納していた馬車を即座に取り出し、出発の準備を整えていた。
「モモさんのお屋敷は東区でしたよね?」
「うん。みんなで馬車に乗って観光しながら行こうね」
「ええ、楽しみだわ」
「観光案内してね!」
ベラちゃんたちに期待の目を向けられたんだけど、僕が案内できるとこって、美味しいグルメを売ってるところくらいだよ? それでいいのかな?
まずははじまりの街へ転移。
ランドさんの薬屋の裏口に着いたから、そのままノックした。
「こーんにーちはー。ランドさんいるー?」
「――おう。久しぶりだな、モモ」
ランドさんが扉を開けてくれた。
アリスちゃんはまだ準備中らしいので、中で待たせてもらう。
「薬草と魔力草、納品するね」
「助かる。モモの農地で採れたのは、品質がいいからな~」
嬉しそうなランドさんに、たくさん納品した。お金をたくさんゲットです。まぁ、お店の利益の方がすごく大きいんだけど、こういう関係性を保つのも大切だよね。
「他に納品依頼はない?」
「そうだな……滋養草を育てられるなら、頼みたい」
「なに、それ?」
初めて聞いたアイテム名だ。
僕がぽかんとしてたら、ランドさんが「持続回復薬を作成する際に使う素材だ」と説明してくれた。
持続回復薬とは、使用すると一時間体力あるいは魔力を持続的に回復できる薬らしい。僕が持ってる自動回復スキルに似てるかも。
「滋養草の種をやるから、育ててくれないか?」
「いいよー。収穫できるまで、待っててね!」
種までプレゼントしてくれるって優しいなぁ、と思ったら、すぐにアナウンスが聞こえてきた。
〈ミッション『滋養草の栽培・納品』が開始しました。達成報酬は【持続回復薬のレシピ】です〉
レシピ、だと!?
このアイテム作って、お店で売りたい! ミッション達成できるようがんばらなきゃ。
るんるんとしながら気合いを入れてたら、二階からアリスちゃんが下りてきた。今日も可愛い! 淡いピンクのエプロンドレスがよく似合ってる。僕の色に合わせてくれたのかな?
「モモ、待たせてごめんねー」
「ううん、全然待ってないよ。アリスちゃん、可愛いね」
「モモもいつも通りかわいいよ」
アリスちゃんの笑顔に癒やされる~。
「ありがと。この後、イザベラちゃんと一緒に、僕の屋敷でお茶会にするからね」
今日のお茶会のために、屋敷の二階を綺麗に飾ってきたんだ。準備万端だよ。
「たのしみ! はやく行こう!」
「うん! ランドさん、ちょっとアリスちゃんをお預かりするねー」
「おう。モモと一緒なら、不安はないぞ。アリス、楽しんでこい」
「パパ、いってきます!」
ランドさんと別れて、次に向かうのは第二の街。
イザベラちゃんが待ってくれてるはず。
というわけで、アリスちゃんを僕の転移スキルに便乗させて、出発です。
着いたのは僕のお店の前。ここで待ち合わせしてるんだ。
「――わあ、このまち、久しぶり」
「グルメ大会以来?」
「うん。これがモモのお店? うさぎちゃん、かわいいね!」
うさ耳がついたお店はすごく目立つ。アリスちゃんが褒めてくれて僕も嬉しい。
二号店がオープンした影響で、今日はお客さんが詰めかけてないみたい。騒がしいことにならなくて済んで良かった。
「ありがとー。イザベラちゃんはそろそろ来るはずなんだけど――あっ」
「モモ! 待たせてしまったかしら」
ちょうどいいタイミングで、イザベラちゃんが馬車に乗ってやって来た。シシリーと護衛も一緒だ。
今日はラベンダー色のワンピースを着て、ふんわりしたシニヨンヘアが可愛らしい。アリスちゃんと比べてみると、イザベラちゃんの方がお姉さんな感じだね。
「全然待ってないよー。会えて嬉しい!」
「わたくしもよ。そちらがアリス様かしら?」
「あ、わたし、平民だから……」
「それなら、アリスちゃんと呼ぶわね。わたくしのことはベラと呼んで。もちろん、モモもそう呼んでくれたら嬉しいわ」
再会して早々にあだ名呼び許可をもらっちゃった。
「ベラちゃんって呼ぶね!」
「わたしはベラ様って呼んでもいいですか?」
「ええ。敬語もいらないわよ。わたくしとお友だちになってほしいわ」
にっこりと笑ったベラちゃんは、前より大人になった雰囲気だ。呪いの影響がなくなって、周囲の人と上手くコミュニケーションできるようになったからかな。
アリスちゃんと仲良くなれそうで、僕も嬉しい。
「シシリーも久しぶり~」
「お久しぶりです、モモさん」
微笑みながら見守ってたシシリーとも挨拶を交わし、みんなで第三の街に移動です。
移動には空間転移ドロップ(キーリ)を使うよ。みんなにプレゼント。
第三の街の結界の影響を受けないようにするブレスレットも配った。
「準備はオッケー? それでは、キーリまでレッツゴー!」
みんなで一斉に空間転移ドロップを食べる。
一瞬後には、目の前に大きな噴水が見えた。第三の街の転移ポイントは、街中央区にある『大噴水』だったらしい。ここからなら、どの区画にも行きやすくていいね。
「まあ! 噂では聞いていたけれど、モモが作ったアイテムはすごいのね。一瞬で着いたわ」
「すごーい! このまち、ふしぎな雰囲気だね!」
きゃあきゃあ、とはしゃいでるベラちゃんとアリスちゃんに、僕も「だよねー」と一緒に盛り上がる。
シシリーたちはアイテムボックスに収納していた馬車を即座に取り出し、出発の準備を整えていた。
「モモさんのお屋敷は東区でしたよね?」
「うん。みんなで馬車に乗って観光しながら行こうね」
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