もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

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8章 新たな地へ

317.ライブに向けて

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 いろんなアレコレを見なかったことにする。
 ドラゴンの隠れ里なんて、まだまだ行けないところだし!
 時の種は、時花がどんなアイテムか気になるから、後で農地に植えておこう。

「……ドラゴンが仲間になってよかったね!」

 気を取り直して、わーいと喜んでみる。
 スラリンたちが一緒に『やったね』と喜んでくれた。みんなも仲良くしてねー。

「ストルムにも一緒にパフォーマンスしてもらうとして——まずはステータスの確認をしよう」

 忘れるところだったー。
 ということで、システムのフレンド欄からテイムモンスターを選んでステータスを確認。

——————
名前:ストルム 種族:白嵐竜ホワストドラ(40)
体力:1035
魔力:832
物理攻撃力:148
魔力攻撃力:211
防御力:359
器用さ:18
精神力:53
素早さ:61
幸運値:20
*時空系魔力が薄い空間ではステータスが半減する
*参戦可能時間は十分間。一度バトルに喚ぶと、その後二時間召喚不能になる

〈スキル〉
頭突き、噛みつく、爪撃、竜息吹ドラゴンブレス、魔術反射、竜嵐ドラゴンストーム、サイズ変更(特小・小・中・大)
——————

 ステータス高っ!? と思ったら注釈があった。
 時空系魔力が薄いところではステータス半減? つまり、普通のバトルフィールドや街中だと、示されてる数字ほどは強くないってことか。

「それでも十分強いけどね!」

 まぁ、これだけ高い能力値があるから、バトルに参加できる時間も制限されてるんだね。
 ボス戦とか、危ない場面で召喚したら心強いかも。

「ふむふむ……まぁ、一緒にライブを盛り上げてくれるならそれでいいや」

 遊ぶために召喚するのは時間制限ないからね!
 パフォーマンスで使えそうなスキル【サイズ変更】の詳細を確認する。

——————
スキル【サイズ変更(特小・小・中・大)】
 四段階の大きさに変化できる
 通常サイズは大
 小さくなると物理攻撃力が下がり、器用さが上がる
——————

 デメリットもあるんだね。魔力での攻撃力には影響がないみたいだから、あまり困ることはなさそう。

「ライブ会場でストルムに飛んでもらってー、僕やヒスイも飛んでー……やっぱりサイズ変更の魔術は絶対に習得しないと!」

 ストルムとのバランスが悪いもんね。
 よし、習得がんばろう、と符の見本を取り出したところで、スラリンが『はーい!』と体の一部を伸ばした。

「きゅぃ(僕も飛びたい!)」
「え? スラリンも? でも、スライムは飛べな——くもないか。僕の『翼を授けるドリンク』があれば……!」

 忘れていたアイテムを取り出す。
 僕がかじったニンジンを使ったアイテムだよ。別名:翼を授けるエナドリ!
 最初に作ったやつから、ちょっとずつ性能をアップさせてるんだ。

——————
【うさぎ印のエナドリver.4】レア度☆☆☆☆
 満腹度を10回復する
 食後三十分間、羽が生えて飛翔フライスキルを使えるようになる
 滞空可能時間四十五秒、クールタイム三十秒
——————

「飲んでみてー」
「きゅぃ(わーい!)」
「ぴぅ(ボクも!)」
「どうぞー。オギンにもあげるね」

 翼を授けるエナドリを飲んだスラリンたちに、小さな羽が生えた。ちょっとバランスが悪いから、この羽もサイズアップの魔術で大きくできたらいいかも?

 見映えは後で考えるとして——さぁ、みんなで飛んでみよう!

「【飛翔フライ】!」
「きゅぴ!」

 飛んだ僕に続いて、スラリンとユキマル、オギンもゆっくりと浮かぶ。ヒスイはスイスイッと飛びながら、みんなにコツを教えていた。
 みんなで飛ぶの楽しいねー。

「もっふもっふーアーイドルさまー♪」

 空中でターンして決めポーズ。
 スラリンたちも次第に飛ぶのに慣れてきて、たまに着地しながら僕の歌に合わせてポーズしたり、ダンスしたり、いい感じのパフォーマンスになってる。

 この調子なら、ライブが盛り上がること間違いなしだね!

「みんなは飛びながらのパフォーマンスを練習しててね。僕はサイズ変更の魔術を習得できるようにがんばるよ」
「キュオ(がんばってね)」

 みんなに応援されながら、符の見本を凝視する。
 これ、どうやったらコピーが上手くなるかなぁ。

「とりあえず普通に——【符:コピー】!」

 唱えるとすぐに歪んだ長方形の紙に、ふにゃふにゃの線が描かれた符ができた。見るからに、載ってるまじないが違う。

——————
【紙ゴミ】レア度☆
 符を作製しようとして失敗した
 一分後に消失する
——————

 ……失敗作が永遠に残るわけではないのは、いいことかもね!
 ちょっぴり強がってそう思いながら、改めて習得方法を模索する。

 普通にスキル名を唱えてコピーするのは難度が高い気がするんだよね。
 補助アイテムを用意した方がいいかも。

「紙と墨を自作しちゃうぞ」

 錬金術を使って【和紙】と【墨】を作ってみた。普通の紙じゃなくて和紙なのは、僕の趣味です。この方がちょっと気分上がるでしょ?

「ちゃんと符と同じサイズで作ったもんねー」

 符と和紙を掲げて見比べる。
 あ、筆もいるかも? ちゃちゃっと【猪毛の筆】を作って、いざ符コピー再挑戦だ。

「よーく見ながら——【符:コピー】!」

 和紙と筆、墨がふわっと浮かび上がって宙で滑らかに動き始めた。
 魔法で動かしてるみたいで面白ーい。ファンタジーだねー。

 少し待つと、和紙でできた符らしきものが完成した。載ってるまじないも、見本とそっくりに見える。
 鑑定してみよう。

——————
【+1サイズアップ符(和紙)】レア度☆☆☆
 和紙でできた符
 貼った対象の大きさを一回り大きくする
——————

 お、完成した? そういうことでいいよね?

「やったー! この調子でミッションクリアしちゃうぞ」

 気合いを入れ直して、再度符作製に取り掛かる。

 たまに失敗しちゃうけど、紙とかを用意してない時と比べて圧倒的に成功率が高い。やっぱり無から有を生み出すのは難しいってことかな。

 着々と符を作製していき——

「符十枚コピー完了!」

 あっという間にミッションクリアができる状態になった。あとはこれを提出するだけ。

〈スキル【符作製】のレベルが2になりました。【符:コピー】の成功率が上がります。【符:まじない作製】スキルを使用可能になりました〉

——————
スキル【符:まじない作製】
 スキル【符作製】の派生スキル
 習得している魔術やスキルを符にすることができる
——————

 レベルが上がったー! 成功率がよくなったのは純粋に嬉しい。紙とかを用意しなくても作りやすいのかな。
 それに新たに派生スキルを覚えられたし、今度試してみようっと。

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