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4 魔女と代償
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モツステーキなるものを食べている少女ともう一人、落ち着いた雰囲気の女性はその大穴の目の前でピクニックをしているようだ。口からはみ出すほど肉を頬張る少女とは対照的に女性はサンドイッチを咀嚼している。
この女性の方が人食い魔女だろうか?
私は彼女らの方へ走り寄った。
一刻を争うのだ。
ここまで来るのに時間を取られてしまった。
「すいません!!」
何といえば良いか。とりあえずでも何でも話しかけないことには始まらない。
「おやおや、お客さん。遅かったね」
「ふぉふぉははっへふへ」
女性が愉快そうに、少女は飲み込みつつ私の方を向いた。
「私としても、お客さんから既に代金はもらったものだから何でも叶えてやるよ」
「おいしいです!!」
魔女には何でもお見通しなのだろうか。
「では私の娘の病気を治していただけないでしょうか?」
「ああ、お安い御用さ。ただし寿命は変えられないよ? それは神さまの所業さ」
魔女はそう言うと少女と私を残して家の中に引っ込んでしまった。少女は私をチラチラ見ながら食事を続行した。……リスのように頬袋を作っている。
私はポケットの中にあるものを握りしめた。
人食い魔女の名は、願いと引き換えに命を奪うことから。国中に広まっている噂話だ。魔女の住む森に足を踏み入れたものは願いを持つものは一つの例外なく戻ってはこなかった。
「いやっははは。片づけは大事だねぇ」
崩れた壁の影から魔女が笑いながら出てきた。手には水晶。
「だんひゃいれふね」
「断捨離なぁー。断る!!」
水晶を日に透かして見ながら、魔女は私に向き直った。
「魔女除けなんて効かないよ。とりあえず、娘さんの病気は治りましたー♪ 良かったね。ほらこの水晶を見てね」
そんなすぐに病気が治るものなのか?
魔女は疑う私に水晶を差し出した。
水晶の中には家に残してきた娘がいた。
ぐったりとして動かない。
「まさか、殺したのか?」
「いんや? そんなことしないよ。よく見てなって」
ぐったりとした娘に気づいた妻が焦り、必死に看病を始める。予断を許さない状況が続き、夜明けが来た。娘の顔色は見る間に良くなっていった。
「娘さん流行り病だったねぇ。大丈夫病気は治したよ」
「ちょっと待ってくれ。今の一瞬でどうして証明になるんだ。水晶に映像を流しただけじゃないのか?」
魔女は疲れた顔で私を見ると、ため息をついた。
「君らがいた時間軸とここは少し違うのさ。女の子に会っただろう? あの子が本当の人食い魔女だったものさ」
「おじさん。おじさんが娘さんを救うためにここに来たでしょ。娘さんの病気が治った後、奥さんが働きはじめた。それでも今まで借りたお金は返せなかったでしょ? お医者のお金と薬のお金とかさ。それで普通に働いても稼げないし、働き口も少ないしで結構苦労するみたい、奥さん。でも良かったね、綺麗な奥さんで」
肉を食べ、一息ついた少女が私に向かって悲しそうな顔をする。口元は肉汁で汚れて口角がこれでもかと上がっている。
「おじさんおいしいね」
「願いは叶えてやったよ。家に帰るなり好きにすると良い。困ったときは神に祈ることだ」
女性はパチンと指を鳴らした。
「まあ何だ。素直に帰る奴は今までいなかったし、あんたもそうなんだろうな。送ってやるよ」
頭がくらくらする。
立ちくらみの感覚に似ていた。
この女性の方が人食い魔女だろうか?
私は彼女らの方へ走り寄った。
一刻を争うのだ。
ここまで来るのに時間を取られてしまった。
「すいません!!」
何といえば良いか。とりあえずでも何でも話しかけないことには始まらない。
「おやおや、お客さん。遅かったね」
「ふぉふぉははっへふへ」
女性が愉快そうに、少女は飲み込みつつ私の方を向いた。
「私としても、お客さんから既に代金はもらったものだから何でも叶えてやるよ」
「おいしいです!!」
魔女には何でもお見通しなのだろうか。
「では私の娘の病気を治していただけないでしょうか?」
「ああ、お安い御用さ。ただし寿命は変えられないよ? それは神さまの所業さ」
魔女はそう言うと少女と私を残して家の中に引っ込んでしまった。少女は私をチラチラ見ながら食事を続行した。……リスのように頬袋を作っている。
私はポケットの中にあるものを握りしめた。
人食い魔女の名は、願いと引き換えに命を奪うことから。国中に広まっている噂話だ。魔女の住む森に足を踏み入れたものは願いを持つものは一つの例外なく戻ってはこなかった。
「いやっははは。片づけは大事だねぇ」
崩れた壁の影から魔女が笑いながら出てきた。手には水晶。
「だんひゃいれふね」
「断捨離なぁー。断る!!」
水晶を日に透かして見ながら、魔女は私に向き直った。
「魔女除けなんて効かないよ。とりあえず、娘さんの病気は治りましたー♪ 良かったね。ほらこの水晶を見てね」
そんなすぐに病気が治るものなのか?
魔女は疑う私に水晶を差し出した。
水晶の中には家に残してきた娘がいた。
ぐったりとして動かない。
「まさか、殺したのか?」
「いんや? そんなことしないよ。よく見てなって」
ぐったりとした娘に気づいた妻が焦り、必死に看病を始める。予断を許さない状況が続き、夜明けが来た。娘の顔色は見る間に良くなっていった。
「娘さん流行り病だったねぇ。大丈夫病気は治したよ」
「ちょっと待ってくれ。今の一瞬でどうして証明になるんだ。水晶に映像を流しただけじゃないのか?」
魔女は疲れた顔で私を見ると、ため息をついた。
「君らがいた時間軸とここは少し違うのさ。女の子に会っただろう? あの子が本当の人食い魔女だったものさ」
「おじさん。おじさんが娘さんを救うためにここに来たでしょ。娘さんの病気が治った後、奥さんが働きはじめた。それでも今まで借りたお金は返せなかったでしょ? お医者のお金と薬のお金とかさ。それで普通に働いても稼げないし、働き口も少ないしで結構苦労するみたい、奥さん。でも良かったね、綺麗な奥さんで」
肉を食べ、一息ついた少女が私に向かって悲しそうな顔をする。口元は肉汁で汚れて口角がこれでもかと上がっている。
「おじさんおいしいね」
「願いは叶えてやったよ。家に帰るなり好きにすると良い。困ったときは神に祈ることだ」
女性はパチンと指を鳴らした。
「まあ何だ。素直に帰る奴は今までいなかったし、あんたもそうなんだろうな。送ってやるよ」
頭がくらくらする。
立ちくらみの感覚に似ていた。
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