目立ちたくない英雄はコッソリ世界を救いたい

四畳半

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第5話 本格始動の準備

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一晩明けてじっくりと考える事にした

あの女性…ミケの事は今考えても意味は無さそうだから、まずは今後の活動について考えた方が良いな

う~ん…そうだ!今回の教訓を元に姿を消すだけではなく、顔を覆面等で隠しておこう

それに声も変えて出せる様にしておいた方が良いだろうな

作る前にイラストで想像した物をイメージしてみるか

まずデザインは頭や顔の全体を覆う様にして、移動の際に抵抗を無くしたいので流線形にしよう

色は夜に目立たない様に黒っぽい方が良いかな?

……こんなの感じのマスクでどうだろうか?

なかなか良い出来栄えだな

このマスクに、土3R・水2R・風2R・火1Rを合成させて声を変えられる様にしたものを付与させ、俺が発した声が任意の声になって相手に聞こえる様にしよう

服装は…そうだな、やはり黒を基調として動きやすい格好が良い

体型や身長等も多少誤魔化せる様にマントも付けるか…

全て身に付けるとこんな感じかな?

……ん?何処かで見た事がある様なシルエットになってしまったな…

大体身を隠す為の物は同じ様なデザインになるものさ…

…まぁとりあえずこんな感じの格好で今後は活動して行こう

実物を作るのは明日以降で良いだろう

そうして俺はいつも通り生活をして1日は過ぎていった

翌日、学校終わりにこっそりと昨日の場所にやって来た

…どうやらあの結界のお陰で周りには被害が無かった様だ…

多少あちらこちらに傷が付いている程度だから問題は無いだろう

…そう言えばあのミケという女性は何処から来たのだろうか

俺より早く戦っていたと言う事は、この付近で生活しているのはずなんだよな…

…っていかんいかん、自分から言ったのに相手を詮索してどうする

…………だがどうしても気になる

それもその筈、この世界ではたった1人で戦っていると思っていたが、まさかこの不可解な現象に立ち向かっている人間が他にいたとは…

何故今まで気が付かなかったのだろうか?

そういえば聖霊術は魔力を使った魔法とは違うから魔力感知だけだと難しかったんだっけ?

近くまで行かないとその魔力を正確に測る事も出来ないしな…

だとしても、今まで全く気が付かないのは何故なんだろう…

俺はおそらくこの事が引っ掛かっていたのでミケの事が気になっていた

少し調べておこうか…

また今回の様な事が起きかねないからな

俺は現代の聖霊術師の事を調べるついでに、他にも似たような家系や組織・宗教団体等が無いか探ってみた

表立って活動はしていない筈だから、魔力感知を今まで発せられなかった(というか感知出来ていなかった)力を探れる様にリゾンを組み換えた

今までの魔力感知用の地図はそのままに、もう1つの地図を使い今度は聖3R・邪1R・火2R・土2R・風1Rを合成させ聖霊・占星・神通力等、通常では感知し辛い魔力に反応出来る物を造り、付与させた

…おっ?早速反応があったぞ

西部に反応がある、これは…あのミケという女性と会った場所に近い反応だな

おそらく彼女の住処なのではないか

魔力探知だけでは分からなかったが、かなり反応は大きい

強くは無いが結界も貼ってある様だな

もしかしたら特定の人間がこの場所に集まっているのか?

大きな反応の周りに小さな反応が幾つもある様に見える

それに反応がある場所は、家屋がある様な場所ではなく、山間部でしかも地下に集中していたからだ

その他には…北部に2箇所、東部には無し、西部には更に1箇所…これはミケ達のもとは違う反応がある様だな

そして南部に3箇所

今分かるのは全部で7箇所って所だな

ミケ達の所と比べると他箇所の反応は小さい

活動自体抑えているのか、それとも何かしらでカモフラージュしているのかは分からないが、どれもそれなりに発展している市街地に反応があるので勢力的に行動している様には思えない

実際不可解な現象は北部と南部では起きていない筈なので、動きがあるとすれば西部の2箇所だろう

ミケのいる勢力は不可解な現象が起きているエリアに入っているので、それなりに活動しているのだと思った

西部にあるもう1つのは…これは占星術の反応かな?

現象の発生エリアには入っているが、反応は大きく無い様だ…

…『占星術師』か

そう言えば前の世界で俺を視た占星術師が掛けられた呪いの発動条件を教えてくれたんだっけ

この世界の占星術師は俺の事をどう視てくれるのか…

…でもあまり色んな人間と接しない方がいいかな…

しかし、呪いを解く方法が分からない以上自分1人では限界を感じているのも事実だし…

どうするか迷いながら学校に通い日々の生活を送っている

あっそうだ、今更思い出したんだがそう言えばもうすぐ修学旅行だな

不可解な現象にも対応しているので、今回は適当な理由を付けて不参加にしようか考えたが、なんと!修学旅行の場所が占星術師のいる地域の近くだった

これは…流石に都合良過ぎではないか?

そんな、マンガじゃあるまいし

…だが事実は事実として受け止めよう

と言う事は、修学旅行生として自然に接する事が出来れば何とかなるかもしれない

1人でフラッと寄って接するよりかは目立たないだろう

そうと決まればそれなりの準備をしよう

そして準備を進めて行く内に2週間程が経ったある日の夜、魔力感知地図が反応した

…この反応は北の方か

北方には不可思議な現象が起きていなかったので初めての反応だった

北部で感知したのは初めてだ…不可解な現象がひろがって来ているのか?

そう考えたが、まずは対処する方が先決だろう

…良し、丁度変装用のコスチュームが出来上がった所だから早速お披露目と行こう

俺はコスチュームをリュックに詰め、親の目を盗み人気の無い場所まで移動した

…着替える為にいちいち抜け出すのは面倒だな…

着替える方法とかを考えないといけないな…

とりあえず今は早く着替えて現象に対応しなくてはいけない

人目につかない所で着替えた俺は改めて『……大丈夫だよな…』と心の中で呟いた

このコスチュームは思ったより着心地が良く、移動の際には空地抵抗が少なくなってスムーズだ

「あっ、あぁ~」

良し、ちゃんと声も変わってる

これで声を聞かれたとしても俺の正体がバレる事は無いな

隠匿魔法を使っているので移動中の姿を見られる事は無いが、前よりか安心感があった

そうこうしている内に反応があった箇所に着いた

森の奥深く、人が通る事は無さそうな鬱蒼とした草木をかき分けそれは見つかった

どうやら空間にゲートの様な物が発生しているみたいだな…

「良かった、まだ発生してそんなに時間が経っていなさそうだな」

周りを見ても誰かが巻き込まれたりしている感じは無いし、モンスター等の気配も無い…

この手の現象はあまり多くは無いが、このままにしておくとゲートの先から色んなものが出入りしてしまう

最悪人が迷い込んでしまうと神隠しの様に2度と帰って来れなくなる可能性もある

この手の物は見つけたら早く対処するのが吉

このゲートを消滅させるには、不安定になっている魔力を中和させ元の状態に戻すのがセオリーだ

俺は、光4R・闇3R・火1R・風1Rを合成させ魔力中和を作り空間に付与させる

そうする事によって、乱れた魔力を安定させこのゲートを閉じる事が出来る

この中和魔法はその他にも空間や物体に掛ける事で、魔力を使用したトラップを解除出来る他、生物に対しては精神に影響する拘束・魅了・支配系の魔法も解除出来るものだ

ん?これで呪いは解けないかだって? それは無理だろう

魔力と呪力は力の根源が違う為、魔力には魔力、呪力には呪力、更には聖霊力に対しても聖霊力で対抗しなければあまり効果は無い

力関係によりこの法則は覆す事も出来るが、基本的には難しい

そんな中で俺の持つ【合成】スキルは有能だ

魔力と精霊力を合わせて1つの魔法を生み出せるのは世界を探しても俺位だろう

だからこその異世界無双を成し遂げられたのだ

だが、この力のせいで呪われてしまったと言っても過言では無いんだけどね…

っと、こんな事を語っている場合じゃないな

現象が無くなったのなら早く帰らなくては…

流石に長い間いないとなると問題が起きてしまうからな

急いで着替え、俺は家路についた

部屋に戻った俺はコスチュームについて考える事にした

「このコスチュームは、想像通りの機能性を発揮してくれているが、着替えるという手間があるな…」
「……そうだっ!このコスチュームに魔法を合成したものを付与させて、着替える際は別の魔力で俺の身体に付与させる事で、《着替える》から《装着する》にしてみよう!」

まずはコスチュームに水と風の魔法で液体の様な状態に変化させた物を圧縮魔法で瓶に詰める

使用する時は瓶の液体を俺の身体に風魔法を使い纏わせると同時に圧縮魔法を解除

纏わせた状態の液体に風と土の魔法を使い元の状態に戻した後、更に土魔法で体に固定して装着する

…おお、うまくいったな

土の魔法を使った事で見た目が少しアーマーっぽい感じに変わっていたが、これはこれで中々良いデザインになったな

これならどこでも瞬時に着替える事が出来そうだ

後もうひとつ、俺がいない間に親が部屋に来た時にも備えられる様に、水と風を合成して水晶体を造りその水晶体に生体感知を付与する

更に水晶体を俺に似た形にしておいて寝床に置いておく

これで俺が部屋に居る様にカモフラージュ出来るだろう

よっぽどの事が無い限り親が俺の部屋に入ってくる事は無いが、呼びかけられた時用に部屋の中に反射膜を作り出し、俺の声に似せた電気信号が出る様にを付与させる

俺が離れた場所から声を出すと、反射膜に電気信号が飛び、その跳ね返った電気信号が言葉となって発生する様にしておく

携帯電話とかの理屈を俺なりに魔法で造り上げるという事だ

…よしっ、出来た

試しに声を掛けてみよう

「もしも~し」

声を掛けると俺の耳に同じ声が聞こえた

今度は声を飛ばしてみる

「聞こえてるよ~」

俺が出した声を飛ばせる魔法を使う事で、離れている所でも会話が出来る様になる

殆どのシチュエーションはこれで対応出来るだろう

そうして俺は様々な魔法を組み合わせ、どんな状況も対応出来る様に考えていった

目立たないというか、親にばれない様にするにはこんなにも大変なのか…とつくづく思った

 第6話に続く
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