目立ちたくない英雄はコッソリ世界を救いたい

四畳半

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第6話 動く運命

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そしてあっという間に修学旅行当日を迎えた

不可解な現象は今の所まだ2~3週間に1回程度の発生率だ

その間に何回かミケに遭遇しそうになったが何とか見つからない様に対処した

今回の修学旅行先は確か神戸だったな…

…と言う事は、ミケは関西の人だったのか

にしても特有の訛りがあった様には見えなかったが

っと、今はそんな事を考えている場合じゃないな

修学旅行はというと、1日目は寺や神社を周りその時代に何があったとか、建物が建築された経緯等を聞いた

まぁ既に最初の人生(?)で聞いた事のある内容だったから話半分だったけどね

宿泊先の旅館に帰る前に自由時間かあるので、それをを利用して俺は占星術師の反応があった場所に向かう事にした

クラスメイトに単独行動するのを疑問に思われたが、適当に誤魔化した

目的地に着いたが、ここはどうやらここは俗に言う占いの館だ

何人か占い師がいるようだが、俺は反応のあった目当ての人物を見つけ対峙した

その占星術師は男性で、シュッとしている爽やか系のお兄さんという感じだった

そして席に付き顔を見合わせると、占星術師が徐に、

「…やっと来ましたね」
「そろそろだとは思っていましたが」
「まずは、初めましてと言うべきでしょう」

と、まるで来るのが分かっていた様に言った

俺はその言葉にギョッとしたが、とぼけて

「な…何の事ですか?」

と言い、それを受けた占星術師が、

「…私に対して誤魔化す必要は無いと思いますが……まぁいいでしょう」
「…それで?貴方の知りたい事は何ですか?」

と言われたので、俺は怖がるふりをしながら本題を切り出した

「…最近身の回りで変な事が立て続けに起きていて…もしかしたら僕は呪われてるんじゃないかと不安になってきたんです…」
「それで近くまで修学旅行に来た折角の機会に視てもらおうかと思いまして…」

少し誤魔化しつつ呪いを解く為のヒントを求めていた

すると占星術師は、

「………あなた……それは“いつ”からですか?」
「いや、“いつ”からと言うより“どの時代”からの方が具体的かもしれませんね…」

俺は心臓が飛び出そうになる位驚いたが、とぼけてみせた

占星術師は続けて言った

「あなた自身が既に分かっている様ですが、確かに呪いが掛かっています」
「…これはかなり特殊で難解な呪いですね…」
「……正直に言ってもらうと良いのですが、『何回目』ですか?」
「私の占星術ではこの呪いに『輪廻』が組み込まれているのがわかります」
「この『輪廻』が組み込まれた呪いは厄介で、条件を満たすと自動的に呪いが発動するんです」

…流石は俺が感知出来る程の占星術師だ

少し対峙しただけでここまで分かるとは…前の世界の占星術師より力があるのは直ぐに分かった

俺は本当の事を全て話してもっと詳しく視てもらおうかと思ったが、どの程度の事を探れるのかもう少し待ってみよう

「…呪い?の事は分からないですが、最近夢に変な魔法使いが出て来て『お前は永遠に安息を得ることは出来ない』って言ってくるんです」
「とても不気味で恐ろしい感じでした…」

と俺が言った所、

「…それは魔法使いではなく呪術師です」
「正に貴方へ呪いを掛けた張本人でしょう」
「この世界には殆ど存在はしていませんが、特殊な方法で相手に呪いを掛ける事が出来る術師です」
「貴方はこの呪術師にとても厄介な呪いを掛けられてます」
「何か恨みでも持たれるような事をしたんですか?」

と言い、少し意地悪な視線をこちらに向けてきた

「…心当たりは…無い(ある)です」

と答えたが、少し声が震えてしまった

占星術師はその様子を見て悟ったのか、

「…ふぅ…やれやれ」
「ここまで言ってもまだ本当の事を言わないつもりですか?」
「…何処まで自分の置かれた立場を理解しているのかは判りませんが、私に話しても『条件』には達しないので気にする必要ありませんよ?」

っ!?『条件』!呪いが発動する条件までこいつは分かっているのか?

俺は驚きを隠すことが出来なかった

一瞬の驚きを経てこの占星術師の言葉に覚悟を決めた俺は

「………分かりました、全て話します…」

ここまで来たらもうこの占星術師を信じて話すしか無いと思った俺は、最初の転生をした世界から今までの事を話した(ミケの事は黙っておこう)

話しを聞いた占星術師は、

「……流石に驚いた、ある程度は視えていましたが、まさかここまでとは…」
「にわかには信じ難いですが、貴方が存在している事が証明でしょう」
「…そういえばまだ名乗ってはいませんでしたね」
「私の名前は『領条院(りょうじょういん)タズキ』」
「我が領条院家は代々占星術を生業としているんです」
「もし宜しければ貴方の名前を教えもらえないかな?」

と言われた

俺は正直に話そうか迷ったが、

「…呪いの事を分かってくれるなら、出来るだけ本名は名乗りたく無いんです」
「ですのでとりあえず『デミス』と覚えてもらいたいです」

そう答えた

タズキは『フゥ』と溜息をした後、

「まぁ私に話した所で問題は無い筈ですが、貴方の都合も分かりますので、今後は『デミス』君と呼ばせて頂こうかな?」
「それでデニス君は何を目的として私の所に現れたのかな?」

おれは単刀直入に、

「呪いの解き方」

と答えた

「…そうですか、解呪の方法を聞きに来たのはおおよそ検討ついてました」
「もしかしたら聞いた事があるかと思いますが、解呪を行えるのは専門の術師のみです」

…ここの世界でも簡単には解くことは難しいという事か…

「…その解呪術師はどこにいるか分らないですか?」

と聞くとタズキは真剣な面持ちで、

「デミス君の掛けられている呪いを解ける程の術師は簡単に見つけられるのは正直難しいですね…まずこの日本にはいないでしょう」
「しかし、必ず存在はしています」
「私の占星術を用いて分かる事は殆ど日本国内に限られますが、条件さえ揃えば国外であっても探し出す事は可能かもしれません」
「その方法の1つは、私と同じ様な力を持つ者に会い、感覚を共有させる事で占星術をより広範囲で視る事が出来ると思います」
「…実際に私自身が試した事はありませんが、代々占星術師である我が領条院家の歴史には国外での逸話も存在しています」

……話が壮大になってきたな…ん?まてよ、この話の流れって…

何かを感じた俺は意を決して聞いてみる

「タズキさん…話しの途中ですみませんがちょっと良いですか?」
「……それはつまり、『一緒に呪いを解く旅に出よう』と、言っているんですか?」

と俺が言うとタズキは少し困った顔で、

「…まぁそういう事に…なりますね」

イヤ、まてまて…俺はこいつと今日初めて会ったんだぞ?

いくら占星術で俺の事を知っていたかといって、いきなり『旅に出よう』は無いだろう

このままでは話しがドンドン進みそうな気がしたので俺は、

「…あの、確かに僕は色々知りたかった…それにきっと今後も僕の助けになってくれると思ってます」

と前置きをしつつ、

「…ちなみに、その国外で探すって言うのはいつからですか?」

何となく答えは分かっていたが聞いてみた

「今からでしょうね?」

…やはり想像通りの答えが返って来た

改めて俺は話し続ける

「タズキさん…まずは僕の話しを聞いて下さい」
「僕は今、中学校の修学旅行でここに来ています」
「今日は限られた自由時間の中であなたに会いに来ました」
「呪いを解く……確かに僕の目的はそこにありますが、それと同時に『人に注目されない・目立たない人生を送る』というのも目的の一つにあります」
「今、僕が突然呪いを解く旅を始めたらどうなるでしょうか?」
「まず怪しまれるでしょう」
「40歳までに世界中の何処かにいる解呪術師を見つけ、無事に呪いを解ければ良いですが、もし見つからない・呪いが解けないとなると発動した呪いで死んでしまう」
「リスクは少しでも減らしておかないといけません」

ここまで言うとタズキが、

「デミス君…あなたの呪いは単にあなたの命が失われるだけでは無く、その呪いの影響で身の周りに異変が起きているのですよ?」
「一刻も早くその呪いを解かないと、これからどんな被害が出てもおかしくないでしょう」

うっ、言い返せない…確かにその通りだった

まだそんなに不可思議な現象の頻度は高くないが、今後は分からない

呪いが解けるなら早目に行動しておくのが正解だろう

「確かにそうですが……タズキさん、少しだけ時間を下さい」
「突然自分の子供がいなくなってしまうと両親が悲しみます」
「そうですね……2ヶ月まって下さい」
「何とかして極力自然な形で旅に出る方法を考えます」
「旅に出るならそれなりの準備もしたいので…」

そう言うとタズキは、

「本来ならどちらを優先するべきか分かるはずですが、私も人の子、その気持ちは分かります」
「…では2か月後、再びここへ来て下さい」
「私もそれなりの準備を進めておきます」
「それとも私からあなたの所に行きましょうか?」

と言ったので俺は手を前に出し軽く首を横に振り、

「僕には特殊な能力が元々あるので問題ないです」
「約束の日には僕がここに来ます」

そういうとタズキが関心した様に、

「…なるほど、『何回か』経験をしているという事は普通ではないという事ですね」

ちょっといきなり話し過ぎたかな?そう思ったが、おそらくタズキはそれなりに分かっているのだろう

「僕の連絡先はこれです」
「家には両親がいますので、なるべく掛けて来て欲しくは無いのですが…」

と俺が前置きをしつつ連絡先を教えると、

「…分かりました」
「よっぽどの事が無い限り、こちらからは連絡はしません」
「それと、こちらが私の連絡先です」
「私の方は何時でも連絡してもらっても構いませんので、何かありましたら連絡下さい」

とお互いに教えあい、その場を後にして宿泊先に戻る事にした

戻る最中に少し疑問に思う事があった

『あのタズキと言う人…』
『いくら先が視えてたと言っても、あんな落ち着いた感じで接する事って出来るのか?』
『それに…精霊力の中に少しだけど《ゆらぎ》を感じた…』

あまり深く考え過ぎてもいけないとは思っていたが、結局そんな事を考えながら戻って行ってしまった

少し長く話し過ぎた様で、宿泊先に帰る時間が遅くなってしまっていた

 第7話に続く
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