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あれからわざわざ場所を移動した。
高級ソファセットがドンと置かれた部屋だ。ここは後宮内にある応接室のような所だろうか。
王様は脚を組み、腕を組み大きな体を大きなソファに深く沈めている。
胸元の合わせをゆったりと大きく寛《くつろ》げた着物のような衣装のため、組んだ腕の間からは鍛えあげられた胸板とシンプルな何連かの胸飾りがのぞいている。
そして、黄金色の長い髪を後ろに流し、美しい顔で冷たく見下ろされる。
その後ろには制帽を目深に被り、紺の制服を着た近衛兵が二人。
一方、私は、私が六人は座れそうな三人掛けの大きなソファの真ん中に一人っきりで、テーブルを挟んで王様の正面にちょこんと座っている。
私は『瑞兆』とはいえ、所詮は外国からもらっただけの貢物だ。ほぼ初対面の私に何故ここまで不機嫌になるのかが分からない。こんな小娘相手に物々しいっ!姫君たちにはあんなに機嫌よく話していたのに。
「ベールを取れ。」
とてもいい声だが、感情が何もこもっていない。
言われた通りベールを取る。
黒髪はこの異世界に来てから伸ばし続けて腰の長さまで伸びた。瞳はカラコン要らずの黒目!私が持ってる物なんてコレだけだよ!
王様とを隔てるベールを取り、直《じか》に対峙するとその大きさ、二人の近衛兵を背にした王様としての威厳、そして冷たい眼差しというプレッシャーが容赦無くのしかかってくる。少しでも弱気になれば体が震えてしまい、何も言えなくなりそうだ。
私は、負けるな!と自分に言い聞かせながらお腹に力を入れて王様を見返した。
王様は何も言わず、微動だにもせず無表情な顔で唯じっと私の顔を見ている。
「…………………。」
耳が痛いほどの沈黙。
あの舞踏会の時のよう。また心が折れそうなんですけど。
もうその圧いいから止めて。
あ、王様、左目の下に小さな泣き黒子がある。ますます美人だね。
ま、そんなことはどうでもいいか。
とにかく、挫《くじ》けていられない!話を聞いてもらわないと!
「あの、」
王様に仕えるなんて、やったことないから分からない。自分の所為《せい》で誰かがどうにかなるのが嫌なだけ。だからそれを伝えたい。
「護衛をひとり欲しいか……」
私が話を切り出そうとすると、王様が冷たくそう後に続けた。
確かにそうだけど、言い方を間違えたんだってば。
「はい、だからそれは、復っ」「私が死ななくてがっかりしたか?」
話を続けようとすると、王様がまた割り込んでくる。
相変わらず感情がこもらない平坦な声。
護衛さんのことと意味が繋がらず、一体何のことを言われているのかわからない。
死ぬ?
「え?」
それまで無表情だった王様は私の鈍い反応にイラついたように眉を寄せた。
「わざわざ後宮まで出て来て、私の殺られ具合をそれほど自分の目で確かめたかったのか、と聞いている。」
一瞬何を言われたのか分からなかった。
なんで殺られ具合を確かめに行ったことになってるの?王様が襲われたって聞いたときは、むしろ心配して行ったのに。
「そんなこと思っていません!」
私の反論に王様は鼻先でふっと笑った。
「『瑞兆』と言えどもただの女か。よく見えておったぞ。私が無事だと分かると慌てて護衛の腕をとって戻っていく姿がな。随分仲良くなったものだ。」
はあ?護衛の腕を取る?えーと、私、取ったの?全然覚えてない。
「違います!そんなこと、」
護衛さんの腕を取ったのかも覚えていない私がなんと言い返そうかと言い淀んでいると、王様の小さな独り言が聞こえた。
「随分怯えていたから…らしくもない………。落ち着くまで気長に……」
え?え?怯えてたって……
気長に……何?
「私が死ねばあの護衛を連れてここを出られるとでも思ったか?そのなりでは二人で何処へ行こうともこの世に安住の地はあるまい。」
私を浅はかな奴だと嘲笑う。
えーと、えーと、護衛さん・王様襲撃・見に行った私・護衛さんの腕を取るを繋ぎあわせると……私が護衛さんのことを好きになって一緒にいたいから後宮で王様が襲われたと聞いて喜んで見に来ていた。そして、死んでない王様を見て、「王様がいなくなれば後宮も解散だから好きなあなたと一緒になれたはずなのに。死んでないじゃん!もう!あ、やっば、王様こっち見てる!戻りましょっ!」てな感じで護衛さんの腕を取ってたんだろ!お前は!ってこと?
……何?その四コマ漫画。
確かにここは後宮だから王様以外の男性に興味を持っちゃダメなのはわかるよ。護衛さんの顔を見ようと思っただけで侍女さんに怒られたし。
でも、これは全くの濡れ衣だ。王様の妄想だ。
つまり、私が邸宅から勝手に出たせいで護衛さんが責任取らされたんじゃなくて、王様の勝手な思い込みで罰せられたってことじゃない!?
何それ!そんな誤解、絶対に納得いかない。
ここの女性たちはそれでも仕方ないと思うのかも知れないけど、私はこの世界の人間じゃないもん!
「それは誤解です!私はただ……」
あ、ちょっと待って、こんな誤解をしているならあの護衛さん大丈夫なの!?
「……あの、護衛のひとは無事なのですか?」
ふと思い当たった護衛さんの安否が気になり思わず口にしてしまった。
しまった、と一瞬口元を抑えたが遅かった。
「まだ言うかッ!!」
イラついた程度の感情は見せていた王様がいきなり大声を上げ激昂した。
勢いで立ち上がった王様は美しい顔を歪め、憤怒の形相で私を見下す。黄金色の長い髪が顔に陰をつくり、エメラルド色の瞳が怒りでギラついている。
「お前などもう要らぬ!後宮に部屋を移せ!」
高級ソファセットがドンと置かれた部屋だ。ここは後宮内にある応接室のような所だろうか。
王様は脚を組み、腕を組み大きな体を大きなソファに深く沈めている。
胸元の合わせをゆったりと大きく寛《くつろ》げた着物のような衣装のため、組んだ腕の間からは鍛えあげられた胸板とシンプルな何連かの胸飾りがのぞいている。
そして、黄金色の長い髪を後ろに流し、美しい顔で冷たく見下ろされる。
その後ろには制帽を目深に被り、紺の制服を着た近衛兵が二人。
一方、私は、私が六人は座れそうな三人掛けの大きなソファの真ん中に一人っきりで、テーブルを挟んで王様の正面にちょこんと座っている。
私は『瑞兆』とはいえ、所詮は外国からもらっただけの貢物だ。ほぼ初対面の私に何故ここまで不機嫌になるのかが分からない。こんな小娘相手に物々しいっ!姫君たちにはあんなに機嫌よく話していたのに。
「ベールを取れ。」
とてもいい声だが、感情が何もこもっていない。
言われた通りベールを取る。
黒髪はこの異世界に来てから伸ばし続けて腰の長さまで伸びた。瞳はカラコン要らずの黒目!私が持ってる物なんてコレだけだよ!
王様とを隔てるベールを取り、直《じか》に対峙するとその大きさ、二人の近衛兵を背にした王様としての威厳、そして冷たい眼差しというプレッシャーが容赦無くのしかかってくる。少しでも弱気になれば体が震えてしまい、何も言えなくなりそうだ。
私は、負けるな!と自分に言い聞かせながらお腹に力を入れて王様を見返した。
王様は何も言わず、微動だにもせず無表情な顔で唯じっと私の顔を見ている。
「…………………。」
耳が痛いほどの沈黙。
あの舞踏会の時のよう。また心が折れそうなんですけど。
もうその圧いいから止めて。
あ、王様、左目の下に小さな泣き黒子がある。ますます美人だね。
ま、そんなことはどうでもいいか。
とにかく、挫《くじ》けていられない!話を聞いてもらわないと!
「あの、」
王様に仕えるなんて、やったことないから分からない。自分の所為《せい》で誰かがどうにかなるのが嫌なだけ。だからそれを伝えたい。
「護衛をひとり欲しいか……」
私が話を切り出そうとすると、王様が冷たくそう後に続けた。
確かにそうだけど、言い方を間違えたんだってば。
「はい、だからそれは、復っ」「私が死ななくてがっかりしたか?」
話を続けようとすると、王様がまた割り込んでくる。
相変わらず感情がこもらない平坦な声。
護衛さんのことと意味が繋がらず、一体何のことを言われているのかわからない。
死ぬ?
「え?」
それまで無表情だった王様は私の鈍い反応にイラついたように眉を寄せた。
「わざわざ後宮まで出て来て、私の殺られ具合をそれほど自分の目で確かめたかったのか、と聞いている。」
一瞬何を言われたのか分からなかった。
なんで殺られ具合を確かめに行ったことになってるの?王様が襲われたって聞いたときは、むしろ心配して行ったのに。
「そんなこと思っていません!」
私の反論に王様は鼻先でふっと笑った。
「『瑞兆』と言えどもただの女か。よく見えておったぞ。私が無事だと分かると慌てて護衛の腕をとって戻っていく姿がな。随分仲良くなったものだ。」
はあ?護衛の腕を取る?えーと、私、取ったの?全然覚えてない。
「違います!そんなこと、」
護衛さんの腕を取ったのかも覚えていない私がなんと言い返そうかと言い淀んでいると、王様の小さな独り言が聞こえた。
「随分怯えていたから…らしくもない………。落ち着くまで気長に……」
え?え?怯えてたって……
気長に……何?
「私が死ねばあの護衛を連れてここを出られるとでも思ったか?そのなりでは二人で何処へ行こうともこの世に安住の地はあるまい。」
私を浅はかな奴だと嘲笑う。
えーと、えーと、護衛さん・王様襲撃・見に行った私・護衛さんの腕を取るを繋ぎあわせると……私が護衛さんのことを好きになって一緒にいたいから後宮で王様が襲われたと聞いて喜んで見に来ていた。そして、死んでない王様を見て、「王様がいなくなれば後宮も解散だから好きなあなたと一緒になれたはずなのに。死んでないじゃん!もう!あ、やっば、王様こっち見てる!戻りましょっ!」てな感じで護衛さんの腕を取ってたんだろ!お前は!ってこと?
……何?その四コマ漫画。
確かにここは後宮だから王様以外の男性に興味を持っちゃダメなのはわかるよ。護衛さんの顔を見ようと思っただけで侍女さんに怒られたし。
でも、これは全くの濡れ衣だ。王様の妄想だ。
つまり、私が邸宅から勝手に出たせいで護衛さんが責任取らされたんじゃなくて、王様の勝手な思い込みで罰せられたってことじゃない!?
何それ!そんな誤解、絶対に納得いかない。
ここの女性たちはそれでも仕方ないと思うのかも知れないけど、私はこの世界の人間じゃないもん!
「それは誤解です!私はただ……」
あ、ちょっと待って、こんな誤解をしているならあの護衛さん大丈夫なの!?
「……あの、護衛のひとは無事なのですか?」
ふと思い当たった護衛さんの安否が気になり思わず口にしてしまった。
しまった、と一瞬口元を抑えたが遅かった。
「まだ言うかッ!!」
イラついた程度の感情は見せていた王様がいきなり大声を上げ激昂した。
勢いで立ち上がった王様は美しい顔を歪め、憤怒の形相で私を見下す。黄金色の長い髪が顔に陰をつくり、エメラルド色の瞳が怒りでギラついている。
「お前などもう要らぬ!後宮に部屋を移せ!」
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