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遠くの真実
遠くの真実(2)
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着歴を見て、反射的に発信ボタンを押しかけて、息をのんだ。ダメ、ちがう。もうかけなくていい。今の私には義人がいるし、もう、彼には会っちゃいけない。
「仕事に集中しないと」
時間はまだお昼前、朝からとんでもない日ね。田邊修蔵の履歴を見る限り、該当するような相手はいない。問題のある会員ならすぐにわかるけど……古い会員ばかりだし、おかしい。本当に女性に貢いでたのかしら。それよりも、このマニュアルよ。これじゃあ、まるで詐欺グループの犯罪マニュアルだわ。パソコンのデータが消去されてる時点で、なにかあるって気がつくべきだった。
「あー、頭痛い! コーヒーでも飲みにいくか」
またスマホが震えて、一瞬ドキッとしたけど、相手は義人だった。
「もしもーし、なっちゃん、そろそろお昼かなーと思ったんだけど、電話大丈夫?」
彼の変わらない声を聞いて、思わず泣きそうになる。
「なっちゃん? どうした、なんかあった?」
すぐに気づいてくれるから、またね、私、あなたに甘えちゃうの。
「義人、会いたい。会いたいの」
「なっちゃん、俺も会いたい。すぐに会って、なっちゃんのこと抱きしめたい。くそっ、こんなときどこでもドアがあったらな!」
もう、そんなこと真面目に言うから、笑っちゃうじゃない。
「ううん、ごめん、大丈夫。ちょっと仕事でトラブっちゃって。義人の声聞いたら安心した」
「トラブル? そっか……やばいことなら俺がどうにかしてやるから、なんでも言えよ」
あなたの『やばいこと』は、ほんとにやばいことだから。
「それより、今どこにいるの? そろそろ鹿児島だっけ?」
「それがさ、昨日まで雨降ってたから、思った取材できなくて、ちょっと帰りのびそうだわ、ほんとごめん。でも、帰った方がよさそうだな、なっちゃんのこと心配だし……」
そうなんだ……でも、ダメ、義人はみんなの藤岡義人でもあるんだから。義人のこと、頼りにしてる人、いっぱいいるんだよね。
「大丈夫、気にしないで。仕事のトラブルなんて、慣れっこよ。これでも管理職10年やってるんだから」
「そっか……ごめんな。お詫びに、とっておきの写真送るよ」
「とっておき? なに?」
「楽しみにしてて、なっちゃん、絶対好きだと思う。あー、土産、なにがいい? 泡盛か、ソーキか……いや、両方だな、一緒に飲もうぜ」
また勝手に決めちゃうんだから。それがあなたの好きなところなんだけど。
「義人、私のこと、好き?」
「あたりまえじゃん、インスタにチューしてるとこあげたいくらいだよ」
「私も義人のこと好きよ。ほんとに、好き」
「ありがと。あー、ごめん、呼ばれたわ、一回切るね」
「うん、がんばって」
好きだー! と大声で言って、電話はきれた。周りの人に恥ずかしくないのかしら。すぐに写真が送られてきて、写っているのは、真っ青な空と海、カラフルなサンゴ礁、それに、プラネタリウムよりきれいな星空。
『次は一緒に見ような、なっちゃん、負けんな、俺がついてるからな!』
優しい彼。やだ、泣いちゃってる、私ったら。ちょっと息抜きするか、ランチでも食べに行こうかな。
「わぁ、び、びっくりした」
ドアを開けると、そこには城戸くんが立っていた。いつからいたんだろう、聞かれてたらめっちゃ恥ずかしい。
「すみません、ノックしようとしたんですが、お話し中だったようなので……これ、回収したマニュアルです」
いつになく神妙な顔つきで、城戸くんは書類を差し出した。
「こんなにあるの? まったく、だから売上上がらないのよ。ありがとう、助かったわ。いつも仕事がはやいわね」
「どこかお出かけですか」
「ううん、ランチに行こうかと思っただけ。ああ、そうだ、悪いんだけど、チーフに電話して、今日これないか聞いてくれない? 休日出勤扱いにするからって」
「わかりました……あの、店長、少しよろしいですか」
どうしたのかしら、これからのことが不安なのかな。そりゃそうよね、優秀だけど、まだ若いし経験もないんだもん。
「どうしたの、城戸くんらしくないわね、座って」
「これから、どうなるんですか」
「不安なのね。大丈夫、正直、こういうことはよくあることなの。私も何度も経験してるわ。悪いようにはしないから、安心して」
「そうじゃなくて、店長です。処分があるって、仰ってたので」
「まあね、それだけの報酬をもらってるんだもん、こういうときは責任をとらないと。そのためにも、迅速に解決して、お客様には理解してもらわないとね。この際だから、膿は出し切って、新しくやり直すいい機会よ」
「辞めませんよね」
「クビにならない限り、辞めないわ。でも、異動にはなるかも。せっかくみんな頑張ってくれてるのにね。城戸くんみたいな優秀なスタッフに会えて、ほんとに嬉しいのよ」
私はそう言って、彼に微笑んだ。元気づけのつもりだったけど、彼はうつむいたまま、手を震わせている。
「城戸くん? 大丈夫? ほんとにキミが心配するようなことにはしないから」
「ちがう、そうじゃないんです。店長……すみません、さっき、その、聞いてしまって……」
「あ、ああ、電話? 勤務中なのによくないわよね、気をつけるわ」
「……か、彼氏さんですか」
「ええ、まあ」
なに、この気まずい雰囲気。やだなあ。
「そうですか……そうですよね、やっぱり、そういう人、いますよね……」
「城戸くん、ごめん、あんまりプライベートなことは……」
「電話の相手は、藤岡義人ですよね」
「ち、ちがうわ、なに言ってるの、そんなわけないでしょ」
「名前、義人って聞こえました。前から気になってたんですよ、インスタにあがってる、恋人の持ち物の写真、店長と同じものがあります」
「そんなの偶然よ。誰でも持ってるもの」
「それに、時々つけてるピアス、あれ、藤岡義人がいつもつけてるやつですよね」
どうしよう、城戸くん、全部わかってるみたい……でも、彼に迷惑がかかったら……
「城戸くん、これ以上、話す義務はないわ。この話は終わりよ」
立ち上がろうとした私の手を、彼は強く握った。そして……
「店長、藤岡義人は、結婚してますよ」
え……嘘……そんなわけ……
「藤岡義人は、社会的には英雄ですが、女癖が悪いことでも有名です。手頃な相手を見つけて、そのまま部屋に転がりこんで生活してるとか。その相手も1人じゃない、何人もいるって噂です。一般人だけじゃなくて、女優とか有名人もいるって、聞いたことがあります」
吐き気がする、そんなこと、信じられない!
「店長、彼は恋人を演じてるだけです。早く離れたほうがいい、遊ばれて、捨てられる……」
「そんなわけないわ! 義人はそんな人じゃない!」
私は城戸くんの手を振りほどいて、叫んでいた。
「そんなの嘘よ、義人は……私を愛してくれてる!」
……愛して? 愛してるって、なに? けんちゃんも、そうだった。私のこと愛してるって……
目眩がして、ソファに崩れ落ちる。
「店長、大丈夫ですか!」
「ひとりにして」
「あの、僕……そんなつもりじゃ……」
「出てってって言ってるのよ!」
城戸くんは無言のまま、部屋を出て行った。嘘よね、義人、そんなの、嘘よね!
震える指で、彼のインスタを開く。ずっとずっと遡って、何年も何年も……画面にポタポタと涙が落ちて、流れていく画像は、滲んで何も見えない。
何を見ているの? 私は何を見たいの? 過去を見て何があるの? 知らない彼を知って、どうなるの? 信じられないの? 私……彼に救ってもらったのに、信じられないの?
涙を拭って、新規投稿のメッセージ。そこには、さらに日焼けした義人が笑っていて、耳にはあのピアスが光ってる。何枚か写真があったけど、私に送ってくれた写真はなかった。私だけ? あの写真は、私にだけ見せてくれたの?
『何回も来てるけど、やっぱり沖縄サイコー! でもひとりは寂しくなったわ。今度はカノジョ連れてきたいなあ。毎日がんばってるカノジョに、この海、みせてやりたい!』
義人……信じていいよね? 私、信じていいんだよね? ううん、信じる。信じるの、誰が何を言っても、私はあなたを信じてる。だって、私にはあなたしかいないから。
さあ、何してるの、今は仕事中、集中しなきゃ。涙を拭いて、メイクを直して。パソコンに向かえば何もかも忘れられる、今までもそうだったじゃない。痛みもつらさも、全部忘れたじゃない。
田邊修蔵のデータを確認していたら、内線が鳴った。
「城戸です、チーフ、今日は来れないそうです」
「そう、仕方ないわね。じゃあ、明日朝イチで店長室へ来るように伝えて」
「わかりました。……店長、大丈夫ですか」
「ええ、大丈夫よ。さっきはごめんなさい、取り乱して」
さてと、今日は遅くなるわね、こういう問題はできるだけ早くまとめないと。
「仕事に集中しないと」
時間はまだお昼前、朝からとんでもない日ね。田邊修蔵の履歴を見る限り、該当するような相手はいない。問題のある会員ならすぐにわかるけど……古い会員ばかりだし、おかしい。本当に女性に貢いでたのかしら。それよりも、このマニュアルよ。これじゃあ、まるで詐欺グループの犯罪マニュアルだわ。パソコンのデータが消去されてる時点で、なにかあるって気がつくべきだった。
「あー、頭痛い! コーヒーでも飲みにいくか」
またスマホが震えて、一瞬ドキッとしたけど、相手は義人だった。
「もしもーし、なっちゃん、そろそろお昼かなーと思ったんだけど、電話大丈夫?」
彼の変わらない声を聞いて、思わず泣きそうになる。
「なっちゃん? どうした、なんかあった?」
すぐに気づいてくれるから、またね、私、あなたに甘えちゃうの。
「義人、会いたい。会いたいの」
「なっちゃん、俺も会いたい。すぐに会って、なっちゃんのこと抱きしめたい。くそっ、こんなときどこでもドアがあったらな!」
もう、そんなこと真面目に言うから、笑っちゃうじゃない。
「ううん、ごめん、大丈夫。ちょっと仕事でトラブっちゃって。義人の声聞いたら安心した」
「トラブル? そっか……やばいことなら俺がどうにかしてやるから、なんでも言えよ」
あなたの『やばいこと』は、ほんとにやばいことだから。
「それより、今どこにいるの? そろそろ鹿児島だっけ?」
「それがさ、昨日まで雨降ってたから、思った取材できなくて、ちょっと帰りのびそうだわ、ほんとごめん。でも、帰った方がよさそうだな、なっちゃんのこと心配だし……」
そうなんだ……でも、ダメ、義人はみんなの藤岡義人でもあるんだから。義人のこと、頼りにしてる人、いっぱいいるんだよね。
「大丈夫、気にしないで。仕事のトラブルなんて、慣れっこよ。これでも管理職10年やってるんだから」
「そっか……ごめんな。お詫びに、とっておきの写真送るよ」
「とっておき? なに?」
「楽しみにしてて、なっちゃん、絶対好きだと思う。あー、土産、なにがいい? 泡盛か、ソーキか……いや、両方だな、一緒に飲もうぜ」
また勝手に決めちゃうんだから。それがあなたの好きなところなんだけど。
「義人、私のこと、好き?」
「あたりまえじゃん、インスタにチューしてるとこあげたいくらいだよ」
「私も義人のこと好きよ。ほんとに、好き」
「ありがと。あー、ごめん、呼ばれたわ、一回切るね」
「うん、がんばって」
好きだー! と大声で言って、電話はきれた。周りの人に恥ずかしくないのかしら。すぐに写真が送られてきて、写っているのは、真っ青な空と海、カラフルなサンゴ礁、それに、プラネタリウムよりきれいな星空。
『次は一緒に見ような、なっちゃん、負けんな、俺がついてるからな!』
優しい彼。やだ、泣いちゃってる、私ったら。ちょっと息抜きするか、ランチでも食べに行こうかな。
「わぁ、び、びっくりした」
ドアを開けると、そこには城戸くんが立っていた。いつからいたんだろう、聞かれてたらめっちゃ恥ずかしい。
「すみません、ノックしようとしたんですが、お話し中だったようなので……これ、回収したマニュアルです」
いつになく神妙な顔つきで、城戸くんは書類を差し出した。
「こんなにあるの? まったく、だから売上上がらないのよ。ありがとう、助かったわ。いつも仕事がはやいわね」
「どこかお出かけですか」
「ううん、ランチに行こうかと思っただけ。ああ、そうだ、悪いんだけど、チーフに電話して、今日これないか聞いてくれない? 休日出勤扱いにするからって」
「わかりました……あの、店長、少しよろしいですか」
どうしたのかしら、これからのことが不安なのかな。そりゃそうよね、優秀だけど、まだ若いし経験もないんだもん。
「どうしたの、城戸くんらしくないわね、座って」
「これから、どうなるんですか」
「不安なのね。大丈夫、正直、こういうことはよくあることなの。私も何度も経験してるわ。悪いようにはしないから、安心して」
「そうじゃなくて、店長です。処分があるって、仰ってたので」
「まあね、それだけの報酬をもらってるんだもん、こういうときは責任をとらないと。そのためにも、迅速に解決して、お客様には理解してもらわないとね。この際だから、膿は出し切って、新しくやり直すいい機会よ」
「辞めませんよね」
「クビにならない限り、辞めないわ。でも、異動にはなるかも。せっかくみんな頑張ってくれてるのにね。城戸くんみたいな優秀なスタッフに会えて、ほんとに嬉しいのよ」
私はそう言って、彼に微笑んだ。元気づけのつもりだったけど、彼はうつむいたまま、手を震わせている。
「城戸くん? 大丈夫? ほんとにキミが心配するようなことにはしないから」
「ちがう、そうじゃないんです。店長……すみません、さっき、その、聞いてしまって……」
「あ、ああ、電話? 勤務中なのによくないわよね、気をつけるわ」
「……か、彼氏さんですか」
「ええ、まあ」
なに、この気まずい雰囲気。やだなあ。
「そうですか……そうですよね、やっぱり、そういう人、いますよね……」
「城戸くん、ごめん、あんまりプライベートなことは……」
「電話の相手は、藤岡義人ですよね」
「ち、ちがうわ、なに言ってるの、そんなわけないでしょ」
「名前、義人って聞こえました。前から気になってたんですよ、インスタにあがってる、恋人の持ち物の写真、店長と同じものがあります」
「そんなの偶然よ。誰でも持ってるもの」
「それに、時々つけてるピアス、あれ、藤岡義人がいつもつけてるやつですよね」
どうしよう、城戸くん、全部わかってるみたい……でも、彼に迷惑がかかったら……
「城戸くん、これ以上、話す義務はないわ。この話は終わりよ」
立ち上がろうとした私の手を、彼は強く握った。そして……
「店長、藤岡義人は、結婚してますよ」
え……嘘……そんなわけ……
「藤岡義人は、社会的には英雄ですが、女癖が悪いことでも有名です。手頃な相手を見つけて、そのまま部屋に転がりこんで生活してるとか。その相手も1人じゃない、何人もいるって噂です。一般人だけじゃなくて、女優とか有名人もいるって、聞いたことがあります」
吐き気がする、そんなこと、信じられない!
「店長、彼は恋人を演じてるだけです。早く離れたほうがいい、遊ばれて、捨てられる……」
「そんなわけないわ! 義人はそんな人じゃない!」
私は城戸くんの手を振りほどいて、叫んでいた。
「そんなの嘘よ、義人は……私を愛してくれてる!」
……愛して? 愛してるって、なに? けんちゃんも、そうだった。私のこと愛してるって……
目眩がして、ソファに崩れ落ちる。
「店長、大丈夫ですか!」
「ひとりにして」
「あの、僕……そんなつもりじゃ……」
「出てってって言ってるのよ!」
城戸くんは無言のまま、部屋を出て行った。嘘よね、義人、そんなの、嘘よね!
震える指で、彼のインスタを開く。ずっとずっと遡って、何年も何年も……画面にポタポタと涙が落ちて、流れていく画像は、滲んで何も見えない。
何を見ているの? 私は何を見たいの? 過去を見て何があるの? 知らない彼を知って、どうなるの? 信じられないの? 私……彼に救ってもらったのに、信じられないの?
涙を拭って、新規投稿のメッセージ。そこには、さらに日焼けした義人が笑っていて、耳にはあのピアスが光ってる。何枚か写真があったけど、私に送ってくれた写真はなかった。私だけ? あの写真は、私にだけ見せてくれたの?
『何回も来てるけど、やっぱり沖縄サイコー! でもひとりは寂しくなったわ。今度はカノジョ連れてきたいなあ。毎日がんばってるカノジョに、この海、みせてやりたい!』
義人……信じていいよね? 私、信じていいんだよね? ううん、信じる。信じるの、誰が何を言っても、私はあなたを信じてる。だって、私にはあなたしかいないから。
さあ、何してるの、今は仕事中、集中しなきゃ。涙を拭いて、メイクを直して。パソコンに向かえば何もかも忘れられる、今までもそうだったじゃない。痛みもつらさも、全部忘れたじゃない。
田邊修蔵のデータを確認していたら、内線が鳴った。
「城戸です、チーフ、今日は来れないそうです」
「そう、仕方ないわね。じゃあ、明日朝イチで店長室へ来るように伝えて」
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