マギアメイデン・マルアーク

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16日目 海の交わり、始まり

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(私は……一体?)
 マルアークはナメクジに呑まれてから、どのくらい経ったのかぼんやりと考えた。真っ暗で何も見えない。狭い空間に身体を折って閉じ込められている。腰の辺りまで生暖かい粘液に浸っている。
「ぅ……はぁ、はぁ」
 濡れた淫核はひくひくと震える。どうもこの粘液には催淫作用があるらしい。さらに気化した分にも同様の効果があるのか、呼吸をする度に体内が熱く燃え上がる。
「な、なんとかしないと……」
 脱出を試みたいが、身体が動かない。このままどうなるのか、マルアークは頭がぼんやりとする中解決策を探ろうとした。

   @

「海だ、初めて来るかも……」
 陽大とデリンジャーは夏らしいことをしようと、他のマギアメイデンの恋人も誘って海までやってきた。家庭環境の関係から、海水浴はおろかアウトドアそのものに縁が無かったので海に来るのは初めてだ。
 ナメクジに呑まれ、肉体を改造されているマルアークが全て終わって目覚めるまで時間がある。その間にこちらの謀略も進めようというのだ。
「着替えるからちょっと外出ててね。はい、エアコン効いてても水分は必要だから」
 デリンジャーは彼にペットボトルに入った飲み物を渡す。陽大達は一切疑っていないが、キャップはリングが切れておらず未開封であることを示していた。だが、これには細工が施されている。
(ズルはしてないわよ? 媚薬じゃなくて、精液の製造を促進するお薬だもの)
 あくまで催眠や媚薬の類で惑わすのではなく、自ら陽大達が恋人を裏切って自分を求める状況を彼女は望んでいる。彼もマルアークの痴態を見てからというものの、必死に我慢こそしているが、それも限界だろうと踏んでいる。
「あ……、別に覗いても、いいんだよ?」
 トドメとばかりに、上目遣いで彼らを見つめるデリンジャー。彼らは生唾を飲みながらも目線を反らし、車を降りた。そんなみんなにデリンジャーはくすりと微笑みかける。
 基本、真面目で品行方正な青少年の集まりであるマギアメイデン。しかしその皮を一枚剥けば性欲を滾らせた、繁殖適齢期の動物。タガを外してやれば誘惑は容易だ。特に恋人であるマギアメイデン達の行方が分からない、という精神的な不安があるなら尚更。
 デリンジャーはバンのシートを倒し、広い空間を作って着替えを始めた。運転席に脱いだサンダルを置き、座席に乗って着替えを始める。
「ふぅん、どの水着にしようかな」
 複数持って来たが、最初の一つは悩む。ナイトプールにも行く予定なので、似た様なのでは飽きられてしまう。インディラ相手なら自分が着たいものを着ればいいのだが、恋愛経験皆無のデリンジャーにとっては苦しいところだ。
「うーん、ビキニ……はありきたり。競水はマニアック過ぎね……」
 同じビキニでもバリエーションがある、というのがデリンジャーを悩ませた。スク水すら用意出来ずプールの授業を受けられなかった彼女にはこんな種類があること自体最近知った驚きの事実なのだから。
「ふぅ、参ったわね。相手の好みなんて考えたことなかったから」
 インディラは自分がデリンジャーである、という事実、自身の為に彼女が思考を凝らしてくれたことそのものに悦びを感じる男であった。インディラ以外の男と添い遂げる気など一切ないので今後もそんなことを考える必要がないのでいいとして、今ばかりはどうにかしないといけない。
「あら? 忘れ物?」
 その時、車の後部座席の扉が開けられる。そこには水着に着替えた一人の男が立っている。その股間のイチモツは、すっかり怒張していた。
 彼はマルアークの仲間、アルヴィーの彼氏で大学生。車を運転してきたのも彼だ。
「ああ、それじゃあ外行けないね……」
 どれが似合うか水着を宛がって悩むデリンジャーの姿に、その妖艶な様を想像して股間はピクリとさらに大きさを増す。
「こっち来て、抜いてあげる」
 彼女が手招きすると、彼は車に乗り込んできた。デリンジャーが近くのドアに付いているコンソールを操作すると扉が閉まり、鍵まで掛かった。
「んしょ……だいぶ溜まってるね」
 デリンジャーが膝立ちで成すがままにされる男の水着を降ろすと、反り立つ肉棒が彼女の目の前に現れた。インディラとは比べるべくもないが、同年代の人間としてはまぁ大きい方だ。
「その……なんかごめん」
「ううん、私の方こそ」
 彼女は関係者の自宅に出入りしており、手がかりを見つける為と称して置いてきたことにしている魔法のアイテムで様子を調べるフリをし、それぞれ恋人関係の魔法少女の痴態を事故に見せかけて見せつけている。それももちろん彼女の策略であったが。その結果、操を立てる義理が揺らいだ男達はデリンジャーの甘言に惑わされやすくなっていた。
「言ったら抜いて上げるから、あん……」
 先端を吸い、わざと優しく歯を立てて不慣れな様を演出する。その実、舌は丹念に亀頭を刺激しており口の中で肉棒は膨らんでいく。
「ん、じゅぶ……じゅぶ……」
 いやらしく音を立ててしゃぶりつき、髪をかき上げて耳にかける。肉棒全体を扱く様に頭を動かして刺激すると、口の中に先走りの苦味が広がる。インディラや影の者達に鍛えられたデリンジャーの性技は歳不相応の熟達を見せており、性交の経験が薄い者には耐えることなど出来なかった。
「ん……すごい匂い……。ごめんね、あんなもの見せちゃって。私がもう少し気を付けてれば……」
 自分の恋人が犯されるシーンを想起させる様に、彼女は囁く。デリンジャーもさすがに自分がこの全員を魅了できるとは思い上がっていない。真に愛する者の姿を重ねさせることで、快感と自分の存在をじっくり刷り込んでいく。
 長らく抜いておらず溜まった精液が肉棒を一気に駆け上がる。恋人の安否も分からないまま、その友人に処理をさせている背徳感が興奮を煽る。デリンジャーの口内は熱を帯びており、舌と頬が独立した動きでイチモツを搾り上げる。
「う……射精るッ!」
 このままでは口の中に出してしまう。男は抜こうとしたが、デリンジャーが腰を掴んで離さない。そのまま爆ぜてしまったが、彼女は目を伏せて優しげな顔で精液を呑み込んだ。
「ん、く……」
 ちゅぅ、と尿道に残った分も吸いこみ、皮の隙間も舌で舐めとって綺麗にする。
「はっ……」
 口を放しても、まだ肉棒は勃起を保っている。それを見たデリンジャーはくすりと微笑み、シートに寝そべった。
「まだ元気そう。こっち使っていいよ?」
 するするとTシャツを捲り上げ、下着を見せる。胸も大きくなく、派手なものを身に着けているわけではない。なんなら庇ってくれる礼と称して床を共にすることで、裸などとっくに見せている。それでも、性欲が最も旺盛になる時期の男はこの色香に抗えない。
 特に彼らの様な、下手にガス抜きの方法さえ教えない厳格な環境で育った者は。
「そ、そうだ……ゴムを……」
「今日、大丈夫な日なの。ナマで……して?」
 男は避妊具を探そうとするが、デリンジャーが潤んだ瞳で訴えるとすぐにやめてしまう。避妊はポーズに過ぎない。赦しがあれば、快楽を優先してしまう。
「んしょ……、脱がせたい?」
 ホットパンツに手をかけるデリンジャーだが、男の視線を感じて誘いをかける。彼は恐る恐る手を伸ばし、彼女の服を脱がせる。
「あ、そんなに硬くならないで。繊細な服じゃないから」
 彼はホットパンツを下着ごと降ろす。デリンジャーも腰を浮かせてそれを手伝った。蜜が糸を引き、むき出しの淫唇はひくひくと震えながら挿入される時を待っていた。
「ん、やっ……濡れちゃってた。恥ずかしい……」
 捲ったTシャツで顔をわずかに隠すデリンジャー。人間の男相手に何の感情もないが、こういう分かりやすい反応に引っ掛かってくれると愉快だろうと演じてみせる。
「あ、おっぱい……好きね。自信ないのだけど」
 男はブラをめくり、デリンジャーの乳房を露わにして揉みしだく。
「あんっ……」
 サイズが控えめなせいか、あまり乱暴に揉みしだかれると肌が突っ張って快感よりも痛みが先行してしまう。多少顔がいいとはいえ所詮は性に目覚めたばかりの子供。かつて寂しさを埋めるために付き合っていた男子とあまり変わらない。
(ふふ、こんなのの為に頑張ってるなんて……愚かね)
 だが、違うのは彼がアルヴィーの男という点。彼女はこんな男に操を捧げようと、心までは穢されまいと必死だった。しかし結果は心を砕かれ、人形使いの傑作を作る素材となった。心は時折戻ることがあるそうなので、その時に記録したこの様子を見せたらどうなるか楽しみだ。
「ふぁっ……そんなにがっつかなくても、逃げないよ?」
 男はデリンジャーの股を開き、身体をねじ込んで肉棒を宛がう。そして、不慣れな様子で必死に挿入しようとしていた。
「う、あっ……」
 乱暴に肉棒を突っ込まれるが、もっと大きなモノに慣れており秘部も濡れているおかげかすんなり入った。
「挿入って……くるっ……カリのとこ引っ掛かって、気持ちっ……」
 マルアークは腰を浮かせて身をよじり、快感に悶えてみせる。もちろん、多少は気持ちいいが本心ではない。腹に力を入れるとイチモツが搾りあげられ、男は堪らず一心不乱に腰を叩きつける。
「あ、ぁっ! お汁、じゃぶじゃぶって……シート汚しちゃうっ!」
 インディラとする時はもっと蜜が溢れるのだが、どうせ分かるまいと口で言ってそう思い込ませる。
「赤ちゃんの部屋、降りてきてるっ! 奥ズボズボ当たってぇ……」
 もちろん子宮など降りてきていないし、奥に当たるほど男のモノは立派ではない。だがデリンジャーが湿った声でそう言えば、男は信じ込んだ。自分か彼女を喜ばせているのだと。この肉棒で虜にしていると。
「吸い付いちゃって……チンチン、離したくないみたい……」
 車が軋んで揺れるほど、男は腰をデリンジャーにぶつける。切なそうな表情を見せる彼女に我慢が出来なくなり、男は唇を近づけた。だが、デリンジャーに指で止められる。
「だ、だめっ、ん、あんっ……」
 彼女は本心で慌てていた。この男達に唇まで許す気はない。
(思い上がんないでよね……)
「それは……アルヴィーだけの……ひゃ、う……」
 男は顔を離したが、腰の動きは止まることがなかった。僅かながら肉棒が膨らみ、びくびく震えて射精の時を迎えそうなのが分かった。
「ふふっ、中でおっきくなって……射精そう? キスはダメだけど、赤ちゃんの素は受け止めてあげ……は、ああぁんっ!」
我慢が効かず、男はすぐに射精してしまう。腰から身体の中身を全て搾り取られる様な射精に、男はチンポをねじ込みながらデリンジャーに抱き着いて快楽を表現した。
「すごっ……本当に孕んじゃうかも……」
 男自身も信じられないほど長い射精だった。二人の繋がった隙間から白濁が溢れてシートにシミを作るほどの量がデリンジャーに注がれる。しばらく放心してデリンジャーを抱いていた男に彼女は耳元で囁く。
「早く戻らないと、私とシてるのバレちゃうよ?」
 それを聞いた彼は我に返り、水着を穿いてそそくさとバンを出ようとした。
「でも気持ちよかったし、またしようね」
 去り際にデリンジャーは目配せしながら微笑んだ。男が去ってからしばらくしてから、彼女は呼吸を整え、起き上がって準備を再開する。
「さて、何人『堕ちる』かな。もう堕ちている様なものだけど」
 彼女はお腹をさすり、舌なめずりする。この海は水中ではなく岸にサメがいる様なものだ。
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